『アケボノゾウの群れ』制作プロセス 3
少し間が空いてしまったが、『アケボノゾウの群れ』制作プロセス完結編。
学生と一緒の制作ということもあって、こんな遊びも同時にやっていた。
ちょうど制作をしていたスペースの入り口のところに、公開制作の広報としてポスターをつくって掲示していた。春休みだったこともあり、それほど学生の見学はなかったが、熱心に見に来る何人かの学生もいて、制作現場は毎日慌ただしかったのをよく覚えている。
メインのアケボノゾウがほぼできあがってきた。
奥のアケボノゾウはまだまだこれからである。
ゾウの肌を表現するために、かなり極端にアクリルメディウムでテクスチャーをつけている。
展示も意識した公開制作スペース。
主役であるアケボノゾウは、ほぼ完成まで進んできたが、この後、重大な間違いが見つかる事になる。
化石標本の写真と比較したところ、奥のアケボノゾウの牙の角度が、大幅に間違っている事に気がついたのである。
どれほど完成に近づいていても、修正すべきものは修正しなくてはならない。
さらに奥のアケボノゾウにまで影響が出る。
牙の修正完了。ようやく背景へと筆を進めていく事ができる。
眼のディテール。少し写真がピンぼけ。
完成。ほぼ1年にわたるプロジェクトだったが、実際に制作に費やせた期間は3週間ほどだった。骨格標本の組み立てを待って進めた事もあり、大幅にスケジュールが後ろへずれ込んでしまった。ただ、復元画の制作には、どうしてもこれぐらいの時間はかかってしまう。復元画のようなものでよいのか、復元画が必要なのか、で時間もコストも大きく変わってしまうのである。