2015年05月16日 12:19
2015年8月、予定していた博物ふぇすてぃばる!に出展出来なくなったため、新たな場所を求めて小さいイベントを企画しました。まだ詳細を詰めなくてはいけないですが、現状、決まっていることをお知らせします。
イベントタイトル『神保町ヴンダーカンマー』(仮称)
日時 2015年8月8日(土) 11:00〜20:00
8月9日(日) 12:00〜17:00
場所
奥野かるた店 2階ギャラリー 101-0051 東京都千代田区神田神保町2-26
Wikipediaには『驚異の部屋(きょういのへや)は、15世紀から18世紀にかけてヨーロッパで作られていた、様々な珍品を集めた博物陳列室である。』とあります。博物館が出来る前、貴族や文人、学者などが、自分の興味のままに珍しい自然物や人工物、模造された架空の動物の一部などの珍品を集めた部屋が数多く作られました。博物学が発展する前の、ごく個人的に作られた、系統だっていないコレクションではありましたが、人間の持つ純粋な興味、収集欲を満たし、かつ美しく陳列された空間は今でも十分に魅力的です。
そんなヴンダーカンマーに現代の私たちがどれだけ近づけるか?そして、収集という形ではなく、グッズ製作、表現などをとおしてどれだけ楽しい空間を作ることが出来るか?歴史ある「奥野かるた店」という会場を使って「驚異の部屋」と呼べるような空間を実現できるか?
博物学として整理される以前の、ただ美しいから、ただ珍しいから、ただ面白いから、そんな人間の興味だけを反映したコレクション、グッズ、表現物、そして、今だから出来る学術的なアプローチが混在する雑多なイベントにすることを目指します。また、参加者の秘蔵コレクションの展示、制作物の展示及び販売を通して、
神保町から新たなヴンダーカンマーの提案を始める、第一歩としたいと考えています。
2015年04月26日 23:48
今日は朝から
琵琶湖博物館へ、微生物の観察とスケッチに学生たちと行ってきた。
琵琶湖博物館リニューアルに伴うプロジェクトの一環で、主に琵琶湖の微生物を展示する「マイクロアクアリウム」の常設展示を、
成安造形大学の学生とともに作っていくというものである。その手始めとして、学生、担当教員ともに、採集から観察、スケッチまでを経験するという初回授業だった。
よく晴れた空の下、烏丸半島を湖岸へ向かう。正面に見えているのは比叡山だ。ここからの景色はとても美しい。
採集にはこのプランクトンネット使う。この採集器の形を見るだけで萌える。メカニカルな機構を持った道具というのは、なぜこれほどに惹かれるものがあるのだろう。
投網の要領で使うのだが、担当学芸員による見事な模範演技。ロープがしっかり伸びきり着水することで、より多くの微生物を採集するチャンスが増えることになる。この後、学生たちの投げ方や所作を観察していると、いかに多くの学生が話を全く聞いていなかったかがよく分かった。真似しないと何事も上手くならないのだけどなあ。
博物館に帰った後は、実体顕微鏡と生物顕微鏡を使った観察会。ミクロの世界の豊穣さ、様々な生物の形の多様性には、学生たちも関心を示し、歓声を上げて楽しんでいた。
琵琶湖のプランクトンでは最大種であるノロ(Leptodora kindtii)をスケッチ。
これがノロの眼球。顕微鏡では平面的に見えているが、実際には球体である。花びらのように見えている部分は透明の管状のもので、中心の黒い部分を放射状に覆っている。
ノロの全貌。この時期はまだ5mmほどだが、最大で10mmほどに成長する。
今回のプロジェクトは3人の担当教員がついており、僕が壁画、他の2名はそれぞれオブジェとレリーフ、シアター用の椅子を担当する。できる限り、学生にフィニッシュワークまでやってほしいので、僕はできる限り手を動かさないつもりである。知識的には僕もまったく白紙に近いので、学生たちと一緒に勉強しながら進めていきたい。