2018年04月01日 00:00
3月31日に10年勤めた成安造形大学を退職して、4月1日から大作家芸術大学、もとい、大阪芸術大学に移ることになりました。准教授として美術解剖学を中心に授業と研究を進めていきます。
10年一区切りでもあるし、特任としての任期もあり、大阪芸術大学からの、ぜひ、美術解剖学の講座を持って欲しいという声に応える形での移籍となりました。これまではイラストレーション領域という枠の中での授業でしたが、これからは様々なコースに美術解剖学の授業を供給していくことになりなす。それぞれのコースで要求される知識やスキルの違いもありますが、基本としておさえていく部分を中心に、コース別にアレンジした内容が作れればと考えています。
通年での開講となるため、じっくりとしたカリキュラムが組めます。いままで駆け足だった部分を、より学生が学びやすいよう工夫していきたいと考えています。
所属は専門教養課程となり、実技系のコースには所属しません。
研究室は9号棟612号室になります。キャンバス内で見かけたら、気軽に声をかけてください。
これからは、大阪芸術大学の小田隆をよろしくお願いいたします。
成安造形大学では週1回、非常勤講師として人体表現と美術解剖学の授業を担当します。
2018年4月1日
2018年03月31日 15:32
個人作品として制作したものが多かったにもかかわらず、個展のタイトルに「Illustration」とあるのはなぜか、と疑問に思われた方が多かったかもしれない。僕自身、プロフィールでは画家、イラストレーターと表記しているが、ここ最近、その境界はだんだん曖昧になってきている。大雑把には、依頼があったものをイラストレーション、自発的に描いたものを絵画作品と考えていたのだが、今となってはジャンルを分けることにほとんど意味がないと考えている。
チラシにも表記されていた、プロデューサーであるI氏のコメントで、このようにIllustrationを定義してもらっている。
「Illustration(イラストレーション)という言葉には「照らす」「明るくする」を意味するラテン語lustrare(英語illuminate「照らす」と同一語源)があります。
今回は、小田氏の表現する生物の痕跡に光をあてて制作してきた作品群を総称し、Illustration(イラストレーション)という言葉で表現しました。」
美術史の上でも、19世紀末までの依頼主の存在する絵画は全てIllustration(イラストレーション)ということもできるし、印象派以降にも同じ作家の中に、依頼で描いたもの、自発的に描いたものが混在する。自発的に描いたものが、商業的に使われることもあるので、本当に自分のなかでは分けることが不可能になってしまっているのである。ただ、昨今の極めて狭い意味でのイラストレーションとして見られることは避けたかったので、タイトルをIllustrationと英語表記にしてもらったという経緯があった。
こちらはネコのシリーズ。以前はネコの肖像画を依頼を受けてよく描いていた。最大で9頭を120号で制作したこともある。
絵本『アパトサウルス』(ポプラ社)の中から一部の原画を展示。アパトサウルスはもっとも好きな恐竜の一つで、ディプロドクスに比べてマッシブなところが好きだ。複雑な形態の頚椎も美しい。
豊橋市自然史博物館の新生代コーナーから2点。『鯨偶蹄目の進化』と『人類の進化』。後になってがついたのが、『鯨偶蹄目の進化』に鰭脚目のアロデスムスが入っていたこと。アロデスムスは鯨の仲間ではなく、アシカやオットセイの仲間です。
左は『情熱大陸』のCDに同封されたポスターの原画。デザイナーの佐藤卓氏から直接依頼を受けて、2008年に発売されたものである。まだ
入手可能のよう。右は2009年に油彩の制作を再開した時に描いた、天使をモチーフにした1枚。
現在、執筆中の美術解剖学本の原画も見てもらえるようにファイリングして展示した。
これまでに出版された一部の書籍。手にとって自由に見てもらうことができた。
ちょうど個展の最終日が、系統樹マンダラのクラウドファンディングの募集最終日と重なっていたため、系統樹マンダラの原画とポスターの展示にも力をいれていた。
原画は全点あったのだが、とても展示するスペースがなく、ほんの一部を展示するにとどまった。将来的には、どこかで全点数を展示したいと考えている。
クラウドファンディングはおかげさまで、みなさまの支援の結果、実現できることとなり、これから45点カメを描かなくてはならないのである。
24、25日の2日間を使ってライブドローイングを行った。お題は『ケンタウロス』。画材はいつものプロッキー。
完成画像とディテール。いつも、もう少し線と描きこみをへらせればなあと思っている。今回はきちんとスケッチを作らずに始めたので、いきあたりばったりな部分も多かったかもしれない。
最後に原寸大のシリーズを再び掲載。これからの数年、もっとも重要なシリーズになると考えている。次に何を描くかをまだ決めていないが、大きなものだけでなく、比較的小さな動物を描いていきたいと思っている。哺乳類だけに限っているわけではなく、現生種、化石種含めて、対象になる動物は膨大だ。ただし、僕自身が骨格を理解できているもの、取材できて良質な資料が揃うもの、というのは大前提ではある。
これだけの個展を開催することは、当分の間は難しい。原画は実際に見てらもらわないことには、本当の魅力は伝わらない。絵画のひとつの役割として、展示された空間に影響を及ぼす存在であることが、重要だと僕は考えている。それは印刷物には難しい。イメージだけが情報化されたものと、物質としてそこに存在するものの差は、思っている以上に大きい。
南港という場所であったにもかかわらず、1200名を超える方にご来場いただけた。しかし、この数はまだまだ少ない。もっと多くの人にみて欲しかった。
次の展示の機会がいつになるかわからないが、今回を超えるものにしなくてはと思っている。
2018年03月29日 11:23
先日まで開催していた『小田 隆 驚異のIllustration』展の会場の様子を紹介したい。
今回の展示はこの10年ほどで制作した作品が中心になっており、油彩の制作を再開した時期ともほぼ重なる。また、成安造形大学の教員となってから10年ということもあり、それまでのフリーランスのときとは一線を画した制作数、制作内容となっている。フルタイムで絵を描けない苦しさもあったが、人体描写の授業を担当することで得られた美術解剖学の知識やスキルは、今ではかけがえのないものとなっている。
展示場所となった
大阪デザイン振興プラザの
デザインギャラリーは、363㎡と巨大な空間だったが、持ち込んだ作品の一部を展示することができなかった。動物の原寸大の油彩シリーズ、ウマ、インドサイ、ライオンを展示することができたのが、この展覧会の大きな意義の一つであった。
廊下を歩いてくると正面には、広々としたエントランスから見えるインドサイが出迎えてくれる。これを目当てに訪れたお客さんも多かったと思うので、もっとも目立つ位置に展示をした。
制作順はウマが最初で、ライオン、インドサイの順番となる。ウマは260 x 324cm。ライオンは162 x 260cm。インドサイは194 x 390cm。すべてほぼ原寸大で描いたものである。まだ3点しかないが、将来的には10点以上揃えて並べてみたいと考えている。
入口入って左手からは頭骨のシリーズがずらりと並ぶ。ヤギ、スミロドン、ライオン、キリン、イノシシ、カバ、ゴリラアスラ、頭骨シリーズではないが、アジアゾウの死産胎子。
原寸大シリーズの右手には、ゴリラ、翼を持った手や八咫烏、ウマ、トラ、ヒト、ビーバー、ワニガメなどが並ぶ。手前の棚はグッズコーナーで、広々と陳列することができた。
今回、僕が原寸大シリーズとともに目玉として展示に力をいれたのが、人体のデッサンとクロッキーを並べることだった。
クロッキーの総数は約7000枚。10年分のスケッチブックを全て並べて、手にとって1枚ずつ見られるように展示した。
デッサンは残念ながらほんの一部しか展示することができなかった。
展示タイトルの冠に「日本を代表する古生物復元画家」とあったのだけど、この10年はそれほど復元画の仕事はしていなかった。豊橋や丹波といった重要で大きな案件も中にはあったが、全体としては復元画の依頼は減ってきていた。
ここで紹介している作品も2006、2007年と比較的古いものが中心である。
こちらの壁は2008年以降と新しいが、さほど数は多くない。
まだ紹介しきれていない作品も多く、展覧会についてもあまり説明できていないので、続きをまた書こうと思う。(続く)
2017年06月25日 23:04
今週末の土日に開講した『
小田隆とHiroの美術解剖学講座』の開講報告を。
始まる直前まで集客には苦労して、定員満員御礼とはいかなかったが、前回同様、熱心な参加者が集まり充実した講座となった。
前回は「体幹」と「上肢」だったが、今回は「上肢」の続きと「下肢」をとりあげて、連続で受けた受講者は全身を網羅できる内容となっている。リピーターの参加者が10名にも満たなかったのは残念だが、初めての人たちに新たにこの講座を知ってもらうことができたのはよかった。
モデルは
Hiroさんとまなみさん。この講座では男女のモデルを同時に観察することで、性差についても解説し、参加者もその違いを理解することができる。
2日にわたる講座だが、どちらも午前中は座学を行う。座学といっても一方的にスライドなどを見せることはなく、オリジナルの骨格図とトレーシングペーパーを使って、深層から表層までの筋肉を段階的にスケッチしていく。これは成安造形大学で実際に使っている教材と手法である。
スライドと参考書だけではわかりづらい部分を、補足的にその場でライブドローイングしていく。また生きた教材であるHiroさんがいることで、すぐにその場で実際の筋肉や骨格を確認することができる。
上質紙にマーカー。前腕は特に複雑な部分が多いため、上下に分けて描いている。少し斜めの角度から描くことで、前鋸筋の回り込みや、広背筋との関係を解説しようとしている。
前から見た体幹と上肢。
下肢の前後。
質問に答える形で、足の美術解剖学的特徴を解説しているところ。
午後からはモデルの体を使った解説とクロッキーが中心となる。Hiroさんが自身の肉体を使った筋肉の詳細な解説は、唯一無二の精緻さとわかりやすさである。
また、積極的に参加者にはモデルの体を触ってもらい、見るだけでなく筋肉の触覚的な特徴も実感し、より深く理解することができる。
参加者と一緒に描いたクロッキー。10分。
男女の下肢の特徴を描き分けたクロッキー。10分ずつ。
これはデモンストレーションをして描いたもので、どうしてこの線を引いたのか、どこを描こうとしているのか、どこにその骨格や筋肉があるのか、といったことを解説しながらデモンストレーションしたもの。15分。でもあまりよいできではないなあ。
参加者の質問に答えるためにスケッチした1枚。真横からみた人物の肩をどう描くか?という内容である。
急遽、作品を展示をすることになって、旧作ばかりだけど7月2日まで展示しています。
お近くの方、時間のある方、ギャラリーカフェキリンでご覧いただけると幸いです。ほんの少しですがTシャツの販売もしています。
参加者の皆さま、長時間にわたる講座、お疲れ様でした。モデルのHiroさんにはいつも頭がさがります。まなみさんもおつきあいいただきありがとうございました。
次回の開催は未定ですが、より充実した内容を提供できるよう、工夫していきたいと考えています。
2017年06月08日 10:34
今年の4月から、本格的に外部向けの美術解剖学講座を、美術解剖学モデルHiro氏とともに開講することになりました。大学で行っている講義がベースになっていますが、よりプロ向けで実践的な内容と密度ある講座を目指します。
ぜひ、多くの方に受講いただければと思います。(定員20名)
初回では体幹と上肢の一部、2回目で上肢の残りの部分と下肢を扱います。合計4日間で全身の美術解剖学の講義を行います。
チラシのテキスト内容
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小田隆とHiroの美術解剖学講座
2017年6月24日(土)、25日(日)
『上肢2・下肢』
10:00〜11:50 座学
13:00〜17:00 実技
住所:〒556-0002 大阪府大阪市浪速区恵美須東2-3-17 Tel:06-6632-1155
定員:20名
受講料:20,000円(税込、2日間通しての料金です)
美術解剖学というと、とっつきにくい、難しいと思われる方が多いかもしれません。実際に骨や筋肉の名称は難解で
覚えにくく、市販の書籍を読むだけでは判りにくい部分も多く、その知識を活用し制作に至るまで進める人は少ない
と思います。特に最近は、ゲーム業界、アニメーション業界からも、美術解剖学の知識が、強く望まれています。
そこで、成安造形大学で美術解剖学の授業を持ち、自身も画家・イラストレーターである小田隆と、世界でも唯一と
言える美術解剖学モデルHiroによる、一般向けの美術解剖学講座を開講します。
対象はすでにプロとして活動している方、美術系の学生などです。大学で使用している教材を使った座学を導入部と
して、実際のモデルを描く、観察する、時に触覚で確かめる、といった経験を通して美術解剖学を実践できる知識と
して身につけてもらうことが目的です。
座学と実技の融合した、他では受講することのできない、美術解剖学講座です。
1日目スケジュール
10:00〜11:50 座学『上肢2』
昼休み
13:00〜14:10 観察 クロッキーの枚数を重ねることで、体表に現れるレリーフを意識してとらえていきます。(モデルHiro)
14:20〜15:30 体幹の筋肉の動きをHiroが自身の体を使って解説し、小田が補足的な説明を加えていきます。
重要なポイントはその都度スケッチする時間を設けます。
15:40〜16:50 美術解剖学を意識したクロッキーを小田がデモンストレーションで、解説を加えながら描きます。
その後、これまでの経験を駆使して、比較的長めのクロッキー(20分ポーズ)を描きます。(モデルHiro)
2日目スケジュール
10:00~11:50 座学『下肢』
昼休み
13:00~14:10 観察 クロッキーの枚数を重ねることで、体表に現れるレリーフを意識してとらえていきます。(モデルHiro)
14:20~15:30 体幹の筋肉の動きをHiroが自身の体を使って解説し、小田が補足的な説明を加えていきます。
特に背中側は重点的に小田が解説をします。重要なポイントはその都度スケッチする時間を設けます。
15:40~16:50 美術解剖学を意識したクロッキーを小田がデモンストレーションで、解説を加えながら描きます。
その後、これまでの経験を駆使して、比較的長めのクロッキー(20分ポーズ)を描きます。(モデルHiro)
美術解剖学モデルHiro
人体描画表現に特化した画塾であるアトリエROJUE(京都)総合プロデューサー。
美術解剖学会(東京藝術大学内)会員。
写真集「Jamale」を欧州にて2008年に発表、日本では東京都写真美術館(東京・恵比寿)に所蔵。
成安造形大学をはじめ各美術大学や美術系高校、専門学校、ゲームコンテンツ、アニメなどの企業など
での美術解剖学セミナーやデモ。講演など多数。 随想「美術解剖学への旅」国会図書館に所蔵。
フリンジフェスティバル(オーストラリア・メルボルン)にて写真作品出典。
小田 隆
1969年、三重県に生まれる。1995年、東京芸術大学美術研究科修士課程修了。
博物館のグラフィック展示、図鑑の復元画、絵本など多数制作。幅広い古生物学者たちとの
交流の中で、科学的資料に支えられるとともに、オリジナリティに富んだ作品群を生みだし
つづけている。大学では美術解剖学を応用した人体の描写を研究、授業を担当。
画家、イラストレーター、成安造形大学イラストレーションクラス特任准教授
申込み・問い合わせ:kaito3021アットマークgmail.comまで氏名と連絡先(メールアドレスを明記)を送ってください。
*アットマークを@に変えてメールしてください。
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2017年05月22日 23:58
普段、大学の授業で使っている下肢の美術解剖学教材スライドをアップしました。まだ改良の余地はありますが、活用いただければと思います。
2017年05月04日 22:19
美術解剖学という言葉はそれほど一般的なものではない。いつも内容を説明することが難しい。
古くはレオナルド・ダ・ヴィンチが残した画稿に代表されるように、多くの画家、彫刻家が研究を重ね、その制作に活用してきた。美術解剖学の研究室を持つ大学は少ないが(僕の勤務する成安造形大学には美術解剖学研究室はない)、多くの美術大学では授業として設定されている。美術解剖学は作品表現に直結するような部分は少ないが、美術の領域では基礎研究と言える分野であろう。
生きている我々の姿や動物の内部構造を理解し知識を得ることで、絵画や彫刻なので制作に活かすことができる。医療系の解剖学との違いは、骨学と筋学に特化しているところである。基本的に形として見ることができる部分に焦点を当てているといってよいだろう。骨格や筋肉の部位の名称を覚えるのは、耳慣れない言葉も多く、なかなかに困難である。ただ名称を覚えるよりも、それぞれの形、機能を、特に筋肉の場合、起始と停止の位置を記憶していくことが重要である。
さらに、ただ立って静止している形だけでなく、関節の動きも知る必要がある。関節の動きと仕組みに加えて、それらを動かすために使われる筋肉の起始と停止が理解できれば、様々なポーズにともなう筋肉のレリーフの変化も予測がつくようになる。この全てを理解するには半年ほどのカリキュラムでは全く追いつくことはなく、僕自身も日々、勉強しながらというのが現状である。
人や動物の身体は極めて精緻で複雑な構造をしている。数多く出版されている美術解剖学の教科書や参考書だけで、全てを理解することは困難だし、生きたモデルと向き合い、時に自分の身体で確認しながら、動物の解剖などを通して、その知見を深めていく。実に地味な作業と勉強の積み重ねだ。
昨今、マンガ、アニメ、イラストレーション、ゲーム業界などからも、美術解剖学が注目を集めている。2月に講演したゲームクリエイターズカンファレンスでは、懇親会でたくさんの参加者から声をかけられた。すでにプロとして活躍しているゲームクリエイター、ゲーム会社に勤務するキャラクターデザイナーからも、美術解剖学を勉強できる場の需要が増している。
僕が大学生の頃は、おそらくそういった流れはなかったし、美術解剖学がそれほど注目されることもなかった。500年にわたる歴史があるとはいえ、マイナーな研究分野と言えるだろう。細々とではあるが、これまで続いてきたことに価値がある。
3DCG全盛の今、デジタルで作業することは必須となっており、大学でも学ぶことができるところも多いし、業界からも求められるスキルだろう。ただ、今のソフトが今後も使われるとは限らないし、ヴァージョンは間違いなく更新される。一方、美術解剖学は普遍的に必要とされる可能性が高い。
愚直にアカデミックに、これからも美術解剖学を研究し、教えていくことができればと考えている。ひょっとしたらそれは大学という場でなくてもよいのかもしれないが。
2017年03月23日 14:01
今年の4月から、本格的に外部向けの美術解剖学講座を、美術解剖学モデルHiro氏とともに開講することになりました。大学で行っている講義がベースになっていますが、よりプロ向けで実践的な内容と密度ある講座を目指します。
ぜひ、多くの方に受講いただければと思います。(定員20名)
初回では体幹と上肢の一部、2回目で上肢の残りの部分と下肢を扱います。合計4日間で全身の美術解剖学の講義を行います。
チラシのテキスト内容
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小田隆とHiroの美術解剖学講座
2017年4月8日(土)、9日(日)
『体幹・上肢1』
10:00〜11:50 座学
13:00〜17:00 実技
会場:大阪市立 総合生涯学習センター
住所:大阪市北区梅田1-2-2-500 大阪駅前第2ビル5階
定員:20名
受講料:20,000円(税込、2日間通しての料金です)
美術解剖学というと、とっつきにくい、難しいと思われる方が多いかもしれません。実際に骨や筋肉の名称は難解で覚えにくく、市販の書籍を読むだけでは判りにくい部分も多く、その知識を活用し制作に至るまで進める人は少ないと思います。
特に最近は、ゲーム業界、アニメーション業界からも、美術解剖学の知識が、強く望まれています。
そこで、成安造形大学で美術解剖学の授業を持ち、自身も画家・イラストレーターである小田隆と、世界でも唯一と言える美術解剖学モデルHiroによる、一般向けの美術解剖学講座を開講します。
対象はすでにプロとして活動している方、美術系の学生などです。大学で使用している教材を使った座学を導入部として、実際のモデルを描く、観察する、時に触覚で確かめる、といった経験を通して美術解剖学を実践できる知識として身につけてもらうことが目的です。
座学と実技の融合した、他では受講することのできない、美術解剖学講座です。
2017年4月8日(土)、9日(日)
『体幹・上肢1』
8日スケジュール
10:00〜11:50 座学『体幹と骨格』
昼休み
13:00〜14:10 観察 クロッキーの枚数を重ねることで、体表に現れるレリーフを意識してとらえていきます。(モデルHiro)
14:20〜15:30 体幹の筋肉の動きをHiroが自身の体を使って解説し、小田が補足的な説明を加えていきます。重要なポイントはその都度スケッチする時間を設けます。
15:40〜16:50 美術解剖学を意識したクロッキーを小田がデモンストレーションで、解説を加えながら描きます。その後、これまでの経験を駆使して、比較的長めのクロッキー(20分ポーズ)を描きます。(モデルHiro)
9日スケジュール
10:00~11:50 座学『上肢1』(上肢は複雑なため2回に分ける予定です)
昼休み
13:00~14:10 観察 クロッキーの枚数を重ねることで、体表に現れるレリーフを意識してとらえていきます。(モデルHiro)
14:20~15:30 体幹の筋肉の動きをHiroが自身の体を使って解説し、小田が補足的な説明を加えていきます。特に背中側は重点的に小田が解説をします。重要なポイントはその都度スケッチする時間を設けます。
15:40~16:50 美術解剖学を意識したクロッキーを小田がデモンストレーションで、解説を加えながら描きます。その後、これまでの経験を駆使して、比較的長めのクロッキー(20分ポーズ)を描きます。(モデルHiro)
会場:大阪市立・総合生涯学習センター
住所:大阪市北区梅田1-2-2-500 大阪駅前第2ビル5階
美術解剖学モデルHiro
人体描画表現に特化した画塾であるアトリエROJUE(京都)総合プロデューサー。
美術解剖学会(東京藝術大学内)会員。
写真集「Jamale」を欧州にて2008年に発表、日本では東京都写真美術館(東京・恵比寿)に所蔵。
成安造形大学をはじめ各美術大学や美術系高校、専門学校、ゲームコンテンツ、アニメなどの企業など
での美術解剖学セミナーやデモ。講演など多数。 随想「美術解剖学への旅」国会図書館に所蔵。
フリンジフェスティバル(オーストラリア・メルボルン)にて写真作品出典。
小田 隆
1969年、三重県に生まれる。
1995年、東京芸術大学美術研究科修士課程修了。
博物館のグラフィック展示、図鑑の復元画、絵本など多数制作。幅広い古生物学者たちとの
交流の中で、科学的資料に支えられるとともに、オリジナリティに富んだ作品群を生みだし
つづけている。大学では美術解剖学を応用した人体の描写を研究、授業を担当。
画家、イラストレーター、成安造形大学イラストレーションクラス特任准教授
申込み・問い合わせ:kaito3021アットマークgmail.comまで氏名と連絡先(メールアドレスを明記)を送ってください。*アットマークを@に変えてメールをお願いします。
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2016年12月08日 23:11
アメリカにコミコンというイベントがある、ということはなんとなく聞いて知っていたのだが、特に興味を持つわけでもなかったのに、なんの因果か
東京コミコンというイベントに出展することになったのが先週末である。
もちろん嫌々出していたわけではなく、出展を促してくれた方々に感謝しつつも、なんで僕はここにいるのだろうなと思いながらのイベント期間中であったが、結果的にはとても面白く、普段であれば決してない出会いもあり、忙しいながらも楽しい2日半だった。
今回の出展のテーマは美術解剖学と古生物の復元画。アメコミに登場するキャラクターたちは、美術解剖学的にも洗練されたものが多い。アメリカのコミックアーティストたちは、かなり正確なデッサンで力強いキャラクターを描く。恐竜の復元画は、僕がその場で描ける数少ないイラストのジャンルである。
ライブドローイングの準備もしていった。一つはダビデ像の美術解剖学図とヴェロキラプトルの原寸大スケッチという二本立て。
これは今、準備している美術解剖学の本の内容の一つを大きく描いたもの。画材は約100号のキャンバスにいつものプロッキー。
ライブドローイングを続けていると、ずっとお客さんに背中を見せることになるので、テーブルで小さなイラストを制作して販売しようということに。今回、初めて知ったことの一つが「コミッション(有料スケッチ)」。海外のアーティストはいくらか以上の買い物をしてもらった時に、リクエストに応じてイラストを描く、というのをやっていて人気ブースはオープンからクローズまで列が途切れないような状況だった。
そこで、リクエストに応じて恐竜の頭部から首を、A5サイズの紙につけペンとインクで描くことにしてみた。価格は3000円。約20分ほどで完成できる。常に列ができるというほどではなかったけど、これを始めてからはほとんどライブドローイングを進めることができなくなってしまった。
オヴィラプトル。
スミロドン。
ティラノサウルス。
トリケラトプス。
つけペンとインクは少し効率が悪かったかもしれない。顔料系のサインペンや筆ペンを使って、もっと動きのあるダイナミックな構図で描くことも、これからは考えてみよう。
iPadで頭骨の画像を見ながら簡単に鉛筆であたりをとって、ペン入れをしていく。
ほとんど進められなかったヴェロキラプトルのライブドローイングとスミロドンスカルの原画。
今回、接客と売り子を友人のMくんにお願いして、英語の対応も全て頼むことができた。これにはかなり助けられた。
ある時、二人連れの黒人女性がブースにやってきて、一人が興奮気味に感動している様子だったのだが、Mくんによると僕のスキルにいたく感激していたらしい。「あなたにはギフトがある」というコメントまで残し去っていった。有名無名に関係なく良いものは良いと、ストレートに表現出来る人たちが多くなると、僕たちのような人間は勇気付けられる。こんなところにも彼我の大きな違いを感じたイベントでもあった。
2016年05月24日 13:12
現在、成安造形大学の授業で使用している、スライドをアップロードしてみた。PDFファイルなので、どのパソコンでも見てもらうことができると思う。今後も改良の余地があるが、簡単に勉強できる教材として活用いただければと思う。今回は体幹上肢編。
taikan_joushi02R.pdf