STUDIO D'ARTE CORVO

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update 2020.05.10

Royal Tyrrell Museum 探訪 2

博物館の展示のメインは、もちろんジオラマではない。この博物館ではジオラマの展示が導入として、とてもうまく使われている。恐竜の復元をはじめとしたジオラマの制作に、どれだけの背景があるのか?研究チームがどのようにその知見を積み上げていった結果なのか?といったことが、この後の展示で存分に語られていくわけである。

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Royal Tyrell Museumのアイコンにもなっている、このゴルゴサウルスの産状化石は関節した状態であることにも驚かされるが、一つ一つの骨格のディテールに見られる精緻な造形には目を見張った。腸骨と一番後ろの肋骨の関節の仕方は、これまでの疑問を氷解させるものでもあった。腸骨の前方にあるくぼみが、このように組み合わされるものだったとは、初めて知ることができた。実に合理的に組み合わさっている。

今回、最大の驚きだったのは、今最も注目を集めているであろう恐竜化石Borealopelta marlmitchelliを見ることができたことだ。しかも、それはレプリカではなく、本物の化石だった。

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整然と並ぶ皮骨板と不規則な鱗の組み合わせが絶妙に体表を覆っている。皮骨板の一部にはケラチンの痕跡が残っているらしい。ガラス越しではあるが、かなり近い位置で観察することができた。申し訳程度に黄色いラインが展示ケースの周囲に貼ってあるのだが、ほとんどの来場者は吸い込まれるようにその線を越えてしまっていた。その気持ちもよくわかる。ただ、その展示に仰々しさはなく、ごく当たり前にひとつの展示物として、部屋の真ん中に横たわっていた。
このタイミングで見ることができたのは幸運だった。

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この化石の尾の部分は発見されていないのだが、シンプルな鉄の造形で補われていた。このシンプルさが化石とはちがった魅力を放っていて、この種の全体像を、生きた姿を想像させることに寄与している。どこまでが発見された化石で、どこからが発見されていないかを、はっきりと分かるように展示することはとても大切である。ともすると、あたかも全てが発見されているように復元しがちだが、あるところとないところが明確になっているから、より興味深く化石を見ることができるのである。特に博物館では重要なところであろう。

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ここは「白亜紀の庭」と名付けられた、白亜紀の時代に生息していた、今も生きた姿を見ることができる植物を観察できるスペースである。当時と同じように蒸し暑い環境が作られていて、ジオラマとはまた違った雰囲気を味わうことができる。

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このあたりから、一眼レフカメラが不調を来し出した。数枚撮影するとシャッターがスタックするという現象だ。自由に撮影できないことに苛立つ。せっかくここまで来ながら、だましだまし使わなければならないのは、ものすごいストレスだった。十分に撮影することができなかったのは、今でも心残りである。

続く