小田隆とHiroの美術解剖学講座・2017年6月24、25日開講報告
2017年06月25日 23:04
今週末の土日に開講した『
小田隆とHiroの美術解剖学講座』の開講報告を。
始まる直前まで集客には苦労して、定員満員御礼とはいかなかったが、前回同様、熱心な参加者が集まり充実した講座となった。
前回は「体幹」と「上肢」だったが、今回は「上肢」の続きと「下肢」をとりあげて、連続で受けた受講者は全身を網羅できる内容となっている。リピーターの参加者が10名にも満たなかったのは残念だが、初めての人たちに新たにこの講座を知ってもらうことができたのはよかった。
モデルは
Hiroさんとまなみさん。この講座では男女のモデルを同時に観察することで、性差についても解説し、参加者もその違いを理解することができる。
2日にわたる講座だが、どちらも午前中は座学を行う。座学といっても一方的にスライドなどを見せることはなく、オリジナルの骨格図とトレーシングペーパーを使って、深層から表層までの筋肉を段階的にスケッチしていく。これは成安造形大学で実際に使っている教材と手法である。
スライドと参考書だけではわかりづらい部分を、補足的にその場でライブドローイングしていく。また生きた教材であるHiroさんがいることで、すぐにその場で実際の筋肉や骨格を確認することができる。
上質紙にマーカー。前腕は特に複雑な部分が多いため、上下に分けて描いている。少し斜めの角度から描くことで、前鋸筋の回り込みや、広背筋との関係を解説しようとしている。
前から見た体幹と上肢。
下肢の前後。
質問に答える形で、足の美術解剖学的特徴を解説しているところ。
午後からはモデルの体を使った解説とクロッキーが中心となる。Hiroさんが自身の肉体を使った筋肉の詳細な解説は、唯一無二の精緻さとわかりやすさである。
また、積極的に参加者にはモデルの体を触ってもらい、見るだけでなく筋肉の触覚的な特徴も実感し、より深く理解することができる。
参加者と一緒に描いたクロッキー。10分。
男女の下肢の特徴を描き分けたクロッキー。10分ずつ。
これはデモンストレーションをして描いたもので、どうしてこの線を引いたのか、どこを描こうとしているのか、どこにその骨格や筋肉があるのか、といったことを解説しながらデモンストレーションしたもの。15分。でもあまりよいできではないなあ。
参加者の質問に答えるためにスケッチした1枚。真横からみた人物の肩をどう描くか?という内容である。
急遽、作品を展示をすることになって、旧作ばかりだけど7月2日まで展示しています。
お近くの方、時間のある方、ギャラリーカフェキリンでご覧いただけると幸いです。ほんの少しですがTシャツの販売もしています。
参加者の皆さま、長時間にわたる講座、お疲れ様でした。モデルのHiroさんにはいつも頭がさがります。まなみさんもおつきあいいただきありがとうございました。
次回の開催は未定ですが、より充実した内容を提供できるよう、工夫していきたいと考えています。