2010年7月25日
第4回 環境と科学のフェスティバル 講演会
今日は朝からビバシティ彦根で開催される講演会のために車で出かける。ドライブ日和というには、朝から暑すぎる。でも、湖岸を走るのは気持ちがいい。彦根は大津よりも北にあるため、走っていると次第に涼しくなってきた。なんと道路脇の温度計は29度。
時間通り、11時30分まえに無事到着。
講演会会場の吹き抜け。「夏祭り」。
解放感抜群の会場、というかショッピングセンターの往来にある。
関連書籍を講演会会場で、サイン会用に特別に販売してもらった。
開始時間まで時間があったので、先にサインを。
講演会中の様子。
吹き抜けから。満席とはいかなかったが、熱心に最後まで聞いてくれたお客さんも多かった。場所柄、途中退席の人もいたが、これはしかたない。こんなに明るい場所で講演したのは初めて。ホワイトボードを用意してもらって、実演しながらのほうが良かったかなと後で後悔。暗い会場では出来ないからね。
終了後は恒例のサイン会。
いつも通り、カットをひとつ加えます。大体、所要時間は1分ぐらいかな。
2階の会場は大盛況だった。体験できるワークショップ型の出展に人気が集中している。出来上がったものを持ち帰ることができるのも大きな理由らしい。
アケボノゾウのレプリカの展示。
博物館魂!
講演会も無事終えて、夕方には帰路についたのでした。
投稿者 corvo : 20:30
2010年7月 8日
完成!
某博物館から依頼を受けて描いていた、某獣脚類が完成。
ヌードスキンヴァージョン。
羽毛ヴァージョン。羽根の細部はエミューを参考にしている。
最初のエスキースは鉛筆で制作し、その後は全てデジタルで描いた。レイヤーで分けているので、ヌードスキン、羽毛と簡単に描き分けることができる。
ワールドカップ準決勝の結果を見届けて、完成させることができた。
さすがにこれから仮眠とります。
午後から授業。
投稿者 corvo : 05:26
2010年5月16日
図鑑の仕事
ここ数日、図鑑の仕事の締め切りに追われていた。寝る時間が、5時、4時30分、4時30分、4時30分といった日が続く。ある時など寝る前にビールを飲んだものだから、9時ごろに起きたにも関わらず「このままでは酒気帯び運転だろう」ということで、昼前まで大学に行けなかったり(もちろん授業は午後からだったので休んではいない)。
その仕事の一部を紹介。
エスキース。この段階で監修者からのOKをもらい次の段階に進む。
レイヤーを重ねてセピア色で陰影を意識した線画を描いていく。
完成。エピデンドロサウルス。それほど大きく使われるわけではないが、重要な挿画である。ツメバケイの雛をイメージして復元した。
フリーランスの時であれば1日もあれば出来た仕事が、3日、4日とかかってしまう。3倍速いどころか、3倍遅い。スピードだけで見れば、同じ水準かむしろ上がっているのだが、とにかく時間のやりくりの難しさに四苦八苦している。
投稿者 corvo : 10:58
2010年5月 9日
表紙『ティラノサウルス』 3
何とか完成。先ほど宅ファイル便で発送したところ。
サイズは420 x 350 mm、解像度は350 dpi。
ディテール。
ディテール。
ディテール。
ディテール。
ディテール。
背景はデザイナーにお任せすることになっている。さて、どんな仕上がりになるか。
投稿者 corvo : 23:10
2010年5月 4日
表紙『ティラノサウルス』 2
締め切りがゴールデンウィーク明け。粛々と進める。
遠近感を強調するため、奥へ向かって描き込みを減らしていく予定だが、まだまだ終わらない。
完成に近づいてきた頭部。
眼球は最後にじっくりと。
歯と口もかなりいい感じになってきた。もう少し濡れた質感を表現できれば完璧だろう。
投稿者 corvo : 09:45
2010年4月29日
表紙『ティラノサウルス』 2
様々な制作が並行して進行中。大学の業務、授業もあるので、てんてこ舞い。
まだ頭部が終わらない。
ディテールばかり描いていると、強い立体感が失われてしまう。もう少しバランスよく描かなくては。
下あごもまだまだこれから。
投稿者 corvo : 00:22
2010年4月26日
表紙『ティラノサウルス』 1
某出版物の表紙の仕事。経過を見ることができるので、このblogにアップして欲しいというリクエストである。
鉛筆で描いたラフスケッチをスキャニングして、カンヴァスサイズを少し広げている。
アナログと同じように、茶褐色で陰影をまずつけていく。
なんとか構造色を再現できないかと試行錯誤をしている。
現在、ここまで。締め切りは連休明け。
ディテールはこんな感じ。
投稿者 corvo : 23:57
2010年1月27日
アケボノゾウの骨格復元図と筋肉復元図
29日から始まる日本古生物学会ポスター発表用の骨格復元図と筋肉復元図を急ピッチで制作。本来なら復元画を描く前のプロセスなのだが、大幅に前後してしまった。
骨格復元図。イラストボードにペン。
スキャニングした骨格復元図にフォトショップで描いたもの。
いくつかのレイヤーでわけて制作したので、浅層筋と深層筋で別々に表示することもできる。ただし、監修を受けている訳ではないし、まだいい加減なところが多い。他の古生物への応用なども含めて、さらに充実させていく予定である。
さあ、これからポスター制作だ。
投稿者 corvo : 23:14
2010年1月21日
Brachiosaurus 02
ブラキオサウルスを修正。完全に描き直した。こういった修正の場合、アナログでもデジタルでも手間は同じだ。
やや描きやすいアングルに変更。
ここが一番の描きどころ。背面から見ると水滴型の胴体の立体感を、うまく表現出来るかが重要である。
アパトサウルスなどのディプロドクス類に比べると、頸椎は細長く頸肋骨によって支えられている。おそらく首の筋肉は少なかったと考えられる。
監修者のOKが出たので、次は着色である。
投稿者 corvo : 23:39
2010年1月18日
Brachiosaurus 01
ブラキオサウルスのラフを制作。Painterを使用。
タブレットはだいぶコントロールできるようになってきたが、アプリケーションの操作感にはまだなれることができない。手描きよりも時間かかってます。
明日は、卒展の搬入の手伝いなので、そろそろ寝よう。
投稿者 corvo : 00:27
2010年1月 1日
新年あけましておめでとうございます 2010年
新年あけましておめでとうございます。
昨年中は、大変お世話になりました。
今年が皆様にとって、幸多き一年でありますように
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2010年 元旦
小田 隆
投稿者 corvo : 00:00
2009年12月27日
シカマシフゾウ 7・完成
完成。年内納品に間に合った。明日、引き渡しである。
キャンバスにアクリル。162 x 97 cm。
実際に使用される画像はこの範囲。とある保育園の一室に、アケボノゾウとともに設置される(どちらも拡大プリント)。4月から入園してくる園児たちは、毎日アケボノゾウとシカマシフゾウに囲まれて生活することになる。
時間があればもう少し描き込みたかったが、バランスのとれた描写にはなっていると思う。
グレースケールでもチェック。光と空間がきちんと描けている。
いくつかの案件が残ってしまっているが、もっとも重要な1点を完成させることができた。
未だ風邪が治らず、これが一番つらい。
投稿者 corvo : 21:57
2009年12月25日
シカマシフゾウ 6
朝から長い会議でぐったり。しかし、シフゾウはいよいよ佳境。
一通り、シフゾウには手が入った。
背景の調整と、手前の草地、さらなるディテールの描き込みで完成の予定。
角もまだざっと描いたところだ。描きどころのひとつなので、密度をあげていきたい。
日曜日に完成が目標。というか必須である。
投稿者 corvo : 23:52
2009年12月24日
シカマシフゾウ 5
トナカイじゃなくてシフゾウです。
昨日23日祝日にもかかわらず、高校生相手に高大連携授業、メニューは人体表現研究室でヌードクロッキー。今日は、10月に台風で休講になった分の振替授業だった。
授業後、集中して制作。
赤鼻ではない。なんとか間に合いそうかな。
こちらは、授業中に黒板に描いた1分クロッキー。
投稿者 corvo : 23:13
2009年12月22日
シカマシフゾウ 4
体調が戻ってきた。ようやくシカマシフゾウの続きを再開。締め切りまで後わずか、かなりやばい。
今日は授業と業務がなかったので、人体表現研究室にこもって制作。
角は後回しだが、ほぼ半日で一体描ききった。
ディテール。やや荒めの描写で、どんどん進めていく。
今の作業場はこんな感じです。
明日はここ人体表現研究室で、高校生相手に高大連携の授業です。
投稿者 corvo : 23:32
2009年12月15日
シカマシフゾウ 3
今日は授業のない日だが、夕方から火曜クロッキーの合評&打ち上げがあったので、昼間だけの制作。
シカマシフゾウを描き始める。
一番後ろにいるメスの個体から描いていく。初めて描く動物なため、まだうまくプロポーションをとることができない。非常に特異な特徴を持った珍獣と言えるだろう。なかなか難しいです。
投稿者 corvo : 23:15
2009年12月14日
シカマシフゾウ 2
月曜日。関東本部から関西事務所へ戻る。夕方、大学の研究室へ行き、シカマシフゾウの制作の続き。
なんとか、ほぼ背景の空をやっつけた。まだまだこれから。
投稿者 corvo : 23:08
2009年12月12日
シカマシフゾウ 1
久々の古生物ネタ。アケボノゾウと同時代に生きたシカマシフゾウの復元画を描いている。
エスキース。
拡大コピーしたものをトレースして、すでに下地を作ってあったキャンバスに転写していく。
セピアのカラーインクで、陰影をつけていく。
セオリー通り、背景から描いていく。秋の空。アクリル絵の具で描くのも久々だ。
投稿者 corvo : 23:27
2009年9月 8日
正真正銘のおしまい
ようやくおしまい。合計100枚。ディノゲット、ここまでかかってしまった。携帯の画面とはいえ、復元画ということでいい加減に描くわけにもいかず、大学の業務や他の仕事の兼ね合いから、ずいぶん時間をオーバーしてしまった。
最後の2点。
始祖鳥とラティメリア。
気分的にすっきり。タブレットッとデジタルのよいトレーニングになった。
最近のお気に入り。
ホワイトビール。ちょっと高いのが難点。
投稿者 corvo : 12:24
2009年7月23日
TYrannosaurus skull 05
今日は皆既日蝕(大津では部分日蝕)を楽しみにしていたのだけど、生憎の天気。我がイラストレーションクラス非常勤講師に、雨雲とともに移動すると呼ばれるほどの雨男がいるため、こんなことになってしまったのだ(ということにしておく)。非常勤なので毎日授業があるわけでなく、なにもわざわざ日蝕の日に来なくてもと、皆心の中で叫んでいたのはまぎれもない事実だ。昨日には暗殺指令まで出ていたらしい。朝、起きた頃は雲は多かったが、よく晴れていたのである。にも関わらず、彼が比叡山阪本の駅に近づいたときに、急に雲が厚くなってきたらしいので、恐るべき能力である。
それでもかろうじて切れ切れの晴れ間から、日蝕を観察することができた。
Tyrannosaurus skullがほぼ完成。展覧会用にこのスタイルの新作は、これ1点しか作れなかった。
背景を少し微調整するかもしれないが、良い方向に進んでいると思う。
アクリルで描写した歯。化石化しているので白くはないが、化石化したエナメル質は独特の光沢と質感があり、骨格部分とはまったく違った稠密な表情を見せる。
模型を使っているので、本物の質感からは遠いが、自分の記憶の中にある手触りを呼び覚ましながら描いている。
展覧会まで、ついに一週間を切りました。
投稿者 corvo : 00:03
2009年7月22日
TYrannosaurus skull 04
ようやく歯に取りかかることが出来た。
後少しで完成。
歯をもう少し描き込んで、背景を処理して完成の予定。背景は漆黒ではなく、ほぼ今の状態を残すことにしている。
投稿者 corvo : 01:20
2009年7月21日
TYrannosaurus skull 03
こちらも展覧会に向けて少しずつ進めているのだけど、細切れの時間しかとれず、歩みは遅い。
ようやくここまで出来上がった。
いつものように、歯はアクリルで描写する。
新作の小品も作らなくてはいけないし、出品リストもまとめなくては。
投稿者 corvo : 10:50
2009年7月 8日
TYrannosaurus skull 02
2日分をまとめてアップ。といっても少しずつしか作業出来ていない。
昨日。
ディテール。
今日。
ディテール。昨日は銅版画。今日は一日中、授業だったため、ほんの数十分しか手を加えることが出来なかった。今週中には仕上げたいのだけど、ちょっと難しいかな。
投稿者 corvo : 23:40
2009年7月 4日
Tyrannosaurus skull 01
skullシリーズと同じテクニックで、ティラノサウルスの頭骨を描いてみている。モデルにしているのはBHIの1/6縮尺模型。
アルシュ紙にチャコールペンシル、顔料。38 x 56 cm。
ディテール。
丸善の展覧会に新作として出品予定です。
投稿者 corvo : 12:15
2009年5月23日
さらに月末までに50体 3
いつまでもストーカーのようにつきまとわれているような感じである。なかなか終わらない。
アパトサウルス。
投稿者 corvo : 23:34
2009年5月 4日
さらに月末までに50体 2
GW中、結局ほとんどゆっくりできていない。
今日は、制作プロセスを簡単に紹介。お題はナウマンゾウ。
紙に鉛筆で描いたラフを作成する。このラフを監修者である平山さんに送り、修正点等のある場合は再度描き直して、より正確になるよう進めていく。
別の紙にアウトラインだけ描く。この部分からデジタル化したいところだが、僕にはまだそのスキルはないのでわざわざアウトラインは手描きして、スキャンしてデジタル化している。
もちろん、この着彩のプロセスに一番時間がかかる。作業は通常、背景も含めて4つのレイヤーに分けて描いている。
枚数が多く、小さな画面に掲載されるので、描き込みすぎないようにしている。
毎日、たんたんとノルマをこなしていくしかない。
投稿者 corvo : 23:54
2009年5月 2日
さらに月末までに50体 1
3月末までに50体に引き続き、さらに50体。本当はもっと早くに納めることになっていたのだが、譲歩に譲歩を重ねてもらい、ここまで締め切りを延ばしてもらったのである。
ケツァルコアトルス。つい最近、大型の翼竜は飛べなかったのではないかという論文が発表されたが、それは今まで誰も着眼しなかった面白い問題提起だと思う。あくまでも新聞などで報道されているものを読んでの感想であるが、地上生の鳥のように飛ばないことを選択した翼竜がいたとしても不思議ではない。ただ、ケツァルコアトルスの完全な骨格は見つかっておらず、推定の大きさでしかない点や、ほぼ完全な骨格が見つかっているプテラノドンでは、地上生の鳥のように翼の退化の兆候がない点など疑問に思うところもある。
世界各地から数多くの化石が見つかっている翼竜ではあるが、いまだに生態の多くは謎に包まれている。復元画を描くときにも、悩みどころの多い生物のひとつだ。
何はともあれ、連休中も休みをとりつつ、ペースを上げていかなくてはならない。
投稿者 corvo : 23:23
2009年4月20日
ディノゲット
『月末まで50体』のエントリーのシリーズで紹介していた復元画が、携帯ゲームとして公開されました。このblogで紹介したのはほんの一部です。今現在も制作中で、最終的には100体を揃えなくてはいけません。
『ディノゲット』
詳細はリンク先をご覧ください。携帯でネットに接続する事はほぼ皆無なので、こういったゲームのニーズはまったく分からないのですが、楽しんでもらえれば幸いです。
タイトルはディノゲットですが、恐竜以外の古生物も数多く登場します。
ニフティからのプレスリリース
ケータイWatch
ドードー。
投稿者 corvo : 01:42
2009年4月 6日
続アケボノゾウ復元画プロジェクト 1
アケボノゾウ復元画プロジェクト。実は2点制作することになっている。助成金で制作するノルマは1点で良いのだけど、小西さんとの話し合いの中で、もう1点制作してみようということになったのである。同じ大きさの画面ではあるが、よりシンプルな構図になる予定である。描くのはアケボノゾウが死んだ直後の姿。構図はエスキースが出来た時点でアップします。
おおまかにはこんな感じ。といってもこれではさっぱり分からないな。ちょっとロスコのようだ。
全貌については、しばしお待ちください。
投稿者 corvo : 23:56
2009年4月 2日
完成!アケボノゾウ復元画プロジェクト 25
本日、ようやく完成。まだ手を入れられる部分はあるが、明日スキャニングのための搬入があるため、筆を置くことにした。
今日のプロセスを順を追って紹介していこう。午後から制作をスタート。
地面の泥を中心に描写。小西さんから最適な資料を送ってもらったこともあり、順調に進む。
水面への映り込みを描き始める。各部に手をいれながら完成に向かっていく。
そして、完成。もう少し植物を描き入れたがったが、時間切れで中途半端になることを避けるため、ここで終了。午後9時過ぎまでかかった。
顔の部分にもさらに手を加えた。最後に眼を描き込んだ。画竜点睛。
手前のアケボノゾウの眼。
奥のアケボノゾウの眼。
サイン。手伝ってくれた学生の名前も連名で記した。
来週から新たな画面を制作するが、とりあえず一段落。短くも中身の濃い、数週間だった。
手伝ってくれた学生たち、関係者の皆様に感謝。
投稿者 corvo : 23:57
2009年3月31日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 24
火曜日。3月31日のこの日までに完成させたかったが難しかった。
制作風景。急ピッチで手を動かすが、描き込まなくてはいけない部分はまだ多い。
完成に近づくほど欲が出てくるので、どこで手を止めるかの見極めが難しい。
ゾウはほぼ完成である。
投稿者 corvo : 23:57
月末までに50体 4
フォルスラコス
残り、後6体。今日中には厳しいか。
投稿者 corvo : 11:09
アケボノゾウ復元画プロジェクト 23
週明けの月曜日。夜に外せない飲み会があったので、夕方までの作業。背景を中心に手を入れた。
土曜日からそれほど変わっていないが、背景を黒くした事で、画面全体が締まってきた。
地面には草。もっと茂らせていく予定。画面のほとんどが茶色いので、アクセントにもなり重要なポイント。
アケボノゾウの爪を若干修正。地面の泥の質感も上げていかなくては。今日、完成を目指します。
投稿者 corvo : 10:31
2009年3月30日
月末までに50体 3
月末まで50体の制作大詰めを迎えている。
トリナクソドン。よく哺乳類のように毛の生えた姿に復元されるが、鱗も毛もないヌードスキンの姿に復元してみた。
残るは後8体。ようやく一桁になった。驚異的なペースである事をクライアントは分かってくれないのだろうなあ。アケボノゾウの制作がなければ、楽勝なペースなのだけどね。
投稿者 corvo : 03:33
2009年3月28日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 22
土曜日。当初、作業する予定ではなかったのだけど、どうしても修正しなくてはならない箇所があり、F1オーストラリアGP公式予選が始まるまでの時間制作した。
修正作業の連続写真。真ん中のゾウの牙(切歯)を完全に描き直した。
手前の直立樹幹も描き直し。ようやく、空間と構図も落ち着いてきた。
ちょっと前の作業工程なのだけど、研究生の新岡君が動画をYouTubeにアップしてくれた。
アケボノゾウプロジェクト 皮膚の描画
アケボノゾウプロジェクト ~象牙を描く(二倍速)
どちらの部分もすでに修正してしまった。通常の速度でも手が速く動いていて、自分で見てもちょっと気持ち悪い。本人はわりとゆっくり動かしている意識です。
投稿者 corvo : 23:46
アケボノゾウ復元画プロジェクト 21
金曜日の作業。かなり良いところまで進んできたが、気になるところも出てきた。
手前に広がる水面を少し描写してみたが、どうもまだしっくりこない。
奥の個体の頭部にも違和感を感じている。
背景がほとんど手つかずなのでその部分を進めるとともに、背中のディテールの描写が必要だ。
頭部に頭骨のトレースを重ねてみたところ、やはり奥の個体は大きな修正が必要だということがわかった。土曜日は休もうかと思っていたが、ここだけは修正してしまおう。かなり良い感じになるはずだ、牙の位置がずれてしまっている。
投稿者 corvo : 02:33
2009年3月27日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 20
木曜日。制作もかなり大詰め。
普段制作している壁は引きがとりづらいので、場所を変えて確認してみた。手前味噌だが良い感じである。
今日は地面を中心に描き込んだ。陸上の生物を描く時は、地面との関係をきちんと描く事は最重要と言っても過言ではない。
氾濫原を想定しているので、泥状になったぬかるんだ地面を歩くゾウたち。不鮮明な足跡が無数に残った状態まで描き込むつもりである。
頭部の描写もほぼ完成に近づいてきた。
木漏れ日の差し込んだ光を表現しようと思っている。そのためには、もっと明るく描写する必要がある。
背景もあわせてがんがん進めていかなくては。後は時間との勝負。
投稿者 corvo : 02:26
2009年3月26日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 19
まとめてアップ。
まず日曜日。関東から戻って最初の作業日。
二頭のアケボノゾウがかなり出来上がってきた。三頭目はまだまだこれから。
空間を表現するために、前後のゾウで描写に差を付ける必要がある。
休みの間、学生に制作をお願いしていた部分。ちょっと木とは違ったものになってしまってきているようだ。
月曜日は高大連携の出張授業のため、制作はお休み。
火曜日。授業ガイダンスなどが始まって、校内に活気が戻ってきた。学生の見学も多い。
展示としても充実してきている。
この日の作業はここまで。手前の折れた直立樹幹は、大幅に加筆修正した。
水曜日。
反対側の壁に作品も展示してしまった。個人ギャラリー、個人アトリエ状態。
前日から三頭目のゾウにも手を加え始めた。ここは軽めの描き込みにとどめる予定。そろそろ背景の完成度もあげていかなくては。
投稿者 corvo : 23:48
2009年3月18日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 18
出かける用事が多く、更新が滞りがちである。移動があるとどうしても、おくれてしまう。
17日の夕方に大津を出て関東に帰ってきたので、アケボノゾウの制作は少しの間おあずけである。月曜日はまだまだ描きたかったのだけど、後ろ髪を引かれる思いで作業場を後にした。
僕が最終的に手を入れてきた状態。
予告通り、頭部を中心に描き込んだ。左側のゾウの鼻がアフリカゾウのような表現になっていたのを、アジアゾウのような特徴に修正した。
後の作業を学生に任せて、この日は大学を出てきたのだった。
投稿者 corvo : 23:07
2009年3月17日
月末までに50体 2
昼間はアケボノゾウ、夜はデジタルイラストの二重生活。正直しんどい。
下書きの線描は、どんどん簡略化していっている。デジタル作業する領域が広がってきている。
完成。アトラスゾウガメ。デジタルでの作業はおよそ2時間ほどである。
現在、24体。残り26体だ。まだまだ気は抜けない。
投稿者 corvo : 03:50
アケボノゾウ復元画プロジェクト 17
月曜日。入試日だったため、学生は登校禁止。そのため一人で作業する事に。
昼間、事務に荷物が到着。授業用の人間の頭骨レプリカ。前回はヨーロッパ人だったが、今回はアジア人とアフリカ系アメリカ人。これで合計30個となり、授業では一人一個行き渡る事になる。資料、モチーフがどんどん充実してくる。
大学に備え付けの椅子があまりに酷いので、中古で購入。ハーマンミラー製。有名なアーロンチェアだと、かなり高い値段がついてしまうが、それ以外は人気がないせいか格安で手に入る。これもまともに買うと10万円ぐらいするらしいが、今回は1万円ちょっとで入手できた。快適。腰のサポートが絶妙である。腰痛持ちには嬉しい。
主役のゾウがかなり出来上がってきた。
足まで手を入れることが出来た。地面との関係をしっかり描く事が重要だ。
皮膚の質感、いい感じである。
次は頭部の完成度を増していこう。
投稿者 corvo : 03:35
アケボノゾウ復元画プロジェクト 16
日曜日。この日は監修者である小西省吾さんが勤務する、『みなくち子どもの森自然館』の友の会の皆さんが見学に来てくれた。小学生も含めて10名ほど。狭い空間だったせいか、緊張していたせいか、こどもたちがとても静かだったのが少し気になった。恥ずかしかったのかな。
映画チラシ風ポスターでお出迎え。左のチラシ、どっかで似たようなものを見た事があるとか言わないように。子供たちにはとても受けが良かった。イラストも含めて、研究生の手によるもの。
小西さん、持参したパネルを使って、丁寧に解説を加えていく。僕自身もアケボノゾウについて、非常に勉強になった。
一通りの説明が終わったところで、僕が絵についてのコメントを話していった。その後は、実際に制作するところを見てもらう事に。間近で制作風景を見る事など、そうそうないことだと思うので、それなりに楽しんでもらえたのではないだろうか。作業中も質問に答えたり、雑談しながら手を動かしていたら、えらく驚かれた。普段、テレビ見ながら作業するような人間にとっては、それほど不思議なことではないのだけどね。
この日は、友の会の皆さん以外にもお客さんがきていて、なんと『「水からの伝言」を信じないでください』が縁で知り合った田崎さんがなんと成安造形大学に。実は奥様から雑誌の取材を受ける事になっていたので、その場へ付き添われてきたのだった。
お昼は近くのパスタ屋で。日曜日ということもあって、駐車場がほぼ満車。ひっきりなしに車が出入りしていた。そんな様子を関が空くのを待つ間、外から勝手に実況中継。マナーの悪い車、良い車、気の強い人、弱い人、客観的に見ていると非常に面白い。
この日の作業はここまで。左側の頭部を大きく修正した。
制作もしていたが、久々にゆっくり話しが出来て、楽しいひとときだった。
投稿者 corvo : 03:10
2009年3月16日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 15
土曜日。日曜日に非公式な見学会があったため、制作と並行して研究生たちが作業場を綺麗に片付けてくれた。
本棚も整理。僕の関わった書籍も、綺麗に陳列してくれた。
部屋もすっきり。
この日の作業はここまで。主役のアケボノゾウはようやく全貌が見えてきた。
投稿者 corvo : 23:53
2009年3月13日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 14
あまりの忙しさにリアルタイムに更新できない。今回は水曜日の画像。
この日は胴体の皺と立体感の描写に集中した。
前から後ろへ徐々に描いていく。いきなりディテールから描いていくものだから、同僚の先生には「参考にならない」と言われてしまった。
画面の斜め上から、テクスチャーが分かるように撮影してみた。かなり凸凹。
左前肢もほぼ完成。でももう少し明るくする必要があるかな。
投稿者 corvo : 23:54
2009年3月11日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 13
ちょっと更新がおくれたが、火曜日。
肩から背中にかけて描き込んでいく。
まだまだ描かなくてはいけないところが残っている。
頭部ディテール。まだ描き込みが不足している。
しわと胴体のもつ立体感をどこまで表現できるかが勝負である。
火曜日の作業はここまで。
投稿者 corvo : 23:18
月末までに50体
今年の3月もばたばたである。ビッグイベント確定申告に加えて、アケボノゾウ復元画プロジェクト、月末までの締め切り仕事が立て込んでいる。確定申告は金曜日に済ませてしまう予定。
その締め切り仕事だが、内容についてはここで書くことは出来ないが、どんなものを描いているか少しだけ紹介しようと思う。
世間的には大したことではないが、初のデジタル制作、デジタル入稿作品である。
デイノテリウム。最初の線画は手描きして、スキャニングでデジタル化している。
それほど大きな画面では使われないので、あまり細かくは描き込んでいない。それよりもスピード勝負。
彩色だけなら、1時間ほどの作業である。ペンタブレットは違和感なく使えるようにはなったが、まだまだフォトショップの機能を使いこなせているとはいえない。
毎日、ゾウを描いているので、制作は比較的スムーズだった。
投稿者 corvo : 12:10
2009年3月10日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 12
週末は家に引きこもっていたので、2日ぶりの作業再開である。
薄く溶いた絵の具をドリッピング。ゾウの皮膚になれと念じながら。
作業場所もだんだん充実してきた。欲を言えばH型イーゼルが欲しい。
月曜日の作業はここまで。
ディテール。手前のゾウと奥のゾウで、もう少し描写に差をつけないと、空間が生きてこない。
火曜日は身体にも手を加えていこう。
投稿者 corvo : 03:07
2009年3月 7日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 11
金曜日。本格的にアクリルによる制作を始める。
朝から監修者と打ち合せ。よりアケボノゾウに対する理解が深まる。
テクスチャーをつけた上から透明色をグレーズしていき、画面を横にしてドリッピングをしているところ。
エスキース、資料写真を参考にしながら、描き込んでいく。
この日の作業はここまで。
頭部を中心に描き込んだ。
ディテール。
来週から加速度的に描写のスピードを上げていきます。
授業もないので、iPodとBOSEで気兼ねなく大音量で音楽をかけながら制作している。
投稿者 corvo : 12:04
2009年3月 6日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 10
木曜日。エスキースをもとに、キャンバスへ拡大して描き写していく。
まず、白いコンテで描いていく。升目があるとはいえおおざっぱなものなので、その都度計測しながら線を引く。2倍に拡大。面積は4倍になる。
学生たちとともに作業を進める。コンテの次はアクリルのローアンバーでアウトラインと陰影を描いていく。
全て描き写した後に、ヘビーゲルとファインパミスゲルでテクスチャーをつけていく。ゾウの皮膚の持つ凸凹やしわを表現するためだ。
木曜日の作業はここまで。
投稿者 corvo : 22:40
2009年3月 5日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 9
水曜日もアケボノゾウ。午後から作業を始めようと思ったら、いつになく呼び止められる日。珍しい。来年度の受け入れ研究生の書類を提出したり、請求書を処理したりと、事務処理も滞りなく済ませる。
ようやく作業を始められたのは、2時過ぎだった。
今日は、たまたま大学に来ていた1年生が見学に来てくれて、3時間じっくりと僕の作業を見ていった。
夕方からは研究生が合流。背景の制作の続きをお願いする。
2頭のゾウはほぼ完成。もう少し、しわや汚れを表現したいところだが、これはあくまでもエスキースなので、それほど多くの時間は割けない。
3頭目は白抜きのシルエットのままになっている。時間があれば、少し描き込むかも。これで構図は決定出来たので、少しずつアクリルによる本制作に移行していこう。今日気がついたのだけど、久しぶりの絵の具だ。この数ヶ月、モノクロームの作品ばかり作っていたので、まったくといてよいほど、絵の具を触っていなかった。アメリカから取り寄せた絵の具も到着したので、一気に進めていってしまおう。楽しみである。
投稿者 corvo : 02:33
2009年3月 4日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 8
昨日の作業状況をアップ。
火曜日。見学会の後、午後から大学に戻って作業を再開。
二頭目のゾウを描き始めた。変化を付けるために、鼻のポーズをラフスケッチから大きく変更した。頭部の特徴がより分かるように、ラフスケッチよりもこちらを向いたポーズにした。
頭部ディテール。
立ち入り禁止というわけではないが、トラテープで作業場所を確保している。
投稿者 corvo : 23:16
2009年3月 3日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 7
先週からの続きの作業。いよいよ本格的に鉛筆でエスキースの制作である。
午後1時過ぎから8時まで、何回かの休憩を挟んでほぼ描きっぱなし。
途中から学生と一緒に描く。立てて描くことに慣れていないとはいえ、30分ぐらいで腕がだるくなるとは駄目過ぎ。鍛え直さなくては。
アケボノゾウは鼻をのぞいてほぼ出来上がってきた。トレースしてもらった時の筆圧が高すぎて、へこんだところが白く線で出てしまうのがおしい。最初にきちんと指示をだしておくべきだった。後肢が細すぎるかな。
だんだん作業場所として充実してきた。研究室と違って、広々とした空間での制作は気持ちがよい。
先週から数日にわたって、比較的学生の出入りの多い場所で仕事をしているのだけど、おどろくほど関心を示す学生が少ない。春休みなので、学生の絶対数が少ないのはし方がないが、僕が制作していても、挨拶をしない学生が圧倒的に多い。特にこれから就職活動の控えている新4年生がそれではまずいだろう。
見せることを前提に作業しているのだから、もっと気軽に声をかけてもらって構わないのだけどね。
投稿者 corvo : 02:34
2009年2月28日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 6
27日金曜日は、作業場所を整えつつエスキースの制作を開始。前日に引き続き学生にも手伝ってもらっている。
復元骨格写真を拡大コピーしたものを貼り合わせてもらっているところ。
コピーをトレースして、水張りしたアルシュに転写。この作業も学生にお願いした。
トレースした骨格をもとに、筋肉、皮膚を復元していく。
ディテール。使っている鉛筆は、ステッドラーのHBとB。
金曜日の作業はここまでで終わり。再開は月曜日から。週末は領収書の山と格闘です。
投稿者 corvo : 12:50
2009年2月27日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 5
昨日、今日と制作場所を整えて、本格的な制作をスタートした。
まだ木枠にキャンバスを張っていない状態。
木枠のサイズに対して大きめに切ったキャンバスを、上下左右にテンションをかけながら張っていく。使用したキャンバスはクレサンのユニバーサルキャンバス112。
カラージェッソのイエローオーカとジェッソを混ぜたもので、下地を塗っていく。
下地を作ったキャンバスを壁面にセット。26日木曜日の作業はここまで。
投稿者 corvo : 23:27
2009年2月18日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 3
琵琶湖博物館はこれまでも何度か足を運んでいて、最も好きな博物館の一つだ。
この博物館には自然科学系と人文学系が共存している。
自然科学の展示室にはいると、まず化石林のジオラマが向かえてくれる。まさにアケボノゾウが生きた時代の立ち枯れた樹幹の化石である。
アケボノゾウの切歯(牙)のレプリカ。この博物館では、展示標本が化石なのかレプリカなのかが明記してあって分かりやすい。
前肢と下あご。これもレプリカ。化石は多賀町立博物館に収蔵、展示されている。前肢の化石は手根骨から末節骨まで関節しており見事である。
アケボノゾウの実物大復元模型とジオラマ。植生もよくわかる展示になっている。メタセコイアの林立する林を再現している。
2階のロビーからみた空。このときには雪はすっかりあがっていた。
僕がこの博物館で一番気に入ってい展示の一つ、淡水魚水族館。これは外来種の水槽で、ミシシッピーアカミミガメが元気よく、せわしなく泳いでいた。
中でも、お気に入りは古代魚の水槽。ストロボを使わずに撮影すると、これぐらいが精一杯。
ちょうど餌やりの時間に遭遇して、チョウザメたちの食餌を観察することができた。以前から大好きなのがこのヘラチョウザメで、自然界ではプランクトンを食べている。水族館では配合飼料を細かく粉状にしたものを与えていて、口を大きくぱかっと開けて泳ぎながら食料を集めていく。以前はたくさんいたのだけど、今は1匹だけだ。飼育員に聞いたところ、デリケートで飼育が難しいらしい。
外にはメタセコイアの木が植えられていた。残念ながら冬なので落葉してしまっているが、樹形や枝振りを観察することが出来た。
アケボノゾウ復元画のためのかなり良い取材をすることができた。
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アカデミアプラトニカ
投稿者 corvo : 21:49
2009年2月17日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 2
昨日の夕方に関西事務所に到着。今朝は朝から雪景色。関東に比べるととても寒い。
朝から車で出かける予定だったので、ついに「見せてもらおうか、スタッドレスタイヤの性能とやらを」と意気込んだら、路面はどこもドライでサマータイヤでも全く問題のないコンディションだった。
最終的に組み上がった、納品直前のアケボノゾウの復元骨格を見せてもらった。
この写真は頭骨だけだが、とても自然な姿勢で美しく出来上がっていた。復元画の制作にもおおいに参考になる。背景に描き込む植生などについても、監修者と打ち合わせることが出来た。着々と準備は進んでいる。
午後からはさらに取材をするために、対岸にある琵琶湖博物館へ。この空の広さは滋賀ならではだろう。
博物館での取材のようすは次のエントリーで。
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アカデミアプラトニカ
投稿者 corvo : 23:05
2009年2月13日
アケボノゾウ復元画プロジェクト 1
『アケボノゾウ復元画プロジェクト』を立ち上げたのは、昨年の夏前だったのだけど、あまり進めることができずにこの時期まで来てしまった。締め切りが目前で、切羽詰まって重い腰を上げたという方が正確かもしれない。アケボノゾウは約200万年前から150万年前に生息していた、肩の高さが約2mと現在のゾウよりも小型の種である。琵琶湖周辺から保存の良い化石が見つかっており、復元画を描いてみようということになっていたのである。
今日はほぼ組み立ての終わったレプリカを、標本業者のところへ見に行ってきて、各部の計測や資料撮影などを行ってきた。
多賀町立博物館に展示されている組み立て骨格から、さらに改良された姿勢になっており、最新の学説を反映した復元画を制作することを目指している。
春休みに入ってしまうが、学内で公開しながらの制作を計画しており、春には完成したものをお見せ出来るだろう。
現在、こういったレプリカや標本を製作する業者は苦しい立場に置かれている。博物館に予算がないため、常に仕事があるわけではない。新しい博物館の建設時には大きな発注があるが、出来てしまうととたんに出番がなくなってしまう。本来なら、展示の更新とメンテナンスが重要なのだが、日本の博物館ではあまりに軽視されている部分だ。
アメリカの博物館であれば、こういった標本やレプリカを作る専属のスタッフと部署を館内に確保しており、デザイナーやイラストレーターも雇われている。一方、日本の場合は全て外部の業者任せになってしまう。
僕もそのうちの一人ということになるのかもしれないが、なんともお寒い現状である。
せっかく高い技術を持っていても、次の世代に継承されることなく、その担い手はどんどん減っていっている。継続して仕事があるのであれば、うちの大学の卒業生などにも就職の道が開かれるのかもしれないが、今の状況ではとても勧められるものではない。産業として成立できないのであれば、大学などの研究機関で、そういった技術や知識を蓄積していくことも重要ではないだろうか。
「寒い時代だと思わんか?」と一言つぶやきたくもなるというものである。
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アカデミアプラトニカ
投稿者 corvo : 23:23
2008年12月31日
額装
繰り返しの掲載になるけど、スキャニングをしたので再度アップ。
ティタノサウルス形類ということで、左右の足幅は広めに復元している。
皮膚のディテール。
額装は年明け早々になんとかしてもらえることになった。納期を一日延ばしてもらって、直接会場に搬入することで解決した。いつもいつもぎりぎりの状況で対応してくださる額屋さんに、納期を延ばしてくれたクライアントに感謝である。
投稿者 corvo : 01:30
2008年12月28日
仕事納め
今日でなんとか仕事納め。でも継続して残っている仕事もあるので、「仕事納め」という気分ではない。
年明けすぐに納めなくてはいけない復元画には決着をつけた。教員は年末年始も研究室に入れると思っていたら、29日から3日まで完全閉鎖だということである。ちょっと勘違いをしていた。なので、急ピッチで今日までに仕上げる必要があったわけである。
こんな感じになった。紙はいつものアルシュではなく、グラシコファブリアーノ。51 x 72 cm。厚みもあってよい紙だが、表面の強さはアルシュに劣るようだ。
頭部ディテール。ほとんど見つかっていない状況で復元をするのは、あまり気が進まない。
胴体と四肢。昼間、徳川君からの電話で、結構重大な間違いに気づくことが出来た。感謝。今回復元したのはティタノサウルス形類、またはティタノサウルスなので、後肢の末節骨は4番目までなくてはいけない。前回のエントリーを見てもらうと3番目までしか描いていないことが分かると思う。危ない危ない。
現在の難問は額装をどうするか。
原画だけ送ってしまっても、先方で用意するという事なのだけど、決してベストな状態にならない事は確かなので、出来れば全て揃えて納品したい。しかし、この年末。どこまで対応してもらえるか。明日、額屋さんに電話して確認するしかない。
なにはともあれ、一段落。
投稿者 corvo : 23:59
2008年12月27日
久々に恐竜
恐竜の復元画を描くのは何ヶ月ぶりだろうか。それぐらい、最近は描いていなかったと思う。
もう直前だし、何を描いているか書いても大丈夫かな。
NHK神戸放送局主催のイベントのための復元画である。締め切りが1月5日。正月は休みたいので、年内に決着をつけてしまうつもり。
エスキース。一番、身体がつらかったときに描いたもの。
昨日の作業。エスキースをコピーして、カーボンで転写。サイズはB2。
セピアのカラーインクで陰影を描いてから、顔料でテクスチャーをつけた。
今日はその上からアクリルで制作。胴体から始めていった。
ディテールはこんな感じ。
明日には完成させる。
投稿者 corvo : 23:56
2008年10月 1日
とある町の竜脚類
久しぶりの古生物ネタ。
紙にアクリル。36.4 x51.5cm。
頭部ディテール。
でっぷりした腹部。
大地を踏みしめる脚。
詳細については、いまのところ内緒ということで。
投稿者 corvo : 23:39
2008年9月 9日
"2008 – PaleoArt Poster Exhibit – SVP Cleveland"
今日は朝の5時まで2008 – PaleoArt Poster Exhibit – SVP Clevelandに出品するためのデータを作り続けていた。デジタル上だといかようにもレイアウトを替えられるので、よほど明確なビジョンがないと短い時間で作成することができない。僕はもともとこういったデザインワークは苦手なので、なかなか決まらず時間がかかってしまった。
文章の英訳に関しては、友人の恐竜くんに全面的に協力してもらった。
真ん中に簡潔な説明文。
制作風景とプロフィールも掲載。
今年からSVPで正式に行われることになったセッションで、掲示できる枚数が限られている。なので、事前に画像を送った上での審査があり、すべてのポスターが展示できるわけではない。今日中に画像を申し込みのフォーマットとともにメールで送るので、今週末ぐらいには結果が分かるはず。
やるからには、ぜひとも展示したい。
ここからは余談なのだけど、恐竜の楽園で紹介されていた「小学館の図鑑NEO 恐竜カレンダー2009」のカバーの絵がなんだかおかしい。
カバーだから、こんなことになっているのか分からないが、カルノタウルスを襲うティラノサウルスに、空を舞うプテラノドン。遠景にはイグアノドンらしきものも見える。詳しい人ならすぐにわかると思うのだけど、どの恐竜の時代も生息地も重ならない。カルノタウルスとティラノサウルスは時代が同じとはいえ、生息地域が大きく離れている。また、とくにティラノサウルスの復元が正確とはいいがたい。絶滅した動物なので、何が正解か分からないといえ、骨格のプロポーションから逸脱していては、それはもはや復元ではなくイメージ画にすぎない。首と胴体もちゃんとつながっているように見えないし、後肢の指が短すぎるだろう。どういった意図で描かれたものかは分からないが、図鑑をもとにしたカレンダーとしては適当ではないのではないだろうか。
投稿者 corvo : 12:06
2008年7月25日
個展用小品の制作6
リクエストのニジェールサウルス。
友人のタイラーの復元をベースに描いてみた。
投稿者 corvo : 03:50
2008年7月24日
個展用小品の制作5
リクエストもなかったのに、ちょっと描いてみたくなったラジャサウルス。
夕暮れ時。
投稿者 corvo : 23:29
2008年7月23日
個展用小品の制作4
小品を昨晩中に2点制作。
リクエストのあった、水辺のランベオサウルス。
夕焼け空を背景に立つアロサウルス。どちらもセピアインクに透明水彩。
マジュンガトルスは資料を持ってくるのを忘れたので、時間があれば直前に関東本部で描きます。
投稿者 corvo : 09:49
2008年7月21日
個展用小品の制作3
ゴリさんリクエストの、老成したごっついティラノサウルス。
こんな感じでどうでしょう。
投稿者 corvo : 23:58
2008年7月18日
個展用小品の制作2
今日は合評の合間を見つけての制作。
ヴェロキラプトル雄。
ヴェロキラプトル雌。
投稿者 corvo : 01:44
2008年7月16日
個展用小品の制作
今年も個展用に小品を制作。サイズはハガキ大で100 x 150mm。アルシュにセピアインクと透明水彩。
トリケラトプス。
ティラノサウルスの頭部。
例年のようにリクエストを募ります。どしどしコメント欄でどうぞ。ただし、資料が少ないものやマイナーなものは勘弁を。
投稿者 corvo : 22:31
2008年6月28日
Tyrannosaurus skeleton 04
新聞屋のバイクのエンジン音が聞こえる時間。
午前2時頃の状況。淡々とペン入れを進める。
そして、これが現在。側面からの椎骨はすべて描き終えた。尾椎の先端の方は自信がない。上面からほぼまるまる残っているが、週末のうちに完成させる予定である。土曜日は関東本部へ戻ります。
投稿者 corvo : 04:21
2008年6月27日
Tyrannosaurus skeleton 03
授業に制作と、blogをアップする時間が全く取れなかった。
骨格図は着々と進んでいる。
脊柱の曲がりについてだが、僕としては今回はまっすぐで行くことにした。
これはメールで受け取った指示画像。非常に微妙な角度で、自然な表現だと思うのだけど、今回は図面としての美しさを優先しようと思う。
実は、ペン入れの前のラフスケッチからの転写を、学生に手伝ってもらった。
コピーの裏に鉛筆を塗り付けた即席カーボン紙を作り、赤い水性ボールペンでアウトラインをなぞっていく。
最低限の説明しかしなかったのだけど、非常に正確にトレースをしてくれた。ラフスケッチなので、線が整理されていない。にもかかわらず、とても良い仕事をしてくれた。これはうれしい誤算。
復元画を描けるようになりたいということなので、これからも積極的に手伝ってもらおうと思っている。
投稿者 corvo : 23:33
2008年6月26日
Tyrannosaurus skeleton 02
水曜日は朝から夕方までビッチリと授業があるため、ほとんど制作にまわす時間はとれない。放課後は他の作品を、そして関西事務所に戻ってからは、この骨格図の続きを進めた。
この画像は昨日の段階。胸郭の部分を中心に進めている。これに対するH君のコメントは次のようなものだった。
--
肩甲骨の位置は、正直よく分かりません。たぶん(まだ)誰も結論を下せていないと思います。
現生主竜類でも肩帯の位置はまちまちで、飛行する鳥では肩甲骨が胸郭の上の方まできていますが、走鳥類ではけっこう下の方にあります。
筋でつながっているだけの肩帯が、関節状態で発見される化石にどの程度保存されているのかは分からないですし、肋骨に筋の付着痕も残っていないので、推測に頼らざるをえないのですが、僕は昨日送った絵のような感じじゃないかなあと思っていました。(けれども小田さんの意見を否定する理由もありません。)
Lambe (1917)が記載したゴルゴサウルスでも、やはり下の方にあります(添付した図を参照)。
一方で、オビラプトル類の抱卵化石や、エドモントサウルスのミイラ化石では胸郭の上の方に肩帯がついています。これらとティラノサウルス類の化石との違いが、本来の肩甲骨に位置の違いを本当に反映しているのかは正直あまり自信がありません。
肩甲骨のつく角度についても、ほとんど手がかりがありません。肩甲骨のカーブがどのように胸郭にはまるかを見れば分かりそうなものですが、化石の保存状態を考えるとそういう研究はできそうもないですね。
***
今日いただいたスケッチについてですが、肋骨はもう少し細いと思います。また、腹肋の形状は、Lambe (1917)の図を参照して下さい。昨日送った僕の絵がまずかったですね。すみません。
--
Lambe (1917)の図がこれ。
上記のコメントや資料をもとに修正したものが、次の画像である。
肩甲骨、前肢を描き加え、腹肋骨を修正。
さらにこの画像に対するコメント。
--
肩甲骨の上端が p16の肋骨にかかっていますが、僕は p15までしかかからないのではないかと想像していました(すみません、あまり科学的根拠はありません)。
関節状態のティラノサウルス類の化石で p15よりも後ろに肩甲骨の上端がきているものは、見たことがありません。
また、上腕骨の関節する位置ですが、もし少し烏口骨側にあるはずです。
上腕骨は、烏口骨とも接するはずです。Brochu (2003)でご確認ください。
--
他にも多くのコメントと資料を送ってもらっているのだけど、公開できないものもあるので、抜粋して紹介している。
これらの情報をあわせて、一応完成させたラフスケッチが、次のものである。
この画像はさっき送ったばかりなので、現在は返事待ちである。
と思っていたら、今しがたメールが(午前2時39分)。
--
スケッチ最新版、拝見いたしました。
こうして形になってくるとわくわくしてきますね。
あとで、細かく見させていただこうと思っていますが、1つ気になる点がありますので、先に述べさせていただきます。
歩いている姿を上から見ると、体軸がまがるのではないかと思います。特に、尾は、大腿骨を引く筋がついていますので、この場合、尾の基部あたりは左側へ曲がるのではないでしょうか。
そのあたりも考慮して、後ほど再度メールいたします。
--
どこまで反映できるか、そろそろタイムアップが近づいてきている、
投稿者 corvo : 02:02
2008年6月24日
Tyrannosaurus skeleton 01
久しぶりに、リアルタイムで制作プロセスを紹介。Tyrannosaurus rexの決定版骨格図である。毎回、決定版とか言っているのだけど、どこかしらおかしなところがあり、なかなかうまくいないのである。今回も100点満点というわけにはいかないだろうが、出来る限り満点を目指して制作していこうと思う。
骨格図の制作には、定規と計算機が欠かせない。コンパスも頻繁に使う。
監修と資料提供は、以前から交流のある古生物学者の卵であるH君にお願いしている。
これが最初のラフスケッチ。腰の部分を中心に、脊椎を並べて組み立てていった。椎骨はそれぞれ違った形をしており、その微妙な形態の違いを表現する必要がある。頸部、胴部では関節のつながり方にも差異があり、プロポーションの狂いもないようにしなければならない。常に定規と電卓でチェックし続ける、地味な作業の連続だ。コンピューターを使えば、もっと省力化できる部分だと思うので、デジタル化への移行は今後の課題である。
これが最初のラフに対する、H君の修正案。
非常に分かりやすく、イメージが明確になってくる。でも、どうにも分からない部分もあり、お互いどうしようかと迷っているところもある。次回のエントリーでは、その点についても触れていこうと思う。
投稿者 corvo : 23:34
2008年5月22日
今年も駄目でした。"Lanzendorf PaleoArt Prizes: 2-D Art Category"
年に一度の募集で、選ばれるのは部門別に世界でたった一人だけ。確率的にものすごく難しいのである。
--
With the number the entries increasing by 50% over last year, the competition in the 2-D art category also heightened because of the range of high quality illustrations submitted. There were some truly outstanding entries, and judging (which involved consensus building) was truly challenging. Although you were not favored with the prize this year, we on the committee nonetheless wish to thank you for submitting your work, anh hope that you'll keep the Lanzendorf competition in mind in future years.
With all good wishes,
Farish
(Farish A. Jenkins, Jr., Chair, Lanzendorf PaleoArt Prize Comittee)
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投稿者 corvo : 23:32
2008年5月16日
子供向け絵本企画06
久しぶりに仕事の画像をアップ。相変わらず、いくつか並行して進んでいる。
少し前に描いたエスキース。サイズはA3で、ケント紙に鉛筆。絶滅種、現生種を含む海の生物たち。
制作プロセス。写真を撮り忘れていて最初の段階が抜けている。まず水張りしたアルシュ紙にエスキースをカーボン紙を使って転写。ローアンバーで各生物を陰影をつけて描写し、その後セルリアンブルーとコバルトブルーで全体を塗ったのが、右上の画面である。
ひとつひとつの生物を、奥から順番に描いていく。
完成画像。280 x 505mm。
グレースケール。パーフェクトなヴァルールと自画自賛。
海棲爬虫類は難しい。重力からある程度解放されて3次元の空間を自在に泳ぎ回る生物たち。
某所で某氏に「恐竜はそこそこ描けるが、海棲爬虫類はだめだめである」と言われたらしい。情報と理解が、いまだ不足している。海棲爬虫類の復元はこれからの課題。
投稿者 corvo : 00:07
2008年4月16日
Lanzendorf PaleoArt Prize
今年もLanzendorf PaleoArt Prizeにエントリーした。年に一回、一部門につき一人しか選ばれないため、非常に賞を取るのが難しいコンペのひとつである。おそらくそれほど参加者数は多くないと思うのだけど、1番とそれ以外という審査結果に残るのは多くの幸運が必要だろう。古生物の本場である北米もしくは欧米で活躍しているほうが、優位性は高いだろうなと漠然と思っている。これまでの受賞者を見ると、古生物学に対する社会貢献度も大きな要素のひとつのようだ。より公益性の高い施設や出版物で仕事をすることが重要である。
今回、僕は豊橋自然史博物館の1枚でエントリーしたのだけど、これほど大きな規模の制作は僕にとって前例がなく、賞にのこる用件はある程度満たしているかもしれない。とはいっても、選ばれるのはたった一人。取れなくて当然と割り切るぐらいの気持でないとエントリーできない。
昨年まではインターネットを使ってデジタル画像を送り、簡単なキャプションを書式に従って記入するというものだったのだけど、今年からプリントアウトしたシートを送るという方法にがらっと変わった。この方が作品のディテールは分かるだろうし、これまでの方法より手軽さがなくなったという点からも、より絞られたエントリー数になるのではと勝手な予想をしている。でも、例年何名がエントリーしたかが分からないので、確かめる術はないのだけど。
今日の昼間、全てのプリントペーパーとラベルの書式をそろえて、EMSで発送してきた。送料2400円なり。EMSは信頼性も高しスピードもあるので、海外に発送するときはほとんどの場合利用している。ネットを使って追跡できるシステムも素晴らしい。もし受賞できれば日本人初なのだけどなあ。取りたい。発送したので、後は無事に到着することを祈りつつ、結果は「神のみぞ知る」であります。
投稿者 corvo : 23:29
2008年4月14日
終了!
昨年から続いていた仕事が、ようやく終了した。
規模も点数も過去最高ながら、かかった期間は半年足らず。途中他の仕事も並行して進めつつだったので、本当にきつかった。これから先も楽になるということはないのだけど、少しほっとしている。
これが納品リスト。一点完成するごとにマーカーで消していっている。大きいものから小さいものまで、のべ点数39点。そろそろオープンも近づいてきたので明かしますが、豊橋自然史博物館の中生代コーナー展示室のリニューアルにともなう復元画制作だったのである。古生代に続き、僕に全ての復元画を一任いただいたのである。とても嬉しく、ありがたい事です。博物館のサイト内にある「展示改装日誌」では、例の大画面の現場設営の様子が公開されている。人と比べるとその大きさがよくわかる。今月下旬の公開日には僕も見に行く予定なので、その頃には現場の写真も公開できると思います。
ほっとしているといっても、どんどん仕事は進めていかなくてはならない。
関西事務所。完全ではないけど、戦闘態勢整っています。ばっちこいですよ。
投稿者 corvo : 13:08
2008年3月29日
一段落
節目の引っ越しを控えて、ようやく一段落。でも、まだまだ他の仕事も残っており、細々とした準備が山積している。
ここに並んでいる画面。ほぼ二週間で制作。このスピードは自己記録更新かな。
投稿者 corvo : 23:06
2008年3月28日
サメ、さらに修正
前回からさらに修正の指示を受けて加筆。時間的に、もうこれ以上は無理である。
今回は修正の指示書とともに並べてみた。上から修正前、修正指示書、修正後である。
これでかなりよくなっているはず。
微妙な修正ではあるが、印象は大きく違う。
さて、本格的に滋賀への移動の準備にとりかからなくては。
投稿者 corvo : 23:44
2008年3月26日
サメ、サメ、サメ。そして、修正、修正、修正。
ここ何日か、サメやエイなどの軟骨魚類を描き続けていた。一見単純なフォルムなので、少しでも鰭の位置やプロポーションが狂うとたちまちおかしくなってしまう。今回はサメを研究しているある学生に監修をお願いしているのだけど、その指摘は非常にわかりやすく、こまかな部分まで神経の行き届いたものである。また、彼は絵を描くのがとても上手く、付けてきてくれる手描きの図版は僕の理解の助けになっている。僕にとっては宝物のように価値ある物だ。
上が修正前、下が修正後。下に続く画像も、それぞれ同じ順序で並べてある。全体のプロポーションから修正を加えている。
鰭に変化をつけることで、動いているような表現に変更した。休んでいる姿勢なら、最初の絵でも問題ない。
胴体の太さ、背びれの位置、ディテールにいたるまで、ほぼ全体に修正している。
締め切りが容赦なく迫って来る。もう一踏ん張り。
投稿者 corvo : 23:46
2008年3月18日
鱗を描く9
いまだ鱗の呪いから解放されることなく、ひたすら描く日々。
sivaさんからリクエストのあった、シーラカンスの全身像(画像は部分)。制作途中、引っ越しなどもあり描けない時間があったのだけど、実質1日半ほどで完成。いいペースである。
同じ画面に登場するオウムガイ。テーマは「生きている化石」。この触手にも呪いがかかっていそう。まだ大物が残っているが、そろそろカウントダウン。
確定申告は最終日の提出になってしまったが、ちょっとすっきり。これで制作に専念できます。
投稿者 corvo : 02:07
2008年3月14日
鱗を描く8
まだまだ続く鱗シリーズ。先のしのぶんさんのコメントで「陰謀」ではなく「呪い」であることが判明しました。どちらにしても、僕にとってはありがたくないことです。
鱗にも様々な形態があって面白いのだけど、もう少し余裕をもって描きたかった。
これからシーラカンスを描くので、まだまだ鱗の呪いは続きます。
投稿者 corvo : 14:50
2008年3月12日
鱗を描く7
今日も鱗を描く。今回は魚。
ざっくり雰囲気と立体感で見せようと思っていたのだけど、結局鱗を一枚ずつ描くはめに。これも何かの陰ぼ・・・(プツッ)
投稿者 corvo : 23:45
2008年3月11日
鱗を描く6
葉っぱから解放されて、ふたたび鱗である。前回の「鱗」エントリーからおよそ1ヶ月の月日がたっているが、毎日着実に枚数を重ねている。ここが踏ん張りどころ。
白亜紀前期、ブラジルの小型のワニ。これから魚が続くので、あと何枚鱗を描かなくてはいけないのか!
それもこれもあれもそれも、きっと陰謀なのである。
投稿者 corvo : 23:54
2008年3月 5日
葉っぱを描く4
葉っぱを描くのがつらい。そろそろ動物を描きたいのだけど、スケジュールを地道にこなしていかなくては先が見えない。現在3日で1枚ペースである。
昨日の続き。完成。ナンヨウスギとイチョウが見える。今回のイチョウは葉っぱの枚数を減らして、それぞれの表情の違いを気をつけて描写した。
実際の画面はもう少し明るいです。
投稿者 corvo : 23:49
2008年3月 4日
葉っぱを描く3
相変わらず、葉っぱ描きが続いている。
今回はナンヨウスギ。現在でも生息している裸子植物だ。とにかく大変です。
投稿者 corvo : 02:29
2008年2月29日
葉っぱを描く2
のは嫌いだ、と昨日は書いたのだけど、全ての葉っぱを憎んでいるわけではない。
こういう葉っぱを描くのは好き。長いストロークでタッチをいれて、光の方向を意識しながら空間を描いていく。気持ちいいです。
投稿者 corvo : 02:23
2008年2月27日
葉っぱを描く
投稿者 corvo : 23:10
2008年2月26日
翼竜完成
午前中に翼竜完成。全貌はお見せできないのだけど、画面サイズは300x2300mm。ほんの一部ですが、画像を。
水しぶきを描き込んだら、ほとんど魚が見えなくなってしまった。それもまたよし。
眼に光をいれると、ぐっと引き締まる。
薄い皮膜を表現するため、血管を透かしてみた。
さあ、つぎは中生代の植物だ。これからキャンバス張ります。
投稿者 corvo : 13:24
2008年2月24日
子供向け絵本企画05
昨日、今日とほんとうにすごい風だった。春一番とはいえ、交通機関にも多くの影響が出てしまった。
土曜日は夕方から都内へ出ようと思ったら、強風のため電車がストップしてしまっていて、駅まで行きながら断念してしまった。おかげで仕事が進んだのだけど、なんというか徒労感に苛まれたのは否定出来ない。
そこで、昨日完成して、今日取り立屋「タカ・マスカラス」に持っていかれたのが、これである。
サイカニア。キャンバスにアクリル。この角度がサイカニアの特徴をもっとも表現しやすいため、俯瞰の構図ばかり描いているかもしれない。サイカニアはもっとも好きな恐竜の一つだが、数多く描いている種のひとつである。
部分。
部分。
最近の届きもの。
巨大オリゼー。ポーちゃんは気になるらしい。ちょびは怖がって逃げていた。
そして学研大人の科学のテルミンmini。けっこう音が大きくて、猫達が興味津々でやってくる。気になる周波数の音なのだろうか。全然上手く鳴らせないのだけど、ただ音を出しているだけで楽しい楽器。でも、曲が弾けるようになったら、もっと楽しいだろうなあ。
投稿者 corvo : 23:29
2008年2月21日
ひたすら描く
ひたすら描いています。
コメントへの返答、エントリーのアップが遅れ気味で申し訳ない。実は、ほんの少し前にエントリーが1000を超えました。明日は非常勤講師の日。高校で授業をするのも、後2回。
魚を捕らえた瞬間のアンハングエラ。幅が230cmある復元画のほんの一部。まだまだ途中。
投稿者 corvo : 23:53
2008年2月19日
描く、描く、描く
週末はテルミンマイナスイオンライブに出掛けていただけではなく、フル回転で仕事をこなしていた。
それぞれのサイズは20x20cm。アルシュ紙にセピアインク、透明水彩。ほぼ2日で10点仕上げた。
これは部分、アルシュ紙にチャコールペンシル。これは昨日完成。
制作途中の惨状。大量のチャコールペンシルを消費しながらの制作。
久しぶりの猫写真。チョビ。
ポー。
投稿者 corvo : 23:46
2008年2月12日
鱗を描く-番外編『鱗がない』
番外編とか大層なタイトルがついているが、なんのことはなく「スッポン」を描き加えただけである。
スッポンはカメでありながら硬い甲羅を持っておらず、全身がやわらかい皮膚で覆われている。
白亜紀の北米に生息していた、甲長1mに達する巨大なスッポン。巨大とはいえ、現生種には甲長1mを超えるものもいるので、特別大きいというわけではない。どうしてスッポンを描いたかというと、恐竜が特別な時代ではなく、現代と繋がっているのだということを強調したかったからだ。恐竜が生きていたのはファンタジーの世界ではない。今と同じ地球(もちろん大陸の位置や気候、生態系は違うが)だ。
ということでワニも描いている。鳥も描き込もうと思っていたのだけど、資料不足で断念した。魚も描こうかどうしようか迷いつつ、完成ということで今日筆を置いた。
投稿者 corvo : 23:53
2008年2月 7日
鱗を描く5
昨年末から鱗を描き続けて、はや二ヶ月。ようやく(一応の)完成までこぎつけた。ここまで来ると描き込むのが楽しい。風景を描くときのセオリーで、背景から順に描いてきたので、登場する生物も遠方のものから描いている。遠方のものを詳細に描いてしまうと、手前に来るにしたがって、さらに描き込みと密度を上げなくてはいけない。そうやって、自分を追い込むというか、首を絞めるような、マゾヒスティックなプロセスをここまで経てきたのである。
まだ全貌を見せるわけにはいかないので、例のごとく加工した画像と、部分を紹介しようと思う。
こんな画面もかっこいい。構図が決まっているね、と自画自賛。
爬虫類らしいディテールのトリケラトプス。どうしてこういった復元になったかも、実は内緒なのだ。時期が来たらお話しします。
もっといろいろな生物を隠しアイテム的に描き込もうと思ったのだけど、画面が五月蝿くなりそうだったので、今回は見送ることに。もう少しディテールアップの描き込みをする予定。来週末納品です。
投稿者 corvo : 23:10
2008年2月 5日
鱗を描く4
久々の「鱗を描く」エントリー。やく一月ぶりではあるが、毎日ひたすらに鱗を描き続けてきた(ちょっと大げさ)。そして、ほぼ完成するところまでやってきた。
例のごとく、全貌を見せることはできない。なので、ディテールのチラリズムを。
エドモントサウルス。
トリケラトプス。
「いい目をしているな」度胸がいいかどうかは分かりませんが。
普段使っているパレット。紙パレットなので使い捨てなのだけど、極めて限定された色数で描いている。ほとんどが土性系の茶褐色で、パレットだけ見ているととても美しいとはいえないかもしれない。実際の画面のディテールも、顕微鏡レベルまで拡大すれば、そんなに美しいものではないだろうな。
絵を描いていて「ゾクッ」とする瞬間は、それまでのただの絵の具しかなかったものが、絵画空間の中でまったく別の存在に変化するときだ。タッチを描くリズムもそれほど大きく変化するわけでもないし、使用している筆も限られている。でも、それぞれの物質が「水」のように見えたり、「土」を感じさせたり,存在しないはずの「光」を演出したりする。紙や布の上に付着した、ただの絵の具の集積でしかないものが、まったく違ったものに変質する瞬間に立ち会えることに、僕は望外の喜びを感じるのである。いや、もうねえ、なんかたまらないのですよ。
投稿者 corvo : 02:37
2008年2月 4日
クロコダイルの進化をつなぐミッシングリンク
”ワニ、ワニ、水辺の兄弟”(by KUWATA BAND)。と歌われるように現代のワニは、全て水棲生活に適応している。1日、「クロコダイル進化の「失われた環」とみられる化石、ブラジルで発表」という報道があったのだけど、今朝のワイドショーでも取り上げられていた。比較的地味な古生物の発見を、ワイドショーで見ることになるとは思いもしなかった。復元模型の画像も流れて、しっかりとした紹介だったと思うのだけど、今回発見されたワニが陸棲であることに何もそんなに驚かなくても、という出演者達の反応だった。犬のような姿勢で歩く姿のその復元模型は、現生のワニからは遠い存在のように思うかもしれないが、三畳紀に現れたもっとも原始的なワニも、直立して歩く陸棲の動物だった。
これは僕が以前に描いたプロトスクスというワニの復元画。現生のワニも、素早く動くときは大きく胴体を持ち上げて、直立に近い姿勢でダッシュする。ジョンストンワニに至っては、ギャロップすることが知られている。
腹這いになって水辺で過ごすのが、ワニの一般的なスタイルなのは確かだが、折角面白い素材なのだから直立して歩くワニは、かつてはそれほど珍しいものではなかったというところまで踏み込んで欲しかったなあ、とテレビに無い物ねだりをしてしまうのである。
'Missing link' crocodile fossil found
FÓSSIL ENCONTRADO NO BRASIL É ELO PERDIDO DOS CROCODILOS
投稿者 corvo : 23:59
2008年1月30日
修正、修正、また修正
なかなかblogの更新ができないほどに、厳しくなってきている。
僕の作業工程は非常に修正が多い。ほぼ完成と思えるような状態の場所でも、気に入らないと躊躇なく修正を加えていく。そのためおのずと手数が多くなり、時間がかかってしまうのである。
経営的判断をするなら、絶対にやめておくべき時でも、ついつい手を入れてしまうのだ。脳内での葛藤は大きい。現場サイドと経営サイドが、頭の中でせめぎあっているようだ。
「今、ここで修正加えたら、絶対に間に合いませんよ!」
「いや、出来る。出来ると言ったら出来る。」
「これ以上、修正を加えると、赤字が膨らむ一方ですよ。」
「いや、ここまで来たら関係ない。いけるところまで突き進め!」
「もう、どうなっても知りませんよ!ぶつぶつぶつ・・・・」
どちらかというと経営に無頓着なワンマン社長が吠えている感じかな。現場サイドである肉体は、もうぼろぼろ。
完成は見えている。もう少し。修正の誘惑は悪魔の囁きか、神のお告げか。
投稿者 corvo : 23:51
2008年1月 9日
鱗を描く3
壁画原画の制作=鱗を描く、ということになってきている。年末、正月、現在に至るまで、ひたすら鱗を描き続けてきた。
鱗とリンクして模様も描いていく。色は地味だが模様は派手目。モデルはパンサーカメレオン。
僕の絵を描くプロセスとして、ディテールから詰めていくことが多い。エスキースを何度も繰り返すことで、絵の全体の構造、構図は明確になっているので出来るのだけど、かなり初期の段階で一部のディテールを完成に近い状態まで持っていってしまう。こうしておくと、その後のプロセスで手を抜けなくなり、より完成度の高い描写が要求されることになる。僕が画面をコントロールするというよりは、画面が僕をコントロールするといったほうが良いかもしれない。というわけで前回のエントリーのように「描くことに嵌る」わけである。
投稿者 corvo : 23:48
2008年1月 8日
描くことに嵌る
絵を描くことに嵌っている。今更何を!と言われそうだが、あまり良い傾向ではない。絵描きが絵を描くことに嵌るのは自然なことと思われるかもしれないが、あまりにそれ以外のことがおろそかになってしまっている。
とくに嵌っているのが、大画面の壁画原画の制作だ。寝ても覚めても、頭にその画像がこびりついている。まだ描けていないところ、修正したいところ、ずっと気になってしかたがない。現在、並行して進めている案件やイラストがいくつもあるのだけど、この大画面以外の制作にほとんど手をつけることがいられないでいる。これはまずい。早々に大画面を完成させてしまうことが一番の解決策なのだけど、3mを超える大作である。今日明日にも完成!というわけにはいかない。
つくづく思うのだけど、絵を描くには時間がかかる。一度絵の具をパレットに出すと、乾くまでに使い切ってしまいたいので、長時間画面に向かうことになる。トイレに行くのも面倒になることもしばしば。
焦ると余計駄目になるので、こつこつと進めていくしかない。短期間で出来る作品を仕上げることで、リズムを作っていこう。この奥歯に物がはさまった感覚から、早く脱したい。
まったく話が変わるのだけど、mixiで骨王さんが紹介していたEXILIM PRO EX-F1が凄い。何が凄いかというと、ハイスピード撮影が可能なことだ。リンク先のサンプル動画が楽しい。この世界を民生機で手軽に捉えることができるとは。
投稿者 corvo : 23:51
2007年12月29日
鱗を描く2
年賀状を作ったり、忘年会に参加している間に、更新が遅れてしまった。
毎日、鱗を描き続けている。
以前から繰り返し書いているが、地面と接地する部分のディテールは重要である。ここがきちんと表現できていないと、その生物の重量や重心、バランスといったものを感じることができない。
でも、まだ描き込みが足りない。
昨日、年賀状を無事出すことが出来た、例年に比べると異常に早い。いつもなら大晦日に作っているところだ。おそらく元旦に届くと思います。
投稿者 corvo : 14:58
2007年12月26日
鱗を描く1
鱗を描くのは、手間と時間がかかる。筆というやわらかい素材で、硬い鱗を描くのは、質的にマッチしているとは言いがたい。羽毛やほ乳類の毛を描くのに筆は適しているのだけど、鱗を描くのはその何倍も手順が必要になる。機械的に点描で描くだけでは、鱗の持つ立体感や、その生物の形態に沿った光の当たり方を表現することはできない。
ハドロサウルス類の頭部の鱗の表現。可動部分とそうでない部分で、鱗の大きさを変えている。
「今週のビックリドッキリメカ発進!」ではなく、遠景の群れ。
出来上がった年賀状。今年は印刷にしようかなと思っていたのだけど、ぐずぐずしている間に時期が迫って来てしまい、例年通りプリントゴッコで制作。プリントゴッコ用の消耗品も、かなり値上がりして来ている。インクジェットプリンターの普及で、プリントゴッコの市場も先細りなのだろうけど、手軽に出来るシルクスクリーン版画として生きのこっていって欲しい。うまく使えば、かなり繊細な表現も可能です。
これから宛名ラベルを作らなければ。実はこれが一番面倒くさい。
これか
投稿者 corvo : 23:15
2007年12月25日
何度も修正
忘年会シーズン。年々ありがたいことに、呼んでいただける場が増えている。全てに参加できるわけではないが、自然と酒量が上がってしまう。
全体は披露できないけど「ちら見せ」大画面の制作は日々進んでいる。これだけ大きな画面になると、かなり詳細なエスキースを作って始めるのだけど、それでも修正点は出て来る。僕の場合、完成にいたるまで積極的に修正を加えることが多いので、構図自体も少しずつ動いていく。
足下に広げられた資料と、絵の具とパレットをのせたワゴン。使っている色数は、ごく限られたものばかり。
修正を重ねるので、どんどん線が増えていく。イラストレーションの場合、エスキースをトレースしてから構図を動かさないことが多いと思うのだけど、もともと絵画出身の僕はわりと平気で描き直してしまう。ポーズも随分変化してきた。でも、そろそろ基本的な構造は決定しなくては。
「大福&豆福帰って来ました。」
里親探しはなかなか難しいです。「縁」のものなのですよね。
投稿者 corvo : 14:59
2007年12月23日
植物を描く1
全貌を公開できないというのは、こちら側もストレスなのだけど、来春まで我慢のほどを。
でも、大きい画面を描くのは気持ちがよい。画面が大きく、登場する要素も多いのだけど、構図は極めてシンプルである。ここ数日は、背景の植物を描くことに時間を一番使っていた。
遠景は針葉樹がメイン。近景には低木や種子植物を描く予定である。
投稿者 corvo : 12:44
2007年12月20日
地方で打ち合わせ
水曜日は朝から打ち合わせ。朝からだというのに、場所は地方。西の方です。3時30分に寝て、朝5時起き。6時11分に最寄り駅を出発して、現地に着いたのが9時30分すぎ。新幹線の中で寝てしまい乗り過ごすのが怖かったので、携帯のアラームもセット。天気も良く気持ちのよい日で、無事、時間通りに到着出来てよかった。
メタセコイアの木。冬なのでかなり落葉している。中生代の植物を描くときの参考に写真を撮ってきた。
例によって打ちあわせの内容は書けない。なんとも情けないエントリーである。ここのところ書けないネタばかりで、申し訳ない。
とにかく仕事で絵を描き続けています。延々と。
投稿者 corvo : 23:51
2007年12月15日
雲を描く2
相変わらず、全貌を公開するわけにはいかないのだけど、雲を描いた。空と雲の部分はおおよそ完成。
次に描くのは背景の植物。その後、遠くにいる生物から、近くにいる生物へと描いていく。積乱雲であるが、モンゴルに行った時に撮影して来た雲の写真を参考にしている。遮る物のない大地では、雨が降っている様子も遠くから見ることができた。
まったくの余談なのだけど、kikulogのエントリー「フィクションと科学的正確さ」で、「先日、仕事をしながら「機動戦士ガンダム”めぐりあい宇宙編”」を見ていたのですが、浴槽に湯をはって入浴するというのは、無重力の状況で実現するのは凄い技術だなあ、とつまんないところでひっかかってしまいました。」というコメントを書いたら、「 ホワイトベースにはいちおう遠心力を使った人工重力ブロックと称する区画があります。」「ホワイトベースはディスカバリーと同じくドラム型の擬似重力を発生する居住区を持ってます。」ということを教えてもらった次第。
つくづく僕はオタクではないなあ。
投稿者 corvo : 23:21
2007年12月12日
雲を描く
今日は一日、延々と雲を描いていた。雲だけといっても画面が大きいため時間がかかる。エアブラシは使わずに、筆とアクリル絵の具で描いている。
この画像の部分だけでも、幅70cmほど。あともう少しということころで、描き上げることができなかった。背景が出来上がってから、手前の生物を描いていく。
明日は芸大で集中講義の日のなので、それほど制作に時間を使うことができない。
投稿者 corvo : 23:43
2007年12月11日
STUDIO PORCUPINEよりのレポート
某社企画によりcorvoさん宅に伺いました。
corvoさんが絵を描いている姿の撮影という主な目的もあったのですが(著者近影ってやつですね)、今corvoさんが手がけている100×333cmのキャンバスを見ることができるというのも楽しみのひとつでもありました。
地下にあるcorvoさんのアトリエは通常、資料とか骨とか制作途中の絵とか、たくさんの没下絵とか、第三者から見たときには雑然と、しかし、どこか整理されているといった状態でいろいろなものがあちこちに置かれています。
アトリエの一番奥のスペースにはイーゼルが置かれ、そこには描きかけの絵がかけられていて、横に置かれたテーブルの上に資料やら骨やら、corvoさんが教えている近所の子の絵などがごさっと置かれています。たまにcorvoさんはこのスペースの奥の壁を利用して壁キャッチボールなんかをしています。
そして、そこは天窓から自然光が入る、アトリエの中でもやさしげなスペースでもあるのです。
しかし今日、入り口からまっすぐに階段を下りて、目に入ったその場所は、いつものものが置かれている印象とは違っていて、広い空間が作られていました。そして壁には美術館などでしか目にすることはできないであろう大きなキャンバスがかけられ、それがやわらかい光に浮かび上がっているさまは、いつもとは違うものを目にした違和感とともに大仕事の道具が持つ不思議な迫力をもって見るものに何かを感じさせるものがありました。
撮影は、彼が描いている様子を、こちらが勝手に撮っていくというスタイルで行いますが、実際にはそれだと絵にならないこともあるので、時折ポーズなど注文をつけながら進めていきます。描画中の画家を撮るのは初めての経験なのですが、corvoさんはこちらの注文や、質問に丁寧に答えながらも集中力を切らさずに描き上げていきました。
最初はキャンバス全体に下絵を写してある状態でのスタートでしたが、話をしながらも、するすると筆を走らせ、線と粗い塗りで立体感を持ってキャンバスに古生物の姿を浮かび上がっていくさまは見ていておもしろく、例えて言うなら「水森亜土が歌いながら透明アクリルボードに両手で絵を描いているような疾走感」がありました。
時折資料を取り、たまに遠くから全体を見て検討しながら描いていたのですが、恐らくは完成までの設計図が頭の中に出来上がっているのでしょう。大きなキャンバスの間近で描いていると全体像は見えにくいはずなのに、一見、無造作に見える筆遣いから、バランスよく絵が作られていきます。
撮影が一段落するころには、キャンバスには下絵の線画の部分がほとんど描かれていました。
Cap:資料のパラサウロロフス骨格と話す技術を持つ画家
Cap:遠い位置から検討する画家
全国の恐竜ファンのちびっこたちが見たら、すげーすげーの大合唱だったことでしょう。
ぼくのような大きなお友達も楽しみました。
クライアントとの関係上、まだ公表するわけにはいかないということですが、かなりの大作です。
今から完成が楽しみです。そして、この絵が真の姿を現すのは、完成のさらにその先……
---
レポートありがとうございました。写真で見ると、そんなに画面も大きく感じませんね。描き込んでいくと大変なのですが、今のところそれほど大きさに対する戸惑いはないです。最終的に拡大される恐怖に、どれぐらい打ち勝つことができるかです。
投稿者 corvo : 10:31
2007年12月10日
Smilodon06
スミロドンに新たな指摘が入り、急遽修正。僕も気になっていたところなどで、直してみてすっきりした。でも、レプリカの頭骨を入手すべきだったかも。そうそう買えるわけではないですが。
奥歯の位置を修正。指摘のメールと画像を送ってもらったのが9時18分。今日の11時に担当者が取りに来ることになっていたので、大急ぎで修正を加えた。少し待ってもらって、無事納品。こういうスリリングな展開は好きです。
修正箇所のアップ。これで少し不自然さは解消されただろうか。もう納品してしまったので、これで終了。
ご指摘いただいた皆様、ありがとうございました。
投稿者 corvo : 11:45
2007年12月 9日
Smilodon05
昨日の夜は恒例の恐竜倶楽部忘年会。その席でRC GEARの横山君から、「あのスミロドン、ちょっときになるとこあるんだけど」おいう指摘を受けて、そのポイントを教えてもらった。画像資料まで提供してもらったものだから、帰宅後と今朝に早速修正。感謝です。
これではどこが修正されたか分かりにくいと思うので。
修正ポイントの比較。上あごの巨大な犬歯が収まるために、下あごのその部分をもっと狭く描き直したのである。
さらに拡大したもの。これで大丈夫かな、横山君。
こういった指摘をしてくれるのは、とてもありがたい。ネット上で公開しているメリットのひとつだろう。
大福と豆福は里親さんが決定したということです。とびきり可愛かったですしね。すあまとよもぎもお見合いが決まっているようです。
投稿者 corvo : 12:31
2007年12月 7日
Smilodon04
ほぼ2日でスミロドンを完成。このペースで走り続けなくては、終わりが見えそうにない。
これは、昨日までの制作プロセス。毎度ワンパターンである。
完成した画像。実際のものよりも、明るくなってしまっている。もう少し落ち着いた色である。
顔のディテール。スミロドンを描いたのは、今回がほぼ初めて。
5ヶ月になるあんちゃんが決まりそうだったのだけど、猫白血病ウイルス陽性ということで、キャンセルになってしまいました。単独で飼うなら問題ないですが、先住猫がいる場合は難しいです。
投稿者 corvo : 03:02
2007年12月 4日
Smilodon03
スミロドンのエスキースが完成。
3番目のラフスケッチをもとにすることになり、監修の先生から届いたコメントは以下の通り。
「とくに大きな修正は必要ありませんが、牙をむき出すと鼻面にしわがより、目が半分閉じたような状態になりますから、やや目のあたりに気をつけて描いてもらって ください(資料添付)。口はもっと開けてもOKですよ。」
これらの指摘を元に描いたのがこれ。
アルシュ紙に鉛筆。印刷される原寸で描いている。
このエスキースをトレースして着彩していく。年末進行で完成させねば。
イエネコの頭骨も参考にする。歯の形状を観察するのに、とても役立つ。
昨日は打ち合わせラッシュ。正午に上野、午後2時に早稲田、そして午後4時30分に勝どきというスケジュールだった。
それぞれに有意義な打ち合わせで、かなりイメージが固まってきた。
今日はがっかりなことがひとつ。頼んでいたキャンバス用の木枠が届かなかったのである。11月20日頃にメールで発注していたのに、メーカーの担当者が忘れてしまっていたのが、そもそもの始まり。先月末に慌てて発注してもらい、今日の午前着という約束だった。なのに、再び先方のミスで日付を間違えて明日になってしまった。失われた時間は戻ってこない。木枠の大きさは100x333cm。久々の大作で楽しみにしていたのに、まったく腹が立つ。
絵の具の発注もしなくては。いくつもの仕事が並行して進んでおり、僕自身もちょっと混乱気味である。
投稿者 corvo : 21:45
2007年12月 2日
Smilodon02
昨日、新たにスミロドンのラフスケッチを制作。今回の制約をクリアするのは、かなり難しい。
まだ、スミロドンをいう大型のネコ科の動物を捉えられていない気がする。
タイトルで隠れる部分は、帯で隠れる部分よりも広い。
まだオファーはないようです。しばらく毎日リンク貼っていきます。
投稿者 corvo : 23:47
2007年11月30日
Smilodon01
猫つながりで「スミロドン」である、というのは嘘なのだけど、ある本の表紙のために制作中。
ラフスケッチの段階なのだが、タイトルと帯がはいる部分が全体の半分以上を占めており制約が大きい。自由に構図を決めることは、ほぼ出来ない状況である。
サーベールタイガーの仲間であるスミロドンの強大な犬歯を、画面上でカットすることなく収めなくてはいけない。
少しおとなしめのスケッチ。口も開けていない。
正面を向いて、少し口を開けたポーズ。身体のシルエットに犬歯が重なってしまうという理由で却下。
これは今日描いたもの。もう少し小さく描いたほうがいいかな。まだしっくりこない。
今日もバナーを。早く決まると良いです。
投稿者 corvo : 23:49
2007年11月15日
構図が決まった!
と言っても、何日か前の出来事。なかなか更新する時間すらとれない。
非常に横長の画面のため、構図の構成に苦しんでいたのである。全貌をお見せするわけにはいかないのだけど、構図の決定にはリチャード・セラの彫刻作品がヒントになった。構図全体を見せることができないので、説明のしようもないのだけど、自分也に納得のいく結果になったことは確かである。解説については、完成したときのお楽しみに!(それまで覚えているかどうか)。
今日は出来上がったラフスケッチをもとに、詳細なエスキースを作っていた。ほんの一部だけチラリズムで。
大きな画面の制作になるので、出来る限りエスキースの時点で完成度をあげておきたいのである。でも、結局本番でも多く修正することになるのだけど。アルシュ紙全体にアクリルのローシェンナを塗り、チャコールペンシルで描き込んでいる。
今日、夕方のニュース番組で懐かしい曲が。発売が2007年10月24日なのだけど、今まで発売されていなかったのかなあ。公開されてから20年。高校生のときでした。
投稿者 corvo : 23:47
2007年11月12日
第128回化石研究会例会
昨日、ここでも紹介した化石研究会例会に参加して来た。会場は早稲田大学で、今回の世話人は平山廉さん。例会へは非会員でも無料で参加できる。僕もまだ会員にはなっていない。
古生物学会やSVPの発表だと、15分から20分ほどの講演時間しかないので、少し消化不良かなと思うことが多いのだけど、この例会では1人たっぷり1時間。それぞれの講演者からじっくり話を聞くことができた。
1:三枝春生(兵庫県立人と自然の博物館)
「兵庫県丹波市の篠山層群から脊椎動物化石の発見」
今年、一躍有名になった「丹波竜」の話。一次発掘調査も無事終わり、クリーニングも進んでいるようだ。残念ながら、ここで詳しく述べることはできないが、素晴らしい保存状態であることは間違いない。現在、発見されているのは、関節した尾椎、血道弓、脳函の破片、獣脚類および鳥脚類の脱落歯。クリーニングが進むと、新しい発見がある可能性も高い。これからも継続的に発掘は行われる計画になっており、全身骨格の発見にも希望が持てる。
2:平山 廉(早稲田大学)
「巨大恐竜・竜脚類の古生態を類推する」
平山さんの著書「最新恐竜学」で述べられていた竜脚類についての考察を、もう少し踏み込んでの講演。「最新恐竜学」が出版された同時期から、竜脚類の首の姿勢についての論文がいくつか発表されているが、平山さんのアイデアを裏付ける結果が多く見られる。でも、まだ十分とは言えず、平山さん本人による新しい論文の発表が待たれる。
竜脚類ほどユニークな存在はいないだろう。首と尻尾が長大で大きな胴体を持ちながら、四肢は地面に対してまっすぐに立っている。現生のほ乳類であるゾウの場合は、前後の重量配分は少し上半身よりであるが、竜脚類はかなりの重量を後肢で支えている。もともと二足歩行の恐竜から進化していると考えられるからであるが、あれほど長い首を持ちながら、後肢よりに重心があることは、にわかには信じがたい。しかし、前肢に比べて後肢が太く、足裏の面積も大きいことや、残された足跡の深さから推測することができる。
見れば見るほど、奇妙な動物だ。僕にとっても、もっとも興味深い古生物のひとつである。
3:鈴木 茂(林原自然科学博物館)
「林原自然科学博物館 モンゴル共同調査の15年とその成果」
モンゴル発掘の歴史から始まり、1993年から毎年継続的に行われている、林原自然科学博物館とモンゴル科学アカデミー古生物研究センターとの古生物学共同調査のレポート。
2006年まで有明のパナソニックセンター内「ダイノソアファクトリー」で、その成果の一部を見ることが出来たのだけど、残念ながら今は閉鎖されてしまっている。岡山県内に新設される博物館の公開が待たれるが、もう少し開館は遅れるようである。私企業が母体となっている、自然史系博物館は日本初ではないだろうか。博物館のアートディレクションについて質問をしたのだけど、欧米のような体制をとることは、私立であっても難しいようだ。本来なら国立科学博物館が先頭に立って具現化するべきだと思うのだけど、結局展示会社におんぶに抱っこのような状況で、博物館の展示は作られていってしまっている。
4:小林快次(北海道大学)
「『ダチョウ型恐竜』オルニトミムス類の進化と生態復元」
オルニトミムス類はそれほど馴染みのない恐竜からもしれないが、歯のない獣脚類である。歯のないことから、植物食または雑食と考えられていたが、小林さんの研究では、植物食であったと考えてよいのではということだ。様々な手法を使い、オルニトミムス類の復元を目指していることがよく分かる、非常に面白い講演だった。現在行われている恐竜研究の実際の方法も、少しではあるが知ることができた。
これだけの講演を、無料で聞くことができる機会はそうそうないだろう。会場には80名という大勢の方が詰めかけていたが、まだ座席にも余裕があり、もっと多くの方に聞いてもらうことができれば良かったのにと思う。
懇親会ではお酒を飲みながら先生方と話すこともできるし、古生物に関わりたいと考えている人間にとっては、またとないチャンスだろう。今後もこういった催しがあれば、どんどんお知らせしていきます。
投稿者 corvo : 21:06
2007年11月 3日
見ることが出来ない世界を描くということ
今日、まるまる一日苦しんだが、結局良い結果に到達することはできなかった。
現代の日本とはまったく違った、見たこともない景色。絶滅してしまった動物。それらの全てを頭の中で構築して、あたかも現前にあるかのように描かなくてはならない。
上空からの俯瞰図を描き、各動物の位置を確認したあとで、人間の目線から見た情景を描こうともがいている。
横幅の広いパノラマのため、実際の視角ではとらえきれない広さがある。カメラの広角レンズで見たように描くか、引いた場所から撮った画角でパノラマのように切り抜くか、どちらかで動物の大きさ、遠近感が全然違ってくる。悩ましい。
自分の未熟さを痛感するのである。
投稿者 corvo : 23:54
2007年11月 2日
構図が決まらない
なかなか構図が決まらない。仕事の内容上、全てを公開することは出来ないのだけど、ここ数日画面の構成と構図にずっと悩んでいる。何枚ラフスケッチを描き散らしたことか。いまだ納得のいく回答は得られておらず、非常に苦しい。
できれば週末には、エスキースまで完成させてしまいたい。
skullのスケッチもしたいのだけど、なかなか時間が確保出来ない。
じっと見つめられながら仕事しています。
投稿者 corvo : 23:46
2007年10月16日
Velociraptor skeleton 04
ようやくヴェロキラプトルの骨格図エスキースが完成。
1/3サイズで描いているので、全長約60cmである。
頭骨ディテール。
前肢ディテール。右の尺骨に、次列風切羽根をつけてみた。
今日、DINOSAURIAをチェックするまで、胴椎を13個と勘違いしていた。ヴェロキラプトルは12個である。初歩的なミス。どおりで、これまで描いていた物が若干胴長に見えていたわけである。
第二指を上に上げない状態で復元してみた。筋肉の構造から言って、第二指だけを独立して動かせるとは思えないのだけど、どうなのだろうか。
現在、この骨格図をもとに、急ピッチで絵本のエスキースを制作している。
17日から22日まで、テキサスで開催されるSVPの学会に行ってきます。出発までに済ませておきたいことが山積みで、かなり大変なことになっている。アメリカにいる間に会期が終了してしまう、友人の個展などにも顔を出さなくてはいけないし。いつも通りばたばたしながら、「ちょっとアメリカまで行ってきます」という感じになりそうだ。
投稿者 corvo : 02:50
2007年10月14日
Velociraptor skeleton 03
骨格図がなかなか決まらない。ここ数日、何枚描き直しているだろうか。かなりの時間とエネルギーを投入している。どれだけ描いてもしっくりこない。
鳥の骨格図を改めて見ていたのだけど、脊椎は思っていたほどに立ち上がっていない。ほぼ水平の骨格の写真が多い。このあたりの錯誤も、原因かもしれない。
そこで水平にして描いてみたところ、かなり納得のいく感じになってきた。まだ感覚的なものだが、うまく行きそうな予感がある。
邪魔しないでください。
投稿者 corvo : 15:48
2007年10月13日
隕石とティラノサウルス03
「隕石とティラノサウルス」完成。もう少し早くに出来上がっていたのだけど、アップが遅くなってしまった。咳が止まらず、背中の筋肉まで痛くなってきた。キーボードの前にいるものつらいので、レスポンスも悪く申し訳ないです。
絵を描いていても、咳が一番厄介である。呼吸の乱れは、線とタッチの乱れにつながるので、どうしても能率が落ちてしまう。
最初は空も青空で描いていたのだけど、黄昏時に変更した。
投稿者 corvo : 15:35
2007年10月11日
Velociraptor skeleton 02
ヴェロキラプトル骨格図の続き。
大腿骨も水平に近く、鳥らしい姿勢になっている。足の指が短すぎたので、撮影直後に修正した。この画像は修正前のものである。絵本に掲載する骨格図は、斜め前の角度から見たものにする予定である。そのエスキースも、そろそろ始めなければ。
投稿者 corvo : 23:51
2007年10月10日
Velociraptor skeleton 01
ヴェロキラプトルの骨格図を制作中。
1/3サイズで描いている。全長60cm。
鳥を意識した姿勢に復元。脊椎を水平よりも立ち上がった角度にしてみた。大腿骨も、地面に対して水平に近い角度にする予定。最近になって、さらに鳥に近い特徴も見つかり、ますます鳥らしい復元が主流になっていくのだろう。
投稿者 corvo : 16:38
2007年10月 9日
隕石とティラノサウルス02
ちょっと間が開いてしまった。隕石とティラノサウルスの続き。
背景から描き進めていっている。まだ完成していない。明日にはフィニッシュしてしまいたいところ。
普段、明るい暖色を画面一杯に使う事が少ないので、新鮮な気分で制作している。
投稿者 corvo : 23:31
2007年10月 4日
隕石とティラノサウルス01
たまには恐竜の絵もアップ。臨時で入って来た、一枚描き下ろしの仕事。
巨大隕石の落下と、その瞬間をイメージしたもの。終末的シーンでありながら、ある種熱気のようなものを感じさせられれば成功かな。
熱気といえば・・・。あんまり徳川君がプッシュ、プッシュするものだから、youtubeで最終回(1、2、3)を見てしまった。こうなると、全部見たくなる。DVD借りにいく時間もないなあと思っていたら、なんと今日から再放送が。早速、録画セット。これから半年が”熱い!”。これから冬で良かった。
投稿者 corvo : 23:50
2007年9月 6日
朝日新聞「ののちゃんのDO科学」
少し前に取材を受けたのですが、ようやく記事になったようです。
『朝日新聞「ののちゃんのDO科学」』。恐竜の色についてのコメントを求められて、いつもの通り「分からない」と答えるしかなかったのだけど、藤原先生(このコーナーの登場人物)の「その質問(しつもん)だけはしてほしくなかったわ。」という一言に、僕の意思が集約されている。
色に興味を持つのは分かるのだけど、どんなに追究しても見果てぬ夢であることは間違いないだろう。それよりも、骨の構造や、そこから推測される生態などに興味を持ってほしい、という話もしたのだけどそこはカットされていました。
ちょこっと読んでもらえると嬉しいです。
投稿者 corvo : 23:31
2007年9月 4日
ステップアップジグソーパズル『恐竜の時代』
まだ発売前ですが、新商品のお知らせ。このblogでも制作過程を公開していた、「白亜紀後期の情景」、「ジュラ紀後期の情景」、「白亜紀後期の情景 in マダガスカル」がジグソーパズルになりました。
くもん出版から発売されます。商品の出荷は10月頃とのことです。
パッケージ。3種類でワンセット。
それぞれ別の箱に入っています。
子どもが何度も繰り返し遊べるように、かなり頑丈な造りになっています。鑑賞用というよりも、何度も遊ぶためのジグソーパズルですね。
発売日が確定したら、またお知らせします。
投稿者 corvo : 09:46
2007年8月22日
明日(22日)は出張
明日は朝から豊橋まで出張。家を5時には出なくてはいけない。
でも、まだ仕事がのこっているので、寝られません。簡単なプレゼン用のスケッチを制作しています。
投稿者 corvo : 00:01
2007年8月 2日
白亜紀後期の情景 in マダガスカル02
「情景」シリーズ3点目も無事に納品。まさに奇跡的に間に合ったと言っても過言ではないだろう。
これは30日あたりの途中経過。
そして、これが完成したもの。エスキースよりも、水しぶきが派手です。体色は地味目。
マジュンガサウルス頭部のディテール。
腹を押さえつける右後肢。
もがく足。
解説文も2本を30分ほどで書き上げて、朝のうちにメールで発送。11時過ぎには、大切な用事のためにでかけた。そのときの様子は、後日ここで紹介します。面白かったです。
投稿者 corvo : 03:42
ジュラ紀後期の情景03
ちょっと遡ってのアップ。29日には出来ていたのだけど、スキャンした画像がなかったので、あらためて掲載してみる。
前回掲載したものはデジカメで撮影したものだったので、少し違った感じにみえると思う。
アロサウルス頭部のディテール。
もう一頭のディテール。
ステゴサウルス頭部のディテール。
8月1日午前10時。約束通り納品することができた。
投稿者 corvo : 03:29
2007年7月29日
白亜紀後期の情景 in マダガスカル01
今回の「情景」シリーズ。3点セットでの納品が条件となっている。当初は白亜紀後期、前期、そしてジュラ紀後期というラインナップだったのだけど、白亜紀前期南米の登場恐竜がうまく決まらず悩んだ結果、時代は重なってしまうが白亜紀後期のマダガスカルで行くことにした。そこで主役をはってもらうのは「マジュンガサウルス」。困ったときの「キスケ」である。
これが完成したエスキース。実際に制作したのは27日。そう、子猫を保護した日である。細切れの時間のなかで、集中する事が難しい一日だった。
完成した絵を31日までに仕上げなくてはいけない。できるかな!?いや、やるしかないのである。
恐い取り立て屋さんは、1日午前10時にやってきます。
投稿者 corvo : 23:55
ジュラ紀後期の情景02
数日前から制作していたのだけど、かかりきりでアップする事ができなかった。子猫のことでもばたばたしていたし。なので、一気にほぼ完成までを紹介しよう。
アウトラインを転写した後、セピアのカラーインクで陰影をつけていく。
暗い部分を描いてから、明るい部分を描き起こしていっている。体色は派手目。
ほぼ完成した画像。描く要素が多く、予想よりも時間がかかってしまった。
このステゴサウルスの体色、バララント軍のファッティーを思い出してしまう。復元とはまったく関係ない話です。
投稿者 corvo : 23:51
2007年7月26日
白亜紀後期の情景06
予定通り午後3時、取り立て屋さん約2名現れる。1分も遅刻する事なくやってくるあたり、気合いが入っている。わずかに残っている部分があったので、その場で待っていただき無事納品。あと2点。納期に間に合えば奇跡か。
完成した画像。家でスキャンし忘れたので、ファイルを送ってもらった。若干、青かぶりしているかな。
トリケラトプス頭部ディテール。
ティラノサウルス頭部ディテール。
地面との接点、体重のかかりかた、描写するうえでとても重要なポイントである。
ケツァルコアトルス。良い資料がなく、ちょっと自信がない。北九州から、図録だけでも取り寄せるべきだった。
久しぶりにグレースケールチェックを追記。バルールあってますね。
投稿者 corvo : 22:50
2007年7月25日
白亜紀後期の情景05
ただ、ただ描き続ける。身体が悲鳴を上げ始めたので、午前中はかかりつけの接骨院で身体のケア。大分、楽になる。
個展のお礼状のための絵も、一枚描き下ろした。といってもそんなに大したものではないです。郵送が終わったぐらいのタイミングで、ここでもアップする予定。
動物たちは、ほぼ完成。残るは植物を背景である。結局、後から背景まで手をいれることになってしまった。なかなかうまくいかないものである。
トリケラトプスとティラノサウルスの頭部ディテール。M.A.F.さんから「マツゲハブの体色」のリクエストがあったのだけど、黄色は僕がコントロールするのに一番苦手とする色で、努力はしてみたのだけどうまくいかなかった。なので路線を変えて、カイマンを参考にした体色と模様にしました。
影の部分の鱗も描き込んでいる。
投稿者 corvo : 23:27
2007年7月24日
白亜紀後期の情景04
たんたんと続きを進める。ちょっと進みが遅い。昼間は午後から出掛ける用事もあったので、まとまった時間をとることが難しかったが、現時点ではこんな感じ。
背景も同時に手をいれていく必要がある。他人が思うほど、計画的なほうではない。けっこうアバウト。
トリケラトプス頭部ディテール。完成に近い状態。
トリケラトプスの見せ場の一つである前肢。完成までにさらに陰影を強調し、立体感を表現する予定である。
今日は個展で追加注文のあった、ティラノサウルス骨格図のシルクスクリーンをギャラリーに届けてきたのだけど、これでお買い上げいただいた全ての作品が、僕の元を離れていった。まだ、お手元に届いていない方は、しばしお待ち下さい。
その後、銀座の文藝春秋画廊 へ移動して、「内藤貞夫個展」のオープニングにお邪魔してきた。
丸善の個展の時に同時開催していた「Wildlife Art 動物・植物画展」で知り合った方から、案内状をいただいており、また内藤さんは、丸善での個展をきっかけに参加することになった日本ワイルドライフアート協会の会長でもあることから、挨拶もかねて顔をだしてきたという次第である。
長くネイチャーイラストレーションの一戦で活躍されてきた仕事の数々は、非常に勉強になった。まだ始まったばかりの展覧会なので、興味のある方は是非。
夜、家に戻ってからメールをチェックすると、常連コメンターの一人からメールが届いていた。
どうも、僕の描いた絵を無断で使っているサイトがあるということなのである。教えてもらったリンク先を見てみるとありました。随分昔に描いたものですね。手前の模型はフェバリットコレクションを撮影したもの。これは問題なし。その背景にある骨格図が僕の描いたものである。このタッチを見ただけで分かってもらえるとは、とても嬉しい。
先方のサイトが化石の販売をしながらも、まったく会社の情報が記載されていない。注文フォームはあるが、連絡先はおろか、メールアドレスを見つける事もできない。あまりにずさんで、乱暴なつくりである。胡散臭さがぷんぷんする。
まあ、放っておきます。実害もないし。こんなところでは絶対に化石など買わないように。
投稿者 corvo : 02:12
2007年7月22日
白亜紀後期の情景03
ちょっと更新の間があいてしまった。いまだペースは本調子に遠いながらも、じりじりと制作しているところである。
これは土曜日昼間の状態。背景から進めていく。
土曜日の夜。雲までかなり描き込んだのだけど、どうも気に入らない。手前の生物を描いてからも、手を入れる可能性は大である。どうもしっくりこない。
現在の状態。翼竜、トリケラトプスの一部は、ほぼ完成に近い状態まで描き込んでいる。地道に鱗を一枚一枚描いていく作業が続く。
先週届いた、SVPのAnnual meetingのプログラム。今年はテキサス。博物館も非常に充実しているらしい。当然、行く予定ではあるのだけど、今年後半は加速度的に忙しくなっていく模様で、スケジュールのやりくりに今から頭が痛い。でも、なんとかします。まずは、現在遅れがちになっている仕事を全てクリアにしなくては。7月中が勝負です。
投稿者 corvo : 23:37
2007年7月19日
白亜紀後期の情景02
昨日は個展終了直後に関わらず、午前中から打ち合わせ。まずは午前10時に代々木へ。1時間ほどで終了し、11時30分には麹町へ。美味しいフランス料理のランチを御馳走になりながら歓談。その後、事務所へ移動して打ち合わせ。ものすごくきついスケジュールであることが判明。個展でまったく仕事できなかったので、しょうがないのだけどね。あらゆるものが遅れ気味になっている。早く取り返さなくては。この日はまったく休むことが出来なかったので、今日は久しぶりに昼前まで寝ていた。おかげで復活。仕事場を軽く片付けて、すぐに仕事を始める。
「白亜紀後期の情景」の続き。
エスキースのコピーを置き、カーボンで転写していく。
転写の終わった状態。アウトラインだけを丁寧に写しとることができた。
カラーインクのセピアで、濃淡をつけて立体感を再現していく。画面全体が、おおよそ出来たところ。
がんがんスピードあげていきます。でないと終わらない。
投稿者 corvo : 23:55
2007年6月25日
ジュラ紀後期の情景
個展の準備には、けっこう雑務が多い。DMを郵送するのもその一つで、宛名シールを印刷して切手を貼って投函しなくてはならない。枚数もそれなりに多いので、手間である。出品リストの準備もしなくては。普段から事務処理が苦手(というか嫌い)なので、ぎりぎりになって慌ててしまうのである。
今日は、ジュラ紀後期の情景エスキースを制作。とりあえず完成させることができた。
森の中の開けた場所へ、ステゴサウルスを追いつめた二頭のアロサウルス。浅い小川が流れている。天気はよく、明るい木漏れ日が降りそそぐ。そんなシチュエーションをイメージしている。
次に制作するのは、「白亜紀前期の情景」。何を描くかは、乞うご期待。
ついに、届きました。
買ったのは安い方。もちろん当分作る時間はありません。個展会場で作るわけにもいかないしなあ。なんとか、時間を見つけたいです(ザクも手つかず)。
投稿者 corvo : 23:52
2007年6月20日
白亜紀後期の情景01
ナウマンゾウの制作も終わり、絵本「アパトサウルス」」も出来上がり、ちょっと一息というところなのだけど、状況がそれを許さない。すぐに新しい仕事を始めなくてはいけない。すでに2週間前ほどからスタートしているのだけど、ようやく経過を見せられる状態になったので、画像をアップしていこうと思う。
これも、ある出版社からの依頼のもので、「白亜紀後期の情景」をテーマにしている。何の目的で制作してるかは、おいおい紹介していきたいと思う。
この商品の性格上、画面全体に万遍なくイメージが入っている必要があるので、ちょっと窮屈な感じの構図になっている。それでも、遠近感を強調することで、ダイナミックな空間にしていきたい。次は「ジュラ紀後期の情景」のエスキースの制作です。そろそろ個展の準備も始めていかなくては。
今日の昼間、ポプラ社の担当編集者に原画を届けていただきました。そのうちの何点かは、ブックフェア会場で8日に限り、ご覧いただけると思います。こちらもよろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:34
2007年6月10日
ナウマン象10
もう一度、修正。これで正真正銘の最後。夜の撮影なので、発色がもう一つ。前回のエントリーのもののほうが、実物に近い。 (11日に撮影したものに画像をさしかえました。デイライトでの撮影なので、色が忠実に再現されています)
河口付近の海岸線を、さらに加筆。結局夜までかかってしまった。半日はゆっくりしたかったのに。
「後だしじゃんけんは反則です」。
投稿者 corvo : 20:56
ナウマン象09
昨日、監修者にメールで画像を送っておいたのだけど、今朝返事が来て若干の修正をくわえる事になった。また、前回のエントリーで、Shigeさんから指摘のあった背景の一部を修正した。
これが出来上がった画面。色も補正をかけていないので、原画により近い状態である。でも、少し赤みを帯びている。
これが修正箇所の指示画像。
左側のメスの牙を短くし、右側のメスの側頭筋の位置を少し外側に移動し、目立たないように加筆。
頭頂部のくぼみをなだらかになるよう加筆。
胴体をよりでっぷりと膨らませて、背景にも手を入れた。
少し前にメールで画像を送ったので、返事を待っているところ。おそらく大丈夫でしょう。明日、発送の予定。
投稿者 corvo : 16:33
2007年6月 9日
ナウマン象08
ようやくナウマン象が完成。ただし、監修者の最終チェックをまだ受けていないので、完全に終了というわけではない。
サイズは1030x728mm。使用されるポスターと同サイズ。素材は紙にアクリル。
もう1頭のメスも完成。一番遠くにいる個体なので、それほど描き込んでいない。
今日のもう一つの重要な作業は、手前の高台に草を描き込むこと。ただひたすらに、草を描き込む。庭で採集してきた雑草をモチーフに描いた。中生代には見る事が出来なかった景色である。身近にある植物をモチーフにできるので、ある程度、確信をもって描くことができる。
象牙を白くしたオスの頭部。
重量感を表現するためにも、地面と足とが接する部分は重要である。もっとも神経を使う部分。
後は、監修者のチェックを待つばかりである。
投稿者 corvo : 23:59
2007年6月 7日
ナウマン象07
ちょっと更新の間が空いてしまった。昨日、今日と来客が続いていたのだけど、制作は粛々と進めていた。
これが昨日の状態。手前のオスは進んでいるが、メスのほうは全く手つかずである。オスも、体重を支えている前肢と後肢が、全然描けていない。
これが今日の状態。一気に進める事ができた。オスはほぼ出来上がり、メスも一頭はほぼ完成。
監修者からの指摘で、象牙の白を強調してみた。どうしても化石の写真を参考にする事が多く、ついつい化石の色に引っ張られてしまう傾向がある。ゾウの牙は門歯(前歯)が長く伸びたものなので、生前は白く美しいものだったのだろう。
オスの右前肢、右後肢とメス。牙の大きさ、形の雌雄差が大きい。身体の大きさもかなり違っていた。
明日は非常勤講師の日。帰宅後、もう一頭のメスに手を入れたいところである。背景に少し加筆しなくては、、手前の草地もまったく描けていない。是が非でも日曜日には完成させたい。
投稿者 corvo : 23:26
2007年6月 5日
ナウマン象06
ナウマン象、続き。昼間の作業は、背景に手間取る。今回は背景も当時の環境を復元しなくてはいけないので、自由に描くわけにはいかない。
現在は陸地である部分が、入り江になっている。まだ背景にも手をいれなくてはいけない。
6月6日午前1時45分の状態。
オスのナウマン象まで完成させたかったのだけど、予想以上にボリュームがある。
絶滅した種とはいっても、ゾウは実際に観察することができるので、リアリティをとことんまで追究する必要がある。でも、身近に接している動物ではないので、多くの想像力を働かせて描かなくてはならない。
投稿者 corvo : 23:42
2007年6月 4日
ナウマン象05
昨日と今日のプロセスをまとめてアップ。
全体にイエローオーカを一層塗る。陰影をつかたイメージが透き通るように注意する。
背景から先に描いていく。撮影を忘れたのだけど、昨日の夜の時点で、空はほぼ完成していた。
ナウマン象には、レギュラーゲルとファインパミスゲルでテクスチャーをつけてある。ゾウの皺を意識しながら、明るいところから描き起こしていく。牙の先端から根元までの遠近感、立体感を表現することが重要。顔の部分は、ほぼ完成。この密度で画面全体を描いてかなくてはならない。
投稿者 corvo : 20:05
2007年6月 3日
ナウマン象04
昨日のプロセスを紹介。
午後出掛ける用事があったので、ここまでで一旦筆を置いた。転写されたアウトラインをたよりに、ローアンバーとペイニーズグレーで陰影をつけていく、いつもの手法。ディテールはあまり重用視しない。
午後出掛けたのは、東京国際ミネラルフェアに行くためである。この日、たまたま僕の住んでいる近くまで出て来ていた飛車さんと合流し、一緒に地下鉄で会場まで向かった。会場では所さんのサイン会も開かれており、「白亜紀恐竜奇譚竜の国のユタ 3 (3)」をゲット。買うつもりだったのに、所さんから謹呈していただいてしまった。どうもありがとうございました。連載で追いかけるよりも、じっくり単行本で読む方が、その醍醐味が伝わる漫画の一つだと思う。でも、雑誌の人気投票ではいい順位であるにも関わらず、どうも単行本の売り上げはもう一つということらしい。興味のある方は、是非。壮大な物語が展開していく予感があります。
今回、僕が手に入れた戦利品は次の物。
アリゲーターの頭部の剥製と、カミツキガメの頭骨。どちらも2000円と少しぐらいの価格で、お買い得感が高かった。高価な化石には興味がないので、いつもこの程度の買い物しかしていない。もっと潤沢な資金があれば、欲しい物がたくさんあるのだけど、今のところ手が出ないと言うのが現状である。もっと、稼がないと。
夕方から。秘密結社(嘘)恐竜倶楽部の懇親会に合流。楽しい飲み会でしたが、飛車さんのエロトークが不発で、ちょっと不満。次に期待しています。
投稿者 corvo : 16:24
2007年6月 2日
ナウマン象03
今日の昼間は朝から非常勤講師の日。出掛ける時に雨がけっこう激しく降ってきたので、傘を持って出たのだけど、日中からすっかり良い天気になり暑い一日だった。
帰宅後、夕飯を食べてから仕事の続きを進めている。
まずは、今月はなかったはずの科博ニュースのイラストを制作。本来なら締め切りが28日のものが、29日になって「お願い」の連絡が入って来た。今月、そのページを担当する研究者が、急遽方針を転換したらしい。知っている研究者ではないが、まったく迷惑な話である。
部分を掲載。テーマは「水晶」。時間がないので、ラフスケッチもなし。ノーチェックで進めるという乱暴なもの。でも、間に合ってよかった。
その後、ナウマン象を進める。昨日のコピーから、イメーージを転写するために、カーボンとボールペンを使用する。至って原始的な方法である。
転写されたイメージ。単調な線ではあるが、構図を確認するには十分である。
ここから、絵の具をつかった作業を急ピッチで進めていくことになる。毎度毎度、潤沢に時間があるわけではないが、ベストを尽くしていくしかない。頑張ります。
投稿者 corvo : 01:14
2007年6月 1日
ナウマン象02
昨日のナウマン象の続き。
B1(728x1030mm)のパネルにアルシュを水張りする。キャンバスを張る要領で、ガンタッカーを使い固定していく。
原画から140%の拡大コピーしたものを、画面に並べていく。一度ではとれないので、つぎはぎ状態である。ここから転写するのだけど、今日の作業はここまで。他にも並行して進めなくてはいけないものがあり、全ての時間をナウマン象にかけることができない。でも、いい構図が決まったので、スムーズにフィニッシュまでいける予感がある。
明日(金曜日)は非常勤講師の日。週に一度の出勤日です。夜、帰ってから仕事の続きをします。
投稿者 corvo : 00:39
2007年5月31日
ナウマン象01
絵本の仕事が一段落したので、ある博物館の特別展のために、ナウマン象の復元画を制作している。
これは28日月曜日の状況。資料を広げて、ラフスケッチを制作する。
最初のラフをもとに、監修者からのチェックが戻ってくる。これぐらい具体的に赤を入れてもらえると、次の作業がやり易くなる。
ラフチェックしてもらったものを元に作成したエスキース。右の物は、チェックの後さらに修正したもの。アルシュ紙に鉛筆、サイズは728x515mm。
メールで添付ファイルを送って電話でやりとりし、さらに修正を加えていく。
これがエスキースの最終版。鉛筆で作業しているので、修正を加えるのは比較的容易である。でも、あまり修正はしたくない。これ送ったときの、僕のメールの文面は、「嫌です。と言いたいところですが、修正しました。添付します。」
それに対する返信は、「(前略)それにしても、仕事は速いし、どんどん良くなりますね。では次の修正点を連絡します。。。
うそです。今回のものをベースに進めてください。よろしくお願い致します。(後略)」
まあ、こんな感じで研究者とやりとりをして、仕事を進めていっている。これらのやりとりは全て、30日中の出来事です。
投稿者 corvo : 00:25
2007年2月24日
絵本企画、再び
ちょっと更新が滞ってしまいました。応援よろしくお願いします。
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金曜日は、朝から非常勤講師の日。雨が激しい。この季節とは思えないような天気。
夕方、ギャラリーへ作品を届けた後、某出版社へ絵本の打ち合わせに。長らくペンディングになっていた絵本の企画で、ようやく動き出すことに。僕の方が学研の図鑑に忙殺されていたこともあり、全く取りかかれない状況であったことが原因である。合間を見つけて少しずつ進めていたので、現時点でラフスケッチが完成している。
今回の絵本は極力文章量を減らす方向で考えている。その代わりに、巻末の解説ページを充実させる予定である。
打ち合わせの時点では、すこし不足しているラフスケッチもあったのだけど、その場で簡単なものを描いて絵本の方向性を担当編集者と明確に共有することができた。今日は足りなかったページのラフスケッチを制作。これから製本して、より完成に近いイメージを作っていく。
夏の出版を目指します。乞うご期待!
投稿者 corvo : 23:59
2007年2月 8日
原画制作終了
ようやく終わりました。ポチポチっとご祝儀代わりにお願いします。
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今日、全て終了しました。
見開きで掲載される生態環境復元画、全16点。
最後、駆け足になってしまった、ティラノサウルス特集ページのための復元画と骨格図。
発売は3月上旬の予定です。詳しいことが分かったら、このblog上で告知します。
投稿者 corvo : 22:34
Diplodocus scene 04
気が向いたら、ポチポチっとお願いします。
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ディプロドクスを少し修正。月が大きすぎたので、若干小さくしてみた。コメントで昼間は空高く月が見えないのでないかという指摘があたのだけど、子供のときからわりと見ていた記憶がある。
月を小さくしたことで、よりすっきりしたと思う。翼竜を描く余力はありませんでした。
これはアルゼンチンで撮影した白昼の月。色がおかしいのは、デジカメの色温度の設定を知らぬ間に動かしていて、タングステンフィルムで撮影したようになってしまっているからだ。これを見る限り、昼間でも高い位置に月が見えることはあるようだ。
今日、原画は全て納めました。スピノサウルスとギガノトサウルスの骨格図の産出部位指示書が残っているので、これだけさくっとやってしまえば全て終わりです。
後ほど、これまでの画像をまとめてアップしようと思います。
投稿者 corvo : 19:40
2007年2月 7日
Diplodocus scene 03
なんとか終わりそうです。応援よろしくお願いします。
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ディプロドクス・シーン完成。昨日までの状態もまとめてアップしておく。
昨日の夕方からスタート。ローアンバーで暗部から描き起こし、イエローオーカを全体に塗る。
これが寝る前の状態。まだまだというところ。
一足飛びに完成画像。午前零時前になんとか出来上がった。空には晴れ間に浮かぶ満月を描いてみた。
頭部は描きどころのひとつなのだけど、竜脚類の場合どうしても小さくなってしまうので、それほど描き込むことができない。
前肢に比べて、後肢が極端に太く大きい。後ろに重心があることがわかる。砂浜に残った無数の足跡。
ぼってりとしたお腹。長大な腸管を備えていたことが推測される。
グレースケールチェック。左側から強い光が当たって、逆光気味である。
これでシーンの復元画は全て完成。長かった。これからまだ少し残っている物を片付けます。
取り立ては明日の午後4時。それまでに、耳を揃えて渡さなくては。
投稿者 corvo : 23:58
2007年2月 6日
Alxasaurus scene 03
アラシャサウルス・シーン、
午後3時に完成。
アラシャサウルス頭部。植物を齧る歯がわずかに見えている。
テリジノサウルス類で特徴的な前肢の爪。アラシャサウルスはまだ原始的なタイプで、進化した種に比べると小さい前肢である。
足の爪も大きく、がっちりしている。
グレースケールチェック。
今日はまだちゃんと食事をしていないので、これから食べに行ってきます。
残るシーンはディプロドクスのみ。
担当編集者と話し合い、締め切りを延ばしてもらうことに。最終取り立ては、8日午後4時になりました。
投稿者 corvo : 15:51
2007年2月 5日
Edmontosaurus scene 04
シーン復元画、残り2点。応援よろしくお願いします。
---
エドモントサウルス・シーン完成。出来上がったのは、今日の午前中。今はアラシャサウルス・シーンを制作中。
背景を大きく変更。もうちょっと構図を工夫したかった。
主役のエドモントサウルス頭部。
脇役のティラノサウルス頭部。
鳥脚類と獣脚類とでは、足のデザインが大きく違う。鳥脚類はより重くなった身体を支えるために、がっしりとした造りになっている。
グレースケールチェック。
今日中にアラシャサウルス完成を目指して頑張ります。
投稿者 corvo : 15:26
2007年2月 3日
Edmontosaurus scene 03
いつもありがとうございます。応援よろしくお願いします。
---
今日からエドモントサウルス・シーンを始める。どんなに遅くとも、明日には完成させなくてはいけない。
毎日見慣れた作業場所。早く解放されて、新しい作品に取り組むために片付けをしたい。
次から次へと、ティラノサウルスが登場する。
植物食恐竜では、珍しく寒色を使ったカラーリング。
寝るまでに、エドモントサウルスだけでも描き上げてしまいます。
投稿者 corvo : 23:55
2007年2月 1日
Psittacosaurus scene 05
依然、ぎりぎりの状況です。応援よろしくお願いします。
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プシッタコサウルス・シーン完成。今日の取り立ては、1時30分に時間が繰り上がり、この原画を渡すことが出来なかった。どちらにしても3時30分では無理だったでしょう。原画4点を無事納品。
レペノマムスが1匹の幼体を捕えて立ち去ろうとしているのを、成体のプシッタコサウルスが気がつき威嚇している。
プシッタコサウルス、成体の頭部。
威嚇に驚きながらも、獲物を喰わえて立ち去ろうとするレペノマムス。
急所に犬歯を突き立てられた幼体と、成体の周りで休む幼体たち。現生のエミューは親にはぐれた子供たちの面倒もみるので、彼らも自分の子供以外の個体が混じっていたかもしれない。
グレースケールチェック。
投稿者 corvo : 22:32
Psittacosaurus scene 04
無茶は承知で描いています。応援よろしくお願いします。
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プシッタコサウルス・シーン。1月中に仕上げたかったのだけど、それは無理だった。
これが午前中の状態。手順としては、いつもと同じである。背景の木の部分は、いつもより大胆にテクスチャーをつけている。
これが今の状態。プシッタコサウルスはほぼ完成している。
プシッタコサウルスとその子供たち。小さな個体も手を抜くわけにはいかない。
足下と、頭部のディテール。
明日は(といっても今日だけど)レペノマムスを中心に描き、背景を仕上げて完成する予定である。
午後3時30分に取り立て屋さんがやってきます。
残っているのは次の通り。
1.アラシャサウルス・シーン
2.ディプロドクス・シーン
3.エドモントサウルス・シーン
4.ティラノサウルス成体(白バック単体)
5.ティラノサウルス亜成体(白バック単体)
6.ギガノトサウルス骨格図ーおおよそ出来ている。
7.スピノサウルス骨格図ー途中まで。この2点の骨格図に関しては、信頼出来る資料は無くストレスばかりがたまる。
そして、最終締め切りは2月6日。担当編集者も、僕にはサバを読んでくれません。信頼してくれるのは嬉しいのだけど、プレッシャーは大きいです。
さあ、カウントダウンの始まりです。
投稿者 corvo : 02:22
2007年1月30日
Tyrannosaurus scene 05
カウントダウンに入ってきました。応援よろしくお願いします。
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ティラノサウルス・シーン完成。
森の中、開けた場所でのワンシーン。
ティラノサウルスの頭部ディテール。正面顔は難しい。頬骨の張り出しが、成長したティラノサウルスの大きな特徴のひとつである。
トリケラトプスの頭部ディテール。今回の主役はティラノサウルスなので、あまり描き込んでいない。後方から見たときの、フリルのデッサンが難しい。
毎回のことながら、足下の描写はしっかりしておく必要がある。
ぶれて、暈けた描写で動きを表現。
グレースケールチェック。今回もオーケー。
投稿者 corvo : 23:12
Tyrannosaurus scene 04
コメントが励みになります。応援よろしくお願いします。
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1日頑張ってみたのだけど、完成までにはいたらなかった。ここにきて、ちょっと押し気味である。
ティラノサウルスはほぼ完成している。トリケラトプスは距離感と動きを出すため、ぶれた感じを残していく予定である。背景もピントをずらして暈(ぼか)してしまう。
ほぼ正面からなので、短縮法で描かなくてはならない。
頭部のディテール。やはり、ここに一番時間がかかる。
投稿者 corvo : 02:00
2007年1月28日
Tyrannosaurus scene 03
締め切りが近づいてきました。応援よろしくお願いします。
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今日からティラノサウルス・シーンを始める。あまりペースが上がらなかった。
コピーからエスキースのイメージを転写した後、ローアンバーで暗部から描き起こしていく。
イエローオキサイドで全面を塗りつぶした後、背景をサップグリーンとイエローオーカを混ぜたもので、ティラノサウルスとトリケラトプスのアウトラインを残しながら描いていく。
ティラノサウルスを中心にボーンブラックとプルシアンブルーで、もう一度暗部から描き起こしていく。
頭部ディテール。まだまだこれからです。
いつになったらティラノサウルスから解放されるのか。まだ数点あります。
投稿者 corvo : 23:59
2007年1月27日
Stegosaurus scene 06
気が向いたら、ポチポチっとお願いします。
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全国何万人だったか(面倒くさいで投げやり)のステゴサウルスファンの皆様、お待たせしました。ステゴサウルス・シーンの完成である。今日のランチ前には出来上がっていたのだけど、アップするのが遅くなってしまった。
朝もやに煙る森の中。朝陽を浴びて、ステゴサウルスがゆっくりと移動していく。眠りから目覚めたばかりのケラトサウルスが、その存在に気づくがまだ動けない。
ステゴサウルス頭部。
ケラトサウルス頭部。
陽光を浴びる背中の板。
ステゴサウルスは美しいフォルムを持った恐竜のひとつだと思う。
グレースケールチェック。今回も大丈夫。
奇蹟的に締め切りに間に合いそうなペースになってきた。でも、予断を許さない状況であることには変わりない。
投稿者 corvo : 23:45
2007年1月26日
Stegosaurus scene 05
コメントの返事が遅くなるかもしれませんが、気軽に書き込んで下さい。励みになります。応援よろしくお願いします。
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ステゴサウルス・シーンの続き。ステゴサウルスはほぼ完成に近づいてきた。残すは背景と手前に隠れる「ストーカー」ケラトサウルス。
透明色と不透明色のコンビネーション。テクスチャーの活用の仕方など、だいぶ分かってきた。ゴールデンフルイドは楽しい絵の具だ。
ステゴサウルスは、もうあまり手を入れない予定。ケラトサウルスも最小限の描き込みに抑えて、木陰にとけ込んでじっと待つ雰囲気を出したい。
昼間、あるコンテストのために、2点のイラストにアメリカへ旅立ってもらった。
締め切りが1月31日までになっていたのに、ついさっきサイトを見たら2月5日に延びてる。
作品の集まりが悪いのかな。ローカルなコンテストでもあるし、それほど告知が広く行き渡っているとも思えない。
とりあえず、結果を待つのみです。
投稿者 corvo : 01:10
2007年1月24日
Stegosaurus scene 04
順位が上がると励みになります。ポチポチっと応援よろしくお願いします。
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エスキースが完成してからちょうど2ヶ月。ようやく着彩を始める。
資料と一緒にエスキースを広げて制作。
いつも通り、ローアンバーで暗部から描き起こした後にイエローオーカーで全体を塗り、乾いたところでファインパミスゲルとレギュラーゲルでテクスチャーを画面全体につける。ここまでが、昨日の夜までの段階。
前回のエスキースで、開けた景観のように描いたのだけど、今回から鬱蒼とした森の中に再度変更した。
透明色を重ね塗りしていく。背中の板にはうんと派手な色を、今の段階でのせておく。
絵の具が垂れるので、寝かせて作業する。制作中にはぐるぐると頻繁に画面を回す。
昼間は急遽ラフスケッチを描かなくてはならず(僕が遅らせたいただけなのだけど)、ステゴサウルス・シーンには手を入れることが出来なかった。無事、メールでファイルを送り、残りが乏しくなっていた灯油を買いにでかける。カングーを使うようになって、灯油缶の出し入れが格段に楽になった。ついでに髪を切る。前髪が短くなって、すっきり。
肉体的にはかなり疲労がたまっているが、良い緊張感を保てている。
他にも書きたいことがいろいろあるのだけど、長文を書いている時間がないです。
このペースでがんがん進めていきます。
投稿者 corvo : 23:56
2007年1月23日
Saichania scene 05
コメント遅れて申し訳ないです。応援よろしくお願いします。
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サイカニア・シーンが完成。1日遅れてしまった。
森の中、サイカニアに若いタルボサウルスが興味を示して近づいてきた。
サイカニア頭部。
タルボサウルス頭部。
サイカニアの全身。突起物が多く、手間も時間もかかるのだけど、サイカニアを描くのはやはり楽しい。もっとも美しい恐竜のひとつだろう。
グレースケールチェック。今回も大丈夫。
投稿者 corvo : 18:40
2007年1月22日
Saichania scene 04
覗いたついでに、ポチポチっと応援よろしくお願いします。
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サイカニア・シーンを始める。僕がもっとも好きな古生物のひとつであるサイカニア。思い入れも一入である。
エスキースが完成してから、随分時間がたってしまっている。いつものよう反転コピーから転写してカラーインクと、ゴールデンフルイドで着彩していく。
その後、画面にテクスチャーをつけて、さらに色をのせていく。サップグリーン、ローシェンナが中心になっている。
サイカニアから描き込み始めたところ。ほぼ完成に近い状態まで描写している。
ほぼ完成したサイカニアの頭部と線描だけのタルボサウルスの頭部。
月曜日中には完成の予定。なんとかやってみます。
投稿者 corvo : 03:18
2007年1月21日
Majungatholus scene 06
朝起きてから、背景の空をちょっと修正。
前エントリーの絵は、少しやりっ放し感があったので、こちらのほうが落ち着いたと思う。
今回もどきどきのグレースケールチェック。大丈夫ですね。
投稿者 corvo : 12:59
Majungatholus scene 05
奇蹟を信じて、応援よろしくお願いします。いいペースになってきました。
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キスケ(我ながらしつこい)、もといマジュンガトルス・シーンが完成。さくさくっと画像を紹介。
湿地帯で格闘する2体のマジュンガトルス。上になっている個体のほうが、若干大きい。
今にも噛みつこうとする瞬間。
後肢で胸を蹴り上げながら、必死で抵抗する。
口唇の復元を、今までと少し変えてみた。下顎の歯茎と歯はむき出しとし、上顎でカバーしてしまうという考え方である。下顎の口唇を厚く伸ばそうとすると、歯の入る隙間を確保しなくてはならず、外側に広がった部分が不安定になってしまうからである。悩ましい。まだ確証の持てる復元には至っていない。
これから寝ます。起きてからコメントへの返答を書くので、しばしお待ちください。
投稿者 corvo : 02:55
2007年1月20日
Alxasaurus scene 02
ついでにポチポチっとお願いします。
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昨日のエントリーの訂正をひとつ。「保存状態の良い化石が発見されているらしいのだけど・・・」と書いたのだけど、実際は不完全なものが2体見つかっているのが現状のようである。
エスキースが完成。植物食であることを強調するために、シダ植物を食べているシーンである。
これも1日で完成させてしまいたい。
投稿者 corvo : 15:14
Diplodocus scene 02
毎日、ひたすら描いています。応援よろしくお願いします。
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昨日の夜出来上がっていたディプロドクス・シーンのエスキース。
砂浜を悠然と歩く一体のディプロドクス。砂浜には無数の足跡が残っている。
彩色バージョンを一日で完成させることができれば理想的なのだけど。やってみるしかないです。
投稿者 corvo : 15:03
Alxasaurus scene 01
いい具合にエンジンかかってきました。応援よろしくお願いします。
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金曜日は朝から非常勤講師の日。夕方、帰宅してからディプロドクス・シーンのエスキースの続きを制作。完成したのだけど、まだスキャンしていないので、起きてからアップする予定。
今回は、これまで一度しか描いたことがない(多分)テリジノサウルス類の一種、アラシャサウルスである。
保存状態の良い化石が発見されているらしいのだけど、実際に入手できる資料が乏しいのが難点である。獣脚類のなかでも植物食に特化した奇妙な一群である。
乏しい資料をかき集めながらの制作。羽毛とカラーリングは、ヘビクイワシを参考にすることにしたのだけど、特に根拠はない。
昼間の勤務先の高校で、休み時間に制作したエスキース。時間を有効に使わなければ、とても間に合わせることは出来ない。
これが現時点での状態。寝るまでに完成させるつもりである。あと1時間ぐらい必要か。
ぎりぎりの状況になってくると、技術はあまり関係なくなってくる。体力と精神力の方が重要である。いくら技術があっても、そのパフォーマンスを引き出すことが出来なければ結果は悪くなってしまう。最後に物を言うのは体力と精神力だろう。気力さえ充実していれば、なんとか乗り切れるものである。と思いながら、いつも崖っぷちで踏みとどまっているような仕事ばかりである。
時間はとられるけど、講師に出かける日はいい気分転換になる。引きこもってばかりだと、体力も精神力も削がれていってしまうと実感。
投稿者 corvo : 02:21
2007年1月19日
Diplodocus scene 01
来たついでにポチポチっと応援よろしくお願いします。
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まだエスキースが手つかずだったディプロドクス・シーンを始める。
極端に横長のフォルムを持つこの恐竜を画面に収めるのには、なかなか骨が折れる。
パースをつけて描くしかないのだけど、このエスキースは気に入らなくてやり直すことに。もう1点別のページのエスキースを描かなくてはいけなかったのだけど、それは断念。
新たに描き直したのがこちら。背景はまだ描いていないが、ほとんど空だけにする予定である。極力、描く要素を減らして、時間を節約していかなくてはいけない。
今日は朝から、非常勤講師の日。これから寝ます。いつもよりは、ちょぴり早寝です。
投稿者 corvo : 02:21
2007年1月18日
Majungatholus scene 04
奇蹟が起きることを願って。応援よろしくお願いします。
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キスケ、もといマジュンガトルスの続き。
どんよりした曇り空の下の格闘をイメージしているので、全体にウェットで地味な配色になる予定である。湿り気を帯びた大気のなかで、組んず解れつ死力をつくす2体のマジュンガトルス。
昨日から比べると、下になっている個体にもだいぶ手が入ってきた。でも、このペースでは遅れ気味である。
手つかずのページのエスキースを描く必要があって、完成まで至ることが出来なかった。
キスケといえば嘴がある。月光町には「ツッキー」も生息していて、なかなか興味深い生態系である。経済がどう成立しているのかも不明で、全ての出来事が町内と1000年前の世界だけで完結している。
実は、「おじゃる丸」結構好きなのです。(最初の変換、「おJAL○」でした。相変わらず「ことえり」はバカ)
投稿者 corvo : 23:58
2007年1月17日
Majungatholus scene 03
コメント遅れがちですが、応援よろしくお願いします。
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今日は朝から天気が悪い。冷たい雨。こういった日はどうも調子がくずれる。午後は、担当編集者との打ち合わせ。出来上がっている5点の原画を渡す。
今、描いているのはマジュンガトルス・シーン。
これは3日前の状態。スピノサウルスと同時に下地作業だけ進めていた。けっして綺麗とは言えない画面。ローアンバーで暗部から描き起こし、その後、さらに画面全体に調子をつける。この後も色々とやっているのだけど、写真を撮り忘れたのでいきなり今日の段階に進む。
これが今の状態。
いつものように頭部から描き込んでいく。ほぼ完成に近い描き込み。この完成度に合わせて、他の部分も描いていく。
今晩の間にどこまで行けるか。明日はエスキースも数点描かなくては。これで締め切りに間に合えば、奇蹟と言って良い段階に来ている。
投稿者 corvo : 23:48
2007年1月16日
Spinosaurus scene 09
ようやく出来ました。でも、まだまだ先は長いです。応援よろしくお願いします。
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スピノサウルス・シーン完成。昼間のうちに出来ていたのだけど、ようやく今アップ。現在はマジュンガトルス・シーンを制作中。後ほど、途中経過をアップ出来るかな。
水中はそれほど手を入れることが出来なかった。時間切れである。砂ではなく、泥状の水底のイメージ。
帆のせいか、スピノサウルスは立て構図が似合う。
タブリンさんにも褒めてもらった頭部。
がっちりと捕えられたシーラカンス。
柔らかい泥の水底に、足裏を沈め、爪でしっかりスパイクしている。
ドキドキのグレースケールチェック。逆光の中に浮かび上がる、異形の巨体。
コメントで「歯はむき出しであったかどうか?」という質問があったのだけど、魚食性で水辺の近くに生息していたことが予想されるといっても、ワニのように歯がむき出しであったとは考えていない。ワニの場合、歯がむき出しているといっても、上顎と下顎の噛み合わせの精度がよく、頭骨の状態であってもほぼぴったりと口を閉じることが出来る。
乾燥した環境に棲む陸上生物にとって、口の中や吸気が乾燥してしまうことは避けなくてはいけない。常に口の中や気管支から肺にかけて、湿り気を帯びた状態を保つ必要がある。そのためにも常に上下の顎に隙間があるような状態は、好ましといは言えない。僕はスピノサウルスに関しても、歯が外に出るのでなく、唇状の軟組織で顎を閉じた時に歯が全て外から見えなくなる復元が妥当ではないかと考えている。
仮にスピノサウルスが常に水辺の近くに生息していたとしても、彼らの巨体を沈める水深はなかなか見つからないだろう。ワニは水に適応するために、全体の体勢を低くしている。
そんなもろもろの条件から、歯はむき出しにならない、という考えを今は持っている。
明日は今年初めての取り立ての日です。
投稿者 corvo : 23:34
Spinosaurus scene 08
完成まで後一息。応援、よろしくお願いします。
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このエントリーで、スピノサウルス・シーン完成!と行きたかったのだけど、水中の描写が残ってしまった。ここまでおよそ2日で出来てきているので、ペースが上がってきている、というより追いつめられているだけである。とにかく今は時間が欲しい。
現時点ではここまで。水中が、まったくの手つかずで残っている。
水上は、ほぼ完成しているが、まだ微調整は必要。
捕えられたシーラカンス。もう少しキラキラ感が欲しいところ。色はアロワナをイメージしている。
グレースケールチェック。大体、合っているだろうか。
午前中までには、決着をつけたい。徹夜は出来ないので、これから寝ます。
投稿者 corvo : 02:12
2007年1月15日
Spinosaurus scene 07
ペースアップしてきました。応援よろしくお願いします。
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スピノサウルス・シーンの続き。サクサク進める。
前回のエントリーの後、画面一面をイエローオキサイドで、イメージが透き通るように塗っていく。
スピノサウルスのアウトラインを描くように、背景の色をのせていく。この段階では、背景はかなり大雑把。その後、再びローアンバーでスピノサウルスの暗部を描き押していく。
スピノサウルスはこんな感じ。ここまでが夕飯前(午後7時)までの状態。
これが現時点での状態。背景には手を加えていない。スピノサウルスの頭部を中心にディテールを描き込んでいく。ほぼ仕上がりに近い状態まで描いている。
頭部を中心に、少し寄ったところ。これから寝るまでに、シーラカンスと首までは描いてしまいたい。さて、どこまで出来るか。
投稿者 corvo : 00:07
2007年1月14日
Spinosaurus scene 06
ついでにポチポチっとお願いします。
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スピノサウルス・シーンを始める。
いつも通り、反転コピーからファンシープリントでアルシュ紙に転写。
ローアンバーで暗部から描写していく。光の方向、空間、立体感のおおよその目安ができる。
主役であるスピノサウルスよりも、シーラカンスのほうがはるかに資料が豊富である。
今日中にどこまで進められるか。
投稿者 corvo : 11:54
2007年1月13日
Iguanodon scene 06
いつもありがとうございます。ポチポチっと応援お願いします。
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ようやくイグアノドン・シンーンが完成。
一番手前の個体は、影の中に入っていて、一際黒っぽく見える。
成体の頭部。模様も何もなく、シンプルな配色にした。ハドロサウルス類とは、嘴の形が全く違う。
奥の個体の足下を少しぼかして、距離感を強調してみた。
コメントで指摘があったのだけど、模様の方向は違えどもウリボウみたい。
手前の成体はシルエットだけで、ほとんど描き込んでいない。
今日の邪魔師。重い。
投稿者 corvo : 21:41
Iguanodon scene 05
いつもありがとうございます。ポチポチっと応援よろしくお願いします。
---
昨日は、今年初めての非常勤講師の日。コメントへの対応やエントリーのアップが遅れています。
帰宅後、少し制作。科博グラフィック展示用復元画の修正リクエストメールが来ていたので、指示通り修正して添付ファイルで送る。その後、イグアノドン・シーンの続き。
背景の森を明るく描き、イグアノドンを浮かび上がらせている。
もう一体、亜成体を描く。少し、大きくなっている個体ということで、模様が身体から消えかかっている設定にした。
なんとしても、今日中に仕上げなくては。
投稿者 corvo : 13:53
2007年1月11日
Iguanodon scene 04
ご覧いただきありがとうございます。ついでにポチポチっとお願いします。
前回のエントリーで書いたとおり、昼まで寝ていたので、作業を始めたのは午後から。今の時間まで、集中して制作にあたったのだけど、本調子でないこともあり、完成には至らなかった。
中央の二頭の成体と、左の亜成体はほぼ完成している。
描き込みに若干甘いところがまだある。
亜成体、幼い個体には模様が残っているという設定にしてみた。
重なりあう二頭の前肢と後肢。体重のかかり方、皺の出来方、地面との関係に気をつけて描く。
金曜日は今年初めての非常勤講師の日。朝早く(といっても8時過ぎ)、出かけなくてはいけない。
長らくお待たせしました。これから、コメントへの返答を書いていきます。
投稿者 corvo : 23:33
Iguanodon scene 03
いつもありがとうございます。応援よろしくお願いします。
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かなり厳しい状況で、なかなかコメントにレスがつけられない状況です。必ず書きますので、もうしばしお待ちください。
昨日はイグアノドン・シーンの制作と、科博グラフィック用復元画の修正。イグアノドンは、全然完成には遠い所で終わってしまっている。
これが昨日、寝る前の状態。
ほぼ描き込みが終わった状態のディテール。
絵を描く作業は肉体労働なので、身体の疲労が極限にまで達している。一番やっかいなのは、呼吸がうまく整えられないことで、正確なタッチをリズムよく描くことができなくなってしまう。今日は昼まで寝たので、いくらか改善されたが、まだまだ本調子にはほど遠い。丸一日、なにもせず、本当に横になっているだけの日を作らないと駄目かもしれない。
投稿者 corvo : 13:32
2007年1月10日
Iguanodon scene 02
とりあえす、ポチポチっと応援お願いします。
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昼間は、まず午前中に科博のグラフィック展示のための復元画を制作。出来た物をスキャンして、監修者に添付ファイルで発送。まだ、返事は来ていないが、おそらくいくつかの修正点が返ってくるはずである。
その後は、正月に制作したイグアノドン・シーンの着彩を始める。
まず、いつものようにエスキースをコピーしたものから、ファンシープリントを使って転写する。
暗部から、ゴールデンフルイドのローアンバーで描き起こしていく。
イエローオーカで下のイメージが透き通るように、全体を均一に塗った後、ファインパミスゲルとレギュラーゲルマットを混ぜたものを、ペインティングナイフと筆でタッチを残すように塗り付けていく。
そして、背景の森を描くように、サップグリーンで描いていった所。イグアノドンをシルエットのように残している。とりあえず、現時点でここまで進めた。
欲を言えば、明日には完成させてしまいたい。
ここでちょっと番外。
これはメイ・シーンを描いていたときの一こまなのだけど、うちの黒猫ポーは夕方になると必ず、夕飯のおねだりに仕事場へやってくる。これがたまらなく鬱陶しい。可愛いとか言う問題ではなく、鬱陶しい。膝にのるは、パソコンに向かっていると、わざとモニターの前を横切るは、ご飯の時間の1時間以上前から催促に来るので、ひたすらその間は我慢しながら、作業を続けなくてはならない。
人知れずそんな苦労が毎日あるのである。
投稿者 corvo : 02:29
2007年1月 9日
Mei scene 03
ご覧いただくついでに、ポチポチっとしていただけると嬉しいです。
---
メイ・シーンが、一応完成。まだ少し手を加えるかもしれないが、一段落ということでアップする。
暗闇の中に浮かび上がる、メイとエオマイア。メイは睡眠をとっている。
鼻先を左の脇腹に突っ込み、尾を身体に沿って丸めた状態で眠るメイ。
首の姿勢は、エスキースの段階で何度も試行錯誤を繰り返した。
エオマイアの全身。
顔のデイテール。時間が許せば、もう少し描き込みたかったが今回はここまで。
ちょっとコメントの返しが遅れていて申し訳ないです。必ず書き込みますので、しばしお待ちください。
投稿者 corvo : 01:28
2007年1月 7日
Mei scene 02
気が向いたら、ポチポチっとお願いします。
メイ・シーンの続き。
今回の支持体はいつものアルシュ紙なのだけど、少し工夫をしている。工夫しているというと聞こえは良いが、すでに没スピノサウルス・シーンのエスキースを転写してしまっていたので、画面を一度塗りつぶす必要があったのだ。
ジェッソにファインパミスゲル(きめ細かな軽石粉が入っていて、ざらついたテクスチャーをつけることができる)とイエローオーカを混ぜた物を、ペインティングナイフで凸凹をつけながら塗り付けていく。乾いたところで、アブソーベントプライマー(吸い込みの良い下地を作る)を塗布。
その後、ゴールデンフルイドのローアンバーとバーントアンバーライトで、暗部から描き起こしていく。
資料に囲まれながらの制作。
その後、まわりをペイニーズグレーとローアンバーで筆のタッチを残しながら塗りつぶしていく。
そして、これが現在の状態。エオマイアを明るい絵の具で描き起こし、ほぼ出来上がったところ。メイはまだ手つかずである。
エオマイア。しっかりと木の根っこにしがみついて、メイの様子を伺っている。おそらく何もせずに通過するだけだろう。
少しアップ。
さらにアップ。ここまで寄ると、筆のタッチをひとつずつ見ることができて、ちょっと恥ずかしい。毛筋を一本ずつというほど細かい作業はしていない。比較的、太めのタッチである。
次はメイの描き起こし。こちらは羽毛なのだけど体毛の表現と同様に、ひたすら面相筆で描き続けることになる。
投稿者 corvo : 21:47
2007年1月 6日
Mei scene 01
ご訪問ありがとうございます。気が向いたら、ポチポチっとお願いします。
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Mei longシーンのエスキースが完成。
夜のシーン。木の根もとで、頭を脇に埋めて休むお決まりのポーズのメイ。根っこを伝って、哺乳類のエオマイアがすぐ側までやってきている。闇の中でスポットライトを浴びたような画面にする予定。
恐竜博で実物の化石を見ているといっても、限られたアングルからの観察であり、乏しい資料からの復元になってしまうのは致し方ない。
エオマイアは全身の骨格とともに、体毛の印象化石も残っている。原画のサイズだと、メイ、エオマイアともに、ほぼ原寸大になる。
出来るだけ短時間で手早く仕上げてしまいたい。
投稿者 corvo : 22:53
2007年1月 5日
Spinosaurus scene 05
ついでにポチポチっとお願いします。
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スピノサウルス・シーンのエスキースが完成。
着彩はこのエスキースをもとに、進めていく。
捕まえる魚も、ガーから淡水性のシーラカンスに変更した。
頭部の形態も大きく変更した点である。
遠回りをしてしまったが、結果的に良い構図になった。さて、遅れがちのスケジュールを取り戻さなくては。
投稿者 corvo : 17:08
2007年1月 4日
Spinosaurus scene 04
ご訪問ありがとうございます。ついでにポチポチっとお願いします。
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また悪い虫がうずきだしている。時間が押せ押せにも関わらず、どうにも気に入らなくて「スピノサウルス・シーン」のエスキースを描き直している。
前回、「最初のエスキースから比較すると、かなり満足のいく結果となった。」と書いているのだけど、1ヶ月以上が経過した現在、納得のいかないものになってしまっていた。
パースが不自然に感じるということが、一番大きな要因である。また、友人である木製恐竜骨格模型のタブリンさんが、新たにスピノサウルスの骨格図を描き起こしていて、大いに参考にする部分があったことも大きい。
現在、こんな状況である。明日には完成の予定。
まだ、ちょっと体調が戻りません。熱っぽいのと、お腹の具合が良くないです。年末に病院で診察を受けて胃腸薬を飲んでいるので、少し改善されてきているのだけど、膨満感に悩まされている。喉も痛く、風邪の症状もあり。
体調を整えながら、制作を進めて行きます。ここが正念場。
投稿者 corvo : 23:56
2007年1月 2日
Iguanodon scene 01
ご訪問ありがとうございます。気が向いたらポチポチっとお願いします。
今日は1日、イグアノドン・シーンのエスキースを制作。
Iguanodon bernissartensisとIguanodon atherfieldensisの原記載論文と、グレゴリー・ポールの「恐竜骨格図集」を参考に制作。
個人的には、ハドロサウルスより面白い。
いつも通り、アルシュ紙に鉛筆で描いていく。ステッドラーのHBとBを使用。
完成したエスキース。森の中を、年齢の違う個体の混じった群れが移動していく。緑と木漏れ日に包まれたシーンにする予定。
今日は朝から体調がすぐれず、けっこうつらかった。明日は思い切って何もしません。オフにします。
1日だけですが、ゆっくり休みます。
投稿者 corvo : 23:17
2006年12月31日
Triceratops scene 08
トリケラトプス.・シーン、正真正銘の完成画像をアップ。スキャナーで取り込んだものなので、これまでのデジカメ画像とは若干色が違う。
おおよそ、正確な色身は再現されていると思う。
恒例になってきたグレースケール。ばっちりである。
トリケラトプス頭部のディテール。
口の中に下顎のデンタルバッテリーが見える。
ティラノサウルス頭部のディテール。
前回も書いたが、もっとも重要な部分のひとつである足と地面の関係。
まだまだ満足できる出来ではない。
これから年賀状の宛名ラベルを作って、その後簡単に仕事場の掃除をする予定である。
投稿者 corvo : 13:31
2006年12月30日
Triceratops scene 07
どうにかこうにか、トリケラトプス・シーンが完成に近づいてきた。
今日も、まず背景をいじる。
季節は雨期。緑が茂り、空には積乱雲。水たまりの出来た地面。トリケラトプスのフリルに、その強靭な顎で巨大な歯を突き立てるティラノサウルス。たまらず叫び声を上げながら走り続けるトリケラトプス。
恐竜を中心に寄ったところ。どちらも明るめの色にした。とはいっても、基本は褐色系。それほど派手な色彩ではない。
足下の描写には、たっぷり時間をとられた。何時間、ここだけに費やしただろうか。ものの存在感を決定づける、もっとも重要な部分である。
頭部を中心としたディテール。今回のティラノサウルスの彩色は、実を言うと構造色の再現を狙ったものである。構造色とは色素ではなく、その物質のもつミクロの構造が色彩として見えてくるものである。昆虫や、爬虫類の鱗、身近なところではCDやDVDディスクの記録面の、見る角度によって移り変わる色のことである。
なかなか難しい。これからも試行錯誤を続けて、なんとか近づけたいと思っている。
後、もう少しで完成である。
投稿者 corvo : 23:59
Triceratops scene 06
いきなりですみませんが、ついでにポチポチっとお願いします。
また、ちょっと更新が開いてしまった。コメントの返しも遅れがちである。
28日は科博の地学研究室の忘年会に参加してきた。研究者や学生、レプリカ制作を行っている彫刻家や、他のイラストレータと、じっくり話をする機会が持てて楽しい一時だった。けっこう裏話的なことも多かったので、ここでは書けない話も多いのだけど、一次会、二次会と食事が美味しく、久しぶりに少々アルコールも飲んできた。二次会の焼き肉屋(肉は焼かずに、臓物中心)で飲んだ、「ノンジュ(だったかな)」と呼ばれる韓国産のどぶろくが絶品で、アルコール度数も7度と強くないので、それなりの量を楽しむことができた。気に入ったので、帰りにお土産で一本買ってきたほどである。
今日の昼間は、科博のグラフィック用の復元画を修正。昨日の忘年会中に打ち合わせをして、修正コメントに基づいて完成させた。後一点残っているが、少しほっとする。
その後は、タイトルの通りトリケラトプス・シーンの続きである。地面も含めた背景に手間取る。最初に消失点を明確にしておくべきなのだけど、曖昧だったため苦しむことになってしまった。
トリケラトプスには少し手を入れることが出来た。
頭部を中心に描いている。色が上手く出てくれなくて、ここでも苦しむ。
地平線を少し高く上げて、ナンヨウスギの森を遠景に描いた。手前の地面をどうするか悩み所である。
白亜紀末期には、これぐらいの植物が地面を覆っていたのはたしかである。でも、スケール的にも描写は困難なので、土のままで、なんとか不自然でない舞台設定を考えている。
今日には完成させたかったのだけど、残念ながら明日に持ち越しとなってしまった。年内には間違いなく完成させなくては。
ランキングバナーをエントリーの頭に持っていったのは不評ではあったのだけど、アクセス解析を見る限り大幅にクリック数をのびていたのは確かである。そこで、しばらくこの状態でいってみようと思う。
投稿者 corvo : 02:25
2006年12月28日
Triceratops scene 05
昨日はずっとトリケラトプス・シーンにかかり切りだったのだけど、それほど進まなかった。
並行している仕事も研究者からメールが来ずに、進めることが出来ない状況だった。
今回の画像は寝る直前までのものである。
背景の空はおおよそ完成している。まずは齧っているティラノサウルスから始めていく。
少し寄ったところ。トリケラトプスはほとんど手つかず。
ティラノサウルスもここまで来るのに、何度も重ね塗りをして時間がかかってしまった。でも、新しい描写の方法を発見したので、これからどんどん試していこうと思っている。
コメントの書き込みについて一言。
どんなことを書いてもらっても結構です。エントリーに直接関係のないことでも、対話が成立するなら歓迎です。
コメンター同士での自由な議論も活発に行ってもらってよいし、それを読むことで僕も勉強になります。
失礼と思える書き込みでも、必ず返事は書きます。
コメンター同士の対話や、僕との対話で質問等が出たときは、スルーせずに答えるのが最低限の礼儀であると思っています。他のblogや掲示板では違うのかもしれませんが、僕が管理するこの場では、原則としてスルーは厳禁です。
ちゃんと答えてもらえてない書き込みがあった場合は、僕のほうからもフォローの質問をいれることがあります。
今後、何かの間違いで超人気blogになって、万が一書き込みが膨大な数になってしまったときは、そうもいっていられないと思いますが、現状こういった考えであることをご理解いただきたいと思います。
ps:アドバイスに従って、ランキングのバナーをエントリーの最初に貼ってみました。不評であれば元に戻します。
投稿者 corvo : 12:35
2006年12月27日
Triceratops scene 04
一昨日の午前2時頃に受け取った、科博の復元画(パレオパラドキシア)修正メールをもとに、午前4時30分まで制作。その後、復元画をスキャンして添付ファイルでメールを送る。午前10時頃起きだして、今度はデスモスチルスの頭部の復元画を制作。これもスキャンして添付ファイルで送った。
その後、このエントリーのタイトルであるトリケラトプス・シーンの制作を始めた。
コピーから転写したのち、ローアンバーで暗部から描いていく。
ここまでのプロセスで、おそらく30分はかかっていないと思う。
ディテールはわりと大雑把で、明暗と立体感を捉えるための作業である。
全体にイエローオーカを塗った後、空のブルーを少しずつ塗り重ねて行く。
これが寝る直前の状態。空と雲をを描くことにほとんどの時間を費やしている。まだ、出来上がっていないので、これから空と雲を仕上げていく。背景が出来上がった所で、恐竜本体にとりかかる予定である。
なんだかこの配色、アンディ・ウォホールのシルクスクリーンみたいだな。
昨日は一日中雨で、しかも夜には雷まで鳴るとは。とても年末とは思えない天気でした。
いつも、応援ありがとございます。
投稿者 corvo : 10:50
2006年12月25日
Tyrannosaurus scene 02
今日もアルコール抜き。ビールも飲んでいない。
前回から、少しは動きが出たか。森の中の開けた場所という舞台設定にしてみた。背景をぼかすことで、登場する恐竜を浮かび上がらせ、さらに動きを感じさせることが出来ればと目論んでいる。
あまり極端なパースはついていない。少し離れたところから、こっそりと覗き見している感じである。
余裕があれば、手前の木に哺乳類も登場させたいところなのだけど、もうすでにこれっぽっちの余裕もないので、多分無理だろう。
後、何体ティラノサウルスを描くんだったかな。
年末ですが、ぎりぎりまで制作します。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:25
2006年12月24日
Tyrannosaurus scene 01
今晩、忘年会で盛り上がった方も多いことだろう。僕はと言えば、アルコールも飲まず描き続けている。
今日の昼間はティラノサウルス・シーンの制作。トリケラトプスとの対決姿勢というのが、編集からのリクエスト。
まだ少し固い感じが拭えない。これから動きを感じさせる描写にしていきたい。
とにかくティラノサウルスが多くて、少々うんざり。人気ナンバーワン恐竜なので、致し方ない。
構図に変化をつけて、色々なバリエーションを試していこう。
個体差も感じさせることができれば良いのだけど、それはなかなか難しいだろう。でも、まだ確信の持てる復元には至っていない。
ティラノサウルスが好きな人も、そうでない人も、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:21
2006年12月22日
Oviraptor scene 04
オヴィラプトル・シーンも完成。これは編集者が帰った後だったので、まだ納品していない。
出来るだけ背景をシンプルに、早さを優先したのだけど、出かける用事もあり時間がかかってしまった。
頭部のディテール。前回のエントリーの時と、それほど変化は無い。まさにヒクイドリ。
ちょっと進化しすぎた翼か。巨大なかぎ爪を持った前肢。
毛筋を一本一本ひたすら描く。身体のボリュームを損ねないよう、光の方向に注意していかなくてはならない。
カラスの剥製がとても参考になる。
グレースケールへ変換。制作途中でチェックしているわけではないので、結構どきどきする。ちょっとトーンが似通ってしまったか。
21日になってオリコンから、再び不可解なリリースが。あきらかに順番が違うだろう。5000万円もの被害を受けたと言っておきながら、謝ったら許してやるとは、全く理解に苦しむ。このページはトラックバックを受け入れながらも、件数に制限があり5件しか表示されない。「トラックバック受け付けています」という見せかけのポーズにしか見えない所にも、不快感を感じる。
今日はここで打ち止め。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 00:31
Allosaurus scene 06
続いて、アロサウルス・シーン。これも取り立てに間に合わせるために、朝から最後の仕上げを行った。編集者到着時にはまだ制作中で、少し待ってもらうことになってしまった。年内にもう一度、取り立てに来るらしいので、今から恐怖である(嘘)。
アロサウルスとステゴサウルスの身体に、模様を描き入れる。より立体感をとらえやすくなる。
アロサウルスの頭部。口から鮮血を滴らせている。
ステゴサウルスの腹を、がっしり踏みつける後肢。前肢の爪にも、少し血痕があっても良かったかもしれない。
喉を切り裂かれ、絶命寸前のステゴサウルス。全国、一億人のステゴサウルスファンの悲鳴が聞こえる(嘘)。
ステゴサウルスの全体像。断末魔に尻尾をむなしく水面に打ち付けようとしている。
グレースケール。逆光の中の一シーンであることがよくわかる。
ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 00:17
2006年12月21日
Eoraptor scene 11
今日の昼間、担当編集者の恐い恐い取り立てが。
4点渡すのがやっとでした。これまで完成した画像をアップしていなかったので改めて更新。スキャナーで読み込んだものなので、デジカメで撮影したものよりも鮮明で色も綺麗に出ている。
完成した画像。この状態で図鑑に掲載される予定である。骨格図やキャプションなどが、画面の上からかぶさってくるので、全体を見渡すことができるのはこのblogだけということになる。
影の主役、リンコサウルス。かっこいい。最初、骨格図を見たときは「なんて醜い生物だ!」と思ったのだけど、アルゼンチンで実際の標本や化石に接してからというもの、もっとも好きな古生物のひとつになった。
真の主役であるエオラプトルも、手を抜かずにしっかり描いている。
物と物とが接するところをきちんと描くことで、生き物の重さや重力を表現することができる。とても重要な部分である。
背景の植物で遠回りはあったが、出来上がりを気に入っている一点である。
でも描き上がってしまうと、まったく興味がなくなってしまうのだけどね。なので、原画を売ってしまうことに、まったく抵抗がありません。
一応、グレースケールも。
どんどんアップしていきますので、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:57
2006年12月19日
Oviraptor scene 03
昨日から始めたオヴィラプトル・シーン。背景を簡略化することで、スピードアップを計ろうという魂胆である。締め切りをクリアーするために、なりふりかまっていられない。どれだけ効率よく作業出来るかが、勝負の分かれ目である。
エスキースを見ながらの制作。もちろん、傍らには資料も広げている。トルーライトも大活躍。
画面を寝かせて水で湿らせてから、カラーインクで着色している。偶発的な色の染みが画面に表情をつける。
これが昨日の段階。極められるところから、どんどん描いていく。身体の色はオーストラリアに棲むヒクイドリを参考にしているというか、ほぼ同じにした。
頭部のディテール。羽毛が無く皺のある首周りと派手な色彩。嘴の上のとさか上の突起は、ヒクイドリ同様、角質に覆われている設定にした。ここまで制作して、眠りについた。
今日は朝から都内へ出かける。ある絵の具メーカーの講習会の講師として出席するためである。詳しい話は、後日のエントリ−に。作品を持っていくことになっていたため、車で家を出たのが午前7時45分。眠かった。酷い渋滞で、片道2時間もかかってしまった。距離にしてわずか30キロほどなのに。
無事終了後、手術を受けた友人を見舞い、ようやく夜になって帰宅。
昨日の続きを始める。
これが現時点での段階。良いペースで進んでいるが、今日はかなり疲れがたまっているので、ここまでで終了。
羽毛を描写。カラスの剥製を見ながら、面相筆で線を重ねていく。エスキースよりも、もう少しラフな感じの表現にする予定。卵はダチョウのように、砂漠の上に産み落とされている。これもあくまでも推測である。
昨日の話題であるが、今日になってオリコンからのコメントがアップされている(これトラックバック受け付けています。まだ少ないですが否定的な論調ばかりですね)。
当事者ではないので、分からないことだらけなのだけど、少なくともこれではオリコンは説明責任をはたしていないだろう。そもそも、いきなり起訴することは異常なことであり、出版媒体を持っているオリコンが自社誌面で徹底的に反論すれば良いだけだろう。そのほうが、はるかに効果的であり、企業イメージも保たれたと思う。
今回、自らの名誉を毀損しているのは、他ならぬオリコン自身だと思うのだけど。「偉い人にはそれが分からんのです」というオチなのでしょうか。
まったく年末という感じがありません。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:08
2006年12月16日
Tyrannosaurus juvenile 02
ティラノサウルスの幼体。午前3時30分頃には出来ていたのだけど、寝る直前だったのでアップが遅くなってしまった。
孵化直後から13歳頃までは、それほど成長のスピードは早くなかったらしい。あまり大きくはないが、活発に動き回る捕食者をイメージして描いてみた。ティラノサウルスの幼体の化石は見つかっていないので、プロポーションについてはあくまでも推測でしかない。
茂みの中を素早く動き回り、小動物を捕えて食べる。また、大型の捕食者から逃げ回る必要もあっただろう。縞模様にしたのは、茂みの中での見つかりにくさを考慮してのことである。
ほっそりとした頭部。まだ噛む力も弱い。
身体と比較して、大きくがっしりとした足。まだ体重の軽い彼らは、ある程度の速度を出して走り回っていたと思われる。
先日、お伝えしたぐりですが、コメントにも書きましたが昨日、天国へ旅立ちました。
ブログ村ランキング、ようやく5位になりました。しかし、どうしても超えられない壁があるような感じです。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 10:49
2006年12月15日
Tyrannosaurus baby 02
ティラノサウルス・ベイビー、半日ほどで完成させてしまった。
極めて限られた色数で描いている。
グレースケールでも確認。やはり少し暗い方に偏っているかな。
孵化した直後のティラノサウルス。まだ少し体毛は濡れているだろう。あと少しで身体を伸ばすことができる。
さらにディテール。
この復元画がもうすぐ仕上がるということころで、先のエントリーの一件を知り、かなり動揺してしまったが、逆に身体に力が入らなく、余計なことを考えないように集中できたことが良かったのかもしれない。
疲れがピークにある中で、無駄な力を使わずに制作することが、出来るようになってきた。
ただ今はひたすら手を動かすだけです。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 02:15
2006年12月14日
Allosaurus scene 05
一昨日、昨日までに完成させたいと言っていたアロサウルス・シーンであるが、結局今日になっても完成していない。でも、ほぼ出来上がりというところまでは来ている。
これが昨日、寝る直前の状態(正確には今日の午前3時頃)。背景、水面、アロサウルスの尻尾など、手を付けていないところがまだ残っている。
頸動脈を噛み切られて、絶命寸前のステゴサウルスの亜成体。とめどなく血が流れ出す。
相変わらず、色数の少ない地味なパレット。
そして、これが現時点での状態。背景、水面にもしっかり手が入っている。後は空に少し加筆するのと、アロサウルスの模様をどうするかというところである。
確認のためにグレースケールでも見てみる。逆光の設定なので、似通ったグレーが多くなってしまっている。もう少し、豊かな諧調がほしいところか。
ステゴサウルスの腹にめり込むアロサウルスの足。重量感を出すためにも、重要なポイントである。必要以上にしつこく描写している。
なかなかスケジュール通りに進みませんが、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 16:00
2006年12月13日
Allosaurus scene 04
トリケラトプス・シーンのエスキースが出来上がった後に、前日から始めていたアロサウルス・シーンの着彩を再開したのだけど、その前にちょっと隣町までプリンターを買いに出かけていた。
スキャナーはA3まで読み込めるものを持っているのだけど、プリンターはA4までのとてもベーシックなものしかなかった。せっかく原寸大で取り込んでも、プリントアウトするのに縮小しなくてはいけないジレンマが常にあったのである。
そこで買ってきたのがこれ。僕はアンチエプソンで、今使っているものもHP。
とにかくでかいが、なんとか置き場所を確保してセッティング。いい感じである。
アロサウルス・シーンの続き。
これが前日までの状態。紙を湿らせた後にカラーインクで着色している。偶発的な染みの広がりが、黄昏時の大気を表現してくれることを狙っている。
エスキースを見ながらの制作。
これが現時点での状態。ディテールからどんどん描き込んでいっている。
頭部のディテール。口から滴り落ちる血は、最後に描き込む予定。
前肢のディテール。アロサウルスの特徴を良く表している部分のひとつ。スピノサウルスほどではないが、第一指が極めて大きい。
理想的には、今日中(13日中)に完成させてしまいたい。出来るかな。
そろそろ寝ます。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 02:56
2006年12月12日
Triceratops scene 03
トリケラトプス・シーンのエスキースが完成。
01の構図から変更して正解だった。担当編集者からも、こっちのほうが良いというお墨付きメールが。
今日の昼頃には出来上がっていた。ラフの段階よりも、若干あおり気味のアングルになっている。パースをつけることで、大きさも表現できたと思う。
新しい構図を思いついたのは、この写真を見たことが大きかった。この写真に出会わなかったら、描くことが出来なかっただろう。感謝である。
ラフと、標本写真をもとに制作。このケルシーと呼ばれる個体は、肩帯から前肢にかけて、少し大きすぎるように感じる。ちょっと詳しいことは分からないのだけど、別の個体のものを参考に復元されているようだ。
今日は冷たい雨でした。気が向いたら、ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 23:25
Triceratops scene 02
エドモントサウルス・シーンと差別化を図るため、トリケラトプス・シーンのラフを急遽描き直してみた。
こっちの方が迫力もあるし、良いと思うのだけどどうだろうか。
15分ぐらいで描いたので、かなり大雑把なものなのだけど、雰囲気は充分伝わると思う。
これでいこうかな。
がんがんいきます。応援よろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 01:18
2006年12月11日
Triceratops scene 01
厳しい日々が続いています。
今日、アマゾンから届いた荒木さんの「1/35恐竜骨格モデルシリーズ 1 (1)」に触発されて、トリケラトプス・シーンのラフを制作。
編集からのリクエストで、ティラノサウルスにフリルを齧られる場面。ティラノサウルスはエドモントサウルス・シーンにも登場するし、8ページに渡って別に特集も組まれている。何体も描かなければいけない。
逃げるトリケラトプスに後ろから襲いかかる。歯がフリルに触れた瞬間を描いた。背景はシンプルにいく予定。
ランキングの順位が上がると、ちょっぴり元気が出ます。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 21:00
2006年12月10日
Eoraptor scene 10
絵画空間の話をもうひとつ。
こういった具象的な絵画空間を描く場合、ものの位置関係や光の方向が明確でなくては、なかなか表現が難しくなってしまう。
色をつけていくと、どうしても光の方向や、ものの明暗がおろそかになりがちである。これが狂ってしまうと、絵画空間として成立しなくなってしまう。奥にあるべきものが、手前に見えてしまったり。光が当たるべきものが、暗くなってしまったり。そういったことが起きてしまう。
そういった事を避けるためには、それぞれの色彩がその絵画空間の中で、明暗に還元したときにどれぐらいの値になるかを見極めていく必要がある。グレースケールにしたとき、モノクロでデッサンしたのと同じような状態になっていなくてはならない。
模様のあるなし、色の濃い薄いに関係なく、光の明暗を描ききってこそ、絵画空間を構築することが出来るのである。
投稿者 corvo : 23:30
Eoraptor scene 09
ようやく、ほぼ完成。
右側のエオラプトルが完成。左側のエオラプトルもさらに加筆修正を加えた。
リンコサウルスに対して、少しおびえながらの威嚇。
リンコサウルスの尻尾を描き込む。背景の植物に、もう少し完成度がほしいところ。
リンコサウルスの背中に捕まるエオラプトルの足をしっかりと描写。物と物との関係をきちんと描くことが、絵画空間の豊かさにつながる。
大幅に時間がおしてしまった。すぐに次の復元画に取りかからなくては。
次の制作への活力に。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 22:18
Eoraptor scene 08
金曜日は夕方から、ネイチャープロダクションの忘年会に参加するため、青山まで出かけていた。体調のせいか、ほとんどビールを受け付けず、あまり酔わないで帰ってきた。多くのネイチャー系イラストレーターの方と知り合えたのは、大きな収穫だった。僕自身、イラストレーションの訓練を全く受けたことがないので、会話をするだけでも勉強になる。
土曜日は午後から六本木アークヒルズへ。学生のときに、ある財団から奨学金をもらっていたのだけど、その財団が主催する懇親会が年に一度あり、毎年参加しているのである。年に一度、この場でしか会わない方ばかりなのだけど、会話も楽しく素晴らしい一時を過ごすことができた。ここでも、ほとんどアルコールは飲まずに自宅へ戻ってきた。
そして、エオラプトル。現時点でもまだ終わっていない。完成は見えているのだけど、予想以上に時間がかかってしまった。どこかで圧縮する必要がある。
夜の作業が多くなっているので、トルーライトの存在は非常に助かる。自然光とほぼ同じ条件で制作できるのは、何物にも代え難い。この写真の撮影はストロボを使わずに、トルーライトの光だけで撮っている。ホワイトバランスはオートになっているのだけど、これだけ自然な色に撮れていることから、トルーライトの実力を分かってもらうことが出来るだろう。
右のエオラプトルが、残ってしまっている。ここを中心に進めていかなくては。背景の植物の描写も、もう少し。
さらに加筆修正したエオラプトル。ほぼ完成といってもいいだろう。
疲れていると言っても、気力は充実しているので、このままがんがん進めていきたいところである。
精神的に折れないようにしなくては。
なかなかランキングは上がりませんが、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 02:07
2006年12月 8日
Eoraptor scene 07
更新とコメントへの返しが遅れて申し訳ないです。ちょっと大変なことになってました。
昨日も順調に制作を進めていたのでだけど、エオラプトルの2頭目を描いて終わりと思っていたら、背景の植物の復元がおかしいことに気づいてしまったのである。植物の復元は動物以上に難しいところがあり、残された葉などの一部から全体を推測しなくてはいけない。僕自身、決定的に植物に関する知識が不足しているのが問題なのだけど、もう少し良く調べてから進めるべきだった。エスキースの時点で失敗していたのである。
背景の植物は「Dicroidium」と呼ばれるもので、種子シダという絶滅してしまったグループである。地面から直接生えていたのか、木生シダのように幹があったのかわからないのだけど、「Dawn of the Dinosaurs」のダクラス・ヘンダーソンの復元画を見ると幹のある復元で描かれている。これを鵜呑みにするわけにはいかないのだけど、少なくとも監修を受けていることは確かなので、急遽変更することにしたのである。そのおかげで時間をとられ、パソコンの前に座っても、読むぐらいの余裕しか持てなかった。
まだ、修正前の状態。リンコサウルスのディテールは、ほぼ出来上がっている。
昨日、届いたTrue Liteのデスクスタンド。非常に眼に優しく色も自然で、これまで使ってこなかったことを後悔している。
これが今朝の状態。この段階での大幅な変更は避けたいのだけど、致し方ない。絶望せずに前向きになれる精神状態を評価してもいいだろう(自画自賛)。
ほぼ完成しているリンコサウルス。尻尾とディテールアップを残すのみ。
エオラプトルもほぼ描き上がっているが、模様をどうするか検討中。
最初の写真と比べてもらうと、どれぐらい進んでいるかわかる。
今晩は今年最初の忘年会。まだそんな気分ではないのだけど、しばし楽しんできます。
ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 13:03
2006年12月 7日
Eoraptor scene 06
今回はリンコサウル・のシーンである。もとい。エオラプトル・シーン。でも、ついついリンコサウルスに肩入れしてしまうのである。イシガラストでは、「またリンコか」というほどに当たり前に見つかる化石。
前回、ローシェンナのカラーインクを塗ったまま、しばらく放ったらかしにしてあった状態から始める。
エスキースのコピーも参考にするため用意しておく。
リンコサウルス類の論文や植物化石の資料。アクリル絵の具での制作なのだけど、ゴールデンのフルイドシリーズを中心に使用する。この絵の具はチューブに入っている練りの固いものではなく、液状に近い状態で非常にのびやかな性質を持っている。また、透き通る色が多く、油彩に近い使い方が出来る絵の具である。
背景の植物のシルエットを描いていく。この時使用したのは、クロームオキサイドグリーンとローアンバーの二色。絵の具が良くのびるので扱いやすい。これで乾燥が遅ければ、なお良いのだが。
植物のシルエットが描けたところで、全体にジンクホワイトとセルリアンブルーを混ぜた色を、下層のイメージが透けて見えるように一面に塗っていく。
油彩的な表現に近づけるため、フルイドシリーズのチタニウムホワイトにレギュラーゲルを混ぜたものを作る。チタニウムホワイトは隠蔽力と着色力が強く、他の色と混ぜたときに白濁しすぎる傾向がある。それを避けるために、透明で練りの固いレギュラーゲルとフルイドのチタニウムホワイトを混ぜたものを作ってみた。ほぼ狙い通りの結果になった。とても扱いやすい。理想は油絵の具のシルバーホワイト。残念ながら、アクリル絵の具ではどのメーカーも作っていない。
リンコサウルスを中心に描き込んでいるところ。油彩のように透明色と不透明色を重ねながら、立体感を描いていく。並列化した色の情報だけでなく、重層化した情報も加えていくことで、より豊かな表現が可能になる。相変わらず使用する絵の具の種類は少ないです。
この調子で、どんどん進めていきます。
師走です。ちょっと焦りもありますが、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 00:48
2006年12月 6日
Tyrannosaurus juvenile 01
昨日の孵化直後のティラノサウルスに続き、幼体のティラノサウルスを制作。
少し、プロポーションが大人っぽくなってきたが、頭部を除いた全身は毛に覆われている(あくまでも推測です)。中国で発見されたディロングが毛をまとっていたことから、身体が小さいときは毛が生えていたのではないかと考えられている。
座って周りの様子を伺っている。ティラノサウルスといっても、この時期は多くの生物に命を狙われる、か弱い存在だっただろう。
頭部ディテール。
最初のラフは、こんな感じ。ぴたりといい感じに決まったので、このポーズを採用して進めることにした。
やはり鳥の関係の資料が役に立つ。
昼間、仕事場の蛍光灯が一本切れてしまった。
蛍光灯とっても特殊なもので、すぐに買いにいけるものではない。
トルーライトと呼ばれるもので、極めて太陽光に近いものである。仕方が無いので一本外して、少し暗い状態での作業だった。早速、注文したのですぐに復旧する予定である。
投稿者 corvo : 02:22
2006年12月 5日
Edmontosaurus scene 02
日が落ちた頃から、エドモントサウルスのエスキースの制作を始める。前回から、大幅に構図を変更。
フェバリットコレクションのパラサウロロフス・スケルトンモデルを広角レンズで撮影したものを参考にする。肉眼では見ることができない世界がそこにある。
どうもハドロサウルス類を描くのは苦手である。何度、描いても上手くいかない。特に前肢と肩、胴体の関係をうまく捉えることができない。博物館の組み立て骨格も良くないものが多く、全身の姿をイメージしにくいのも原因かもしれない。
特に足の位置、ポーズ、何度も描いては消してを繰り返し、紙には苦闘の痕跡が残っている。
監修者からの指摘で、口が裂けない復元にすることになった。個人的には頬があったとは思えないのだけど、素直に研究者の指示に従う。
うーむ、難しいです。ハドロサウルス類は僕にとっての鬼門なのかもしれない。
投稿者 corvo : 02:27
2006年12月 4日
Tyrannosaurus baby 01
これも図鑑用の一枚。孵化直後のティラノサウルス。
紙のサイズは285x380mm。使用した鉛筆はステッドラーのHBとBの二種類。
ラフスケッチはこんな感じ。今回は一枚しか描かなかった。
キジが孵化する写真を参考にする。ポーズもほぼ同じ。やはりモデルがあると、非常に描きやすい。見て描けることの幸せを感じる。
頭部のディテール。孵化直後すぐに動けるという想定で、すぐに眼を開けて活動しようとしている。鼻先には卵の殻を破るための卵歯が見える。
少し遅れて、もう一頭が姿を見せようとしている。
可愛く描けました。
気が向いたら、ポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 14:47
2006年12月 3日
Majungatholus scene 02
ようやく冬らしい寒さになってきた。昨日の夜は、今月手術を受ける友人の激励会、というか食事会。ルノー5GTターボが縁で知り合った仲間たちなのだけど、もうかれこれ8年ほどの付き合いになる。手術を受ける本人はいたって元気で安心する。帰宅したのは、12時過ぎだった。
それから、エスキースを少し制作。昨日のラフから、構図を若干修正した。疲れているせいか、線が柔らかく引ける。構図も驚くほどスムーズに決まっていく。
広げられた資料。同じアベリサウルス類ということで、フェバリットコレクションのカルノタウルス・スケルトンモデルも参考にする。昨日の夜は午前3時頃力つきたので、今朝から再び制作を再開。徹夜は絶対に出来ないのである。
一足飛びに、ほぼ完成した状態。途中経過の写真を撮影するのをすっかり忘れていた。
完成したエスキース。倒されたマジュンガトルスの体格は少し小さい。少しぬかるんだ地面の上での格闘。
マウントポジションをとろうとする体格の大きいマジュンガトルスの頭部。ごつごつと特徴的な頭骨だが、下顎は驚くほどほっそりとしている。
必死の抵抗を試みる、もう一頭の頭部。
蹴り上げようとした足が胸にめり込むが、跳ね飛ばすほどの力はない。
激しい動きを表現してみたが、どうだろう。こういったポーズにすると、推測に頼る部分が多くどうにも確信が持てない。
でも、なかなか良い仕上がりになりそうだ。楽しみ。
寒いですが、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 22:31
2006年12月 2日
Majungatholus scene 01
新しい復元画を始める。今回はマジュンガトルス。マダガスカルで発見された、比較的原始的な大型の獣脚類の一種。しかし、生息していたのは中生代も終わろうという白亜紀後期。
共食いの可能性が示唆されているこの恐竜を表現するために、仲間の死体を食らう場面を想定していたのだけど、どうも構図がなかなか決まらなかった。
共食いといっても、生きたもの同士が殺し合いをしたのか、たまたま死体として転がっていたものを食べたのか、明確な回答はない。科学的に正確さを考慮するなら、死体を食べる場面が無難ではあるのだけど、動きのある場面を描くために、あえて格闘する2頭を描くことにした。
資料があまりなく、2005年に科博で開催された「恐竜博2005」の図録に多くの部分を頼っている。
これが、一応完成したラフ。ここからもう一度、詳細なエスキースを描き起こす必要がある。
仕上げのタッチも、動きを感じさせるものにしようと思っている。
投稿者 corvo : 15:46
2006年11月30日
Oviraptor scene 02
オヴィラプトルの完成したエスキース。
飛べなかった彼らに、小さいとはいえこれほど完成度の高い翼があったかどうか分からないが、現代的な翼のデザインにしてみた。風切羽根は左右対称形である。
頭部の復元はヒクイドリを参考にしている。肌のテクスチャーも、それに準ずる予定である。この巣が植物の上に作られたものなのか、土の上に作られたものなのか、いまだ決めかねているところ。
あまり背景は描かずに、あっさりと仕上げる予定。羽毛は毛筋を一本一本描くので、それなりの作業量だろう。でも、鱗を描くよりは楽だ。
頭部ディテール。
翼のディテール。ちょっと現代的すぎるかな。
恐竜と植物という画題は、まさに花鳥画であると思っている。なので単体白バックで描くよりも、背景も併せて描く方が好きだし、とても楽しいのである。
続けてアップです。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 20:48
Oviraptor scene 01
今日はオヴィラプトルのエスキースを制作。ラフのイメージがいい感じで出来ていたので、一段階飛ばしていきなりアルシュに描き始める。
飛べないが翼を持った生物ということで、鳥の資料を並べての制作。
これがラフ。ものすごく簡単なスケッチ。イメージさえ固まっていれば、これで大丈夫。
翼が気になるので、翼から描き始める。中心からでなく、端のほうから描くのもけっこう好き。
卵を守るオヴィラプトルを、俯瞰の構図で描写。大きさからいっても、人間が側に立って見たときの角度に近いはずである。でも、鋭い爪や嘴があるので、できれば近づきたくないです。足も速そう。
エスキースは完成しているので、後ほどアップします。
今日は寒いです。冷たい雨でした。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 18:36
2006年11月29日
pachycephalosaurus scene 08
今日も朝からパキケファロサウルス。おおよそ完成。最後の仕上げは、しばらく寝かせて熟成してから、というのは嘘で、急ぐと雑になるので少し時間をおいておくことにする。また、夜になってしまうと、色が分からなくなるので昼間の作業でフィニッシュまで持って行きたい。
デジカメで撮影したものなのだけど、ちょっと露出オーバー気味。実際よりも若干明るめ。
この段階でも、パレットの色は地味である。植物を描くために、緑系が入ったぐらいで、茶系が中心であることに変わりはない。複雑に色を組み合わせることで、豊かな空間を構築することができる。
植物の描き込みがもう少し足らないかな。地面も大雑把なままなので、もう少し手を入れたい。
頭突きをするもう一頭。軟らかい腹が押し付けられて、頭頂部がめり込んでいる。勢い良く頭突きをしたのではなく、儀式的に押しているイメージ。
俯瞰してみると、パキケファロサウルスの不思議なフォルムがよくわかる。極端に横幅のある胴体。骨盤の後ろの膨らみが特徴的である。模様をどうするかは思案中。もともと地味なほうが好きです。
これから描いてく、この図鑑のための生態復元画の技術的な基準が出来た。もっと改良していきたい部分もあるので、全てが完成する頃には、今よりももっと良いものになっているだろう(予定)。
これからどんどん制作していくので、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:00
2006年11月28日
Pachycephalosaurus scene 07
昨日のグループ展に大いに刺激を受けて、集中して制作。
でも、なかなか完成しない。
相変わらず、色数をおさえたパレット。茶系が並ぶ。
これは昼間の状態。手を入れやすくするために、画面を立てて制作。
これが、現時点での状態。今日はひたすら鱗を描いている。鱗を描くときは機械的に進めるのではなく、光の方向と立体感を念頭におきながら、ひとつずつ描写していくしかない。
この辺りは昼間からあまり進んでいない。
もう一頭の頭部はなかり進んだ。
地面と足の関係は重要である。ここの関係が上手く描写できないと、全ての要素がぐらついてしまう。この段階ではまだ不十分だが、完成に至までにはしっかり描き込まなくてはいけない。
今日中に仕上げたかったのだけど、それはとても無理。身体の疲れもとらないと、かなり厳しくなってきた。
今日、ミヤモトさんのblogで面白いものを発見。「予想外」。これは笑えます。
ここのところランキング好調です。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:50
2006年11月26日
Pachycephalosaurus scene 06
今日はパキケファロサウルスの続き。
セピアのカラーインクで陰影をつけ、ローシェンナを一層塗った状態から始める。まずは明るい部分をホワイトとイエローオーカを使って描き起こしていく。非常に伝統的な西洋画の技法である。
手前から、チタニウムホワイト、イエローオーカ、ローアンバー。
描き進めるにいれて、色数を増やしていく。土性系の色が中心になる。ローシェンナ、バーントシェンナなど。これだけでもぐっと色が豊かになる。
作業場所はこんな感じ。右側に画材、写真には写っていないが左側に資料を広げている。
現状、こんな段階である。頭がめり込んだ腹が描き所。柔らかさと弾力、生物の持つ暖かさと重さ、臭いまで表現したいと思う。
頭部のディテール。まだ最終的な仕上げの段階ではないが、いい感じで進んでいる。
まだ少し先だけど、完成に近づいていくのは楽しい。でも、これから時間との勝負になっていきます。
気が向いたら、ポチっとよろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:58
Pachycephalosaurus scene 05
エオラプトルの復元画と同時に、パキケファロサウルスの制作も進めている。プロセスは、ほぼ同じである。
転写後、エスキースを参考にしながら制作。
セピアインクで陰影をつけていく。
アクリル系のカラーインク。乾くと耐水性になるので、上から絵の具を重ねていく技法には都合が良い。カラーインクの中には水溶性のものもあるので気をつけなくてはいけない。僕も時々失敗する。
セピアでの陰影の彩色が終わったところ。
次の段階では、ローシェンナのカラーインクを使用する。
ローシェンナで画面全体を塗ったところ。
次の段階では、明るい部分から描き起こしていく予定。
もう遅いので、そろそろ寝ます。日曜日も仕事です。
ポチポチッと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:46
2006年11月25日
Eoraptor scene 05
今日になって、ようやく着色バージョンを始めることが出来た。
モノクロエスキースをコンピューター上で反転したものをプリントアウトし、拡大コピーしたものを準備する。
一枚では収まりきらないので、二枚を張り合わせる。
繋げたコピー紙を、アルシュを水張りしたパネルの上にのせる。その後、ファンシープリント(印刷物のインクを溶解する溶剤)をコピーの裏から染み込ませて、鉛筆やヘラ状のもので圧力を加えていく。
転写した終わった状態。
セピアのインク一色で、エスキースも参考にしながら陰影を描写していく。
エオラプトルとリンコサウルスに陰影がついたところ。一色なので、まだそれほど空間感はない。
主役でないはずなのに、またもやリンコサウルスのディテール。
あくまでも古典的な手法を踏襲しながら、制作を進めていく。僕にはこの方法が合っている。
週末も関係なく、仕事をしています。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:52
2006年11月23日
Stegosaurus scene 03
ステゴサウルスのエスキースが完成。出来立てのほやほや。
ポーズの変更はほとんどなかったが、背景は大きく変更した。でも、彩色の段階でもさらに変更するかも。
植物の資料がは、まだまだ不足している。もっと勉強しなくては。
ステゴサウルス頭部。まだケラトサウルスの存在に気づいていない。
ステゴサウルスへ熱い視線を送る、ストーカーケラトサウルス。この後、展開するのは殺戮の場面か、はたまたラブロマンスか。冗談はさておき、朝のまだひんやりとした空気が表現できればと思う。
熱い視線を送る、ケラトサウルスに応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:53
Stegosaurus scene 02
前回のエントリーではステゴサウルスの無惨な死を描いてしまい、全国10万人(嘘)のステゴサウルスファンを失望させてしまった。でも、お詫びはしないよ。今回はステゴサウルスが主役。前回から大きく構図を変えることなく進めている。昼間から今の時間にかけて制作していたのだけど、なかなかペースが上がらない。
ほぼ同じ構図。背景や手前の植物には変更を加える予定。
わくわく観察図鑑・恐竜のステゴサウルスを参考に。
ステゴサウルスのディテールはこんな感じ。まだまだ途中である。
木の陰からステゴサウルスに熱い視線を送るストーカー、ケラトサウルス。しかし、充分に成熟したステゴサウルスが、そうそう襲われることはなかっただろう。
この絵は植物を描き込む面積も多く、もっとも時間のかかる画面になりそうだ。
ちょっとコメントへの返答が遅れ気味で、すみませんでした。これに懲りずに、がんがん書き込みお願いします。
スカイライン効果か、アクセス数がぐっとあがりました。この調子で行ければ嬉しいです。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:20
2006年11月22日
Allosaurus scene 03
予告通り、エスキースの完成版をアップ。
使っている画材は、これまでと同一のもの。このシリーズも何点か制作してきたので、かなり自分のなかで完成度が高くなってきた。比較的長い時間の流れの中で制作していると、最初の頃に描いたものと、最後のものでは差が大きく出てしまう。仕事としては褒められることではないのかもしれないが、日々向上したいと手を動かしていると、どうしても差となって表れてしまう。結局、最初のものに手を入れたり、極端な場合は破棄してしまったりと、堂々巡りになってしまうこともしばしばである。
今回も、最初のエスキースから構図をかなり動かす絵が多くなってしまった。
血を口から滴らせながら、ほっと一息をついている。尻尾に手傷を負ったが、獲物を仕留めた満足で、今はその傷みも麻痺していいるだろう。
ティラノサウルスに比べれば大きいとはいえ、頭と比較するといかにも貧弱である。スピノサウルスほどではないが、第一指が大きく太いのが特徴。
絶命寸前のステゴサウルス。首の急所を噛み切られ、動脈から止めどなく血液が流れ出していく。水面は文字通り血の海である。アロサウルスに踏みつけられ、肋骨も何本か折れてしまっているだろう。
そろそろ一日一枚ペースにもっていかなくては。彩色バージョンも、今日から始めます。
天気がいいとついつい出かけてしまいたくなります。そんな気持ちをぐっと抑えるためにも、ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 10:49
Allosaurus scene 02
久しぶりの復元画のエントリーになってしまった。週末は片付け、昨晩は新型スカイラインの発表会と、なかなか腰を落ち着けて制作する時間がとれなかったのが原因である。
今朝(といっても正確には昨日の朝)は、妻が5時30分の電車に乗って出かけなくてはいけないということで、5時に起きてパジャマの上に上着という恰好て車で駅まで送り、家に戻ってから二度寝という感じだった。早起きするために、早く寝たのだけど、普段寝ない時間なものだから、なかなか寝付くことが出来ず睡眠時間は相当短めになってしまった。二度寝の方も、10時前には起きだしたのでそれほど長く寝ていたわけではない。それなのに、こんな時間になっても起きてblogを書いているのである。
昨日から制作を続けていたアロサウルスのシーン。
部屋を片付けたので、幾分イーゼルの周りがすっきりしている。
今回も模型を駆使して、前回よりもパースをつけた構図に挑戦してみた。
アロサウルスが、ほぼ出来上がったところ。現時点でエスキースは完成しているのだけど、その画像は朝になってからアップする予定である。
非常に良い構図になって、とても気に入っている。
そろそろ寝ます。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:22
2006年11月15日
Spinosaurus scene 03
スピノサウルスのエスキースが完成。最初のエスキースから比較すると、かなり満足のいく結果となった。これからはパースを強調した構図も試していこう。
暴れるガーを細い顎で必死でおさえつける。捕えられたガーには、深く食い込んだ鋭い歯から逃れる術は無い。
彩色の段階では、もっと動きをつけた表現にしていきたい。
必死で身体をくねらせるガー。
大きく鋭い前肢の爪を、魚を捕らえるために使ったのかどうか。鋭い歯を持った長い顎があることから、それほど積極的に使っていたとは思えない。だとしたら、何のための巨大な爪か。
水底の泥に足を沈めながら踏ん張っている。水中の小動物も描いていく予定。
今日、ようやくKangooが車検から上がってきた。とても良い感じ。明日、時間があったら、車内の消臭とETCの取り付けをやってしまいたい。楽しい車です。
気が向いたら、ポチポチッとお願いします。
投稿者 corvo : 23:56
Spinosaurus scene 02
昨日の段階で出来上がっていたところまでをアップ。スピノサウルスのエスキースを始めたのだけど、前回の構図からがらっと変えてしまった。
制作環境は、いつもの通りこんな感じで。フェバリットコレクションのスケルトンモデルも活用する。広角レンズで撮影した画像をもとに、構図を組み立てた。普段、極端なパースのついた構図を描くことは少ないのだけど、スピノサウルスの特徴を見せるのに良いと判断した。でも、カメラの見ている世界は単眼なので、どうしても不自然な部分が出てきてしまう。スケール感も違うし、脳内で補正しながら描いていく。それでも頭のなかだけでイメージしているより、ずっとスムーズに構図を決定することが出来る。
決定した構図はこんな感じ。前回よりも迫力のある構図になったと思う。一冊の本を通して、同じような構図ではつまらないので、リズムに変化をつけるよう心がけている。頭の方向が揃ってしまわないようにしたり、様々なビューポイントを設定したりと、ある程度枚数が揃ったところでバランスを見るようにしている。
ガーを捕食したばかりの頭部。もっと水に濡れた、暴れるガーを押えつける感じを出していきたい。
特徴的な前肢の爪。
今日は朝から、仕事場の片付けをしている。あまりに整理が出来ていなくて限界だったのである。すっきりすると気分的にも随分変わるだろう。疲れはたまっているのだけど、絵に切れが戻ってきた。いい感じで描けています。
応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 12:44
2006年11月14日
Eoraptor scene 04
エオラプトルのエスキースが完成した。やはり、リンコサウルスが主役を喰ってしまいそうな勢いである。
植物を背景に描き加えた。僕がこの夏に行っていたアルゼンチンのフィールドでは、まったくと言ってよいほど植物の化石を発見することができなかった。植物食と思われる大型の脊椎動物が多数生息していたことから、存在しなかったわけはないのだけど、堆積環境として残りにくい要因があったのかもしれない。貝の化石も見ることがなかったのも、特筆すべき点である。
頑丈で巨大な歯に強力な顎の筋肉。相当、硬いものでも食料に出来たと思われるが、この時代にはまだ種子をつける植物はなかったはずである。地下茎を主食にしていたのか?謎の多い動物である。ハダカデバネズミを思わせる風貌である。
エオラプトル頭部。このコメントの短さが、リンコサウルスとの思い入れの差となって表れている。
リンコサウルスの力強い四肢。普段はゆったりした動きだったのだろうが、いざという時に素早く動けるだけの筋力はあったと思われる。
このエスキースは月曜日の午前中には完成していたのだけど、午後出かける用事があったため、アップが遅れてしまった。
そう、昨日の夕方からボクシングを見るために、日本武道館に行っていたのである。その模様については後日。
最高の試合を見ることが出来ました。
投稿者 corvo : 01:29
2006年11月13日
Eoraptor scene 03
隠れ主役ではなく、本来の主役エオラプトルを描き加える。
真剣にリンコサウルスを狩ろうとしているというよりも、偶然出会ってしまったのだけど、威嚇したり、上に乗り上げてしまったという一瞬をイメージしている。まだ植物を描いていないので、エスキースとしては完成していない。
描いていて楽しい一枚である。三畳紀の環境をどこまで再現することができるか。
あまり悠長なことも言っていられないので、ペースを上げていかなくては。
そろそろ仕事場にもストーブの季節がやってきた。でも、まだ出していません。今週中にはアラジンに出動してもらわねばならないだろう。
応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 02:05
2006年11月12日
Wollemi pineがやって来た
土曜日の午前中、ウォレマイ・パインがやってきた。通称「ジュラシックツリー」。
ジュラ紀から種を継続してきた、現存する最古の種子植物である。
こんな感じで届いた。
鉢といってもビニール製の貧弱なものだったので、買い物に出たついでに鉢を買ってきて植えかえた。
植物の栽培は苦手分野なのだけど、これは大事に育てていきたい。成長記録をこのblogでも紹介していこうと思います。
ウォレマイ・パインの成長にも、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:15
2006年11月10日
Eoraptor scene 02
今日は朝から非常勤講師の日だったので、昨日の制作の様子をここで紹介。ラフスケッチはこちらに。
夏にアルゼンチンに行って以来、三畳紀の生物たちに俄然、魅力を感じている今日この頃である。
恐竜はまだマイナーな存在で、様々なデザインの生物たちが棲息していた。多様化していたとはいえ、比較的コンサヴァティブなデザインの恐竜に比べると、各段に面白い奴らだ。
三畳紀を俯瞰的に見るには、「Dawn of the Dinosaurs: Life in the Triassic (Life of the Past)」がイラスト集としてよくまとまっていて楽しい。アマゾンではまだ予約受付中になっているが、先月行ったSVPの会場で一冊購入してきたのである。
今、復元画を制作している図鑑は「恐竜」がテーマなのだけど、生態環境復元図なので恐竜以外の生物もどんどん入れていきたい。しかし、このEoraptor scene、リンコサウルスが主役をくってしまっている。
三畳紀のやられキャラNo.1リンコサウルスといっても、身体はエオラプトルよりもはるかにがっちりしている。
しかも、リンコサウルスから先に描いているし。
別の仕事のために描いた骨格図がこんなときに役立つ。
図鑑以外にも急ぎで制作しなくてはならないものがあり、なかなか集中できない。
これは三畳紀の哺乳類型爬虫類ディキノドン。
一連の図鑑の復元画、そろそろ彩色に入りたいところである。どんなタッチでいくか、いろいろ試してみたいことがある。
今日ぐらいは早く寝て、しっかり休みをとろう。
ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 22:22
2006年11月 9日
Wollemi pine
ここのところ、秋が深まってきたとは言えないような陽気が続いている。小春日和もこれほど続くと、ちょっとありがたみにかけるかも。暖かいのはありがたいが、何かがおかしくなってきていると、思わざるをえない。
今朝、日課のように覗いている恐竜の楽園を見たところ、「ウォレマイ・パイン」の文字が。以前からちょっと気になっていたのだけど、2億年前から生息しているナンヨウスギの一種で、恐竜と共存していたと考えられる植物のひとつである。詳しいことはここを見てもらうとして、保護活動の一環としてこの植物を育てることが出来るかもしれないという点に、心惹かれていたのである。
サイトを見ると販売もしており、数十ドルとそれほど高価ではないが、植物を個人で輸入することは多くの障壁があるだろうなと考えていたら、なんと楽天ショップで扱っているではないか。3800円とお手頃価格で、ちょっと気の利いた観葉植物よりも安いぐらいだ。早速、ポチッ。送料別とはいえ600円だったので、たいした金額ではない。
栽培方法を読むと、それほど難しくないらしい。「多湿を嫌うので、水くれを忘れてしまった位がちょうど良いでしょう。」と言う点も、ずぼらな僕向きである。
「ナンヨウスギ科ウォレミア属 常緑高木 40mくらいに育ちます。」この一文に痺れる。40mである。樹齢も1000年を超えるらしい。なんともダイナミックな存在だ。
資料としても役立つだろう。届いたら、ここで報告します。
今の自宅に引っ越してくる前も、同じ市内のアパートに住んでいたのだけど、数日前そのアパートの近くを通ったら、僕が植えたアボカドが立派に育っていた。時々、食べた後に種を植えていたのだけど、ここまで大きくなるとは思わなかった。
高さはすでに4mぐらいになっている。実はさすがにまだ出来ていないようである。また、庭に植えてみようかな。
午後は、愛車ルーテシアRSのオイル交換に行ってきた。距離はそれほど走っていなかったのだけど、よくよく記録簿を確認したら、前回の交換が2月だったのでこれは急がねばということで、急遽やってもらったのである。エンジンオイルの交換サイクルは5000キロ、もしくは6ヶ月が基本なのだけど、距離を乗っていなくてもオイル自体がどんどん酸化して性能が劣化していくので、6ヶ月をめどに交換する必要がある。車の説明書には10000キロ、もしくは1年で交換とあるが、これでは調子を崩してしまうだろう。ちょっと時間がかかってしまったが、無事交換することができた。
車に絡むエピソードは面白いものが多いのだけど、世の中にはお金をたくさん持っていて、新車を買うのに1000万円をポンと払えるのに、20万円の車検費用をけちる人間がどうもいるらしい。しかも、車検にかかる費用の内容を理解しておらず、そのうち半分ほどが税金などの法定費用であることが分かっていないらしい。最近、ガソリンスタンドにある、10000円で車検とります、なんていう広告を鵜呑みにしていて、それはあくまでも車検をとる手数料であって、法定費用の部分がディスカウントされることは絶対にない。
どうやらこの御仁は、常に新車を3年以内に買い替えることを続けており、いまだかつて車検を通したことがなかったということなのである。
世の中には、無知なばかりに無駄金を使い、無知なばかりにケチになる、そんな人間が少なからずいるのである。
更新滞りがちですが、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:43
2006年11月 6日
Psittacosaurus scene 03
エスキースが完成。でも、彩色の過程で変更を加えていくことになるだろう。幼体のプシッタコサウルスの位置などは、まだ決定ではない。もう少し動きを持たせていきたい。
中生代哺乳類の中では、レペノマムスは破格の大きさである。中生代の哺乳類たちが、恐竜の影に隠れて小さくなって生きていたなどということは決してなかった。生態系に圧倒的な勝者は存在しない。そんなことになったら、生態系は破壊されてしまう。しかし、人間は例外的にそんな存在なのかもしれない。
生体のプシッタコサウルスの頭部。鋭い嘴と、頬の突起が特徴的である。大きさは1.8mほどと可愛いが、ペットにするのは厳しいだろう。怒らせるのはやめておこう。
捕えた幼体を引きずりながら、退散しようとしている。歯も鋭く、顎にも強く大きい筋肉が付いている。全長は1mに達する、現代であってもかなり大きな哺乳類だろう。これもペットにするのはよそう。
地面との接点は、絵画の中でも重要な点である。ここがきちんと描けていないと、どんないディテールを描き込んでも意味がない。もっとも気を使う部分の一つである。
昨日、久しぶりに友人から連絡があったのだけど、手術を受けなくてはならないらしい。治療すればきちんと治るということなのだけど、しばらく心が落ち着かなかった。描くペースが鈍ってしまった。身体と精神に大きく依存する表現活動においては、些細な心のざわめき大きな影響を与えてしまう。ある程度、コントロールは出来るのだけど、制作に集中していて自分が開いているときほど、ちょっとしたことでもダメージが大きい。
友人には病気を乗り切って、早く元気になってもらいたい。ただ治療が成功することを、祈るばかりである。
SVPでも会っていた復元造型作家のTylerからメールが来た。ネット上で見ることが出来る、復元模型の制作プロセスのURLを送ってくれたのである。それがこちら。Tiktaalikという、極めて両生類に近い魚類の復元模型の制作過程である。今年、Nature誌に掲載されて、見たことがある人も多いのではないだろうか。いい仕事してます。実物の模型は、SVPのオープニングレセプションで見ることが出来たが、素晴らしい出来映えであった。
今週はさらにペースを上げつつも、他にも描かなくてはいけないものがあるのである。厳しい。
ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:29
2006年11月 5日
Psittacosaurus scene 02
今日はプシッタコサウルスのエスキースを制作。
昨日までの資料を片付けて、プシッタコサウルスと中生代哺乳類の資料を広げていく。
前回の構図から、少し変更を加えている。まるで哺乳類レペノマムスが主役のような扱いになってきた。本来はプシッタコサウルスのための復元画であるが、子供を獲られた危機感をより表現するために、このような構図にしてみた。
プシッタコサウルスの幼体を捕えて、この場をすぐに立ち去ろうとしているレペノマムス。
威嚇するプシッタコサウルス。朝もやの中、木漏れ日の中で展開する一瞬の出来事。
明日にはこのエスキースを完成する予定。アルシュは表面が強靭な紙なので、ついつい消しゴムを多く入れてしまうが、これはあまり良い傾向ではない。まだイメージが明確にできていない証拠だ。
見たこともない生物がいる世界を、見てきたように描くには、データの構築と想像力が不可欠である。どこまで行っても正解のない、確認することができない世界。
けっこうストレスの多い仕事なのである。
気が向いたら、ポチポチっと応援お願いします。
投稿者 corvo : 22:27
Saichania scene 03
サイカニアのエスキースが完成。料理番組のプロセスのような展開だが、制作にはそれなりの時間がかかっているのである。
シダに覆われた森に流れる一筋の小川。その岸を歩いていた大人のサイカニアに、まだ若いタルボサウルスが近づいていくシーン。捕食しようというよりも、興味にかられて近づいてしまった感じだろうか。ラル大尉に「うかつな奴」と叱責されてしまいそうな行動である。興奮したサイカニアの尾の一撃を食らったら、軽い怪我ではすまないだろう。
サイカニアの頭部。頭頂部の装甲のような凸凹と、大きく張り出した角が特徴的である。嘴も大きくシャベルのような形態をしているが、歯は非常に貧弱である。何を主食にしていたのかは、はっきりと分かっていない。大きく膨らんだ腹部の特徴から、長大な消化管を体内に収めていたことは間違いないだろう。
若いタルボサウルスの頭部。威嚇するわけでもなく、すこし口を開けてサイカニアの動きを窺っている。歯は外からはほとんど見えない。
背中から脇腹にかけて並ぶ、美しい装甲。ひとつひとつを見ても、単純な形ではなく、うねるようなデザインである。まさに北斎の波のようだ。
今日使った鉛筆たち。寝る前に、全て削っておかなくては。鉛筆削りは使わずに、全て手で削ります。
このペースでがんがん描いていきます。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:45
2006年11月 4日
Saichania scene 02
パキケファロサウルスに続いてエスキースを制作したのはサイカニア。これも構図が似ていて、上空から俯瞰した視点になっている。以前の制作過程はこちらである。
最も好きな恐竜のひとつなので、おのずと力が入る。サイカニアの語源になったのは、モンゴル語で「美しい」を意味する言葉「サイハン(発音はちょっと違うかも)」から。バルズボルド博士はサイカニアの波打つ装甲の形を見て、葛飾北斎の波のようだと表現していた。
制作中のイーゼルの周り。
模型も大活躍。複雑な構造を持つ生物の場合、立体の模型があるととても役に立つ。ポーズが自由にならないのが難点ではあるが、そこは脳内でイメージを組み立てていく。
昨日の夜の段階で、おおよそこれぐらいまでは進んでいた。まだまだ途中である。
どうしても思い入れが強いためか、描写に力がはいってしまい、かえって固い印象の描き込みになってしまっている。もっと生物のもつ軟らかさを表現したい。
ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:29
Pachycephalosaurus scene 04
昨日のエントリーの復元について、パキケファロサウルスの胴体が、あまりに太すぎるのではないかという指摘があった。
ある骨格復元図を参考にしていたのだけど、腹部が極端に広がる復元になっている。恐竜の基本形態として、狭い肩幅と広がる腹部という特徴があると考えているので、僕としては自然な復元ではないかと思っている。
この骨格図は、「The Evolution and Extinction of the Dinosaurs」 から転載したもので、図版の制作はジョン・シビックである。
パキケファロサウルス類の特異な点は、膨らんだ腹部以上に、骨盤の後ろの幅広さではないだろうか、仙椎の直後にある尾椎の横突起が極端に長くなっている。
真上から見ると、非常に特徴的なデザインの生物である。
研究者も論文もあまり多くないグループであるが、新たな発見や研究が進んでほしい恐竜の一つである。
制作に集中していて、更新が遅れがちです。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:16
2006年11月 3日
Pachycephalosaurus scene 03
昨日に引き続き、パキケファロサウルスの制作。背景を少し描き加えて、ディテールを描き込んだ。
エスキースが完成。この画面を別の紙に転写した後、カラーインクとアクリルで彩色していく。
こういった作業は時間も手間もかかるのだが、やるのとやらないのでは仕上がりと行程の進み具合に大きな違いが出る。
頭部のディテール。
体重のかかり方を地面の描写と合わせて表現していく。色をつけることで、もっとはっきりとしてくるだろう。
見開きのページに掲載される予定なので、文字の入り方もある程度考慮して構図を組み立てている。
さて、次はサイカニアを描いてみよう。
なかなか順位が上がりませんが、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 19:10
2006年11月 2日
Pachycephalosaurus scene 02
もう11月、そろそろ本格的に図鑑の制作をを進めなくてはいけない。今日の午後、編集者と打ち合わせ。毎回、仕事場まで足を運んでくださるので助かる。半分ぐらい仕事とは関係のない話になったりするのだけど、かなり充実した内容の本になりそうな予感。描いていて楽しみである。
パキケファロサウルスの続き。
Pachycephalosaurus scene 01のエスキースを元に、最終的な仕上がりサイズと同じ大きさのエスキースを描く。水張りしたアルシュに鉛筆(HB、F、B)。大きさは38x56cm。
資料を広げる。いまだにグレゴリー・ポールの骨格図は、貴重な資料の一つである。まったく使えない骨格図もあるのだけど、このホマロケファレの図版は参考になる。
おおよそ出来上がったエスキース。これを転写して彩色するので、構図をほぼ完成させておく必要がある。明日は背景の植物を描き込み、光の方向、影の形をもう一度整理し直す予定である。さらに、後1点エスキースを完成させていきたい。1日1枚のペースでエスキースを仕上げていくのが、理想的なペースである。
順位は落ちるばかりです。気が向いたら、ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:59
2006年10月27日
Spinosaurus scene 01
SVPに行っていたため中断していた図鑑の仕事を再開。
今回はスピノサウルス。派手な外観と、ジュラシックパーク3に登場したことで、人気のある恐竜のひとつである。
いつものように資料を広げながらの制作。スピノサウルスが獲物のガーを捕えた瞬間を描いてみた。繰り返し描かれることの多いシチュエーションであるが、水中の様子も同時に描いたものはあまりないだろう。
もう少し水中の生物を増やす予定。空は少し荒れ模様にしようかな。締め切りはまだ先だが、かなり追いつめられてきている。計画的に進めなくては、ボリュームの大きい仕事なので破綻してしまう。じっくり描きたい。頑張ろう。
応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 00:53
2006年10月15日
Allosaurus scene 01
今回はアロサウルスのエスキースを制作。編集者からのリクエストで、ステゴサウルスとの絡みである。まだ若く成長しきっていないステゴサウルスを、大型のアロサウルスが仕留めた瞬間である。アロサウルスはとどめを刺すまでに、ステゴサウルスの尾の反撃を受けて傷を負ってしまっている。
いつもよりはるかに簡単なラフスケッチ。ここまで来るのに、何枚ものラフを描いているのだけど、なかなか決まらなかったのである。アロサウルスの角度を変えたり、ステゴサウルスの向きを変えたり、試行錯誤の結果落ち着いたのがこれである。
毎回、絵が変わるたびに資料を片付けて、必要なものを出してくることを繰り返している。すぐに資料が見つからずに、時間をロスすることも。
完成したエスキース。足下の水が血でどんどん染まっていく。天気は悪く、雲が垂れ込めて雨も降り出した・・・そんな雰囲気の復元画にする予定である。
カナダに行く日が迫ってきました。ポチポチッと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 21:59
2006年10月13日
Eoraptor scene 01
昨日、イライラしながらもエスキースを一つ完成。今回はエオラプトル。しかし、画像を見てもらうと分かるように主役はリンコサウルスのよう。アルゼンチン以降、リンコサウルスが大のお気に入りなのである。
例のごとく、机の上にはいっぱいの資料。リンコサウルスとエオラプトルは自分で描いた生体復元を参考にした。
ラフスケッチはこんな感じに。
完成したエスキース。2頭のエオラプトルと抵抗するリンコサウルス。群れで自分より大きな生物を襲う知能があったとは思えないが、突発的にこういった状況になることはあったかもしれない。
今日は1日中、かなりゆったりと過ごしました。
髪、切りました。頭が軽やかになって、ちょっと気分がよくなりました。
投稿者 corvo : 22:18
2006年10月11日
Edmontosaurus scene 01
今回は、昨日の夜にはすでに出来ていたエドモントサウルス。編集からのリクエストで、尾椎の棘突起を齧られながらも生き延びた個体ということになった。
噛み付いた瞬間にするか。
齧られた後にするか。
資料を広げながらイメージを固めていく。
エドモントサウルスの右側から、ティラノサウルスが襲いかかる。よろめきながらも尾の一部を傷つけられただけで、なんとか逃れようとしている瞬間。どんな環境にするかはまだ決めていない。群れの中の1頭にするか、単独で行動していた個体にするか。どんな天候にするかも決めていない。ちょっと曇った感じにしようかな。
今日はお昼前からオフにして、妻と友人の家に遊びにいってきた。お昼ご飯は、友人お勧めの美味い讃岐うどん。今回の最大の目的は、友人が近々手放してしまう「フィアット・ムルティプラ」に試乗するため。僕が買い取るわけではないよ。3座2列6人乗りと言う独特なレイアウトのシートに、内装も外装も有機的なデザイン。色も深みのあるブルーでよく似合っている。
かなり幅のあるサイズなのだけど全長は短く、驚くほど取り回しは楽だった。排気量は1600ccでそれほどパワーはないが、必要にして十分である。少し足回りの軟らかさと、後輪の接地感に違和感を感じたが、楽しく走らせることが出来る。日本のメーカーには逆立ちしても作ることが出来ない一台だろう。
ルーフアンテナに赤とんぼ。すっかり秋。
帰りの運転がかなりしんどかった。危ない場面も。そうとう疲れがたまっているようです。
順位が徐々に回復してきました。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 22:43
Psittacosaurus scene 01
引き続き、図鑑のための生態復元画のエスキースを制作。今回はプシッタコサウルス。ラフの構図は比較的スムーズに決まった。
いつものように資料に囲まれての作業。
ラフを描くのに愛用しているのは、無印良品の落書き帳。学生時代から何冊も使い続けてきた。そこへ水性ボールペンで線を重ねていく。普段、持ち歩いている鞄にも常に一冊入れている。サイズはB5。
ラフを描くときは、その情景を目の前に想い描きながらイメージを組み立てていく。頭の中にある映像をクロッキーするような感じである。
孵化したばかりの幼体の群れとともに、生体のプシッタコサウルスが休んでいる。そこへ、この時代としては最大の哺乳類レペノマムスが1匹の幼体を襲う。生体のプシッタコサウルスが気がついて威嚇するが、時既に遅し。警戒しながらも、獲物をくわえたまま立ち去ろうとするレペノマムス・・・・。背景は鬱蒼とした森の中にする予定。
生態復元画の場合、時間の経過も想定しておく必要がある。この場面に至るまでにどんな動きが会って、この後どういった行動をとろうとしているのか。ある種のストーリ−を組み立てておく必要がある。突然、こんなシーンになるわけではない。常に伏線と、ここまでの時間の経過があるはずである。これらの要素を加えつつ、さらに空間を想定して、登場する生物の動きを加えなくてはならない。時々、脳みそが引きちぎられそうになる。ラフスケッチを繰り返すことで、徐々にイメージを固めていくしかない。難しい。
誰も見たことがない世界を科学的に復元して描くということは、大変ストレスのかかる作業なのである。
たまにはポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 00:28
2006年10月10日
post card 発注
今日(正確には昨日)の昼間も良く晴れた暑い日だった。午前中からプロモーション用のポストカードを制作。SVPの会場へ持っていって営業活動に使うためである。どうにも英語が覚束ないので、ビジュアルを使ったプレゼンテーションに頼るしかない。そこで名刺とともに進呈するためのポストカードを3種類作ることにしたのである。色校正を省いて、データ入稿で発注すると、速く安く制作することができる。一枚あたりのコストは10円程度だろう。
今回作ったのは次の3種類である。
Tyrannosaurus rex Skeleton。
Tyrannosaurus rex Skull & Head。
Saichania chulsanensis。
SVPに出発する日も来週の木曜と迫ってきた。すでに予稿集も届き、気分も高まってきているのだけど、行くまでに済ませておかなくてはいけない仕事が山積していて気が抜けない。
この冊子を見ると、どんな内容の発表が行われるのかを知ることができる。でも、ほとんど目を通せていません。
今頃になってポストカードの原稿に間違いを発見。サイカニアは2005年の制作なのに、2006年になってしまっていました。まあ、しょうがないや。
ヘロヘロですが、頑張ります。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:47
2006年10月 7日
Saichania scene 01
今回はサイカニア。以前にも書いたと思うのだけど、僕が最も好きな恐竜のひとつで、標本の組み立てを手伝った経験から思い入れも深い。このサイカニアの魅力をもっとも伝えられるアングルはどこかを決定するために、20枚以上のラフを描かなくてはいけなかった。肩幅が狭く、腰が太い、上から見ると水滴型をしたこの胴体を表現するためには、俯瞰した構図が最適である。これまでも何度か描いてきたが、俯瞰で描くことが常であった。
最終決定のラフ。昨晩から作業を始めて、起きてからも引き続きラフを繰り返し描き、ようやく決定版ができた。
いつものように、資料を広げての作業。
今回の構図は、以前に描いたものを参考にしている。この時はばらばらに描いたのだけど、当初から同じ場面に入ることを想定していた。
これは、このblogでも制作過程を紹介した2005年版サイカニア。
出来上がったエスキース。森の中の水辺で、サイカニアに追いついたタルボサウルス。タルボサウルスは亜成体で、あまり大きな個体ではない。木漏れ日を浴びて、浮かび上がるようなシーンをイメージしている。
デジカメ用のワイドコンバージョンレンズを手に入れたので、嬉しくて仕事場を撮ってみた。広角は楽しい。
そろそろ本棚の整理をしないと、収拾がつかなくなってきています。
最近、順位が停滞しています。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 22:44
2006年10月 5日
Stegosaurus scene 01
今取りかかっている図鑑の作業は、できるだけエスキースの制作を先行していく方向で進めることになった。
そこで、今日はステゴサウルスの生態復元。
いつものようにたくさんのラフをたくさん描く。自分の中でしっくりくるものが出来るまで、何枚でも続けて描く。後で見返してみると、ほとんど同じような構図が何枚も出来ることになる。
これが決定ラフ。
今回もこんな感じで資料を広げての作業。
「鬱蒼と茂る針葉樹の森を背景に朝陽を浴びて動き出すステゴサウルス。ケラトサウルスのそばを偶然通りがかったのが、ケラトサウルスはまだ活動するには十分な状態ではない。」なんてストーリーを考えながら描いてみた。
やはり背景があると楽しんで描ける。白バックの生体復元画を描くのは、あまり好きではない。そんなショールームに飾ってあるような生物など不自然きわまりない。
さて、次は何を描こうかな。
次は雨の場面にしようかな。よく降りますが、ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:16
2006年10月 4日
Pachycephalosaurus scene 01
新しい仕事に取りかかるために、昨日仕事机を掃除した。一度始めてしまうと机の上に資料が散乱することになり、収拾がつかなくなってしまうので、毎回簡単に片付けをすることにしている。
仕事机の周りの様子。すっきりしていると、気持ちよく制作に向かうことが出来る。
今回は、某出版社から出る図鑑のための制作で、背景の環境を含めた生態復元画を描くのが目的である。単体で恐竜を描くだけでなく、植物や複数の生物を描く必要がある。
こんな感じのエスキースを何点も描く。思いつくままに落書きするような感じ。様々な構図をやポーズを試したりして、自分の中のイメージを固めていく。決して観察することができない世界を構築するためには、とにかく枚数を描いて整理していくしかない。
資料を広げながら制作を進めていく。
今日、完成したエスキース。俯瞰したアングルから、2頭のパキケファロサウルスを描いてみた。1頭が脇腹めがけて頭突きを仕掛けている。
このシリーズでは、動きのあるドラマティックなシーンを多く描いていくつもりである。構図にも工夫していきたい。
制作日記をアップしていくので、お楽しみに!
久しぶりに表彰台にのりました。ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:44
2006年9月27日
リンコサウルス05
リンコサウルスことHyperadapedon sanjuanensisの生体復元図が完成。
三面図と少し俯瞰した視点のスケッチ。BBケントのイラストボードにロットリング。
先日のエントリーの骨格復元図と比較。
横顔。
斜め上から。
最後に正面から。
以前に一度リンコサウルス類の復元をしているのだけど、これほど精度は高くなかった。今回、骨格復元図から描き起こしてみて、かなり「かっちょええ」(実家の方の方言です)のではないかと認識を新たにしたのである。
皆さん、いかがでしょうか。
昨日のエントリーには、たくさんの方からの反響があり、また多くのコメントを書き込んでいただきありがとうございます。僕自身も、自分の考えを整理するうえで貴重な意見をいただけたと思います。
コメントは全て読んでいるのですが、返答のコメントは少し時間がかかるかもしれません。ご了承ください。
リンコサウルスが「かっちょええ」と思った方、ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 00:36
2006年9月23日
リンコサウルス04
骨格復元図がようやく完成。
Hyperadapedon sanjuanensis
頭骨から前肢までのディテール。
背中側から。頭骨の異常なほどの幅広さがよくわかる。また、顎の筋肉の収まるスペースの大きさにも注目。
次はこれをもとに生体復元を進めていく。
気が向いたら、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:42
2006年9月21日
リンコサウルス03
今日もリンコサウルスの骨格復元図の制作。
昨日までの段階でどうしても納得がいかない部分があり、大幅に修正を加える。
どこかというと肩甲骨の位置である。
これでは前すぎる。肋骨の1、2、3番目が太くなっており、肩甲骨につながる筋肉が付く場所になる。四足歩行の動物であるから、肩にもしっかりと加重がかかることを考えると、この状態の位置ではまずいことになる。
修正したのがこの画像。肩甲骨の位置を後ろへ大きくずらしている。首もかなり長い動物になった。論文に描かれている復元図をそのまま鵜呑みにするのは危険である。こんな作業の繰り返しなので、復元にはとても時間がかかってしまう。
全体はこんな感じ。
Benton, M.J., 1983. The Triassic reptile Hyperodapedon from Elgin : functional morphology and relationships.
論文から上顎と下顎の図を転載。見れば見るほど奇妙な形態をしている。顎の筋肉が収まる部分が、非常に大きいことがよくわかる。上顎の歯の溝になっている部分に、下顎の歯が噛み合う仕組みになっている。
描けば描くほど愛おしくなってくる生物のひとつだ。
今日、作業に時間がかかってしまったのは、昼間自宅のベランダのペンキ塗りをしていたため。風雨にさらされ随分傷みが目立ってきたため塗装をしたり、傷んだ木材を買いにいったりしていたのである。天気も良く、日曜大工日和で楽しかったのだけど、どうしても時間をとられてしまう。明日は非常勤講師の日、急ピッチで復元を進めなくては。
容赦なく締め切りが迫ってくる。
ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:28
2006年9月20日
リンコサウルス02
リンコサウルスの骨格復元図を制作中。Hyperodapedon sanjuanensisの詳細な記載論文がないため、正確な骨格図とは言えない部分があるのだけど、撮影してきた写真も利用して描いている。毎回思うことだが、写真をもっと撮っておけばよかったと後悔している。まだまだ甘い。
論文の図版から、各部のプロポーションを計測。およそ1/5の縮尺で制作。
BBケント紙に鉛筆で下描き。この上からロットリングでペン入れをしていく。
論文中の骨格図と復元図。
ある論文には、こんなファニーな復元図も。なんともいえない可愛さがある。
気が向いたらポチポチッとお願いします。
投稿者 corvo : 21:55
2006年8月 9日
考古学か、古生物学か
今日になって、ようやく録画してあった「こんにちは・いっと6けん」を見ることができた。全体のプログラムをまったく知らなかったのだけど、番組後半で紹介されていた「骨の学校」の盛口満さんの話が面白かった。そう、早く銀座のINAXギャラリーにも行かなくては。
自分が出演しておきながら、幕張メッセの中継よりも、骨の話のほうに興味がいってしまったのだけど、中継後のスタジオのアナウンサーの一言に”がっくり”きてしまった。「子供たちの中にも、将来”考古学者”に・・・・」。考古学者は恐竜の研究はしない。僕も以前から「考古学の勉強もしているですか?」とか「考古学者と一緒に仕事をするのですか?」と、よく質問されることが多かった。
広辞苑を引いてみると、「考古学(archeology)・・・遺跡や遺物によって人類史を研究する学問。古くは古物学ともいった」とあり、また、「古生物学(paleontology)・・・古生物の系統・分類・進化・構造・生理・生態・地理的分布などを研究する学問分野」とある。考古学は人間の関わった文明、文化を対象にするものであり、古生物学とはまったく違った学問である。どちらにも発掘という作業が不可欠であることから、混同されることが多いのかもしれない。
パソコンで文字を打つとき、「考古学」は一発で変換できるが、「古生物学」は単語として登録されていない(by ことえり)。こんなところからも、一般化されていない言葉なのかもしれないと思ってしまう。
自分で確認したわけではないのだけど、「恐竜キング」の中でも「考古学者」といった言葉が使われているらしい。NHKや人気のあるゲームで間違った使われ方をすると、さらに誤解が進むので気をつけてほしいところである。
ぼちぼち順位が回復してきました。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:31
2006年7月26日
日本科学未来館でワークショップ
今日、予告通り日本科学未来館でワークショップを行った。ここのところのぐずついた肌寒い日から一変して、よく晴れて暑い。おまけにけっこう蒸し蒸しする。コンクリートと金属の建造物で囲まれたお台場に行ったので、余計にそう感じたのかもしれない。
日本科学未来館に11時を少しすぎたところで到着。猛暑の中、駐車場への案内のために、担当者が館の外で待っていてくれた。5分ほど待たせてしまって、申し訳なかったです。
到着してすぐに、用意してきた荷物を降ろし、代車に載せて運んでもらう。その後、パソコンをつないでのスライドショーのために機材のチェック。やはりというか、いつも通りというか、ディスプレイにつなぐアナログのアダプターを忘れてしまった。幸い、ディスプレイのほうにデジタルの入力端子があり、デジタルケーブルを用意してもらってことなきを得た。
講演会場はもえる森 とける大地「マンモスからの警告」展の展示会場の一角。展示空間にあるため、ディスプレイと手元が暗く非常にやりにくい。また、展示で使っている音楽が聞こえてきて、とても気が散る。僕はできるだけお客さんの顔を見ながら話をするので、暗くて見づらいと反応が分からなくて話をしにくいのである。しかし、音楽にはまいった。何度か言葉を忘れそうになった。やはり閉じた静かな空間で、対話しながら進めていきたい。
今日も原画と骨コレクションの一部を持っていったのだけど、皆さん興味津々である。
マンモスの復元についてとはいえ、どうしても恐竜の話が中心になる。スライドショーの内容も、マンモスや象などの大型ほ乳類に少し触れるようにしたのだけど、2/3は中生代より古い古生物の話。ほ乳類についてはもっと勉強しないと、人前で話すにはまだまだである。
なんとか講演が終わった後に、ワークショップを開くための会場へ移動。大きめの教室のような部屋で、できればこちらの部屋で講演も開きたかった。
今回、このblogで紹介してきたマンモスの骨格復元図と筋肉復元図をコピーした物を全員に配布し、これをもとに復元の作業を体験してもらったのだけど、まず最初は展示中のユカギルマンモスのスケッチから始めた。こんなチャンスはめったにあるものではない。愛地球博ではベルトコンベアーに乗ってしか観賞できなかったユカギルマンモスを(地球博へは実際に見に行っていません)、約50分スケッチすることができたのである。未来館のスタッフに感謝である。ワークショップ参加者に混じって、僕もひたすらスケッチに勤しんだ。ガラス越しに見える冷凍庫に入った18000年前のマンモスの頭部。鼻はすでに欠損しているが、まぶたや外耳は生きていたときと全く同じであろう形をとどめている。
これが僕がスケッチしたもの。B3のケント紙に鉛筆(B)。会場が証明をぎりぎりまで落としているため、手元が暗くて描きにくかったが、実物を目の前にすると集中力が増してくる。ちょっと画面の上のほうに寄りすぎて、構図をミスしてしまったのが悔しい。牙の入り方が窮屈になってしまった。
参加してくれた子供たちや保護者の方も、真剣に描いている。無理な体勢を強いられる、窮屈な場所だったにも関わらず、私語もなく黙々と描いていた姿に感銘を受ける。本物の化石の持つ引力だろうか。
15時30分までスケッチをした後、ワークショップ会場へ戻って、いよいよ復元作業を始める。
まず、骨格図の上にトレーシングペーパーをのせて、骨格の輪郭をトレースする。それが全て終わった後、トレーシングペーパーを裏返し、鉛筆をこすりつけて即席のカーボン紙を作る。トレーシングペーパーを最初の状態に戻して、新しいケント紙の上にのせ、トレースした骨格の輪郭をあらためてなぞっていく。これで、ケント紙の上に骨格図を転写することができる。
親子で真剣にトレースしているところ。神経を使う作業なので、短時間とはいえけっこう疲れる。
実は言葉で説明していても、非常に面倒くさい作業である。僕はこの行程が大嫌い。できれば避けて通りたいが、そうもいかない大切な部分である。
こういった地味な単純作業をやってもらうと、それぞれに個性が出る。描き始める場所も違う。牙からだったり、頭からだったり、背骨からだったり。要領よく線を選べる子、ものすごく慎重で時間がかかってしまう子、思いもよらない輪郭をトレースしている子。千差万別で面白い。でも、もとになっている骨格図は同じである。
ただマンモスの生きた姿を描くだけなら、展示会場にあった実部大の復元模型をスケッチしたり、すでにある復元画を参考にすれば簡単かもしれない。しかし、それでは復元という作業からは離れてしまう。あくまでも化石として残された骨から出発することが大前提である。ケナガマンモスなので、最後には毛むくじゃらになってしまう。でも、骨格図から始めていることで、それぞれの関節の位置や各部の長さを意識することができる。これがとても重要なことだ。内部の構造を知っているか知らないかでは、出来上がりに大きな差が出る。内部構造が反映されていないNHKのCGは、前提から間違っているのである。
全体にワークショップの時間が短かったので、駆け足の作業となってしまったが、それぞれに楽しんでもらえたようだった。同じ骨格を使ったのに、実に個性的な仕上がりだった。
よく「自由に絵を描きなさい」という課題があるが、これは音楽で言えば「自由に作曲して、楽器で演奏しなさい」ということと同義だろう。放っておいても絵を描いているような子供は嬉々として描いてしまうかもしれないが、そうでもない大多数の子供たちは途方にくれてしまう。しかし、今回のように明確な目的をもった課題のとき、とにかく一生懸命に画面に向かおうとする。トレースという作業は窮屈だし、向き不向きもあるのだろうけど、一人としてさぼる子供はいなかった(もちろん大人も)。一人一人が自分の作業に没頭するから、おのずと個性的な結果になる。逆に、自分が何を描いていいか分からずに、上手いと思った子供の絵を真似したりしたら、それこそ同じような画面が再生産されて没個性になってしまうだろう。「自由に絵を描きなさい」とうことは、それだけのリスクを抱えているのである。
復元画のワークショップは、いつも勉強になる。この機会を与えてくださった未来館に感謝です。
なかなか一位にはなれませんが、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 22:32
2006年7月25日
Mammuthus skeleton 03
昨日、修正(描き直し)した骨格図をもとに、筋肉を復元したものを作成した。
現生のインドゾウの解剖図を参考にしている。
骨の形態の違いや、プロポーションの違いから、まったく同じというわけにはいかないが、恐竜などに比べるとはるかに現実的な復元が可能である。しかし、象という動物を知らないで、マンモスの骨格だけ見たときに同じような復元ができるかというと、ほとんど不可能かもしれない。
象は大型のほ乳類で、口が地上から高いところにある。キリンや馬のように首が長ければ、水を飲むことが出来るが(キリンはかなりつらそうな姿勢ではあるが)、象のような首の長さでは直接口をつけることができない。そのために筋肉の固まりである上唇を伸ばすことで、ようやく水を飲むことを可能にしている。マンモスのようにミイラ化石が見つかれば、この鼻の存在を知ることができるだろうが、骨の化石だけでは皆目検討がつかないだろう。
これからKeynoteを使ってスライドショーを制作します。
トップまではまだまだ差がありますが、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 17:05
2006年7月24日
Mammuthus skeleton 02
昨日、描いた骨格図をもとに、筋肉の復元図を描いていたところ、どうにも納得できない部分が出てきた。今日のうちには、骨格図、筋肉復元図まで完成させる予定だったのだけど、やはりしっくりこないので骨格図から描き直すことにした。
デジタルで描いていないので、描き直す場合は白紙のイラストボードからとなってしまう。一度、制作しているので骨格に対する理解は進んでいるが、時間がかかることに変わりはない。日記のアップの日付は24日だけど、実際このエントリーを書いているのは25日の午前3時30分である。
そして、骨格図が完成。
どこが違っているかというと、肩甲骨の位置である。前回のものは肩甲骨の付く位置が低すぎて、胴体が全体に前上がりになりすぎていた。また、神経棘突起も高く飛び出し過ぎである。そこで胴体の角度を変えて、肩甲骨が胴体に対して高い位置に来るように修正した。これでようやくしっくりきたかな。
明日、起きてから、すぐに筋肉の復元図を制作し、講演のためのスライドショーも準備しなくてはいけない。科博ニュースのイラストも描かなくては。
まだまだ忙しい日が続きます。
気が向いたら、ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 23:55
2006年7月23日
Mammuthus skeleton 01
今年のはじめ頃、マンモスの復元を試みたことがあったのだけど、それが縁で今週ワークショップを行うことになった。
現在日本科学未来館で開催されているもえる森 とける大地「マンモスからの警告」展に関係したイベントで、子供向けのセミナーを行うことになっている。
内容は二本立てで、復元画についての講演と、ユカギルマンモスを見ながらスケッチをしようというのもだ。
『復元画の描き方—生物が生きていた証拠・化石からー』
『ユカギル・マンモスの復元画を描こう!』
そこで、このワークショップのために、マンモスの骨格図を描いてみた。たくさんの標本が知られていて、古生物の時間でいえばつい最近まで生きていた動物なのだけど、骨格図を描こうとすると意外に資料がすくないのである。
多くの資料をつなぎ合わせながら、組み立てていくような作業である。ある程度、推測に頼る部分も多く、自信をもってこれがマンモスの骨格だというものを描くのは難しい。
BBケントのイラストボード(B4サイズ)に鉛筆で下描きをして、ロットリングでペン入れをしていく。
完成したものが、これ。これをもとに筋肉を復元した図を用意する予定である。目の前のユカギルマンモスを見てスケッチし、その後この骨格図を使って全身の復元画を描こうと思っている。
普段は恐竜の復元について話をしているのだけど、ほ乳類となると骨格の特徴がまったく違い、頭部の筋肉の付き方に大きな違いがある。ほ乳類にはは虫類と違い表情筋があるため、頭骨を見ただけではその生きた姿を想像することが難しい。象の仲間であるマンモスには長い鼻があり、これは全て筋肉で構成されているため、頭骨を見ただけではその存在を想像することはほとんど無理だろう。インド象やアフリカ象といった、現在生きている仲間いるからこそ復元できる動物の一つなのである。
かねてから懸案だったパソコンのモニターを購入。大きなものではなくて、今ある物を活かしてデュアルモニターにすることにした。
ヤフオクで中古を購入。非常に程度のよいモニターが手に入った。
先日の反面教師の教訓を生かして、ワークショップに臨みたいと思います。
いつも、応援ありがとうございます。
投稿者 corvo : 21:55
2006年7月21日
NHKスペシャル「恐竜VSほ乳類」
昨日、ようやく録画してあったものを見たところである。といっても前編の「巨大恐竜繁栄のかげで」を見るのがやっとで、後編はオンエア中に2/3ぐらいを見たままで終わっている。
「恐竜VSほ乳類」というタイトル、コンセプトには、違和感を感じる。繁栄しているものが、自然界の覇者であるという考え方は、決定的に間違っている。自然界に勝者も敗者もない。生態系にとって、全ての生物は必然で重要な役割をもっているはずである(人間ははずれているかもしれないが)。生物にとって一番大切な前提を抜きにして、自分勝手な物語を作ってしまうのが嫌なのである。
CGは予想通り、クオリティの高いものではなかった。CGの技術的云々についてはコメントできるほどの知識と経験もないが、生物らしさを感じることができない。すでに製作されてから7年になる「Walking with Dinosaurs」には、自然と生物に対する敬意があふれていた。NHKのものには、そこが感じられない。何が何でも、自分たちのシナリオに誘導しようとしていて、「自然」「生命」といったものを、都合良く解釈しているように見えてしまう。
実写のロケーションとCGを組み合わせているのだけど、ジュラ紀だというのに地表を草が覆っているのはどういうことだろう。だれも指摘しなかったのだろうか。出来上がった映像を見て監修者が指摘しないはずはないと思うのだけど、間に合わなかったのだろう。
CGを製作するスタッフに生物の知識が不足しており、研究者との連携がうまくとれていないのではないだろうか。作ってからチェックしてくださいでは、修正できる範囲は極めて小さい。コンセプトを作る段階から、がっちりタッグを組んで綿密に作っていくべきである。そんな当たり前のことをしていないから、お粗末な結果になってしまうのである。
ぴょこぴょこ跳ねるトリケラトプスに唖然。
ランキング、一度頂点に立ってみたいです。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 08:23
2006年7月19日
雷竜、ふたたび。
止まっていた雷竜の企画を再始動。プロットを最初から組み立て直す。
いままで考えていた物は、前回の「ティラノサウルス」を踏襲したもので、ある意味不自由な作りになっていた。また、復元の科学的な部分にこだわるあまり、恐竜の持つダイナミックな動きやドラマが抑制されてしまっていた。今回は、より想像力を働かせてみたいと思う。でも、最初のプロットはまだ少しかたいかもしれない。
誕生から、一頭のアパトサウルスに注目して、その成長を見守っていく感じのものを考えている。
明日はこの企画の最初の打ち合わせ。都内の某出版社へ、午後出かけていく予定である。まずはプロットと、いくつかのラフスケッチをもとにたたき台を作っていく。作家だけでは煮詰まってしまうので、編集者とのやりとりは非常に重要である。
新しい漫画を読み始めた。といっても既に連載は終わり、大ヒットしている漫画である。「DEATH NOTE」。すでに読んでいる人は今更でしょうが、昨日から読み始めた。
5冊ずつのプチ大人買い。読んだのは6巻まで。7巻までが第一部らしいのだけど、寝る前のお楽しみである。この漫画、ネームが異常に長い。大体単行本だと15分ぐらいでさっと読んでしまうのだけど、これは30分以上かかる。
それでもディテールが追いきれないので、大雑把な読み方になってしまっているのだけどね。
ブログ村ランキング2位をキープできています。ありがとうございます。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:59
2006年7月 9日
Tarbosaurus hunting 04
風邪はほとんど治ってきたのだけど、喉の違和感が残っていて時々咳が出る。呼吸がうまくできないと、線やタッチの精度に影響がでる。リズムよく、淡々と描かなくては緊張感を保った画面を構築していくことはできない。おかげでちょっと苦戦している。
昨日のエントリーのコメントに「爪」についての話題が出たのだけど、いつも復元では悩むところである。人間の爪は骨からは離れていて皮膚にのっかっている状態であるが、鳥は末節骨にしっかりかぶさっている構造になっている。復元する上でどこから角質の爪が始まり、どれぐらいの長さまで伸びたのか。軟組織はどれぐらい爪の上にかぶさっていたのか。今のところはっきりとした答えが見つからないでいる。
画像の図版は「The Origin and Evolution of Birds」の106ページから転載したもの。右の写真はうちにある剥製コレクションのトビの足である。鳥の種類によって、角質の部分の長さには差が大きくあるようだ。
今日のタルボサウルスの様子。首から胴体にかけても、随分進んできた。画面全体の面積からいったら1/10ぐらいだが、一番重要なポイントから描いているので、それ以上の進捗であることは間違いないだろう。
いつも通りアルシュに描いている。この紙とても強靭でお気に入りなのだけど、膠が強く効いていてかなり臭い。しばらくするとなれるので、どうということはないのだけど、特に湿度の高いこの時期はけっこうきつい。でも、こんな部分も含めて気に入っている。
前にも紹介したと思うけど、鉛筆はステッドラーを使用。本数はたくさん用意しておく。少しでも芯の先が丸くなったら、新しいものに変えていくためである。鉛筆の先は、常に「新鮮」な状態に保っておく。
今、机のまわりがとんでもなく混雑してきた。明日、おもいきって机の上の模様替えをする予定。特にパソコンモニターとキーボード、タブレットの位置を快適にしなくては。パソコンで作業をするには窮屈な状態だ。ちょっと気分転換をしなくては、思考も煮詰まってきてしまっているので、良いきっかけになるだろう。
仕事が一段落した後、風邪をひいて片付けが満足にできなかったので、今週は時間を見つけて整理整頓習慣にしよう。
気が向いたら、ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 23:53
2006年7月 8日
Tarbosaurus hunting 03
ここ2週間、風邪で具合も良くなく、どうもすっきりしない日が続いている。仕事が一息つけたところで、急に気が抜けたのか。もう少しオンオフの付け方がうまくなりたいものである。
タルボサウルスに苦戦。これまでB3のサイズで制作していたのだけど、すこし窮屈であった。最終的にはB2のサイズにアクリルで仕上げる予定なので、エスキースも同じサイズで制作することにする。そこで、パネルにアルシュを水張りする。
久しぶりに水張りしたら、少し失敗してしまった。上のほうの左右の隅にしわがよっている。本来ここも、ぴしっと張らなければいけない。
急がず、少しずつ描き進めていく。
これがディテール。鉛筆はステッドラーでHBとBを使用。この二つの濃さがあれば、おおよそ十分である。線の太さ、密度もトーンを形作るには重要な要素である。一定の強さで塗りつぶしたり、単一な線をひくわけではないので、様々な表現が可能となる。
描き込んでいく過程で、生物の動きが止まってしまわないように気をつけなくてはならない。かなりイメージが明確に固まってきたので、今回はうまくいくだろう。
次へ向けて準備しておかなくてはいけないことが結構ある。そろそろエンジンをかけていかないと。
最近、仕事場でのBGVは東京事変「Dynamite out」をヘビーローテーション。もう10回以上流していると思うのだけど、描きながらなのでまだ一度も画像をじっくり見ていない。車のなかではこれです。
更新が滞ると順位が下がりますね。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:27
2006年7月 7日
Tarbosaurus hunting 02
タルボサウルスの鉛筆デッサンを描いてみる。完成のイメージが持てるところまでいきたいと思い始めたのだけど、どうもしっくりいかない。
ここまで描き込んできたのだけど、やめることに決定。新しい紙をセットし直す。どうにも動きがない。固まってしまっている。前回、ここで紹介したエスキースが自分の中でしっくり来ていなかったことが大きな原因だ。もう一度、最初から練り直してみる。こんなときは、どんどんペンを走らせる。手を動かす。何枚も何枚も試行錯誤を繰り返す。いい感じのものが出てきた。
しっくりくる。このスケッチを軸に、細部を詰めていこう。
前回のエントリーで書いた料理人の件なのだけど、あれから色々考えたりネットで他者の意見を読んだりしてみた。僕自身も仕事となると、相当高い集中力で画面に臨むし、張りつめた緊張感を保つことが必要になる。一人でやっているので、全てが自分の責任なるし、誰かに足を引っ張られることもないのだけど、これが大勢いる職場で、しかも自分が責任者であった場合、部下に対して厳しくなるのは当然かもしれない。調理場という戦場で時間に追われながら的確にオーダーをこなし、お客さんに満足してもらえるサービスを供給し続けることは並大抵ではないだろう。ほんの少しのさじ加減、火加減が、秒単位の間違いで、味を台無しにすることもあるだろう。
「盗む」ではなく、もっと「教える」を重視すれば、と書いたが、日々の現場ではそれはとても無理なのかもしれない。教えたくともそんな時間はなく、自分の仕事を精一杯こなしていかなくては、全体がまわっていかない。そんな厳しい現場なのだろうか。授業料をもらってるわけでなく、給料を払って雇っているのであれば、「技を盗め」という気持ちも分かる。
それでも、仕事が出来る人間が増えれば、より質の高いサービスを提供できるのだと思うのだけど。
とにかく僕は聞かれれば、どんなことでも教えたいと思うし、伝えていきたいと思う。ただし、僕に教えたくないとか、企業秘密にしたいことがあったら、全然かまいません。そこは、盗みますから。
いつでも質問してください。待ってます。
今日もポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 00:33
2006年7月 4日
Tarbosaurus hunting 01
前回、ポスターのためにタルボサウルスを描いたのだけど、限られた時間の中での制作だったので、満足できる出来とはいかない部分もあった。やはりアジアに生きる人間として、アジアの古生物を描いていくことは自然なことだと思っている。ティラノサウルスは北米のものであるし、どこかお客さんのような意識がついてまわるのである。
これまで僕は、大型のティラノサウルス類は腐肉や死体を漁る動物であると考えていて、拙著「ティラノサウルス」の中でもスカベンジャーの特徴を強く押し出している。しかし、今回は彼らが群れで行動し、身体の軽い亜成体の個体が獲物を追い込み、十分に成熟した個体がとどめを刺すというシーンを想定してみた。
A3サイズの紙に鉛筆。この構図を見てすぐに気がつく人も多いと思うが、John Gurche の「スー」へのオマージュである。ちょっと成体の足が短すぎるか。大きく入りすぎて広がりにもかけるので、構図はもっと動かしていくつもりである。
締め切りはないので、時間をかけてじっくり描いてみようと思う。
なかなか順位は安定しませんが、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:36
中国語のサイト
ときどきGoogleに自分の名前を入れて検索してみるのだけど、中国語のサイトで復元画が紹介されていることが判明。他にもいろいろなアーティストが紹介されているのだけど、けっこうビッグネームも入っていて、綺麗にデザインされたサイトである。ネット上で画像を掲載している以上、こういったことはしょうがないと思っているのだけど、見る限り趣味の個人サイトではない。
「Copyright© 1998-2006 中国恐龙网 All rights reserved」なんて書かれてもねえ。
そのサイトとはこれ。そして僕のページがこれ。なかなか綺麗に紹介してもらっている。掲載サイズも、僕のサイトとまったく同じようである。目くじらたてて抗議するつもりはないのだけど、ちょっと対応を検討中。どうするかな。
これだけ堂々と綺麗に掲載されていると、清々しくもあります。
表彰台の頂点を目指して。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 00:31
2006年6月28日
竜脚類の死因(番外編)
これまでsilly talkで重点的に「竜脚類の死因」を扱ってきたのだけど、今日はまじめな考察で。「番外編」がまじめというのも、このblogらしいのだけど、頭骨と頸椎の関係について考えてみたい。
今年は世界の巨大恐竜博2006にスーパーサウルスの復元骨格がやってくる。おそらくこの時期に合わせてと思うが、ニュートンの8月号も竜脚類の特集で、表紙はスーパーサウルスの頭部の復元である。
スーパーサウルスは不完全な骨格しか見つかっていないが、アパトサウルスに近縁であることから全身骨格の復元が行われた。ならば頭骨と頸椎の関係も、アパトサウルスに準ずるべきである。
ところが、このイラストのようにトカゲ型の復元になっているものが多い。恐竜=は虫類というイメージ、細長い頭骨の形態から、トカゲのような頭部と首の関係に復元してしまうのかもしれないが、これは大きな間違いである。
骨格を並べてみると、こういた復元は無理があることがよくわかる。
頭骨には後頭顆という頸椎と間接する突起がある。アパトサウルスの場合、この後頭顆は頭骨の長軸に対して直交している。なので左上のイラストのように頸椎を水平に並べると、頭骨の口先は下を向かなくてはならない。前方に動かせたとしてもイラストのアウトラインまでが限界だろう。一枚目のイラストのようにトカゲ型の復元を試みようとすると、右下のイラストのように骨格を関節させなくてはならなくなる。こうなると頭骨と第一頸椎の間で中枢神経が屈曲してしまうことになる。そう「すでに死んでいる状態」なのである。秘孔を突かずとも絶命しているのだ。
あくまでも復元であるし、もともと死んでいる化石をもとにしているのだが、かつては命を持ち活動していた生物に対して、これはあんまりな仕打ちである。
復元は命に敬意を表さなくてはいけない。最初から命が機能しないような復元はするべきではないのである。
2年目に突入しました。これからも応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 19:59
2006年6月27日
「学研わくわく観察図鑑 恐竜」
お知らせです。
このblogでも制作段階から紹介してきた、恐竜本の出版の詳細です。発売は1ヶ月後の6月27日。
まだアマゾン等で予約はできないと思いますが、できるようになり次第リンクも貼っていきます。
(出版されるときは、監修者の真鍋さんの横に、僕の名前も入る予定です)
今回は学研からの出版です。「わくわく観察図鑑」というシリーズの一つで、これまでにも「カブトムシ・クワガタムシ」、「アサガオ」、「動物のあかちゃん」、「ザリガニ」、「メダカ―くらしと飼い方」などの既刊があります。
・タイトル 「学研わくわく観察図鑑 恐竜」
・監修 国立科学博物館 真鍋真
・イラスト 小田隆
・定価 1000円(税抜き)
・判型 AB判(天地220㎜×左右210㎜)
・総ページ 48ページ
発売まで少し時間がありますが、是非手に取ってほしい一冊です。よろしくお願いいたします。
ついでに、ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 00:00
2006年6月20日
Tarbosaurus process 08
先日のコメントで指摘のあった部分を修正してみた。うまくいったかどうか自信のない部分もあるが、これで一応完成としたい。
後肢と地平線を中心に修正。実際、この現場に立ち会ったとすると、視線を上下に動かさなくては、この範囲を見ることは出来ない。広角レンズを使ってようやく画面に収めることができる。ビューポイントをどの高さに設定するかが、非常に悩みどころであった。やはり難しいです。
ちょっと良いお知らせ(僕にとってですが)。絵本「ティラノサウルス」に重版がかかりました。3刷り目で1500冊の増刷です。
投稿者 corvo : 18:01
2006年6月19日
Tarbosaurus process 07
タルボサウルスがようやく完成。
昨日のワールドカップまでに仕上げたかったのだけどそれはかなわず、結局試合を見ながら制作し、次のブラジル、オーストラリア戦を見届けた後も終わらず、午前3時30分まで粘ったが就寝。今朝、起きてから制作し、出来上がったのは午前10時30分頃。
紙(アルシュ)にアクリル。サイズは54x35cm。
頭部ディテール。今回も、口の周りに傷をつけてみた。
喉から、胸にかけてのディテール。喉のあたりに深いしわを描写。食物を丸呑みするときに、喉を膨らませるのではないかという設定。
何度かの通り雨でぬかるんできた地面を歩く。ここから本格的な雨期が到来し、景色は一変するだろう。足と地面の関係をしっかり描かないと、存在感を表現することができない。
なんとか締め切りに間に合いました。
応援ありがとうございます。これからもポチポチっと、よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 12:33
2006年6月18日
Tarbosaurus process 06
タルボサウルスの制作を再開。土曜日はさすがに早くは起きられなかった。疲労の残った身体で、手を動かす。3日間、粘土を触っていたせいで、手が筆を持つことにアジャストするのに時間がかかる。手の動かし方が全く違う行為なので、少しずつ慣らしていくしかない。粘土へはすぐに移行できるのだけど、その逆はなかなか難しいです。
頭部から首、胸にかけてを大体完成させて、足にも手を入れ始めた。頭部と足が決まっていないと、存在感を出すことが出来ない。日曜日には完成させなくてはいけないので、起きたらただひたすら手を動かさなくては。
皆さんの応援があると、ちょっと手が早くなるかも。ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:01
2006年6月12日
Tarbosaurus process 05
久しぶりにタルボサウルスを再開。これも締め切りは秒読み状態である。明日は野田市の小学校で公開講座、明後日から3日間の中国出張と予定が詰まっているのがきつい。タルボサウルスは帰国後、週末に一気に仕上げる予定。
ホワイトを混ぜた明るい色で、光の当たっている部分を描いていく。時間もないので、ある程度仕上げるつもりで決めていく。立体感を分かりやすく表現するため、この段階ではあまり色を多く使わない。全体が描き終わったところで、模様を入れていく。
顔の皮膚には傷跡を描写。喉や首周りのたるみは、見せ場のひとつである。
明日はほとんど制作できないので、土日の2日で勝負。
さすがに身体がしんどいです。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:01
モノクロイラスト14点
ただいま、イギリスGPをテレビ観戦中。
今朝、予定通りモノクロイラストをクロネコヤマトで発送。1点ずつ丁寧にトレーシングペーパーをかけてから梱包するので、けっこう手間がかかる。
オヴィラプトル。ステゴサウルスを襲うアロサウルス。紙のサイズは全てB5。
パラサウロロフス。プッシタコサウルスを食べるレペノマムス。
トリケラトプス。アロサウルス。
ヘレラサウルス。スーパーサウルス。
エドモントサウルスの亜生体を襲うアルバートサウルス。エオゾストロドン。
メイ。倒れたティラノサウルス。
マジュンガトルス。ヴェロキラプトル。
日曜日は夕方から、亀有のギャラリーバルコへ。「平野太一個展」を見る。面白いコンセプトの作品で、制作のプロセスは面白いのだけど、作品の完成度が低い。プレゼンテーション能力の低さというべきだろうか。もっと整理した、作り込んだ作品を見たい。
いろいろな人と話ができて、楽しいひとときでした。
帰宅後、中国出張のための準備。今、イギリスGPが終了。アロンソ優勝。強い。でもシューマッハ、ライコネンの調子も上がってきている。
明日(月曜日)の昼間はタルボサウルスに手を入れる予定。
順位が回復してきました。ありがとうございます。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:10
2006年6月10日
モノクロイラストの進捗
もうなんというか、追いつめられて勢いだけで描いている。
現在12点完成。残すところ後2点。比較的、描きやすいものが残っている。これが終わると、すぐに中国出張(これはフェイバリットコレクションの開発のため)の準備と資料の整理、そして大物タルボサウルスが控えている。
モノクロイラストは、なんとか間に合いそうで少し安心しているが、まだまだ気が抜けない。
土曜日には、14点完成する予定。
少しずつ順位も回復してきました。気が向いたらポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 02:36
2006年6月 8日
Tarbosaurus process 04
ここのところ良い天気が続いているが、僕の気は晴れない。かなり追いつめられてきた。
もともと厳しいスケジュールに、無理を重ねているのできつい。右手の調子も思わしくなく、腱鞘炎の痛みも強い。午後には接骨院でケアーしてもらわいと、これ以上は身体が言うことこと聞きそうにない。
そんな状況でタルボサウルス。
これが昨日の状態。背景の空と雲から描いていく。雨雲を含んだ積乱雲。雨期のイメージ。この段階では、空がタルボサウルスの輪郭に入り込んでいっても気にしない。ある程度、背景を完成させてしまう。
今日の午前中の状態。イエローオーカで光の当たる明るい部分を描き起こしていく。
このタルボサウルス、少し締め切りを延ばしてもらった。といっても14、15、16日と中国出張がはいっているため、厳しい状況に変わりはない。
並行して進めている、モノクロイラストの仕事。昨日3点完成させて、合計7点に。ちょうど半分出来た。残り7点。これは12日までに納品。
どう考えてもきついな。
投稿者 corvo : 11:10
2006年6月 7日
Tarbosaurus process 03
昨日、講座が終わった後、帰宅してからタルボサウルスの続きを進める。
転写したイメージの上から、イエローオーカを一層塗り、その後タルボサウルスに濃い褐色で陰影をつけていく。画面の水平垂直をきちんととって撮影していないので歪んでいるが、おおよそ雰囲気はつかんでもらえると思う。陰影をつけた後に、さらに一層セルリアンブルーを塗ったところ。明治時代の脂派(やには=旧派)のような画面。
タルボサウルスは、昨日はここまで。
続けて、ムック本のためのモノクロいらすとを制作。ここには4点写っているが、あらたに制作したのは2点。まだ10点ほど残っている。全てがぎりぎりできつい。でもなんとかしなくては。
ついででよいので、ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 14:01
2006年6月 3日
Tarbosaurus process 02
今日は天気は良かったのだけど、気温の低い肌寒い一日だった。
タルボサウルスの制作を再開。急ピッチで進めなくては、とても間に合わない。鉛筆デッサンが完成。
紙(アクアレルアルシュ、56x38cm)に鉛筆(ステッドラー、HBとB)。
スキャンしてパソコンに取り込んだ後、フォトショップで画像を反転してプリントしたものを、コンビニで拡大コピー。これを使って、新しい画面へイメージを転写する。
いつものようにファンシープリントをコピーの裏側からしみ込ませて、ペーパーナイフですばやくこすっていく。
これが転写されたイメージ。水張りしたアクアレルアルシュを使う。開けた大地、真っ青な大空を背景に、咆哮するタルボサウルスをイメージして描いていく予定。さて、間に合うか。
気が向いたら、ポチポチお願いします。
投稿者 corvo : 23:56
2006年5月31日
Tarbosaurus process 01
今日は久しぶりに一日中、天気がよかった。5月も今日でおしまい。6月は中旬まで、さらにハードな日程が続く。
10日までにモノクロペン画15点。15日までにポスター用タルボサウルス生体復元画を1点。中国出張が1回。友人に頼まれている猫の絵を1点。といった具合。
この中で、もっともプライオリティが高いのは、モノクロペン画15点なのだけど、制作時間を考えてタルボサウルスを先行して進めていいくことに決めた。
ポスター用の原画ということで、縦構図でほしいというリクエスト。以前、群馬県の藤岡で行われたモンゴル恐竜展の写真があったので、これを利用して、ポーズや構図を決定していくことにする。
紙のサイズは56x38cm。写真をちょうどおさまりのよい大きさに拡大コピーをして、骨格のアウトラインを転写していく。この構図で一度は進めていたのだけど、ちょっと迷う。骨格だけで写真を見ているとかっこ良いのだが、生体だとどうにも決まらない。一眼で見えているカメラの世界と、両眼で見えている人間の世界とでは、どうにもしっくりこない境界があるように感じる。図学的に正確なパースペクティブを追求するなら一眼で見るべきなのだろうが、実際に両眼で見て脳で補正している世界とは少しずれがある。最終的には、結局頭のなかでイメージした構図で組み立てていくことにした。
右側が没にした、写真から起こした構図。左側が今、制作しているもの。色をつけていく過程で、まだ動かすかもしれないが、これで進めていくつもりである。
没にしたエスキースとか、誰か欲しい人いるかな。来月、blogが一周年を迎えるので、読者プレゼントにしようかな。どうでしょうね。
もはや、順位にはこだわりなし。それでも気が向いたらぽちぽちお願いします。
投稿者 corvo : 23:40
2006年5月30日
アロサウルス、NHKとBBC
今日、つらつらと友人のblogを読んでいると次のような記事が。決して、新しい話題ではないのだけど、友人であり古生物造形師のひとりである、ふらぎさんの記事「アロ好きとしては言わずにおれない。」にピピッと反応してしまった。
この話題、実は昨年の夏に古生物学会の場で、直接NHKのプロデューサーに質問したことがあった。そのときの顛末はこのblogのエントリー「古生物学会」に詳しく書いている。もちろん、そのときもふらぎさんはコメントを寄せてくれている。
NHKのアロサウルスとBBCのアロサウルス。BBCのアロサウルスは頭骨の形状におかしなところがあるが、生物としての実在感と躍動感を感じる。一方のNHKのものは、出来の悪いソフトビニールフィギュアのようだ。
僕はNHKの作るドキュメンタリーの質は高いと思っているし、好きな番組が多い。ちゃんと受信料も払っている。こんな程度のCGで終わってほしくはない。BBCのほうが製作時期が古いのだから、いやになる。参考にも出来なかったのだろうか。
復元とは何かということが、まったく理解されていなのだろう。志も低い。せっかくのCGの技術も、ツールとしてのコンピューターも生かせていないと思う。
久しぶりに改めて、NHKのアロサウルスを見たけど、ひどいなあ。両生類の出来はいいだけに残念である。
投稿者 corvo : 11:29
2006年5月22日
小カットが終わらない2
昨日に引き続き、小カットに苦戦。今日は、墨入れしたカットに透明水彩で着彩していく。
今日だけで50点に色を入れた。残りは5点。これから墨入れをしなくてはいけない。
作業終了直後。枚数が多いので、乾いていないところを重ねないように、どんどん積み上げていった。我ながらよくやると思う。自画自賛。
一点ずつは大体こんな感じ。顔料系のペンで線を描き、透明水彩で着色していく。ペンの段階で、かなり明確に描いているので、着彩は最低限度でよい。それでも時間はかかる。
使っている透明水彩はドイツのSchminkeとイギリスのRowneyのもの。どちらも素晴らしい発色をしてくれる。質の高い材料を使うと、最低限度の手数で進めることができる。透明水彩は使うたびに水で溶かすので、その都度補充することもなく使い切るまでには、かなり長い時間がかかる。なので高価な材料であっても、十分にもとはとれるし、この質の高さは何事にも代え難い。
絵を楽しみや趣味で描いている方にも、おすすめである。質の低い画材を使って上手くいかないとイライラするより、良い材料で気持ちよく描いてほしいと思う。最初の初期投資はかかるかもしれないが、何倍にも楽しみとして帰ってくるだろう。
ほぼ丸一日、描き続けだったのだけど、右手と背中の痛みがピークに達して。たまらずいきつけの接骨院へ駆け込む。電気治療、超音波治療、じっくりとマッサージの後に、右手に5箇所お灸を据える。右手は酷使しているせいで、かなり筋肉が硬くなってきてしまっているようだ。しばらく休めたいところだが、そうも言っていられない。でも、どこかで真剣に休めないと、改善しないことは間違いない。締め切りが一段落する、6月中旬までの辛抱か。
何もでませんが、ポチポチお願いします。
投稿者 corvo : 23:56
2006年5月21日
小カットが終わらない
昨日、今日と最終日の展覧会があったため、どうしても出かけなくてはならず、時間をとられる。見たかった展覧会だし、とても良かったのだけど、まともに休みがとれないことに、少々憤りを感じる。心が折れそうだ。
小カットが終わらない。多すぎる。まったく割にあわない。泣き言を言っても始まらないので続ける。進める。
今日行ってきた展覧会は埼玉県立近代美術館で開かれていた「ホルスト・ヤンセン展」。素晴らし展覧会でした。その詳細は後日に。
投稿者 corvo : 23:35
2006年5月18日
Archaeopteryx skeleton & living body 03
今日は予定を変更して、比較的ゆったりと制作した。ここのところ疲労がたまっていたため、筆の運びにも切れがなく、このままでは質の低い仕事になってしまうので、 一日かけて始祖鳥を仕上げることにしたのである。
そして無事、今日のうちに完成。カラーリングはちょっと地味だろうか。
大型の恐竜と違い、実物に近い大きさの生物を描く時は、ディテールの描写に気を使う。
頭部もあまり派手ではない。少し冠羽をつけて、アクセントにしている。
始祖鳥の大きな特徴の一つである爪をもった指が3本。そして、飛翔可能な非対称の風切羽ねを持つ。
第二指を持ち上げて疾走する足。始祖鳥は胸筋が小さく、静止状態からはばたき、飛び上がることは難しかったと思われるので、長く丈夫な後肢でダッシュし飛び上がっていたと考えられる。
これでようやく、全ての骨格図と生体復元図が完成した。残るは小さなカットが60点近く。半分ぐらいは墨入れが終わっているので、残りを一気に仕上げてしまう予定。
明日は非常勤講師の日。夕方、車を車検に出してきます。既に5年目。少々やれてきましたが、飽きのこないいい車です。
地道にこつこつ。ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 23:54
2006年5月17日
Archaeopteryx skeleton & living body 02
今日は午後から、担当編集者が原画の「取り立て」に来る日だった。急ピッチで制作したのだけど、始祖鳥の生体復元と小さなカットが残ってしまった。疲労のためか、非常にペースが悪くなっている。担当編集者が、原画を待って今の今まで粘っていた、という売れっ子漫画家や作家のようなことはないのだけど、来週の頭に全て納めることに決定。
小さなカットは「モノクロのほうがいいかもしれない」という担当のありがたい言葉に期待したのだけど、デザイナーのリクエストで従来通り水彩による着色が必要ということで落ち着く。
今晩までに始祖鳥の生体復元まで仕上げたかったのだけど、少し体を休めるためにも途中で終えることにした。
羽毛、翼が生えてくると、一気に印象が変わる。
毛を一筋一筋、面相筆で入れていく。明日には完成の予定。これが終わったら、すぐにカットの仕事へ移らねば。
もう少ししたら、この仕事の出版情報の詳細をお知らせできると思います。
近くて、遠い表彰台です。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:21
Archaeopteryx skeleton & living body 01
MacBookの発売に心奪われながらも、なんとか始祖鳥の骨格図を完成。今日もほとんど画像だけをアップ。
面積が小さいのでもっと早く終わるかと思っていたのだけど、それぞれの骨が細く神経を使うため、けっこう時間がかかってしまった。
頭骨は非常に華奢に出来ている。
立派な叉骨はあるが、竜骨突起はまったく発達していない。強く羽ばたく筋肉が付着する場所が、ほとんどないことがよくわかる。
ドロマエオサウルス類のように持ち上げた後肢の第二指。
明日、午後3時に担当編集者が、自宅まで取りに来てくれることになっている。さて、その時間までに生体復元図を完成させることができるか。でも徹夜はできないので、これからすぐに寝ます。
なかなかブログ村ベスト3に入れません。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:55
2006年5月16日
Pachycephalosaurus skeleton & living body 02
「きつい」と口で言ったり、書いたりしても、何も始まらないので、とにかくさくさく進める。
予定通り、パキケファロサウルスの生体復元まで完成。今日も書いている時間がないので、画像中心にアップしておく。
先日の予告通り、スキャンした骨格図。
生体復元図。今回はツートンカラーに縞模様。喉に赤くワンポイント。特にモデルにした生物はない。
この恐竜は、やはり頭部が一番特徴的である。ここが一番描いていて楽しい。生体復元図の眼は、ちょっといっちゃっている感じが。今の僕の眼もこんな感じかも。
絡み合う尻尾の腱。面倒くさい。モンゴルで発見されたホマロケファレの標本を参考にしているのだけど、実際の化石を見ても規則正しく綺麗に並んでいる。工芸品のように美しい標本のひとつ。
ついでで結構ですので、ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 02:09
2006年5月14日
Pachycephalosaurus skeleton & living body 01
昨日、一日でエスキースから骨格図完成まで進めようと思ったのだけど、さすがに無理だった。
今日、ようやく完成。今度はパキケファロサウルス。あまり書いている時間がないので、画像が中心です。
エスキースを転写して、カラーインクで陰影をつけた状態。
頭部のディテール。この恐竜の特徴は頭骨にあるので、この部分は特に丁寧に作業する。
ホワイトを混ぜたアクリル絵の具で、描き起こしていく。
たった今、出来上がった完成画像。スキャンした画像は、後日アップします。
上半身。特徴的な頭部と、幅が広い胴体。でっぷりとした印象である。
パキケファロサウルスの仲間の特徴でもある、骨化した腱で強化された尻尾。これだけでもかなりの重量だっただろう。重い頭部とバランスをとっていたのかもしれない。
この恐竜は、頭骨は数多く発見されているが、それ以外の部分については、まだよくわかっていない所も多い。全身の復元としては、ちょっと自信がない。
読んだついでにポチポチ、よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 15:28
2006年5月13日
Dinosaur FACTory 1
昨日の金曜日、午前中は自宅にて打ち合わせ。とても天気がよい。
打ち合わせといっても、現在進行形の案件ではなく、一度仕切り直し、出直すための打ち合わせである。ここで詳しく書くわけにはいかないが、これから進展があったときは報告していきたいと思う。本を書き、出版するまでには、膨大な時間とエネルギーが必要になる。しかし、それに見合った報酬が得られるとはいい難い。特に、絵本業界の状況は、非常にお寒いといっても過言ではない。そんな中でも、出来る限りいい仕事をして、より良い本を子供たちに手に取ってほしいと思っている。そのためには、多くのことを改善し、自分自身のスキルを高め、理想的な状況を創り上げていかなくてはいけない。
ここ数日で、ひとつ企画書をまとめようと思っている。この企画書をもとに、仕切り直した出版社との関係を、もう一度構築していこうと考えているところである。
そして、午後からは14日で閉館してしまう有明のダイノソアファクトリーへ。距離的には近くにありながら、交通事情の悪さから3回ほどしか行ったことが無かったのであるが、今回あらためて展示物を見て激しく後悔した。もっと、普段から取材しておくべきであった。後悔先に立たず。
ファクトリーという名の通り、研究の舞台裏を見せる演出が素晴らしい。このファクトリーの母体である林原自然科学博物館がモンゴルで行っている発掘、プレパレーション、復元といった研究に至る様々なプロセスを、丁寧に紹介している。
展示されている標本の数は多くないが、それぞれの質が非常に高く、見応えがある。一つ残念なのは、これらの成果をこのダイノソアファクトリーかサイト上でしか見ることが出来ないことだ。これだけの標本があり、研究に携わっているスタッフがいるのならば、もっと論文として発表されても良いだろう。今、多くの論文が準備されているのかもしれないが、きちんと投稿され掲載された状態でなければ、公式にその研究成果を利用することができない。早く人類共有の財産として、研究成果を論文にしてほしいと切に願う。この施設の公式の図録のような出版物がないことも不思議である。パナソニックとの提携で、電子化されたデータの蓄積はあるのかもしれないが、手に取って読むことが出来る書物として、形にしてほしいと思うのは、僕だけだろうか。
今回、ブラキオサウルスを重点的に取材してきたのだが、やはりこの首を高く上げたポーズはファンタジーあるとしか思えない。骨格を見る限り、キリンのようにそびえ立たせることは無理である。
堂々として、彫刻としての美しさはあるかもしれないが、生物としてあまりに不自然である。
この写真を見てもらうとよくわかるが、あきらかに関節が外れている。というよりも、わざわざ首を高くあげるポースのために、関節を意図的に外しているのである。これは復元ではなく、理想を追求した創作であろう。
こちらの写真でも、はっきりと分かると思う。S字を描かせるために、付け根近くは関節突起が重なりすぎて外れているが、頭近くになると前に倒すために関節突起を離している。
それでもブラキオサウルスの首は高くそびえ立つと言えるだろうか。首が地面に対して水平であったとしても、この巨体である、わざわざ首を持ち上げなくても、この高さまで達する口を持った生物は、他にいなかっただろう。
ブラキオサウルスの首が高く上がると言う説得力ある意見があれば、是非コメント欄に書き込んでほしい。骨格を見る限り、高く上がらない証拠ばかりが見えてくる。どうして上がると考えるのか。上げなくてはいけない必然性がどこにあるのか。僕には、どうしても上がるとは思えないのである。
ダイノソアファクトリーでは、ほかにも気がついたことがあるので、後日アップしていきたいと思う。(続く)
ちょっと更新時期があいてすみません。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:54
2006年5月12日
Euoplocephalus skeleton & living body 04
今回も予告通り、エウオプロケファルスの生体復元図を完成。ノルマ達成。といっても、まだまだ終わりません。
先日のコメントで、骨格図の上に重ねて描いているのか?という質問があったので、もう一度プロセスを紹介しよう。
骨格図をトレースし、トレーシングペーパーの裏に鉛筆を塗り付ける。この状態のものを、BBケントのイラストボードの上にのせて、トレースしたラインを転写していく。
肋骨などを一本ずつ写す必要はないが、各部のプロポーションは正確に転写する。さほど強く線が残らなくても良い。
軟組織の部分を鉛筆で描き加えていく。軽いタッチでOK。あまり強く描くと、絵の具をのせたときに影響が出てしまう。
昨日のコリトサウルス同様、カラーインクのセピアで陰影をつけていく。
そして、まるでNHK「今日の料理」のように、プロセスをとばしてしまう。「こちらに煮込んでおいた鍋があります」なんて具合に一気に完成の画像へ。ただ忙しく制作していて、途中の段階を写真に撮っていなかっただけです。
鎧竜は面倒くさい。装甲が多いし、面積もある。先日のサイン会でサイカニアなんてリクエストはいった時は、くらくらしてしまう。好きな生物だから良いのだけどね。
頭部のディテール。鎧竜の魅力は、ごつごつした頭部にある。デコラティブで好きだ。でも、サイカニアのほうが好み。
背中の装甲のディテール。今回は描き込むだけでなく、絵の具のテクスチャーにもけっこう頼っている。もっとうまくコントロールできると、効率よく描けるだろう。
とにかく、なんとか完成。
連日へろへろです。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 02:06
2006年5月11日
Corythosaurus skeleton & living body 04
昨日、細部をアップできなかったので、今日あらためて画像を載せる。
一冊の本のイラストを全て制作する仕事なので、どうしても長丁場になる。そうすると後半にいくに従って、締め切りの問題もあるのだけど、どんどんスピードが上がってくる。最初にあった試行錯誤の部分が少なくなってくるので、効率よく作業することができるようになってくる。
上が生体復元で、下が骨格復元。まったく同じポーズで描いている。モヒカンですね。
今度は胴体部分。ハドロサウルスの仲間は、他の恐竜と違い、胴椎が大きく湾曲して関節している。全身が見つかっているミイラ化石をみてもそうなっているので、これが正しい姿勢なのだろう。竜脚類や獣脚類ではほぼまっすぐであり、ステゴサウルスは少しカーブしているだろうか。それでも、これほど極端ではない。
前肢の指の2、3、4番目は軟組織に覆われて、ミトンの手袋のようになっている。これもミイラ化石からはっきりしたことが分かっている。後肢の形状は、二足歩行する大型の獣脚類に一見似ているが、その指は太くて短く、爪は蹄状の形をしており、比べてみると大きな違いがある。足跡の化石を見ても、まったく違う形態であることがよくわかる。
ハドロサウルス類の特徴である、長い神経棘突起と、それを補強するように絡み合った骨化した腱である。常に尻尾はピンと伸ばした状態であっただろう。高さがあることから、セックスアピールのための派手な模様があったかもしれない。
今日はエウオプロケファルスを制作中。出来上がり次第、アップします。
ポチっと押しても安全です。よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 15:11
2006年5月10日
Corythosaurus skeleton & living body 03
今日は、コリトサウルスの生体復元。
始めて30分ぐらいの状態。カラーインクのセピアで、陰影だけをつけていく。こういった技法をグリザイユと呼ぶ。
頭部の部分。面相筆を使って、出来るだけ描き込んでいく。ここで正確に描写しておくと、後々の作業が楽になる。
昨日の予告通り、一気に完成させる。
ちょっと時間もないので、とりあえず完成画像をアップ。細部の紹介などは後日に。
昨日はデジカメの画像だったので、あらためてスキャンした骨格図の画像を。
完成した生体復元。今回もちょっと派手目で、なんだか可愛い。これも細部の画像は明日に。
今日の昼間に急遽、新しい仕事が入ってくることに。ただでさえきついのに、さらにきついオーダーが。それでもやりますとも。やってみせます。全て、ばしっと。
とにもかくにも、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:27
2006年5月 9日
Corythosaurus skeleton & living body 02
GWも終わり、社会復帰である。と書くとまるで遊んでいたみたいだけど、皆さんご存知の通り、黄金週間中は全く休みなくイベントに関わっていた。今日から久しぶりに、家の仕事場でじっくり制作することができる。といっても、締め切りが容赦なく迫ってくるので、手を動かし続けなくてはいけない。
制作途中であったコリトサウルスの骨格図を進める。
カラーインクのセピアで陰影をつけてあった状態から、GOLDEN FLUID ACRYLICSのイエローオーカとバーントシェンナで、さらに複雑な立体感を表現していく。GOLDEN FLUID ACRYLICSは低粘度のアクリル絵の具で、カラーインクに近い感覚で描写することができ、非常に使いやすい。
ディテールはこんな感じである。この段階までは、昨晩のうちに進めておいた。
これが、今日のお昼過ぎの段階。ホワイトを混ぜたアクリル絵の具で、明るい部分を描いていく。徐々に形が立体的に浮かび上がってくる。
肋骨の膨らみ、骨と骨との間の空間感に注意しながら描き進めていく。
そして、これが完成。なんとか一日で終えることができた。明日は生体復元だ。
上半身部分は、描いていて楽しいのだけど、どんどん疲れがたまってくる尻尾の部分は、繰り返しの描写が多くて余計に疲れる。椎体の数も、一気に倍以上に増えるし形も単純なので、ひたすらルーチンワークをこなす感じである。
残る大物は、エウオプロケファルスとコリトサウルスの生体復元図と、始祖鳥とパキケファロサウルスの骨格図と生体復元図である。これにプラス、細々としたカットが60点あまり。またまた限界に挑戦である。
順位が上がると頑張れる、かな。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:58
2006年4月26日
ポスター原画
ポスター原画を、無事に発送。
搬入の準備や、展示物の用意に手間取って、けっきょくこんな時間まで起きてしまっている。自分で車を運転していかなくてはいけないので、そろそろ休まなくては。
あさ、起きてからも、まだやることがたくさん残っている。
なので、今日のアップはちょっと手抜きで勘弁を。
昨日の画像はデジカメだったので、もうひとつ不鮮明だった。そこでスキャンしたものをアップ。
ディロフォサウルスの手のディテール。
問題の、高くあがった竜脚類の首。
この企画展の図録のために、各恐竜の生体復元画も描かなくてはならない。
昼間の出版社との打ち合わせで、今制作している本のために、イラストカットを50点以上描かなくてはならないことになった。ひょっとしたら、大丸の会場のすみで、カットの制作しているかもしれません。
それぐらいやらないと、どうも間に合いそうにないです。
いつものポチポチをお願いします。
投稿者 corvo : 01:29
2006年4月24日
GOLDEN ACRYLICS 05
ようやく、ポスター原画が完成。まだ全体を公開できないので、部分の画像をアップ。今回は新しい絵の具や技法を試していたので、結構苦戦してしまった。時間がないときに限って、いろいろ試してみたくなり遠回りをしてしまう。それでも、多くの収穫があっtので、これからの制作に生かせるだろう。
手前の木の陰にはディロフォサウルスと、襲われて絶命したルーフェンゴサウルス。これらはジュラ紀前期の恐竜たち。開けた大地を悠々と歩く竜脚類は、ジュラ紀中期である。ポスターということで、展示標本を分かりやすく表現するために、フィクションがはいっている。
ディロフォサウルスの頭部のアップ。少しテクスチャーをつけすぎたか。ディテールを描きにくくなってしまった。途中でヤスリをかけるなどの手順を加えたほうが良かったかもしれない。
今回、もっとも苦労したのは、首を高く上げた竜脚類。描きにくい。間違っていると分かっていながら、描かざるをえないストレスは予想以上に大きかった。不自然なものを描こうとすると、脳が拒絶反応を起こすのである。常に「間違っているぞ」という警笛が鳴り響き、それを無理矢理押さえ込みながら作業することになってしまう。必要以上のエネルギーがいるため、疲労の度合いも大きくなる。間違った(と思える)復元では、もう二度と描きたくない。
今日は筆を大量に購入。ナムラのイタチ製面相筆、小と特小を20本ずつ。買うときはまとめ買い。どうしても消耗品なので、まとまった数が手元にないと不安になる。ちょっと気持ちいい。
昨日のサンマリノGPはいいレースだった。最速だったのはルノーのアロンソ。しかし、もっとも強く、勝ったのはフェラーリのシューマッハであった。ひとつ不可解なのは、アロンソの二回目のピットインのタイミング。シューマッハに対して1秒以上のペースで周回を重ね、さらに燃料も多く積んでいたはず。後、数周我慢してシューマッハの後にピットインすれば、十分に逆転可能だっただろう。「たられば」は禁句だが、ブリアトーレの判断ミスか!?しかし、20周以上にわたる超接近戦は見応えがあった。やはりイモラは抜けない。
もっと不可解だったのは、ホンダのバトンとバリチェロの成績。予選で2位3位を獲得しながらバトンが7位、バリチェロはノーポイントの10位でしかなかった。バトンは燃料給油のリグをつけたまま走り出し、かなりの時間をロス。原因はドライバーでなく、ピットクルーにあったのだけど、チームとしてのまとまりに疑問がある。相変わらず、チーム戦略を生かすピット作業が出来ず、ばたばたと時間だけがすぎていくという印象だ。これでは優勝はまだまだ先だろう。
とにもかくにも、最高にエキサイティングなレースであったことは間違いない。こういったレースこそ、現場で見たいものである。
このblogの常連さんである「ニヤゾフさん」のコメントに、実はとても感動した。
「余談ですけど、さっきログを読みふけっていたときの事。
去年の7月から僕コメントを書かせてもらっていますが、初期のイタくて幼い書き込みから、一年ぐらいコメントし続けて、ようやくマシな書き込みができるようになっていた事に気付いたんです。
やはりいつもいつも短い書き込みにもレスをしてくれた小田さんのおかげです。」
とのこと。必ず、全てのコメントにレスをつけることを、自分の中で決めていたのだけど、ここまで言ってくれることに素直に嬉しかったのである。彼は、以前のコメントで小学生であることを明かしているのだけど、いつもそのコメントの誠実さに感心する。これからも読みにきてください。
目指せ!美術ブログランキングベスト3。ポチポチっと応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:54
2006年4月23日
GOLDEN ACRYLICS 04
昨日、土曜日は「恐竜の科学展」の準備と、ポスター原画の制作に追われる。とにかく時間がない。やるべきことが多すぎて、すこし混乱しながらもなんとか進める。出品作の選定、出品リストの作成など、細々とした作業が多い。集中する時間が細切れで、原画の制作もなかなか進まない。
といっても締め切りは迫ってくるので、とにかく描く。これは昨日の深夜の状態。これまで閉じていたディロフォサウルスの口を開けるために、大きく修正。これで画面全体にリズムが出来てきた。
少しアップ。修正直後で、口のまわりの描き込みはまだ不十分である。
首のまわりのテクスチャー。大きく凸凹がついているが、ここももっと描き込んでいく。
前回、ホワイトについて書いたところ、ターナーの方からホワイトの試供品とともに、アドバイスをいただいた。隠蔽力の弱いジンクホワイトか、アクリルガッシュのミキシングホワイトを使用してみてはどうかということである。ジンクホワイトは以前から使っていたのだけど、ミキシングホワイトを使うのは今回が初めて。チタニウムとジンクの中間の性質を持ったホワイトのようだ。色のコントロールがしやすい。これでもう少し練りに硬さがあるとベストかもしれない。すこしレギュラーゲルを混ぜて絵の具にボディをあたえてやると具合が良い。
月曜日には完成の予定。なんとか仕上げないと。
ランキングアップに協力よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:44
2006年4月19日
GOLDEN ACRYLICS 02
昨日から、サンプルでいただいたGOLDEN FLUID ACRYLICSを試している。従来のアクリル絵の具に比べて、粘度が低く伸びが良いのが特徴である。実際、パレット上に並べてみると、粘度が大きく違うことがよくわかる。
ちなみに、GOLDENはアメリカで開発された絵の具で、日本ではターナーが輸入販売を行っている。
左がFLUID ACRYLICSで、右が従来のアクリル絵の具(これはGOLDENではありません)。まるで下痢xxxと健康なxxxとか言わないように。柔らかいといっても水に溶いた絵の具のように流れることはなく、適度な粘性を持っている。容器も従来のチューブではなく化粧品の瓶のようだが、適度に絵の具を出すことが出来て試行錯誤の後が伺える。
この絵の具を使って、ある恐竜展のポスター原画を制作しているので、そのプロセスとともに紹介していきたい。
支持体はパネルに水張りしたアルシュ(極細目)。鉛筆で描いたエスキースをトレースし転写した後、カラーインクで線描を起こしイエローオーカを全てに塗ったところ。さらにその上からテクスチャーをつけるために、レギュラーゲル(セミグロス)とグレージングリキッドを混合した物を、画面に置いていく(絵の具を置くという表現は、油絵などの場合よく使います)。透き通るので下地のイエローオーカには影響なく、画面に凸凹をつけることができる。
この写真で、どれぐらいの凸凹がついているか分かってもらえると思う。変化を付けるため、豚毛の硬い筆で色々な方向にタッチを入れている。
部分的にテクスチャーをつけた後、セルリアンブルーディープで画面全体を塗る。このときにも、非常に均質に絵の具が伸びてくれるのを実感する。通常のアクリル絵の具では、なかなかここまで綺麗に塗ることは難しい。
後ろに見えるのが、エスキースの鉛筆デッサン。テクスチャーをつけた部分と紙の部分で、吸湿性に差があるため、絵の具のしみ込み方による色の変化がある。これは想定していたことなので、気にせず次へ進む。また、この画面の不均質さが面白さへとつながっていく。
ディロフォサウルスの頭部を描き込む。画面にテクスチャーがあるため、皮膚の凸凹した感じを表現しやすい。こういった下地は繊細な描き込みにはむかないが、生物の生き生きした感じを、偶発的なテクスチャーと相まって再現できることがある。
この絵の具を使ってみるまでは、粘度の低さから透明水彩のようなものをイメージしていたのだけど、これはまったく違う物であった。むしろ、油彩に近い。それも樹脂油を多く使う、古典技法に近いものだと感じている。油彩の古典技法は透明色を重ねていくことで絵を完成させていくのだが、濁りが少なく、透明感のあるFULUID ACRYLICSは、古典的な繊細な描写に向いているのではないだろうか。今回、初めて使った色にQuinacridone Goldという色があるのだが、これはパレットに出した瞬間、ちょっと興奮するほどに新鮮な驚きがあった。油彩で使うコパール樹脂で溶かれた茶系の絵の具のように、輝いて見えたからだ。薄く伸ばしても美しい発色をする、赤みを帯びた褐色(正確には違うかもしれないが)の絵の具である。他には代用の利かない貴重な色彩であると思う。
また、FULUID ACRYLICSは乾燥すると通常のものよりも硬く、乾燥も速い傾向があるようだ。これはもう少し、使ってみないと確実なことはいえないが、乾燥したアクリル絵の具のぶよぶよとしたビニールのような感じよりも、硬質で僕は好きである。
まだ一日しか使ってないが、雑感としてはこんな感じである。
これからも、制作のプロセスとともに、レポートしていきます。
ポチポチっと応援お願いします。
投稿者 corvo : 10:18
2006年4月18日
Euoplocephalus skeleton & living body 03
骨格図完成。寝る前に出来ていたのだけど、今朝起きてから微調整をし、今のタイミングでアップ。
大きな恐竜ではないが、ひとつひとつの骨が大振りで、比較的描きやすかった。尻尾の骨も少なく、全体に作業量もすくないかもしれない。竜脚類のような尻尾の場合、単純な形の繰り返しではあるのだけど、けっこう堪える。
全長は約6m。後肢に比べて、前肢が短く、少し前下がりの姿勢をとる。
分厚く、堅い骨で覆われた頭蓋。首には、帯状に一体化した装甲があり、急所を守っている。
背中の部分の装甲。板状につながっているように描いているが、実際は小さな装甲が集まり鎖帷子のような、多少の柔軟性を持っていたと考えられる。
非常に幅の広い骨盤。後肢も長く、大きく強い筋肉がついていたと思われるが、この重そうな体で速く動けたとは思えない。過去にはこんなsilly talkも。
尻尾の先に、大きくこぶ上になったこん棒のようなものがある。これを勢い良く振り回せば、強力な武器になっただろう。ただし、積極的に自分から攻撃するというよりも、防御のために使ったと思われる。
ひとつお知らせを。
友人である造型師の竹内信善君が、東京で個展を開催します。
「竹内信善恐竜作品展」
2006/4/25(火)〜4/30(日)
12時〜20時(初日14時から/最終日17時まで)
ギャラリースペースキッズ
107-0062 東京都港区南青山2-7-9
03-3423-2092
時間のある方は是非、「恐竜の科学展」と合わせて立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
時間に追われています。ポチッと応援、よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 11:27
2006年4月16日
Euoplocephalus skeleton & living body 02
これも昨日の作業。
竜脚類に次いで好きなのが、この鎧竜。恐竜のなかでも、とびきり変わった形をしている。
どういった食性だったのか、どんな環境を好んでいたのか、どうにも想像ができない。大きなくちばしを持つが、歯がものすごく貧弱で、固い植物を食べることが出来たとは思えない。もちろん、肉食に適応した歯ではない。
これもいつも通り、転写した後、カラーインクで作業。俯瞰した角度で描いたのは、この恐竜の特徴がもっともよくわかると思ったからである。以前に描いた、サイカニアと同じ仲間である。
体中を装甲が覆う。体半分は肋骨がわかるように、装甲を配置していない。
何度見てもおかしな形態の動物なのだけど、たまらなく魅力的だ。
こんな愛くるしい鎧竜に、ポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 23:33
Corythosaurus skeleton & living body 02
昨日、作業した分をアップ。
今、3点を同時進行で進めているので、作業机がいつも以上に煩雑になってきた。それぞれ使用する資料が違うので、いちいち片付けながら描かなくてはならない。ちょっと面倒。
イラストボードに転写した後、セピアのカラーインクで陰影をつけていく。いつもどおり。
アロサウルスやティラノサウルスなどの獣脚類と比較すると、脊椎が大きく湾曲している。また神経棘突起が非常に高く、骨化した腱で固定されている。
発見された状態では、大きく首がカーブしているのだが、靭帯の強い収縮によるものという考えから、比較的ゆったりと伸ばした復元とした。あまりに強く首が曲がっていると、口を地面に近づけることが困難で、水を飲んだり、食べたりすることが難しくなってしまうだろう。僕自身、まだ確信が持てないところなので、あまり自信のある意見ではない。
応援、よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 22:10
2006年4月13日
Euoplocephalus skeleton & living body 01
今日は、同時並行でエウオプロケファルスも始める。
エウオプロケファルスは鎧竜の仲間で、体中に重厚な装甲に覆われた特異な姿をしている。骨格の状態が分かるように、今回は半分だけ装甲が着いた状態で描く予定。もちろん、生体復元では全ての装甲を描く。
亀ともまったく違う姿。防御のための装甲だけでなく、尾の先にはこん棒がついていて、肉食恐竜への反撃に使用していたかもしれない。
非常に横幅の広い体型だが、他の恐竜と同じように、脚は地面に対して垂直に伸びる。
今日はさらにもう一点、平行で進めている。これはある地方博物館の恐竜展のためのポスター制作。
一つ問題があって、竜脚類が登場するのだけど、監修者の意向で首をあげなくてはならない。しかし、描いているとストレスがたまる。竜脚類の首を高く上げる姿勢が、いかに不自然なことかを実感する。
不本意ではあるけど、このままで進める。見れば見るほど、不自然でおかしな物に見える。
抵抗の意味もこめて、幼体は首を上げない姿勢で復元。これが正しいはずだ。
ディロフォサウルスも画面上に登場する。全体はまだお見せすることは出来ないので、もうしばらくお待ちください。
応援、よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 22:14
Corythosaurus skeleton & living body 01
今日からコリトサウルス。ハドロサウルスの一種で、全身が良く知られている恐竜のひとつである。
いつものように、まず鉛筆でエスキースを制作する。
ケント紙に鉛筆(HB、B)。
コリトサウルスは全身の骨格だけでなく、筋肉や皮膚などの軟組織が保存された、ミイラ化石が良く知られている(これは本当の話です)。画像に映っている論文は、アメリカ自然史博物館のサイトからダウンロードすることができる。興味のある方は是非。(corythosaurusで検索すれば、すぐに見つかります)
前回のアロサウルスと比較すると、かなり骨格の特徴に違いがある。肉食と植物食の違いがあるので、当然と言えば当然だが興味深い。
気が向いたら、ポチポチッとお願いします。
投稿者 corvo : 21:48
2006年4月12日
Allosaurus skeleton & living body 06
アロサウルスの生体復元画、完成である。
今回の制作は、かなり苦しかった。疲労が限界に近づいてきていることもあって、どうも筆先の切れが良くなく、目の疲れにも悩まされた。どうにかこうにか、ここまでこぎつけた感じである。尻尾の模様は、ニヤゾフさんのリクエストどおりアカマタを採用。
頭部のディテール。けっこう派手な配色になっている。
人間、疲れがたまってくると何をするか分からないものである。
完成して安心したのか、とんでもないことをしてしまった。先日のアフロサウルスがいけない。頭からこびりついて離れない。ちょっとぼおっとしながら最後の仕上げをしていて、はたと気づくと目の前にとんでもないものが!
もう頭がくらくらする。今までの苦労はなんだったのか。これを修正して消すとなると、あと何時間浪費しなくてはならないのか・・・・・・
ま、当然、信じませんよね。アフロサウルスでした。
ポチッとお願いします。
投稿者 corvo : 00:27
2006年4月11日
科博取材→インフォーマルセミナー→飲み会
10日、月曜日は午後から科博で撮影取材。今やっている出版社の仕事のためで、カメラマンが撮影に入るということだったので、便乗して閉館中の展示室に入れてもらうことになった。この日のために、急いでデジタル一眼レフを買ったようなもので、大いに活躍してくれた。
これまでは、コンパクトデジカメの広角側をよく利用していたのだけど、どうしても標本に近づけない場合が多いため、ディテールまできっちり撮ることができなかった。今回は望遠ズームも持っていったので、今まで気づかなかった細部まで、観察することができた。望遠レンズはあまり好きではなかったのだけど、こういった場合は本当に威力を発揮する。
E-330 ZUIKO DIGITAL 35mm f3.5 MACRO
パキケファロサウルスの横顔。望遠レンズは被写界深度が浅いため、写したい対象だけをきれいに表出してくれる。(これは中望遠レンズです)
E-330 ZUIKO DIGITAL 40mm-150mm f3.5-4.5
ティラノサウルスは全身組み立て骨格なので、口の位置ははるか頭上である。こんなときにも望遠レンズがあると、間近に観察することができる。楽しい。もっと早くに買うべきだった。
写真やカメラのことをカメラマンの方と、色々話をすることができて楽しかった。デジカメでの撮影だったのだけど、以前に比べて大変になっているということである。フィルムであれば撮影が終わったあと、現像ラボに出して出来るまでの2時間ぐらいはぼおっとできたらしいのだけど、デジタルの場合は全てを自分のところで処理をするので非常に忙しい。大量に撮影した場合、パソコンに取り込むのにも結構な時間がかかるし、RAWで撮影するとデジタル現像処理の行程が増える。ファイルサイズが大きいと、いくらパソコンが高速になっているとはいえ、画像を表示するのにも時間がかかる。
ポジフィルムであれば、ライトボックスの上に並べていけば、素早くルーペでチェックできたのが、パソコンだと一枚一枚大きく表示するのに待たされるし、並べて細部まで見比べることが難しい。撮影後すぐに仕上がりをチェックできるメリットはあるのだけど、プロであるカメラマンにしてみれば、フィルムであっても出来上がりのイメージは撮影中にできているので、それほど大きなことではないということだった。クライアントが、その場でチェックできることに、一番大きな意味があるのだろう。
そうであるなら、フィルム撮影のときよりも、ギャラや経費は高くなるのが自然ではないだろうか。いまや、カメラマンがやらなくてはいけない作業は、膨大に増えているのである。
夕方から、科博分館に移動して、インフォーマルセミナーに出席。僕の英語力は大変お粗末なものだが、それにしてもさっぱり分からない話だった。最大の原因は八割方、睡魔に屈服していたということなのだけど、スライドショーの図が小さく、原稿読みに終始していたため発表全体に抑揚がなく、とにかく聞いているのがつらかった(正確にはほとんど聞いていなかったのだが)。英語の抜群にできる、他の参加者にも聞いたところ、かなりの時間寝てしまったということだった。
やはり、人前で話すときは、原稿を読んではいけない。必要なら暗記して、参加者の顔を見ながら話すべきだろう。そうでないと、どんな言葉も届くことはない。
その語、友人たちと大久保の沖縄料理屋で会食。美味かった。
E-330 ZUIKO DIGITAL 35mm f3.5 MACRO
おなじみの豚足。最後は沖縄そばでしめてお開きとなりました。
いつもありがとうございます。ポチッとよろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:13
2006年4月 9日
Allosaurus skeleton & living body 05
アロサウルスの続き。
画面が逆さまなのは、筆の入る方向で描きやすい方向があるから。制作中は、けっこう頻繁に画面をぐるぐるまわす。
ちょっと写真の色が悪くて申し訳ないのだけど、現在のディテールはこんな感じ。皮膚の皺、たるみを描き込んでいく。毎回、うろこを描くのはしんどい。
コメントに、「こんどはアロサウルス・・・一瞬アフロサウルスと読み間違えてしまいました!(笑)」
とあったので、とりあえず描いてみた。
時間がないのに、ついつい。
ちょっとスケジュールを組み立て直さないと、いまどれぐらい進んでいるのか分からなくなってきた。
冷静にならねば。疲労が蓄積しているので、焦りは禁物。ぎりぎりまで、時間は有効に使っていきます。
投稿者 corvo : 23:08
Allosaurus skeleton & living body 04
昨日は午後から出かけていたので、昨日の午前中までの段階をアップ。
いつものように、セピアのカラーインクで陰影をつけていく。
少し寄ったところ。
いまは、アクリルで細部を描き始めている。後ほどアップします。
投稿者 corvo : 13:29
2006年4月 7日
Tyrannosaurus skeleton 04
昨日はアロサウルスを一時中断して、ティラノサウルスの骨格図に掛かり切り。これは以前にも紹介したもので、恐竜の科学展のポスターにも使われているものなのだけど、上面からの骨格図を今回新たに描き加えた。
B2サイズのイラストボードに、ロットリングの0.2mm。縮尺は1/20で描いている。
頭部のアップ。側面図。
頭部のアップ。上面図。
なぜ、急いで制作したのかというと、これをもとにシルクスクリーン版画を作るためだ。もちろん、恐竜の科学展に間に合うように、制作しなくてはならない。原画の大きさのままで版画にするとサイズが大きすぎるため、骨格図の縮尺を1/25とし、B3の紙のサイズに収めたいと思っている。
100部限定で、シートのみが22050円(税込み)、額装つきが36750円(税込み)という価格を考えている。
現物は会場で見ることが出来るので、興味のある方は是非、ご覧になってください。
家の周りの桜も、随分散ってきた。歩道は花びらの絨毯のようになっている。最初は綺麗で良いのだけど、しばらくすると枯れて茶色く変色し汚くなってしまう。
花に混じって、ちらほらと葉も見えてきた。満開の桜は、来年までお預け。
ランキングはあまり伸びず、落ち着いてきました。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:14
2006年4月 5日
Allosaurus skeleton & living body 03
アロサウルスの骨格図、完成。
BBケント紙細目イラストボードに、アクリル、カラーインク。
頭骨から頸椎の部分。頸椎の数はティラノサウルスと同じだが、その柔軟性には大きな違いがあったと思われる。ティラノサウルスの場合は、個々の骨ががっちりと組み合わさり、可動範囲はかなり制限されていただろう。一方のアロサウルスは、一つ一つの頸椎がティラノサウルスに比べて長く、柔軟に動かすことができただろう。
前肢。指は三本だが、それぞれの指の特徴は大きく違う。第一指が一番大きく、関節も少ない。
今回、腹肋骨を描いていないが、おそらくあったはずである。
今週末までに、生体復元図を完成できると良いペースなのだけど、どこまで出来るか。出来るだけ早め早めに完成させていきたい。
投稿者 corvo : 23:03
Allosaurus skeleton & living body 02
明日は、昼間打ち合わせで出ていため、帰宅後に作業。
エスキースをトレースして、イラストボードに転写した後、セピアのカラーインクで陰影を描写していく。いつもと同じプロセス。
詳細な資料があるほど、どうしても細かく見てしまい時間をかけてしまう。でも、この方がストレスが少ないので、気持ちよく作業は進む。少ない資料、不明瞭な図版などを参考にするときは、本当にストレスがたまる。
途中までカラーインクで描いたところ。今日、午前中までに、全身の陰影をつけてしまう予定。
頭部周辺のディテール。アロサウルスはティラノサウルスに比べて知名度は低いかもしれないが、資料の充実度では比較にならないほどそろっている。
さて、今日のうちに骨格図を完成させることができるか。
投稿者 corvo : 10:02
2006年4月 4日
Allosaurus skeleton & living body 01
月曜日から、アロサウルスを始める。
これまでエスキースをコピー用紙に描いていたのだけど、今回からケント紙で制作することにする。この方が、より緊張感が高まるのと、紙が多くの要求に応えてくれる。
アロサウルスは発見されている個体数も多く、全ての骨の部位の情報があるといってもよいほどである。記載論文の図版の質も非常に高く、気持ちよく描ける。難点は、近くの博物館で、その組み立て骨格を観察できないことであろう。
ケント紙に鉛筆(HB)。これをトレースして、明日から着彩に入る。ただ、昼間は都内で打ち合わせがあるため、それほど進めることは出来ないかもしれない。だんだんスケジュールがきつくなってきた。
頑張ります。
ポチっと応援、よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:02
2006年3月29日
Diplodocus skeleton & living body 05
今回は「有言実行」、生体復元完成である。
また手を入れるかもしれないけど、とりあえず出来上がった。
画面の中での、ディプロドクスの占める面積が小さかったのも、早くし上がった要因であろう。描き込むには、少しちいさいのだけど、掲載される誌面の大きさを考えると、必要にして十分なサイズである。
頭も小さく、十分に描き込めたとはいえないのだけど、もともとは虫類には表情筋がないので、あっさりとした描写になっている、
長大な消化器官を収納するように、胴体はでっぷりとしている。
後ろ足には、厚いパッドがあったことが、足跡の断面から分かっている。とくに踵のほうが深くなる。このことからも、重心が後ろ足に寄っていることが分かる。地面にめりこんだ、足裏のパッドを表現するため、このような描写になった。
これから、別件をもう一仕事。まだまだ終わりません。
もうひと頑張り、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:41
2006年3月28日
Diplodocus skeleton & living body 04
今日から生体復元。少しペースダウンかな。
明日、フィニッシュの予定。
カラーインクのセピアと、ローシェンナでざっと立体感をつけたあと、アクリルで描き込んでいく。もともとが大きな恐竜なので、この大きさでは体表のうろこはほとんど判別できないだろう。
胴体のディテールから始めている。ここのボリューム感が大事。どうしても横に長いため、画面の中で小さくなってしまう。それでも重量感と、巨大さは表現したい。
明日はペースアップします。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 23:19
Diplodocus skeleton & living body 03
今回は早いです。
ディプロドクスの骨格図が完成。
画面に収めるため、尻尾を少し無理にあげている。ここまで柔軟に動かなかったかもしれない。
頭部のまわりのディテール。きわめて小さな頭に、貧弱な歯。
胸部のディテール。左右の肩甲烏口骨は、触れ合うような位置で関節している。四足歩行するほ乳類の肩甲骨は、左右が独立して柔軟に動かすことが出来るが、恐竜は左右の肩甲烏口骨は動かさなかったと考えられる。重心も後ろ足にあり、ほ乳類とは全く違うバランスを持った生物である。
前足に比べて、後ろ足が極端に大きい。この点からも、後ろ足が大きな加重を支えていたことが分かる。
明日(今日か?)から、生体復元をスタート。
来たついでに、ポチッとお願いします。
投稿者 corvo : 00:33
2006年3月26日
Diplodocus skeleton & living body 02
今日のところは、ここまで。
イラストボードへ転写した後、セピアのカラーインクで、陰をつけていく。使用する筆は、イタチ毛の面相。
セピア一色なので、あっさりした描き込み。
ここのところ画像ばかりで、あまり文章が書けてません。ちょっと余裕がなくなっているかも。
気をつけなくては。
投稿者 corvo : 23:55
2006年3月25日
Diplodocus skeleton & living body 01
今日から新しい恐竜をスタート。今回はディプロドクス。
竜脚類の中では、アパトサウルスのほうが好きなのだけど、出版社、監修者との打ち合わせでディプロドクスに。アパトサウルスとプロポーションに違いがある程度に思っていたのだけど、論文の図版を仔細に見てみると、別属であることが分かる。
コピー用紙に鉛筆でエスキースを制作。竜脚類はとても好きなので、スムーズに描ける。
胴体部分の描写。何度も線を引き直しながら、形を探っていく。
今日は、もう休みます。ポチポチっと押してくれると嬉しいです。
投稿者 corvo : 23:06
2006年3月24日
電車吊り広告デビュー「恐竜の科学展」
今日は午後から都内へ出かける。妻と行く予定だったのだけど、妻は体調が優れず断念。一人で色々と廻ってきました。電車に乗ったところ、前々回のエントリーで書いた通り、山手線の車内に、「恐竜の科学展」の広告を発見。吊り広告デビューです。
これが山手線の広告。鉄パイプに阻まれて、全体が見えません。
山手線だけだと思っていたら、千代田線にも。一番良く利用する地下鉄なので、なんだか嬉しいです。
イベント開催まで、ほぼ一ヶ月。諸々のことと合わせて、準備をしなくてはいけないので、どんどんスケジュールが詰まってきました。頑張ります。
ポチポチっと応援、よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 22:52
プロ野球中継
先日までのWBCは試合内容も良かったのだけど、中継の方法、カメラの位置など、随所に工夫が見られて、とても楽しめた。しかし、なんといっても大きかったのは、1回表から9回裏まで全て中継していたことだ。
これが日本のプロ野球中継ではなされていない。サッカーの試合であれば、必ず試合開始から、終了まで中継する。もちろん90分と試合時間が決まっているため、放送のスケジュールもたてやすいと思うのだが、野球が重要なコンテンツだというならば、きちんと最初から最後まで見せてほしい。
現実は番組が始まると3回ぐらいまで試合が進んでいて、時間が来ると8回でも中継は中断される。
今日、フジテレビのスポルトを見ていて、プロ野球中継についての特集があったので思いついて書いているのだけど、スタッフたちは異口同音に、魅力あるプレーをしてくれれば人気は戻ってくると言う。それ以前に、ちゃんと中継をしていないのはあなた方だろうと、突っ込みをいれたくなる。
アメリカの中継でもうひとつ感心したのは、少しカメラが引き気味で、広い範囲が見渡せる。それぞれの選手の動き、守備の連携が分かって面白い。一方、日本の中継では、個々の選手にカメラが近づきすぎて、プレーの全体が見渡せない。野球の守備は、ボールがとんでこなかった選手も、バックアップなど様々な重要な動きをしている。これは、サッカーの中継にも言えるかもしれない。団体競技なのだから、全体の動きが分かる中継を工夫してほしい。
なんだか、夜中に思いついて書いてしまった。もう寝ます。
投稿者 corvo : 00:19
2006年3月23日
Stegosaurus skeleton & living body 06
ステゴサウルス、生体復元図完成。
今回も派手め。BBケントのイラストボード(細目)に、アクリルとカラーインクで制作。
尻尾のとげ。かなり大きく立派である。強度もかなり高かったらしい。しかし、尾椎の先の方についているので、とげ自体に強度があっても、尻尾がどれぐらい衝撃に耐えられたか疑問がある。
頭部。喉の下から、頸にかけてびっしりと保護のための装甲がある。
背中の板の役割はよくわかっていない。ディスプレイ的要素が大きかったと考えて、派手で目立つ色にしてみた。わざわざ体温管理のために使っていたとは、どうも思えないのだけど。
ここまででようやく3種。あと7種、さくさく描いていかなくては。
東京大丸でゴールデンウィークに開催される「恐竜の科学展」の広報が、ぼちぼち始まっているようです。
明日から、山手線の中で吊り広告が掲示される予定です。(と聞いています)
見に来たついでに、ポチっとお願いします。コメントもお気軽に。
投稿者 corvo : 21:06
Stegosaurus skeleton & living body 05
昨日、22日中には完成といったのだけど、出来なかった。これでは「有言不実行」である。
そこで、今の状況をアップ。明日は背中の板を中心に完成まで持っていく予定。うんと派手な板にしようと思う。
胴体から尻尾にかけては、ほぼ完成に近づきつつある。骨格の特徴から、腰の周りの立体の造型は複雑で、描いていて楽しい。光のあたり方で変化していく、面の移り変わりをウロコを表現しながら、追いかけていく。
頸周り。頭部は、まだ全然手をいれていない。眼も描いていない。
ちょっと時間がかかってしまっているが、いい感じで進んでいる。
近所に、定期的に通っている接骨院があるのだけど、いよいよ右手に腱鞘炎の症状が出てきた模様。長時間、制作していると親指の付け根と、関節にぴりぴりとした痛みが出てくる。午前中、親指に灸を据えてもらったところ、非常に調子が良くなり、効く物だということを実感。毎日、するわけにもいかないので、しっかりケアーをしつつ、ハードに仕事をこなしていかなくては。
投稿者 corvo : 01:55
2006年3月22日
Stegosaurus skeleton & living body 04
前回のエントリーで書いた通り、WBC観戦のため、あまり仕事が進まなかった。
これが、21日昼間の状態。筋肉を意識しながらカラーインク陰影をつけ、中間色のイエローオーカをラフに塗ったところ。背中の板は角質の鞘で覆われていたと思われるので、骨の状態よりもさらに長く伸びている。
今日(21日)はここまで。22日中に完成させてしまいたい。
少し寄ったところ。まだまだこれから描き込む。
投稿者 corvo : 01:35
2006年3月19日
Stegosaurus skeleton & living body 03
今日のWBCの結果には大満足。6回までは、ミスでチャンスを潰す重苦しい展開だったが、7回のビッグイニングで一気に試合が決まった。素直に嬉しい。良い気分で、テレビ観戦しながらの制作。筆も進む。
そして、ステゴサウルスの骨格図が完成。
BBケントのイラストボード(B3サイズ)にアクリルとカラーインク。カラーインクはセピア。アクリルは、チタニウムホワイト、ローアンバー、イエロオーカ、ローシェンナ、マルスブラックを使用。
背中の板のディテール。溝と凸凹のテクスチャーがある。
頭部のディテール。喉にびっしりと、装甲板が集まっていて鎖帷子(くさりかたびら)のようである。
気が向いたらクリック、よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 22:49
2006年3月18日
Stegosaurus skeleton & living body 02
この週末は、WBCとF1が楽しみ。メキシコの勝利で、思いがけず巡ってきたチャンス。今度こそ韓国に打ち勝ってほしいと思いながら、明日はテレビ観戦する予定。そして、夜はマレーシアGP(実際はもっと早い時間に行われるはずだけど)。
今日はステゴサウルスの続きを始める。鉛筆のエスキースをイラストボードに転写して、カラーインクで彩色していく。
セピアのインクで、陰影をつけた状態。
まだ、あっさりとした描写である。ここからアクリル絵の具で、明部を中心に描き起こしていく。現時点で、1/3ほどアクリルで描き起こしたので、明日のblogでアップする予定。出来れば完成まで持っていきたい。
ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 23:56
2006年3月16日
Stegosaurus skeleton & living body 01
一日開いてしまった。
昨日はステゴサウルスの資料をチェックしながら、使える図版を探す作業。夕方6時30分から自宅にて、大丸のイベントの打ち合わせ。その後、行きつけの料理屋で食事をし、久しぶりに少々飲み過ぎた。
今日から、ステゴサウルスのエスキースを描き始める。
国立科学博物館に展示してある標本をもとにしているのだけど、椎体の数がThe Dinosauriaでは頸椎10個、胴椎16個、仙椎5個、尾椎46個となっている。実際の標本で数えたところ、頸椎11個、胴椎15個、仙椎4個と微妙に違う。今回の骨格図の角度だと、厳密に椎体の数を表現することはできないのだけど、The Dinosauriaの数をもとに描くことにする。
標本の場合、変形やどこまで発掘されたものかわからない部分もあるので、論文のデータが重要になる。
相変わらず、資料が散乱している。
まだ修正の余地があるかもしれないが、それなりに「しっくり」きている。
これも、ステゴサウルスを中心に研究している学生に意見を聞く予定である。
応援、よろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 18:16
2006年3月14日
Triceratops skeleton & living body 11
昨日は朝から税務署へ。いくつもりだったのだけど、最寄りの駅で降りると、構内で臨時の提出所があるということ。申告書は出来上がっていたので、並ぶこともなく提出することができた。税務署までいくのに、駅から徒歩10分ぐらいかかるので、大幅な時間の短縮ができて、とても助かった。
来年は、もっと早く出すこを目標にする(と毎年、心に誓っているのである)。
その後、上野の科博へ打ち合わせと取材に。月曜日で休館日なのだけど、研究のために標本を見に来ている学生たちに便乗させてもらい、今回も多くの資料写真を撮影することができた。このトリケラトプスの復元でお世話になっている藤原君も来ており、他の学生も交えていろいろ議論することができた。
トリケラトプス、今日ようやく完成。
これほど派手な模様を描いたのは、初めてかもしれない。
目の周りのディテール。つぶらな瞳。
巨大な嘴である。植物食と想像される恐竜ではあるが、この嘴があれば肉や骨でも簡単に切断できるかもしれない。角と合わせてみても、とてもおとなしい動物とは思えない。
特に前脚の復元が、今回のポイントのひとつである。動物を描くときも、人間を描くときも、末端の描写にとても気を使う。どんなに中心がよく描けていても、指先まで神経が行き届いていなければ台無しになってしまうからだ。
さて、次はステゴサウルスか、ディプロドクスの予定。
完成を祝って、ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 19:14
2006年3月13日
Triceratops skeleton & living body 10
今日、生体復元は完成することができなかった。
途中までの状況をアップ。
夕方までで、こんな感じ。
頭部まわりを、中心に進める。色は地味だが、ちょっと派手めの模様。形が似ているというだけで、エボシカメレオンを参考にしている。
これが、今の段階。あと半日はかかるだろう。でも、月曜日は朝から確定申告の提出と、昼から上野の科博で打ち合わせがあるので、ほぼ一日出かけなくてはいけない。
アロンソ、優勝。琢磨、完走おめでとう。最初に積んでいる燃料の量がわからないので、レースの終盤になるまでさっぱり順位が見えてこない。燃料給油はやめてほしいのだけど。
ケケの息子がすごい。ここまでやるとは、ニコ・ロズベルグ。
ポチポチっと、応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 01:33
2006年3月11日
Triceratops skeleton & living body 09
昨日と違って、とてもよい天気。気温もたかく、ぽかぽかして気持ちがいい。
骨格図が完成したので、次に生体復元を始める。
筋肉を意識しながら、陰影をカラーインクでつけていく。
すこし、拡大。ちょっと皮膚を剥いだ感じの描写になっている。今回は何色にするか。
リクエストありますか?
投稿者 corvo : 15:17
2006年3月10日
Triceratops skeleton & living body 08
今日は朝から夕方まで、都内で打ち合わせ。いろいろと話が盛り上がり、予定時間を大幅にオーバーして終了。また、新しいプロジェクトが始まります。
帰宅してからトリケラトプスを仕上げる。昨日の疲れが残っており、もうひとつ筆先に切れがないがなんとか完成。
昨日の画像はデジカメで撮影したもので、少し形が歪んでいる。今日はスキャナで取り込んでいるので、これが正しい画像。
頭部。
さらにディテール。嘴の部分。
ちょっと疲れました。今日も、ポチポチっとお願いします。
投稿者 corvo : 20:55
Triceratops skeleton & living body 07
今の時間まで頑張ったのだけど、これが限界。
これ以上は手の動きの精度が落ちるので、明日に持ち越す。特に最後の仕上げに手元が狂うと、結果がよくない。
もう少しで完成するところまで来ている。ここから、より丁寧な仕事をしていきたい。
頭部のディテール。トリケラトプスの頭骨には、溝が多くテクスチャーが複雑で、描写に時間がかかってしまった。
前肢、今回の復元の肝の部分である。
さすがに体がきつい。これからゆっくり休みます。
応援、よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 02:45
2006年3月 9日
Triceratops skeleton & living body 06
転写が終わった後から、カラーインクのセピアで立体感をつけていく。
ここまでで15分ぐらい。エスキースでしっかりと形態をりかいできているのと、トレースした線があるので、スムーズに手早く進めることが出来る。
夕方、カラーインクでのプロセスが終了。ここからアクリル絵の具で、明るい部分を重点的に描き起こしていく。
今晩中に仕上がるかどうか。やれるだけやってみよう。
頭部のディテール。まだまだあっさりとしたもの。
投稿者 corvo : 17:46
Triceratops skeleton & living body 05
今朝、どきどきしながらメールをチェック。藤原君からメールが来ている。
「第4案のトリケラトプスについて
全体として、すごくいいですね! 最高だと思います。
ここまで現在の藤原のイメージするトリケラトプスに近い復元はないかもしれま
せん。私は以前、このアングルでの肋骨の復元を描こうとしてみましたが、私に
はどうも難しすぎて挫折しました。すごいです。かなり気にいっています。
このあとのコメントはどうしても重箱の隅つつき的なものになってしまうのです
が、そのへんはご勘弁願います。全体のアウトラインに関しては、小田さんの復
元で異論はありません。」
といううことで、このエスキースをもとにすすめることにする。これから着彩。
当然、この文の後についていたコメントを参考に、細かな修正を加えていく。
今回は、本当に藤原君に感謝。骨格図が出来上がった後に、生体復元も描くので、筋肉のつき方などチェックしてもらう予定である。だいぶスケジュールがおしてしまったけど、これからペースアップしてがんがんいきます。
いつものようにトレーシングペーパーでアウトラインをトレースする。その後、イラストボードへ転写。使用するイラストボードはBBケントの細目で厚さは1mm。
どんどんアップしていくので、応援よろしくお願いいたします。ポチっと!
投稿者 corvo : 11:50
Triceratops skeleton & living body 04
今日もほぼ一日、トリケラトプスにかかりきり。
前回のエントリーで書いたように、藤原君からのコメントをもとに、修正版を描いていたのである。
今回はかなり「しっくり」きているのだけどどうかな。明日の朝のメールを開くまで、どきどきである。
トリケラトプスは真上からみると、なす型というか、水滴型をしており、腹部の幅が著しく大きくなる。この特徴を、この角度から表現し、形態を理解するのに時間がかかってしまった。
復元画の制作は、これまで紹介してきたように、とても時間のかかるものなのだけど、時間がないときほど準備にコストをかけるべきだと思っている。焦って見切り発進すると、たいていの場合、失敗することが多く、また振り出しに戻ってしまうということがよくある。
準備の段階をしっかりとやっておくと、フィニッシュワークを短い時間で仕上げることが出来る。やはり段取り八分は真理であると実感する。
今日、管理画面のトラックバックをみると、なんだか気になるものが「日本画家」。見に行ってみたのだけど、まったく要領を得ないというか、不思議なコンテンツなのだけど、正直、気持ち悪さがある。「天才」らしいのだけど、どうなんでしょ。
いつも読んでいただきありがとうございます。応援、よろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 00:19
2006年3月 8日
Triceratops skeleton & living body 03
今朝、メールをチェックすると、藤原君からメールが届いている。
今日も全面的に描き直し。今度は貴重な情報とともに、スケッチを添付してくれている。彼は絵を描いたり、粘土で造型することが趣味なのだけど、これがなかなかうまい。情報が良く整理されており、さらに理解が進む。特に、機能形態や化石を扱う研究者には、優れた観察力が不可欠であると思う。僕のまわりでも、絵が得意だったり、好きな研究者が多い。
記憶が不確かなのだけど、バージェス動物群の研究者として知られるサイモン・コンウェイ・モリスが、著書の中で古生物学者にはデッサン力が必須であるということを書いていたと思う。恐竜研究のビッグネームの一人であるポール・セレノも、もともとは美術を専攻していたらしい。
トリケラトプスという生物のコンセプトを、ようやくつかめてきたかもしれない。
朝から、メールと送ってくれた図版を参考に、スケッチを何度も繰り返す。
一番手前のものが、今描いているもので、だいぶ形になってきた。
良い感じ。感覚的な表現なのだけど、「しっくりくる」というのは、復元において重要だと思っている。昨日までのものは、どうにも生物らしさにかけるかもしれない。
頭では立体を理解していても、平面に描くというのは、とても難しい作業である。僕自身、自分のイメージしたものを、まだ100%描けるわけではない。このずれを埋めるために、もっと上手くなりたいと思うのである。
気が向いたらで結構なので、ぽちぽちっとお願いします。
投稿者 corvo : 14:11
2006年3月 7日
Triceratops skeleton & living body 02
トリケラトプス、大幅に修正である。
昨日の夜、 blogでも少し触れた知人の大学院生にメールで画像を送り、気になるところをチェックしてもらった。
結論から言うと、ほとんど全てにといっても良いほどである。彼は 藤原慎一君という、東京大学大学院の学生で、角竜を中心に恐竜の機能形態について研究をしている。おそらく、日本でもっともトリケラトプスの標本を、詳細に見ている人間かもしれない。
今日、修正版を朝から制作。途中で気に入らなくなり、午後からもう一枚描き直す。
まず、全体についてのコメント。
「1.全体のバランス
頭、もすこし大きく。胴、もすこし前後に短く。頭の長さとribcage(胸郭)
の長さがほとんど同じくらいに見えるような感じ・・・なんとなく、遠近感のせい
でしょうか、頭が小さく見えます。
前肢、もすこしごつく。後肢、もすこし短く。大腿骨と肩甲烏口骨の長さはほ
ぼ同じく100 cmなんで(レイモンド)、まぁ・・・これも斜め前から見てるから短
く見えてしまっただけかもしれません。
たしか、一昨年のSVPで、尾椎の傾きをもっと下方に傾けている方が正しいと
する説も出てきましたね。割と納得しています。小田さんの第一案の方がしっく
りくるかもしれません。仙椎の一番後ろは、結構下の方に曲がっているんです。」
「レイモンド」というのは、国立科学博物館に収蔵されている、右半身が関節したトリケラトプスの標本の通称である。
各部についてのコメントも的確でわかりやすい。以下、その抜粋。
「2.胴体の形状
左腸骨は腹側の面が見えている状態ですよね? コレの背側面が水平であった
としたらば(鎧竜みたく)・・・一番後ろの肋骨は真横に伸びます(横に3伸びて、
下に1下りるカンジです)。従って、恥骨ももう少し上の方に着くことになるで
しょう。腸骨と恥骨の角度はもう少し狭くなるということです。(中略)
肋骨全体のカーブ具合は・・・後でまとめて添付ファイルで画像を送ります。
ちなみに、仙椎に取り込まれた胴椎もいくつかあると思われます。その肋骨の
名残が、腸骨の前端と一番前の仙椎との間に見られます。
肋骨の数・・・頸椎9個、胴椎12個、仙椎10個とされています。肋骨は頸椎の7番
目から少し長く伸びてきて、8、9(レイモンド全身骨格のpr8, pr9)になると胴
椎の肋骨とほとんど同じ長さになります。従って、見た目の肋骨の数は15個くら
いになるのでは?
胴椎の神経弓、特に腸骨の前から肩甲骨のあたりまで、骨化した腱が発達して
います。これは描かれますか?
(中略)「Ostrom and Wellnhofer (1986): The Munich specimen of Triceratops
with a reversion of the genus. Zitteliana 14: 111-158.」がいいかと思います。
もっと直接的な資料としては、「恐竜学最前線Vol. 10」の4、5ページの見開きがい
いかと思います。
肋骨の角度、カーブの形状など、あと数も間違っていた。焦るとよくない。骨の数をカウントし、計測しながら制作するのだけど、焦りから仕事が雑になることがある。それ以上に、理解が足りなかったということもあるのだけど、このコメントでかなりイメージがスムーズに出来上がってきた。
「3.前肢
肩甲骨の位置。おそらく、レイモンドは肩が本来の位置から若干(肋骨ひとつ
分)ズレてますね。他の関節標本を見ると、肩甲骨の一番近位(一番後ろ端)は
私が第13仙前椎「p13」としてある椎体のあたりに来ます。しかも、その近位端
は肋骨の一番上の辺りにくるのでは? ここは、そのあたりの神経棘と菱形筋に
よって結ばれているはずなので、現生の四足歩行動物でもその傾向はわりとでて
いるはずです(レアとかエミュとかが例外・・・私の悩みの種です。今度解剖して
じっくり観る予定)。
結果、左右の肩甲烏口骨の位置はもう少し首を絞めるようなカンジで上に移動
することになるのでは? 左右の烏口骨、くっつけちゃってもいいかもしれませ
ん。肩甲骨と烏口骨の境界にある肩関節(glenoid)の位置は、肋骨よりもずっ
と前の方にあるはずです。ワニとか鳥でもそうですね。
(中略)結果的に、頭の位置がもう少し下がることになるかもしれません。
手に関して、ほとんど言うことはありません。ありがとうございます。ひとつ
だけ・・・小指(第5指)は後ろに飛び出させてほしいのです。撓・尺骨の長さだけ
だと、第1指から第4指までで占拠できてしまう長さですので、第5指が手首関節
に収まる余地がないんです。これは、鳥脚類にもあてはまることですね(例:ハ
ドロサウルス類、ヒプシロフォドン類)。ワニの手をイメージしていただけると
いいかもしれません。(中略)
上腕骨の形状が少し気になります・・・。関節する骨頭の位置が違うんでは? 」
上腕骨をもっと観察しなくては。絵に合わせた角度の写真を撮ってくるか、画像を送ってもらわねば。
肩甲烏口骨の位置が、四足歩行の恐竜の復元で、いつも悩みどころである。この位置の決定には、いつも頭を悩ます。
といった感じのやりとりをしながら、進めている。もっと時間があって、トリケラトプスだけを復元するのなら、もっと突っ込んだ議論と多くのスケッチが必要になってくるのだけど、とてもそこまではコストをかけられない状況にある。それでも、丁寧なコメントや、資料を送ってくれる藤原君に、とても感謝している。
これが修正版。椎体と肋骨はペン入れしてある。
今、この画像を送り、コメントを待っているところである。明日には、着彩の骨格図まで進めてしまいたい。
投稿者 corvo : 18:06
2006年3月 6日
Triceratops skeleton & living body 01
今日からトリケラトプス。まずは、骨格図から描き始める。いつものように資料が、どんどん広がっていく。
今回のポイントは前肢のつき方。直立型でも、は虫類型でもない。この学説は、知人の大学院生が今研究しているところで、論文になる前なので詳しくは書けないのだけど、僕自身は非常に納得のいく姿勢だと感じている。
このエスキース自体が、彼の考える姿勢になっているかどうか、確認しなくてはいけないのだが、すっきりとした自然な姿勢になったと思う。
制作が進むにつれて、資料が増えていく。
A3のコピー用紙に鉛筆。
blogを書いている途中で気になって修正。骨盤の角度と、尾椎を直す。
どちらにしても、おとなしめなポーズで、アクティブに走り回るようには見えない。
投稿者 corvo : 20:11
2006年3月 5日
Tyrannosaurus skeleton & living body 10
記念すべきエントリー300。
今日、ティラノサウルスの生体復元を完成。かなりのスピードで制作。できればもう少し時間をかけたいのだけど、そうも言っていられない。
骨格図と同じポーズ、サイズで制作。いつもながら使用する色は少なめ。おもったよりスマートな印象に出来上がった。
頭部のアップ。唇が厚く、あまり外側から歯は見えない。
後肢のアップ。ここはやはり鳥を参考にする。
この骨格図は、もう少し修正を加える予定。
今日はこれから確定申告の続きをやります。もう少し。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 15:55
2006年3月 4日
Tyrannosaurus skeleton & living body 09
ちょっと更新が開いてしまった。2日の木曜日は、国立科学博物館新宿分館で行われた、「パレオパラドキシア研究集会」に参加。3日の金曜日は非常勤講師の日で、今年度、最後の授業であった。
今日は朝からティラノサウルスの生体復元の制作。
午前中までの段階。前回の状態から、まずローシェンナのカラーインクで全体を塗ってしまう。セピアのインクとあいまって、より立体感が明確になってくる。その上から、アクリルのディテールの描写をしていく。
僕は全体を一様に描いていくことはしない。まず、部分から完成させていく。そうすることで、完成までの緊張感を保つとともに、自分にプレッシャーをかけていく。
今回のカラーリングは、グールドオオトカゲをモチーフにしている。実は、古生物の色を決定することがとても苦手で、できればさけて通りたいところである。そんなこともあって、以前、こんな馬鹿なことを考えたものである。
これが、夜の状態。今日のところはここまで。完成まで持っていきたかったのだけど、ちょっと残ってしまった。
頭部のディテール。口の中と歯は、まだこれからである。
胴体にもう少しでっぷりとした印象と、リアリティのある皺を表現したいと思っている。
これからペースアップしていかなくては、加速度的に仕事が忙しくなってきている。
体壊さないよう、進めていきます。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:21
2006年3月 1日
Tyrannosaurus skeleton & living body 08
今日から3月。といっても、もうすぐ2日というタイミングでの更新。
しばらく止まっていた、出版の仕事に復帰する。前回のプロセスはこちら。それにしてもティラノサウルスが続く。資料も充実してきたので、このまま一気にやってしまおう。
骨格図のアウトラインを転写し、鉛筆で筋肉を意識したアウトラインを描いていく。
セピアのカラーインクで、濃淡をつけながら立体的に描写していく。脚の部分の、筋肉がむき出しになった感じがわかるだろうか。この上からウロコの皮膚をかぶせていく。
少し、寄ったところ。これをベースに、ディテールをつめていく。
明日、明後日は出かける用事が入っており、ほとんど制作に時間が割けない。
確定申告の準備も、こつこつと進んでいます。ちょっと疲れがたまってきた。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:55
2006年2月28日
Tyrannosaurus skull & head 13
先日の予告通り、全体の完成画像の紹介。クライアントから快諾いただきました。
「Tyrannosaurus skull & head」 55x60cm 紙にアクリル。今回も、紙はアルシュのホットプレス(極細目)。使用した絵の具は、チタニウムホワイト、ローシェンナ、イエローオキサイド、ローアンバー、バーントアンバー、バーントシェンナ、カドミウムレッドライト、マルスブラック。
歯のディテール。このサイズだと、モニターの解像度にもよるけど、おそらく原寸よりも大きいはず。
下あご。唇と歯の間に、上あごの歯が収まるスペースが見える。
眼のディテール。前回、アップした画像から、ほんの少し手を入れている。
今回の画像は、デジカメからではなく、フラットベッドスキャナでデータ化したものなので、鮮明に見てもらえると思う。
これからJRの車内広告や、駅構内でポスターとして展示される予定です。
色はこっちの方が、正確ですね。(デジカメ画像)
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 20:03
2006年2月27日
Tyrannosaurus skull & head 12
今日、正真正銘の完成。骨格に重点的に手を入れる。
全体に明るくする。ホワイトにマットメディウムを加えて、透明感のある色彩をのせていきながら、下にある色味を生かしていく。
歯もディテールアップ。
頭骨の骨は非常に薄く、ばらばらになる。大きさのわりに、とても軽い。
次は、きちんとした筋肉の復元をしたい。これは、生体の復元よりも、はるかに難しい。順番としては、逆なのだけどね。
このポスター原画を使用するイベントのお知らせです。
「SCIENCE OF DINOSAUR 恐竜の科学展 〜化石・骨格・ロボットで蘇る恐竜の世界〜」
2006年4月27日(木)〜5月7日(日)
会場:大丸東京店 12階特別会場
内容としては、恐竜の化石(部分)、恐竜の全身骨格のレプリカ、ココロ社製の動刻などの展示です。
物販の方で、原画の展示販売などする予定です。
このblogで紹介してきた、ポスター原画も出展予定です。
本当は、ここで原画の全体を紹介したいのだけど。
明日、クライアントと打ち合わせなので、確認してきます。
もちろん、これまでのプロセスの公開は快諾してもらっています。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 18:41
2006年2月25日
Tyrannosaurus skull & head 11
今日、ほぼ完成まで持っていくことができた。
朝の状態。全体の構図を考えると、どうしても左上に何か欲しくなり、頸椎、胴椎を追加しようと思う。
鉛筆で画面に直接、下書きの線を描く。それぞれの骨のサイズを計測して、描き込んでいく。椎骨の部分は、スーの論文を参考にしたため、今回もキメラになってしまった。
頸椎と第八胴椎の一部まで。これで全体の構図が落ち着いた。
生体復元図の部分にも、少し手をいれる。
もう少し、ディテールを整えて完成の予定。ちょっと完成までに、時間がかかってしまった。締め切りまでに間に合ったのだけど、他の仕事が押してしまっている。そろそろ確定申告もやらないと。
全体の画像は、ポスター完成まで待ってください。イベントの詳細も、近々にお知らせします。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:51
2006年2月23日
Tyrannosaurus skull & head 10
ほぼ、生体復元が出来上がった。
口の中の空間を描くことに、かなりの時間をとられた。難しかった。欲を言うと、もうすこし濡れた感じがほしいところ。
皮膚に少し模様をつけるかどうかも検討中。メタリックなつやを表現したいのだけど、難しいなあ。口のまわりの皮膚には、数々の傷跡を残してみた。おそらく成長するまでに、同族で何度も争った痕という設定である。
頭部の生体復元の全体像。この密度と大きさで、全身描いたら迫力あるだろうな。およそ1/5ぐらいのサイズなので、全身だと2.4mになる。やってやれないことはないサイズ。しかし、全身のウロコを描くことを考えるとぞっとする。
口の中。歯茎、舌の感じは、ワニを参考にしている。これまでの復元では、大きく歯をむき出しにする姿で描かれていたが、陸上に生息する生物の口がきちんと閉じないということはありえない。今回の復元では、唇によりきちんと上下の顎が閉じ、歯も剥き出しにならないことを前提にしている。
眼の周囲。これ以上、ズームすると、タッチのあらが目立つのでここまでで。眼をいれると、一気に生き物らしさが増してくる。
頭骨と背景に手を入れて、週末には完成まで持っていってしまおう。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:44
Tyrannosaurus skull & head 09
昨日の朝から、口に取りかかっていたのだけど、夜からネットの調子が悪く更新が遅れてしまった。
KDDIの光通信を利用しているのだけど、どうも接続が不安定で、ネットにつながったり、つながらなかったり。実際、今日の午前中にはサーバー側でトラブルあったようなのだけど、それプラスうちの機器にも問題があるかもしれない。
土曜日には専門業者が点検に来てくれる予定。サポートサンターにもすぐ電話がつながり、対応も非常に丁寧。リンゴのマークのサポートセンターの対応とは雲泥の差である。今は、一応ネットの接続状況は安定している。
で、口である。
これは、昨日の夜の段階。口の中の参考資料に、なかなか良いものがない。現生の生物だと、鳥かワニを参考にするのだけど、鳥には歯がないし、ワニには唇がない。それでも、参考になるのはワニだろう。大きな顎に、巨大な牙。
ナショナルジオグラフィック1996年6月号のイリエワニの記事に、口の中を見せるワニの写真があり、これが非常によい資料になった。復元画の仕事において、資料の存在は非常に重要である。また、どんな資料が必要かを、判断しなくてはいけない。おかげで作業中は、作業している周りに資料が山積みになってしまう。この資料を見る時間が楽しく、ついつい時間をとられてしまうことも、しばしばである。
前回のblogで紹介した、信善くんの模型をちょっと改造。改造といっても、練り消しで整形した唇をつけているだけ。しかし、これで一気にイメージをつかむことができた。
今日の段階でかなり完成に近づいてきたので、後ほどアップします。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 16:26
2006年2月22日
Tyrannosaurus skull & head 08
今日の昼間は、ワンフェスに出展した後、東京に滞在している、造型師の竹内信善くんが遊びにきてくれた。先週の土曜日に遊びきていた徳川くんとも、共通の友人である。
写真に写っている模型は、信善くんが制作し販売している、ティラノサウルスのヘッドモデルである。立体の感じや、光のあたり具合を見るのに、とても役立っている。僕の描く復元とは全く違うものではあるが、各部の作り込みやボリューム感が参考になる。まだ、在庫があるらしいので、欲しい方は彼のサイトへ是非。
彼が信善くん。僕より10歳以上若いが、造型師としてフリーで仕事をしている。四国在住。
話をしながら、どんどん手を入れていった。ひたすらウロコを描きまくる。しわ、たるみ、皮膚に残った傷などのディテールをつめていく。夕方の作業はここまで。
こちらが、現在の状態。口の中まで、手を入れ始めている。ここが、とても難しい。何度も絵の具でデッサンを取り直し、信善くんの模型も参考にしながら、試行錯誤を重ねた。明日は重点的に口の中を描き込む予定。ここができれば、後は一気に完成までもっていけるだろう。
ウロコはもう一息。口のリアリティが出せるかどうかで、この絵の出来が決まってくる。今から無理をしても、結果は良くないと思うので、ゆっくり休んでから朝から仕事を再開する。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 00:09
2006年2月21日
Tyrannosaurus skull & head 07
昨日の午後から、ポスター用原画の制作。ひたすらウロコを描き続ける。
前回に比べて、ずいぶん生物らしくなってきた。
すこし寄ったところ。結局、ウロコは一つ一つこつこつと描いていくしかない。過去に、なんとか効率よく描けないかと色々試したのだけど、面相筆で一つずつ描くのが一番正確で美しいという結論に達した。光のあたる方向、ウロコの大きさに変化を与えていく。そのときに、大きな立体感、動きを念頭に置いておかないと、ばらばらな感じになってしまう。
今日のうちには、生体復元を完成させたいところである。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 11:15
2006年2月20日
Tyrannosaurus skeleton 05
ディテールが見たいと言う、リクエストがあったのでアップ。
顎と歯。
眼窩。
一種類のペン先で、太さの違う線描を描いている。ロットリングに比べると、つけペンは毛筆で描くような感覚かもしれない。ここ数日、ペンでの作業が続いたのだけど、筆を使う動作とは手の動きがかなり違う。さすがにアクリルの仕事と、同時並行で進めるのは難しかった。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 13:34
Tyrannosaurus skeleton 04
頭骨のモノクロイラストが完成。良いペースで描けた。
スタンをモデルにしているが、これもある種のキメラとなっている。写真で撮影したものは、情報の多くが抜け落ちてしまうので、そのままでは絵を描くモチーフにはならない。多くの資料を組み合わせて描くため、どうしても色々な部分が混じり合ったものになってしまう。
ティラノサウルスは良く知られているわりに、記載された論文や資料が少なく、とても復元画難しい恐竜の一つだと思う。
僕自身もまだ、捉えきれていないというのが正直なところである。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 11:07
Tyrannosaurus skeleton 03
ついでにというか、なんというか、こんなものも描いている。
いい加減、手の痛みが限界にきたので、今晩はこれで終了の予定。できれば、完成させたかったが、質の悪い線を引きたくないのでここで止めることにする。
描いているのは、おなじみスタンの頭骨。今回はロットリングではなく、インクにつけペンで制作している。ロットリングと違い、線に強弱をつけられるためコントロールがうまくいくけば、幅のある表現をすることができる。ティッシュは常にペン先をきれいに保つために欠かせない。
紙のサイズはB4で、BBケントの細目。ペン先はブラウゼの文字速記用。インクはホルベインのスペシャルブラックを使用している。つけペンで描くと、インクが盛り上がり、画面を手で触ると描線の盛り上がりを感じることができる。
大好きな素材の一つである。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 00:01
2006年2月19日
Tyrannosaurus skeleton 02
骨格図が完成。納得のいかない部分もあるが、今の段階ではバランスのとれたものになったと思う。
恐竜の中でも比較的、保存の良い標本が多く、良く知られているティラノサウルスであるが、完全な一個体が発見されているわけではない。スーやスタンと呼ばれる、非常に保存の良い標本があるが、大きさの違いや、それぞれの骨格の特徴に差異が見られたりする。なので、今回の骨格図もいわばキメラのようなものだと考えてほしい。
1/20の縮尺で制作。全長、およそ60cm。
昨年末、このblogで紹介したTyrannosaurus is fatの生体復元を裏付ける骨格図になったと思う。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 16:27
2006年2月18日
Tyrannosaurus skeleton 01
今、急遽ティラノサウルスの骨格復元図を描いている。
制作中のポスター原画と同じイベントなのだけど、新聞広告用にモノクロの骨格図を貸してほしいということ。しかし、手元にそう都合良く適したものがあるわけでなく、昨日から描きおろしている。これまでティラノサウルスの正確な骨格図を描いたことがなく、いつか描こうと思っていたので良い機会である。
正確といっても、複数の標本を組み合わせて描くことになるので、どこまでできるか難しいところである。
今日は午前から、友人の徳川くんが来宅。明日のワンフェスに出展するため、上京したついでに遊びにきてくれたのである。
といっても、こちらは仕事をしながらのおしゃべり。彼と話をしながら、骨格図の下書きを鉛筆で描いてしまう。時々、復元についてのディスカッションもできるので楽しい。
0.2mmのロットリングでペン入れを始める。修正したくないので、慎重に線を選んでいく。
今、現在の制作途中。やはり時間がかかる。集中力と根気の勝負。
ディテール。骨の数と長さの計測に時間がかかる。
今晩はもう少し、がんばります。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:37
2006年2月16日
Tyrannosaurus skull & head 07
今朝になって画面を見ると、どうも違和感を感じる。
どうやら眼の位置が高すぎるようだ。急遽、1cmほど下に下げる。
カドミウムレッドライトの線描で、正しい位置を探る。まったく違った色味を使うことで、より明確に正しい線を見つけることができる。
修正後。こっちのほうがしっくりくる。さらに眼以外の部分も描き込む。
眼の周り部分のアップ。午前中の作業でここまで。午後から、別の作業に移る。これも、このポスター原画と同じイベントのものである。急なオーダーだったのだけど、中途半端なことをやるより、描きおろしたほうが良いと判断して、新たに制作している。もちろん、このblogで紹介しているものも使用し、次のものは他の広告媒体用に使うためである。
もうすぐ、このイベントについては、詳細をお知らせできるので、ご期待ください。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:41
2006年2月15日
Tyrannosaurus skull & head 06
今日から、生体復元も始める。
ラフに面相筆でドローイングしていく。
骨を描くよりも、何倍も難しい。筋肉、皮膚、色と表現しなくてはいけない要素が一気に増える。
画面にテクスチャーをつけるために、ちょっと乱暴なことをする。ヘビーゲルとマットメデュームを練ったものを、ペインティングナイフでつけていく。比較的透き通っているため、下地の色に影響を与えることはない。削ったり、盛り上げたりを、何度か繰り返す。
テクスチャーをつけた画面の上から、鱗を描いていく。大きな立体感を損なわないように、光の方向に気をつけながら、絵の具を置いていく。
鱗のディテール。地道に一つずつ描いていくしかない。何度か絵の具の層を重ねて、透明感をだしていくつもり。今回は試してみたいことがあるので、しばらく試行錯誤が続くかもしれない。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:05
2006年2月14日
Tyrannosaurus skull & head 05
今日も、仕事場の片付けがおしていて、なかなか制作時間がとれない。
昨日、けがをした足の状態を見るため、整形外科病院へレントゲンを撮りにいってきた。腕を折ったときにお世話になった病院なのだけど、非常に評判が良く大変混んでいる。幸い骨に異常はなかったのだけど、ここでもかなりの時間をとられてしまった。
今日の状態。背景を中心に手をいれている。かなり、はっきりと立体感が出てきた。
アウトラインをどこに決めるかは、とても難しい。ほんの少しのずれが、形を狂わせてしまう。
ティラノサウルスの歯は、とても厚みがあり太い。そして、生えている場所によって形態が違う。歯ひとつとっても、おろそかにはできない。
頭骨は、もう少しで完成する予定。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:39
2006年2月13日
Tyrannosaurus skull & head 04
昨日、日曜日、仕事場の片付けの前に、少し制作した。
前日から、あまり進んでいないが、暗部をさらに描き込んでいる。
特に下あごに重点的に手を入れている。
化石の色を表現するか、白い骨を表現するか、ちょっと迷っているところである。
どちらにするかで、歯の色も大きく変わってくる。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 22:00
2006年2月11日
Tyrannosaurus skull & head 03
パソコンもクリーンな状態になったところで、仕事場も劇的に使いやすくなるよう、大掃除をしているところ。それでも手を休めることはしたくないので、雑踏のような中で制作を続けている。もともと、ごちゃごちゃしたところが好きなので、気も散らず集中することができる。
ティラノサウルスは、今日も頭骨を描き込んでいる。さらに楽しくなってきた。
色はこの写真で、おおよそ正確である。このカメラ、ズームしていくと露出が変わるせいか、色がかなり暗く写ってしまう。
少し寄ったところ。今日は、暗部からの描写を中心に進めている。暗部は描くときは、薄く溶いた透明色を、何層にも重ねて描いていく。いきなり黒く塗りつぶしてしまっては、その対象の持つ固有の色彩を失わせてしまう。陰を描くときは、特に慎重に絵の具を置いていく必要がある。実は、僕は暗部を描く方が好きである。幅の狭いトーンのなかに、豊かな色彩を与えていくことに醍醐味を感じる。とにもかくにも、今、とても楽しい。
さらに寄ったところ。まだまだ描き込まなくては。後、一日ぐらいで頭骨を完成させたいと思っている。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:55
2006年2月 9日
Tyrannosaurus skull & head 02
パソコントラブルのおかげで、更新がとびとびになってしまった。ちょっと悔しい。
どうしてもコンピューターとインターネットに依存している部分が大きいので、トラブルは結構こたえる。
まだ、デジタルで制作していないぶん、痛手は少なかったが、精神的なダメージの方が大きいかもしれない。
気を取り直して、ポスターの続きを。
頭骨の部分を重点的に進める。ゴールデンのエクストラヘビーゲルとマットメディウムと、チタニウムホワイトを混ぜたもので描き起こしていく。メディウムを混ぜたのは、ホワイトの絵の具だけでは柔らかすぎるのと、チタニウムホワイトの白すぎる強さを和らげるためである。ちょうどよい具合になり、油絵の具のシルバーホワイトに近い感触で描いていくことができた。僕は油絵を描いていたので、色を塗るという感覚よりは、置くという感覚の方が強い。絵の具の程よい固さが、面白いマチエールになり、描いていて楽しい。
頭骨全体。
少し寄ったところ。ホワイトで描き起こして、透明色の褐色を塗り、またホワイトで描き起こしを繰り返す。この作業は油彩でグレーズと呼ばれる技法である。
さらにアップ。絵の具が立体に立ち上がっているのが、少しわかると思う。
化石でいうと、大分クリーニングが進んできた気分。こうなってくると、俄然描くことが楽しくなってくる。
パソコンのセットアップも、徐々に進めていかなくては。まっさらなハードディスクをインストールしたので、むしろ清々しいぐらいの気持ちよさ。でも、データは戻ってこない。(業者に出すかどうか検討中)
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:49
2006年2月 7日
Tyrannosaurus skull & head 01
ここのところティラノサウルスと、電子機器トラブルが続いている。しかも、電子機器にトラブルが起きたのは、どちらも月曜日だった。今年は月曜が鬼門か!?パソコンの方は、明日、強力な援軍が届くはず。
今回のティラノサウルスは、ポスターに使用される予定なので、迫力ある画面(月並みな表現だが)を目指す。
画面の上に写真のコピーを並べて、イメージを確認する。このコピーは転写に使用するので、実際の構図は左右逆になる。
コピーをいつものファンシープリントを使って転写。ざっくりと描写したようなタッチを残す。
転写したあとのディテール。
アクリル絵の具(ローシェンナ、イエローオキサイドを混ぜたもの)で、画面全体を塗りつぶしていく。薄くのばしたアクリル絵の具は透明色なので、転写したイメージは透き通って残る。
次に、明るい部分から描き起こしていく。絵を描く作業も、本来あるべき形を掘り出していくようなものである。その画面にあるべき姿を見いだし、素材(絵の具や紙)の特性を生かしながら、イメージを浮かび上がらせていく。横向きの頭骨は骨のままだが、手前の頭骨は生体復元になる予定。頭骨をベースに絵の具で復元していく。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:29
2006年2月 5日
日本古生物学会第155回例会 in 京都1
週末、土曜日の朝から、京都へ向かって出発。日本古生物学会の例会に参加するためである。
3日から始まっていたのだけど、金曜日は非常勤講師の日であり、重要な発表は土曜日に集中していたため、4日からの参加となった。移動時間の関係で、午前中の講演は聞くことが出来なかったが、12時前には会場の京都大学へ着くことが出来た。
途中、米原付近で雪のため、新幹線の速度制限があったのだが、京都へ着くと寒いながらも、天気が良く気持ちがいい。寒さを演出するように、ときどき雪花が舞う。
講演会場になっている、京都大学の時計台。受付を済ませる。いつも思うのだけど、一般参加と学会会員参加で、料金に差がついてないのはおかしいと思う。もっとおかしなことに、以前は一般参加のほうが、料金が安く設定されていた。学会会員は年会費を負担しているのだから、少し参加費を低く抑えても良いと思う。実際、海外のSVPでは、会員と一般参加では料金の設定が違うのである。
事前にプログラムで分かっていたのだけど、今回の例会は脊椎動物の発表がそれほど多くなかった。もっと驚いたのは、聴衆の少なさである。前回は東京大学で開かれており、立地条件が良いとはいえ、講演会場がとても賑わっていたのを記憶している。それと比べてしまうと、今回はいかにも寂しい。京都であれば、それほどアクセスが難しいわけでもないし、雪で身動きがとれない土地でもないし、ちょっと不思議であった。
今回は関西ということもあって、関西在住の造型師の友人に会うことも、楽しみの一つであった。
その友人とは徳川君と竹内君で、ともに素晴らしい復元模型を制作する造型師である。学会に初参加ということで、一緒に行動することを約束していた。復元画や復元模型を制作するには、研究者の研究成果が重要な要素の一つとなる。実際に研究者と会って情報を交換することは、非常に大切なことである。幸い、僕の場合、関東在住ということもあり、気軽に研究者と会うことができるのだけど、彼らにはその機会がなかなかない。しかし一度、顔合わせをしておけば、ネットや電話を通じて交流をはかることが出来る。そういった場として、学会の例会は貴重な交流の機会である。
講演の内容や、ポスターセッションなど、専門的なことについては、ここで書けるほど理解していたり、整理できていないので、後日記事にできればと思っている。
土曜日の夜は懇親会が開かれ、立食パーティーでおいしい食事とお酒を楽しみながら、たくさんの人と会話を楽しむことが出来た。造型師の友人も、持ってきた資料を使って、良いプレゼンテーションが出来たようだった。
二次会は大学を出て、恐竜倶楽部の面々と居酒屋へ。久しぶりにかなり飲んだ。この居酒屋のジンジャーエールが、ウイルキンソンでこれまたご機嫌。これを飲むと、カナダドライなんて飲めません。
前日の深夜まで仕事をしていこともあり、ホテルへ帰ってからは、ばたんと熟睡であった。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:56
2006年2月 2日
Tyrannosaurus skeleton & living body 07
今日、昼過ぎに骨格図が完成。
出版社に画像を送って確認したところ、イメージ通りということで、この感じで進めていくことに。
イラストボードのサイズはB3。カラーインクとアクリル絵の具で制作。カラーインクはセピア。アクリルは、ローシェンナ、ローアンバー、ネープルスイエロー、イエローオーカ、チタニウムホワイト、マースブラックを使用。
現生の動物の骨ほど白くはせず、かといって化石のように黒くもしない、中途半端だけど形態をイメージしやすいトーンになっている。
頭部、ディテール。
前腕部、ディテール。叉骨によって、左右の肩胛骨が関節している。
骨盤。
後肢。角度的に、指骨の描写が難しい。
これから別件の仕事に取りかかります。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 15:45
2006年2月 1日
Tyrannosaurus skeleton & living body 06
実は2月1日というのは、僕のサイト"STADIO D'ARTE CORVO"がスタートしてちょうど一周年である。
遊びに来てくださっている皆様、どうもありがとうございます。とりあえず、ここまで続けてこられました。もちろん、まだまだ続けますので、応援よろしくお願いいたします。ご意見、ご感想、いつでも遠慮なくメールしてください。
今日は、ちょっと大きく長い地震があった。速報をみると、千葉県北西部が震源地。地図で見る限り、随分うちと近いところだ。でも、この辺りよりも、横浜のほうが大きく揺れて、交通機関にも支障がでたようである。
地震は一番苦手な天災だ。多分、ほとんどの人もそうだと思う。地震には、どこにも逃げようのない恐怖感がある。大地が揺れると言うことは、自分が立っている拠り所をうしなうことに近いことだと思う。ものが静止して存在するには、重心と重力がバランスしていなくてはいけない。地震は、その両方を狂わせてしまう。
骨格図は、昨日の続き。スケジュール上、別の仕事をする予定でいたのだけど、変更して骨格図を制作することに。理想的には、今日の間に完成してしまいたかったのだが、それはさすがに無理だった。
アクリル絵の具で描き込んでいく。筆は二種類の太さの面相筆を使う。毛はイタチ毛。
夕方の段階で、この辺りまで進んだ。上半身が、おおよそ出来上がったところ。
結局、今日の作業はここまで。尾と歯を残して、完成させることができなかった。もっと、仕事のスピードを上げたい。
頭から胴体部分まで。
頭部、歯がまだ塗り残されている。この時間になると、手の動きも悪くなり、作業の精度も徐々に悪くなってくる。このまま続けても駄目な仕事が増えるので、次の日へ持ち越すことにする。
さすがに明日は、別件の仕事もやらなくてはいけないので、時間配分をうまくしないと。
この週末、京都で開催される古生物学会の例会に参加するため、スケジュールがきつくなってしまっています。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:51
2006年1月31日
Tyrannosaurus skeleton & living body 05
今日は、まず出来上がったエスキースを、イラストボードに転写する。
使用するイラストボードは、BBケント細目の1mm厚である。
その準備として、トレーシングペーパーにアウトラインを鉛筆でトレースしていく。この作業は、正直なところあまり好きではない。でも、どの線を選び取るかは、自分でしか分からないので、黙々と作業を続ける。
即席カーボン紙を作り、写した線が分からなくならないように、赤ボールペンで筆圧をかけて転写する。写真では分かりにくいと思うが、右側がイラストボードに転写されたイメージ。
転写した後、少し修正を加える。その後、アクリル系のカラーインクを使って、陰影を意識しながら面相筆で描いていく。この段階でのシルエットは、完成とほぼ同じになるので慎重に筆を運ぶ。修正の効かない素材は好きだ。この緊張感が嬉しい。消しゴムなどでいつでも消せるとおもうと、今ひとつ集中力に欠けてしまう。よほど、怠け者だということだろう。
夕方近くになると、お腹を空かせた飼い猫が、ご飯をねだって邪魔しに来る。貴重な資料の上も、僕の描いたものの上も、まったくお構いなしである。
骨格全体にカラーインクで濃淡をつけた状態。油彩では、この状態のことをグリザイユという。この濃淡を元に、さらに明るい部分と、暗い部分を描いていき、細部を詰めていくことになる。ここからが楽しい。
頭部のディテール。ディテールと言っても、大まかに光をとらえた描写。ここまで来ると、形態の大きな修正はない。
明日は、別の仕事を片づけなくてはならないので、どこまで進められるか。
本当にここからが、楽しいでのである。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:55
2006年1月30日
Tyrannosaurus skeleton & living body 04
今日は激動(たいしたことないけど)の中、昨日の骨格図を修正した。
携帯水没に、やや動揺しながらも、手を動かす。やはり後肢がすいぶん短かった。
だいぶ、満足できるところまできた。ただ、少し迷っている。
前回の物も、捨てがたい。こっちのほうが、迫力があるかな。
明日には決めなくては。基本的には、上のエスキースでいく予定。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 22:34
2006年1月29日
Tyrannosaurus skeleton & living body 03
ようやく、エスキースが一応完成。ちょっとポーズが固いかな。
まだポーズは少し動かしていくつもり。Tyrannosaurus rexを描くことは、あらためて思ったのだけど非常に難しい。生物として、なにもかもがアンバランスに思える。いまだに、バランスをつかめずにいるというのが正直なところ。
今、友人のタブリンさんや、ふらぎさんもTyrannosaurus rexの復元にトライしているのだけど、同じような点で悩んでいる。ネットを使って、相互に情報交換しながら、進めているのだけど、なかなか正解が見えてこない。もちろん正解など、どこまでいってもないのだけど、ほんの少しでも良いから、真実を垣間見たいと思うのである。
コピー用紙に鉛筆(H、F、HB)。後肢が短く見えるなあ。バランスが悪い。明日は、トレースをすませて、着彩まで行く予定。昼間、打ち合わせもあるので、効率よく進めなくては。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:40
2006年1月28日
Tyrannosaurus skeleton & living body 02
実際の作業は数日前なのだけど、今日のアップになってしまった。色々、立て込んでいます。
ポーズを換えるため、新しいエスキースを描き始めた。コピー用紙に鉛筆で制作していく。どうもコピー用紙の場合、Hぐらいの硬さの鉛筆が適しているようだ。コピー用紙でエスキースを描くときは、いつも水性ボールペンを使っていたので、鉛筆との相性までは確認できていなかった。このエスキースに、あまり時間をかけるわけにはいかない。スケジュールが、押せ押せだ。
先日、国立科学博物館で取材してきた写真を利用する。カメラのレンズの焦点距離が広角なので、若干、手前の図像が大きく映る傾向がある。少し頭の中で補正しながら、描いていく必要がある。とは言っても、厳密に出来るわけではないので、感覚に頼る部分である。
頭骨部分の制作。写真を利用すると、一眼でしか対象を見ていないので、少しでも角度がずれると情報が欠落してしまう。他の角度から撮影した写真や、論文の図版を活用して、欠落した情報を補完していかなくてはいけない。
ほぼ完成した頭骨部分。
明日には全身、描ききってしまいたい。できれば転写までは、済ませたいところ。急がねば。
日本ブログ大賞「イラスト部門」
投稿者 corvo : 23:39
2006年1月25日
Tyrannosaurus skeleton & living body 01
今日から、ある出版物のメイキングを紹介する。
これまで、ちらほら書いてきた企画とはまったく別のところのもので、この夏に刊行予定の子供向けの一冊である。出版社から、このblogでプロセスを紹介することを快諾いただいたのだけど、本の詳細や出版社については、発売1ヶ月前にならないと公表できないので、その点だけはご了承下さい。
この本では、骨格図と生体復元図の両方を、掲載することになっている。そこで、まず最初にTyrannnosaurusから始めることにする。もっとも身近にある標本ということで、モデルにするのは「スタン」である。生体と同じポーズにするため、骨格図を真横からは描かない。ポーズは、それぞれの恐竜にあったものにしようと思っている。真横からでないため、正確な骨のプロポーションを描くのは難しいが、活き活きとしたスタイルの骨格図になることを目指して制作する。
文献資料、取材して撮影した写真を見ながら、鉛筆でエスキースを制作。紙はA3のコピー用紙をつなげたもの。幅はおよそ50cmである。
このエスキースをトレーシングペーパーに、輪郭を写し取る。
トレーシングペーパーの裏を鉛筆で塗り、即席のカーボン紙をつくる。その後、別の紙(この時はBBケントの細目)の上にトレーシングペーパーを置いて、慎重に輪郭をトレースしなおして転写していく。
ここまで、作業を進めていたのだけど、どうにもポーズが気に入らす、まったくやりなおしてしまう予定。
子供向けとはいえ、上質な本にしたいと思っている。時間の許すかぎり、妥協せずに描いていこう。
投稿者 corvo : 14:21
2006年1月 5日
mammuthus process 02
マンモス2日目。どうもしっくりこない。鉛筆でスケッチを描いてみたが、まだまだ真実からは遠いように感じる。
A3のケント紙に鉛筆(HB、Bを使用)。
大きな画面で描いてみる。身体を使って描けるので、伸びやかな線がひける。
アルシュ紙にチャコールペンシル。哺乳類には哺乳類の難しさがある。
現生のゾウを復元の参考にすることができるが、ケナガマンモスには長く深い体毛がある。今のゾウにはないものだ。体毛の中にある皮膚、筋肉と骨格の造型をイメージできるように、描かなくてはならない。
難しい。
生きているときは体毛も汚れていただろう。臭いがきつかったかもしれない。夏と冬で体毛の質も変化したはずである。今回は冬毛の設定で復元してみようと思っている。体臭が匂い立つようなリアリティがでるとよいのだが。
投稿者 corvo : 22:11
2006年1月 4日
mammuthus process 01
今日はまた一段と寒い。年末年始と数日家を空けていたため、家の中が冷えてしまっていた。全体が暖まるまでに、もう少し時間がかかりそうだ。
昼過ぎに出かけた本屋で見つけた「1万8000年の時を経て甦るマンモス―最先端医用技術が太古の巨獣にせまる」が面白い。いまさらながら、ユカギルマンモスに興味がわいてきた。古生物を描く仕事をしていると、1万8千年前というのは、すごく最近のような気がしてならない。もちろん有史以前なわけで、人間にとっては途方もない昔の話である。
これまでマンモスの復元画をきちんと描いたことがなかったので、これを機会に挑戦してみようと思う。まずはユカギルマンモスの頭部を復元してみたい。この標本はCTスキャンを使って、詳細なデータが作られており、内部構造まで分かる図版がこの本に掲載されている。
骨格だけでなく、筋肉や皮膚などの軟組織まで保存された標本は、復元のヒントをたくさん提供してくれる。また、現在も仲間であるゾウが生きているため、恐竜などを復元するよりは精度が高い物になると思う。しかし、人間が見慣れている現生の動物がモデルになるため、より厳しい目で見られることも覚悟しなくてはいけない。
簡単にラフスケッチだけ描いてみた。次は鉛筆で詳細なデッサンをする予定である。
A4のコピー用紙に、水性ボールペンでスケッチ。いつも最初は、こんなラフな感じでスタートする。
投稿者 corvo : 23:06
2005年12月26日
Tyrannosaurus is fat
今日も清々しい冬空。突き刺すように冷たい空気。
そんな季節だから、「デブ」なティラノを描きたくなった・・・・わけではないのだけど、太めなティラノサウルスを描いてみた。
実は友人の造型師ふらぎさんが、太いティラノサウルスの復元模型を作るというので、僕もどういった感じになるか復元スケッチを描いてみた。
この「太い」ということには、ちゃんとした根拠がある。骨格を見る限り、この大型の獣脚類が太いシルエットを持っていることは明かである。しかし、これまでの復元では腹肋骨の存在を無視するように、大きく腹がえぐれた「痩せ型」復元が主流であった。
また、ティラノサウルスの糞の化石と思われるものから、細かく砕かれた骨が見つかっている。このことから、骨ごと骨髄まで食べる食習慣があったのではないかと考えられる。そのためにも、肉食の動物にしては長い消化管が必要だったのではないだろうか。
紙に鉛筆(B、HB、H)で制作。大きさはおよそA3サイズ。
ふらぎさんも彼のblogで指摘しているのだけど、頭が大きく重いため重心をどこに持ってくるかで、復元姿勢に大きな違いが出てくる。いくら尻尾が長いといっても、上半身とバランスさせるためには、重心を前よりにもってくる必要がある。
さて、この「デブ」なティラノサウルスの印象、皆さんはどうだろうか。
各骨格のプロポーションは、スタンの計測値を利用している。わざわざ太めの復元をしようとして、デフォルメしているわけではない。常に骨格をもとに復元することが大切である。
久しぶりにニュートン2月号を買った。まだ読んでいないのだけど、興味深い特集記事が多い。しかし、相変わらず復元画が酷い。今回、翼竜のタペジャラが紹介されているのだけど、骨格を無視した復元だ。曲がるはずのない骨が曲がっていたり、左右で翼のプロポーションが違っていたりする。これは、復元画ではない。復元画のようなものであり、似て非なるものだ。
ビジュアルをメインにしている雑誌である以上、改善していくべきであると思う。
これではいつまでたっても、「復元画」と「空想画」の違いが明確になってこない。影響力のある雑誌だからこそ、きちんとしたものを掲載してほしいと切に望むのである。
投稿者 corvo : 20:43
2005年12月18日
東京ミネラルショー
昨日、土曜日は池袋で開催中の「東京ミネラルショー」へ出かける。
ミネラル=鉱物ということで、鉱石、宝石などにまじって、化石なども多数出品されている。展示即売会であり、その場で購入することもできる。本物の恐竜の化石ともなると数百万円のプライスがつくものまであり、見るだけでも楽しむことが出来る。詳細はライブドアニュースで。19日まで開催。
今回、フェバリットコレクションの新作スケルトン、サイカニアもゼネラルサイエンスブースで見ることが出来る。実は、製品化されたものを見るのは、これが初めて。非常に良い出来である。
全長は40cmほど。1/10スケール。
ラピスラズリをあつかう店。ひとつかけらを1000円で買う。絵の具にも使われる高価な石のひとつ。いまでは化学合成されたウルトラマリンが代用品として使われている。
深く美しいブルー。
池袋を3時過ぎに出て、「お結び展」の会場へ向かう。ギャラリーの20周年記念パーティーへ参加するためである。
こちらもとても楽しいひとときであった。美味しい食事とお酒。何人かの作家と知り合うことができて、会話も楽しむことができた。
僕の作品、まだ全て売れ残っています。ご入り用の方は、この機会に是非!
川端さんの小説「リスクテイカー」を読了。「金融」を扱いながら、読後感のすがすがしい小説。実際の金融の現場を知らないので、どれほどリアリティがあるか判断できないのだが、非常に面白い小説であった。経済と芸術はどこか似ている。人々の生活に密接に結びついていながら、強く意識されることがない。経済は新聞やニュースなどで日々報道されているし、生活に直接関わるものではあるけど、どういった仕組みで成り立ち世界が動いているかという本質を、実際目の当たりにすること意識することはすくないのではないだろうか。
どちらも空気のような存在であることが望ましいのだろうか。この小説を読んで、経済が分かるようになるわけではないが、ほんの少しでも意識するきっかけにはなるかもしれない。どうもとりとめない文章ですみません。
実は「竜とわれらの時代」よりも僕にはおもしろかった。
今日はからっと晴れているが、外の風は冷たく寒い。いよいよ冬本番だ。
投稿者 corvo : 15:07
2005年12月 4日
Allosaurus
新作ではないのだけど、アロサウルス。
これは昨年の東武百貨店での個展のために制作した一枚。案内状にも使用したので、ご覧になった方も多いかもしれない。
論文の頭骨の図版を紙に転写し、その上からロットリングで軟組織を復元して、最後に透明水彩で仕上げている。
今日は以前お伝えしたファンタジー小説のカバーイラストの制作をしていた。
この小説はインターネットで配信することが決まっており、ビジュアル(挿絵)を僕が担当することになっている。このファンタジーには魅力的なキャラクターがたくさん出てくるのだが、それらのデザインやビジュアルイメージを別のblogを立ち上げて紹介していく予定である。
そのblogでは完成されたビジュアルの紹介だけでなく、メイキングを中心に見せていく。作家と僕、そしてblogを見てくれた読者に参加してもらい、この小説の世界を作っていこうと思っている。
もうしばらくお待ち下さい。
投稿者 corvo : 00:00
2005年12月 1日
贈り物
今年の10月に訪れたSVPの会場で友達になったTodd Marshallから嬉しいプレゼントが届いた。
彼に拙著「ティラノサウルス」を送ったお返しに、サイン入りポスターとオリジナルのドローイングを送ってくれたのである。これは本当に嬉しかった。僕の英語がもっと達者なら電話してしまうのだけど、拙い英語のメールでなんとかコミュニケーションを取っている。復元の手法や、資料や学説についての突っ込んだ議論もしたいところ、自分の英語力を伸ばすしかない。
Toddに掲載の許可をもらったので、彼のドローイングを紹介。
トレーシングペーパーに鉛筆で描いてある。繊細で的確なタッチ。彼がもっとも好きな恐竜だと言っていたアロサウルスだと思う。
僕が描くとこんなディテールにはならないだろう。でも、Toddの描くディテールも好きだ。
ここが復元画の面白いところである。同じ骨格標本を利用しても、それぞれに違いが出る。だからこそ、どこまでが科学的な復元で、どこからが作家の個性なのかも重要な問題である。
絵の中でそれが明確に分かるようにすることは不可能だが、復元のプロセスを公開することで説明することができる。
これからも復元のプロセスを大切に制作していきたいと思う。
今日は少し風邪気味で午前中、病院に行ってきた。夜になると咳がでて、喉がいがいがする。
咳がでると呼吸が乱れるので、筆先の動きに影響が出てしまう。常に一定の呼吸ができないと、イメージ通りの線を引くことが出来ない。薬を飲み出したら、随分良くなってきた。なんとか酷くならないように、冬を乗り切りたい。
投稿者 corvo : 23:25
2005年11月19日
切り貼り
ダミー本の制作の続き。
今日は出来上がったエスキースのコピーに、パソコンで打ち出したテキスト原稿を切り貼りしていく。
あいかわらず原始的な方法。画像をスキャンして文字を打ち込めばいいのだけど、最初は手で切り貼りしている。デジタルツールはとても便利な道具で、文字や画像の訂正も手軽に素早く行える。では、どうしてわざわざ切り貼りなのか?
いろいろ理由があるのだけど、まず素材の手触りがある。紙を触ることで本の形態を実感することができる。時々ぱらぱらとめくりながら、完成した本の姿を想像する。
また、切った貼ったという作業のリズムも大事だ。手を動かしはさみを使ってテキスト原稿を切る。画面に配置する。少し動かす。微調整。スティック糊で固定。全ての一連の動作がリズムを生み出す。
切り貼りしている様子の写真。本当におおざっぱなやり方である。
手作業が好きなだけっていうこともあるのだけど。
昨今、デジタルツールの普及や技術の進歩によって、手軽に絵やイラストを制作することができるようになった。
実際、僕はまったくデジタルで絵を描くことはないのだけど、簡単な画像処理やデータの管理には活用している。極めて便利なツールである。
しかしこれから将来、全ての絵の制作がアナログからデジタルに移行するということは起きるだろうか。
僕自身はそうはならないと思っている。
決してデジタルツールの存在を否定しているわけではない。僕の仕事場には職業柄、平均的な一般家庭以上のデジタル設備がある。使いこなせているかどうかは別にして、プロ用と言われる画像処理ソフトも揃っている。
それでも絵を描く上でアナログツールの優位性は揺るぎないと思っている。
アナログツールには、デジタル化出来ない要素が数多くある。紙と鉛筆で考えてみよう。紙の白と言ったとき、それは一色ではない。紙の種類によって、その白さは千差万別だ。同じ種類の紙であっても、荒目、細目、極細目といった表面の仕上げの違いから色味にも違いを感じる。
鉛筆にはH、HB、B、2B・・・など統一規格の濃さが設定されているが、メーカーによってその濃さ、色味は様々である。色々試した結果、今のメーカーに落ち着いている。長く使っているからという理由もあるのだけど、ちなみに僕が使用しているのはステッドラー。日本製に比べて品質管理が悪いのか、同じ濃さでもばらつきがあることがある。そんな場合でもその鉛筆の個性として使いこなすことは可能だ。
先ほど述べた紙の表面の仕上げは、鉛筆のタッチに大きく影響する。当然、仕上がりも大きく違ってくる。これらの組み合わせから自分にベストなものを見つけていく楽しみがある。僕が今一番好きな紙はフランスのアルシュ紙(極細目)である。
ここまで書いてきた素材の持つ情報量を、現在のデジタルツールで再現することは可能なのだろうか。それは無理である。将来的に近づくことはあっても、けっして追いつき追い抜くことはできないのではないだろうか。ただしこれから先、紙に鉛筆で描かれたものが必要とされるかどうかは、また別の問題ではあるが。
油絵は発明されてから500年あまりである。そして、現在も500年前の油絵を鑑賞することができる。その当時、紙に描かれたデッサン(まだ鉛筆はなかったが)も数多く現存している。それでは、これらのものが全てデジタルで描かれていたと仮定したらどうだろうか?
デジタルで画像を見るには、パソコンやデジタル再生機器が必要である。さらに、モニターやデータを読み取るための装置も必須だろう。そして、ソフトの存在も忘れてはならない。こういった環境は各自ばらばらである。これでは、全ての人が同じ絵を鑑賞しているとは言えないだろう。
記録メディアの問題もある。現在、CD、DVD、フラッシュメモリーなどが一般的に使われているが、これらのメディアが50年後、いや10年後でも同じように見ることができるだろうか。ハードもソフトも激変しているだろう。新しいファイル形式や記憶方法が開発されている可能性も大きい。
でも、500年前の油絵を鑑賞することはできる。500年間その絵を保存するには、修復や適正な保管など多くの手間と努力が必要だったのは事実だが、その描き手の込めた情報を受け取ることは可能だ。
今、デジタルでしか存在しない画像を、500年後も鑑賞することは可能だろうか。
デジタルで絵を描く人にも、是非アナログの素材を経験し制作に活かしてほしいと、僕は思う。
投稿者 corvo : 16:50
2005年11月17日
テキスト原稿作成
絵本の骨格と、絵のエスキースが出来上がったところで、文章の執筆にとりかかる。
漫画などは最初にネームを決めてから絵を描くらしいので、まったく逆の方法をとっている。
普段から文章を読むときも頭で映像化しながら読むので、最初に絵があった方がストーリーも考えやすいのかもしれない。
一応、どんな場面にするかということは箇条書きにしてあるので、おおまかな全体の流れはつかめている。今度は絵で描いてあることを邪魔しないように、細部が分かるよう文章を作り上げていく。前回の「ティラノサウルス」は少し文章が冗長気味なところがあり、絵の良さを消しているという指摘が友人からあった。確かに多くの情報を詰め込もうとしたあまり、文章のリズムや簡潔さが失われていたところがあったと思う。今回はそんなことがないよう、気を付けて文章を組み立てているところである。
写真はエスキースとテキスト原稿。中央に見えるざら紙に書かれた酷い字が、この絵本の物語である。我ながら本当に酷い字である。漢字の間違いも多く、分からず平仮名のままのところもけっこうある。時間をあまりかけないで速く書かないと、どうも文章はうまくいかない。絵のような画像を記憶しておくことは得意なのだけど、文章になると途端に記憶力が悪くなる。ひとつの文章を作るときも、何度も最初に戻って読み直さないと、次が書けないという始末である。
わざわざ手書きしているのは、文字を大きく書いたり、小さく書いたり、図のように組み合わせたりといったことが容易に出来るからだ。これがパソコンのワープロソフトになるとどうにもやりにくい。いつも手書きの原稿を作ってから、パソコンで清書する方法をとっている。
これで材料が揃ったので、週末にはダミー本を制作することができる。
来週始めには編集者と監修者へ、ダミー本を届けることが出来るので、ようやくスタート地点に立ったようなものだ。第三者の眼が入ることで、より良いアイデアやまずいところが見えてくるだろう。
ふらふらしながらもようやく歩き出した、今はそんな気分である。
投稿者 corvo : 23:23
2005年11月16日
頸椎の関節
前回のエントリーのコメントで、関節についての質問があったので、アパトサウルスの頸椎を例に解説してみたいと思う。
図Aは頸椎の関節突起の関節部分だけを図示したもの。図Bと図Cは第13、14、15頸椎を二通りの方法で関節させてみたものである。側面から見ているだけなので、立体としての把握はしにくいと思うが、この角度からでも分かる部分について説明してみたい。
頸椎には前後に関節突起がある。それぞれ左右に分かれていて、前後でつながっている。また、頸椎の中心にある円筒形の椎体でも前後につながっている。正面から見ると、関節部分がちょうど三角形になる。図Dを見てもらうとよく分かると思う。
関節面には可動範囲があって、その範囲内で関節を動かすことが出来る。ただし、骨だけで想定される可動範囲は、筋肉などの組織が付いた場合よりも大きいと考えなくてはならない。
図Aの関節突起の関節方法が正しいとすると、頸椎は図Bのように関節するはずである。図Cのように首を高くそびえるように上げようとすると、どうしても椎体の関節を「脱臼」させなくては無理である。
自然に関節させようとすると、首を高く上にあげることは無理がある。
写真は人間の頸椎。7個ある。
こちらは人間の胸椎1番目から3番目である。関節突起の関節の仕方に、アパトサウルスとの共通点があることが分かると思う。
うまく説明できたかどうか自信がないのだけど、また、分からないところあったら、質問ください。
投稿者 corvo : 22:41
2005年11月15日
エスキース制作
今日は次の絵本のためのエスキース制作。
このエスキースを元に簡単な製本をしたもの(ダミー本)が、出版社へのプレゼン資料となる。
本を一冊作る作業は、何度も見る、読む行為の繰り返しである。全ての過程を繰り返すことで、徐々に精度を上げて完成へと近づけていく。
同じ構図の画面を少しずつ修正を加えていく。また、時には大きく変更したり、まったくカットしてしまうこともある。
しかし、最初に決定した土台の部分がしっかりしていないと、どれだけ修正を加えても良い方向へは進まない。この土台を築くためにもっとも時間をかけているかもしれない。ここがしっかりしていれば、うまくいかなくなったときの軌道修正も容易にすることができる。
今のところ、まだ土台の作業をしているところである。
ここに写っている論文はSVP3日目に会場で購入した「The Osteology of Apatosaurus」である。やはり買うべきものだったのだと実感する。
図版のコピーは以前から持っていたのだけど、原書の持つ充実度には及ばない。まあ、気分的なものも大いにあるのだけど。1936年の出版ながらいまだ新品の本の香りがする。
これで良い絵本が出来ないわけがないと、自分に暗示をかけているのである。
投稿者 corvo : 23:32
2005年11月13日
金沢での講演会
12日、金沢での講演会。
雨の中、ANA751便で8時45分に羽田を出発。
ほとんど寝る間もなく、9時50分予定通り小松に到着。
その後、迎えに来てもらった車で会場へ移動する。
会場である石川県立生涯学習センター周辺は、金沢城公園、兼六園も近く紅葉が美しい。
講演まで時間があったので、金沢21世紀美術館を見に行く。この美術館、友人からとても良いと聞いていたのだけど、予想以上に素晴らしかった。
建物はフラットで高さがなく、街の中の景観にとけ込み威圧感がない。周囲の敷地は公園になっており、美術館内部へは四方向から入ることが出来る。また建造物の周囲はガラスで出来ていて、開かれた印象を与えている。
企画展「もうひとつの楽園 Alternative Paradise」はなかなか面白かった。日本と海外合わせて11人の招待作家によるグループ展と、茶室をテーマにした「T-roomプロジェクト」からなる展示で、「「工芸」の現代的価値を問いかける」ことが基本コンセプトにある展覧会ということである。
招待作家の作品もきちんと作り込まれた作品で、展示空間をきちんと使いこなしていたと思う。この美術館は様々な大きさや形の展示室に分かれており、作家のスケール感、作品のサイズなどに合わせて、もっとも適した空間を選ぶことが出来るようだ。独立した展示空間もそれぞれが緩くつながっており、うまく響きあっていたように感じた。
ぞれぞれの展示室には、ボランティアと思われる解説員の方が常駐しており、こちらの質問に丁寧に答えてくれる。いままで現代美術には興味がなかったのだけど、これをきっかけに勉強したといった感じの方が多く(あくまでも僕の印象です)、とにかく一生懸命に説明をしてくれるのである。
ぎこちない所がありながらも、この美術館が好きだという気持ちが伝わってきて、見る側も自然に楽しい気分になってくる。
写真のプールに見えるのは、常設展示のレアンドロ・エルリッヒ作「スイミング・プール」である。強化ガラスに水が張られていて、地上からと地下からの両方から作品を体験することができる。時々、知らない人同士でらカメラを向けあったりしながら、コミュニケーションが生まれたりと楽しくとても美しい作品である。特に金沢は天気が良かったので、水の波紋がきらきらと輝いていた。
本当はずっと美術館にいたかったのだけど、講演会の時間が迫ってきたため仕方なく会場へ戻る。
13時の受付時間直後は出足が悪く、主催者もやきもきしていたようだが、最終的には50名ほど集まっていただき盛況のうちに講演会を始めることが出来た。
今回、用意していったスライドショーは3本立てである。
1. 「恐竜の世界を復元するには」。どういうプロセスで恐竜を復元するかを、実際の制作過程を紹介し説明。また、全身の骨格がほとんど揃っている場合の復元と、一部の化石しか見つかっていない場合の復元の二通りの方法を解説した。
2. 「Paleontology art」。これまで制作した復元画の一部を60点ほど紹介。
3. 「SVP2005」。今年10月にアリゾナで開催されたSVPの様子を紹介。これが一番受けたかも。
思った以上に年配の方の参加が多く、子供たちが少なかったのが少し残念。
復元画の制作過程を紹介したのは、このblogでも連載していた「アパトサウルス」と、1999年に新聞やテレビでも報道された「白峰村で発見されたオヴィラプトル類」である。オヴィラプトル類の復元は、たった一個の「末節骨(指先の骨)」から全身の復元画を描くというもので、非常に挑戦的な仕事であったことを思い出す。
ここで解説しようとすると非常に長くなるので、機会があればworkshopで紹介できればと思う。
講演会をやると、毎度のことながら「色」の質問が出る。毎回、必ず質問しないようにと、最初に色は分からないということを説明するのだけど、今回はその説明をする前に質問を受けてしまった。この質問、とても嫌いです。
「色」の復元は、あまりに材料がなさすぎる。どう説明しても、質問した人を満足させることは出来ないだろう。確証ある解説など絶対に無理である。
しかし、骨格や筋肉の復元ならば、正解にたどり着くことは出来ないかもしれないが、残された化石証拠から色々な結果やアイデアを導き出すことができる。是非、ここの面白さを理解してほしい。
色についてはこちらを参照「恐竜の色は?」。こんな程度に考えておいてほしい。
講演会の様子の写真。90分しゃべり続けるのはさすがに疲れる。もっとうまくしゃべれるよう、色々と工夫していかなくては。毎回思うことだが、自分の考えを整理して話すことはとても勉強になる。
この日のうちに、自宅へとんぼ返り。さすがに日帰りはきつい。
この度はスタッフの皆様、ご来場いただいた皆様。どうもありがとうございました。
これに懲りずにまた呼んでください。そして、また聞きに来てください。
投稿者 corvo : 22:51
2005年11月11日
次の絵本
暖めてきた次の絵本の企画を始める。
今の段階ではまだ出版は決定ではないので、お知らせできることは少ない。
今月中にダミー本を作り、出版社に持ち込む予定である。このタイミングで作っていかなくては、出版したい時期から遅れてしまう。
全体の構成がかなりはっきり見えてきたので、細部のアイデアも固まりつつある。
前作「ティラノサウルス」は不満の残る部分も多い。確実にこれを超えるものを作りたいと思っている。
どうかご期待下さい。
最初のラフとメモはこんな感じ。これがないと、全体を俯瞰することができない。
投稿者 corvo : 00:24
2005年11月10日
講演会のお知らせ
講演会のお知らせです。以下の内容で今週土曜日に、石川県金沢市で講演会を行います。
北陸近辺にお住まいの方(もちろんそれより遠方の方も)、時間がありましたらご来場いただけると幸いです。
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平成17年度自然史講演会
『恐竜の世界を復元するには』
講 師:小田 隆(画家)
内容:恐竜等の古生物の科学的復元画の制作について.
日 時:2005年11月12日(土)13:30〜15:30(13:00受付開始)
会 場:石川県立生涯学習センター22号室
金沢市広坂2-1-1
参加費・申込:不 要
主 催:石川県教育委員会生涯学習課(石川県自然史資料整備室)
問い合せ先:076−243−6062
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基本的にはKeynoteを使ったプレゼンテーションになります。
復元の具体的な例をあげて、その過程を詳しく説明することができればと思っています。また、少しSVPのレポートもお話しするかもしれません。講演の後には質疑応答の時間と、絵本「ティラノサウルス」の販売とサイン会も行います。
皆様、よろしくお願いいたします。(関東の方、遠くてすみません)
投稿者 corvo : 12:57
2005年10月25日
アリゾナ出発
帰国しました。
アリゾナを飛び立ったのは、現地時間で23日の午前9時30分。予定では8時14分初だったのが、何かの理由で1時間30分も遅れてしまった。(理由の説明はなし)
朝早いフライトにそなえて4時30分には起きて準備をし、ホテルを5時30分に出たというのに・・・・。
アリゾナで宿泊していたホテルの部屋。とびきり良い部屋というわけではないが、十分な広さと快適なネット環境が揃っていて、快適に過ごすことが出来た。
飛行機から見る、アリゾナの地上。よほどのことが無い限り、この地にはもう来ないだろう。かつてはF1も開催されたところではあるが、僕の旅行の選択肢には入らない場所だと思う。
SVPは本当に楽しむことが出来た。世界中の研究者が一カ所に集まり、研究の成果を発表することが最大の目的ではあるが、その周辺に携わっている人間にも有益な学会であった。Preparators symposium(化石のクリーニングや、展示手法などの技術的な分野に関わっている人のためのシンポジウム)が19日に開催されていたのだけど、到着した日であったのと他の発表を聞いていたため、聞くことが出来なかった。僕のやっていることに一番近い分野の発表であったのに、もったいないことをした。次回は積極的に聞きに行きたいと思う。
こういった事からも、研究者と技術者(デザイナーやアーティストも含めて)が密接に関わって、博物館が運営されていることがわかる。これは日本では実現出来ていないことの一つだ。日本では大手の展示業者が間に入るため大きな金額が動くが、研究者との関係が遠くなってしまうため研究者の意向が正確に反映されることが少ない。もし日本の展示業者が真剣に研究者との関係を考えるなら、毎回SVPのような場に人材を派遣するべきではないだろうか。
今回、強く感じたのはアメリカには手ぶらで行ってはいけないということだ。自分から発信、発言出来る物を何も持たずに行っても、ただのお客さんで終わってしまう。今回僕は友人の協力を得て絵本「ティラノサウルス」の英語版を作り、自分の作品の制作プロセスをスライドショーにして、それらのファイルをCDロムに焼いて持って行った。これだけのことでも、参加している意識を持つことが出来る。
こちらからアクションを起こさなくては、何も始まらない。今回、ラッキーだったのは、アメリカのアーティストたちと友人になれたことだ。言葉が拙くても、造型言語で会話をすることが出来る。はなはだいい加減だけど、後は”ノリ”かな。
かなり無理をして行ったSVPであったけども、大きな成果を得られたと思っている。
明日はサンフランシスコでの一日を。
投稿者 corvo : 23:13
2005年10月23日
SVP4日目
ついに最終日。現地時間は23日の午前0時30分。
明日は5時30分にはホテルを出て空港に向かうので、すぐに寝なくてはいけない。
今日もアリゾナは快晴。抜けるような青空で、日中はおそらく30度を超えているだろう。
休憩時間のひととき。
今日も午後は眠かった。結局時差ぼけは解消せず、午後になると睡魔に襲われる。やむなく少し昼寝をした。
夜にはAwards Banquetが開催され、夕食会とSVPから送られる様々な賞の発表があった。
ここでローマー賞受賞者も発表される。
ひとつ大変気になった賞があって、詳細はこれから調べなくてはいけないのだけど、アーティストに送られる賞があるのだ。偶然にも昨晩友人になったTodd Marshallが受賞。早速、祝福の言葉を伝えて出品の方法を聞く。残念ながら拙い英語力で完全には分からなかったが、出品は可能のようである。是非、チャレンジするべきとも言われた。
新しい目標ができて、またまたやる気が出てくる。
日曜日はサンフランシスコの友人のところへ一泊してくる予定。
次のアップは帰国後かも。
朝にアリゾナを出ます。
投稿者 corvo : 16:25
2005年10月22日
SVP3日目
さて、3日目である。今日は写真が多く長いエントリーになるが、どうか最後までお付き合い願いたい。
結論から言っておくと、SVPに来て最高に楽しい1日であった。
今日1日には、真剣に勉強して、真剣に仕事して、真剣に遊ぶとはどういうことかということが凝縮されていた。
アリゾナの抜けるような青空。建築物の影がシャープだ。
昨日の夜から延々と、手に入れるかどうか悩んでいた文献があった。特別に高いとか貴重なものではないのだけど、やはりそれなりに悩む。この古書店には貴重な文献が揃っているのだが、本当に貴重なものは飛び上がるほどのプライスタグがついている、しかし、発行部数が少なく内容の素晴らしい本が高くなってしまうのは当然だ。見た中では$5000が最高の値段だったが、全てのページを見せてもらい堪能することができた。当然ながら本の扱いにも厳しく指示が入る。
狙っていた本は、もちろんこれではない。意を決して購入。ここから店主とのコミュニケーションが始まる。ひとたび話し始めると気さくな態度で、書物への科学への愛情がひしひしと伝わってくる。
今日の午前中は恐竜の発表は聞かずに、古生代の魚の発表を聞くことにした。これが望外に面白い。魚という分野は非常に丁寧な研究がなされていて、解剖学的な研究も深く行われている。原始的な魚は、これが本当に魚なの?というぐらい奇妙な形態をしているのだけど、保存状態の良い標本が多くとても美しい。
また、魚の研究者の発表は物静かなのだけど、人に伝えようとする強い意志を感じる。制限時間は15分なのだが、堂々と粛々と最後まで発表を続けようとして焦ることがない(後で聞くと、皆大変な大家であるらしい)。言葉が分からない(全部ではないが)にもかかわらず、集中して聞き入ってしまった。
今日もポスターセッションが午後から始まる。またもやラッシュアワーのような盛況ぶり。
時差ぼけのせいで猛烈な睡魔に襲われながら、人混みにエネルギーを吸い取られそうになる。ここで踏ん張らねば。
昨日のテリジノサウルスの学名Falcarius utahensisである。
黄昏時の空、午後6時30分からお待ちかねのAuctionが始まる。
Auctionは大きく前半のSilent Auctionと後半のLive Auctionに分かれている。
Silent Auctionとは出品物の隣に入札用の紙が置いてあり、落札者は次々に高い値段を付けていくことが出来る。制限時間一杯まで、何度でも入札してよく最後には一対一の対決が展開される。
ここには僕も日本から持ってきたもを3点出品した。自分のものに他人がいくら付けてくれるかを見るのは、とても興味深い。近くにいれば声をかけてコミュニケーションをとることも可能だ。結果的に3点とも落札してもらったのだけど、どきどきする経験であった(売り上げは全てSVPへ還元される)。自分でも一つTシャツを落札出来て、大成功のSilent Auctionであった。
ここでさらに嬉しい出来事が。これまでメル友(と言うのも変だけど)であったTyler Keillorと出会うことができたことである。まさに海を越えたオフ会。是非、会いたかった人物で、物腰の柔らかいナイスガイである。
Tylerさんと、彼に送ったサイン入りのティラノサウルス(サインはその場で描きました)と彼。友人のアーティストを何人も紹介してもらったのだけど、アーティスト同士になるといい加減な英語でもけっこうなんとかなってしまうものである。
次はLive Auctionなのだが、これはSVPが選りすぐった出品物をLiveで競っていくイベントだ。来年はここに出品してもらうようなものを持って行く予定。
演出が素晴らしい。スター・ウォーズ のパロディなのだけど、スクリーンに映される字幕とテーマ曲がいやが上にも落札者たちを盛り上げていく。
同盟軍側のコスプレキャラクターが出そろったところで、ダースベーダーのテーマをバックにベーダー卿のオークショニアが現れる。会場は爆笑の渦である。わざわざボイスチェンジャーまで使って、あの声で Auctionがスタート。すぐにマスクを外して素の声で声をかけていくのだけど、ライトサーバーで落札者たちを指しながらリズミカルに競りを盛り上げていく。そのリズム感が絶妙。ジョークも交えて笑いを誘っていたらしいのだけど、残念ながらそこまで理解できる英語力はない。
このようなイベントも世界中から会員を集めることが出来る、吸引力になっているのだと思う。
これだけのために、来年もまた来たいと思ってしまう。(当然、研究者は違うだろうけど)
もうちょっと色々書きたいことがあるのだけど、続きは明日に。
投稿者 corvo : 16:55
2005年10月21日
SVP2日目
SVP2日目の模様。
食事の後、早寝をしたらすごく早く起きてしまい、現在現地時間で午前4時である。
2日目の午前中は Alfred Sherwood Romer Prize Presentationsを聞く。この発表はローマー賞という若手研究者を対象にしたコンペ形式となっている。ここにエントリーされるだけでも大変名誉なことらしい。発表や研究の内容だけでなく、立ち居振る舞いや服装、質問に対して的確に対応出来ているかなども審査対象になるということである。持ち時間の15分を利用して、淀みなくプレゼンテーションすることが要求される。
いつもながら英語がほとんど分からないのだけど、発表者の緊張ややる気が見えてきて面白い。他の発表とはひと味違った緊張感が空間に充満している。聞く方も自然と真剣になってくる、
不幸にも機械のトラブルで中断してしまう発表者や、英語が母語でないため言葉につまってしまう発表者もいたのだけど、真剣さがひしひしと伝わってくる。
誰がローマー賞に輝くかは、最終日のAwards Banquetで発表される。
SVPの会場では学会発表だけでなく、出版社、古書店、標本業者などが会場を借りて出店している。これがまた楽しい。
出版社のブースの様子。新刊はアマゾンなどでチェックしているのだけど、実際に手にとって見ることが出来るのが良い。
こちらは標本業者の展示ブース。もちろん全て売り物である。展示されている全身骨格のレプリカは、テリジノサウルス類の一種のようである(もう一度学名チェックしてきます)。どこまでオリジナルを元にして作っているか分からないが、非常に良くできている。
午後3時30分からポスターセッションが始まる。掲示板にポスターで発表し、発表者はポスターの前で待機して質問者の質疑に答えるというスタイルである。もちろん誰が質問しても構わないし、時間が許す限りディスカッションすることもできる。こんなときに聞きたいことが聞けない(言葉の問題で)もどかしさを痛感する。
会場はラッシュアワー並の混雑になる。研究者間の貴重な交流の場にもなっている。今回、日本から行動を共にしている平山廉さんもポスターでの発表があった。
ここの業者は SKULLを中心に標本を扱っている。日本で買うよりもかなり安い。壊れやすいものをもって帰るわけにはいかないので、買うとなると送料が必要になるのだが今のところ思案中。完全な標本ではなく、病気や事故で怪我を負ったものは、さらに安く入手できる。ここのブースからは本を2冊購入。
「THE SPERM WHALE ENGINEERING MANUAL OR BUILDING A BIG WHALE SKELETON(ISBN:0-9747139-4-5」はマッコウクジラの骨格標本の組み立て方法から、詳細な骨格の記録が掲載されている。
今、準備を進めているファンタジー小説の挿絵で、鯨の骨格が大きな意味を持ってくるため、これは貴重な資料となりそうだ。
もう一冊は同じシリーズで「THE BIRD BUILDING BOOK(ISBN:0-9747139-7-X)」。こちらは文字通り鳥の骨格標本の組み立て方である。こういった資料の良いところは、普段博物館などで隠れてしまうところが分かることである。図版も簡潔なタッチで上手い。
古書店では「BONES(ISBN:0-8133-3806-9)」を購入。以前から探していて、見つからなかった本だ。学術書ではなく骨格の美しい写真集である。眺めていると自然の造型力のすごさを思い知らされる。
次の写真は番外編。夕食にホテルの近くのメキシコ料理のチェーン店に行ったところ、駐車場に止まっていた。
DATSUN 2000。日本名は「日産フェアレディ」。国産の中でも名車の一つであろう。ぴかぴかすぎず、でもとても状態が良くオーナーの愛情を感じる一台であった。
もう一度、仮眠をとって会場に向かう予定。
21日夜には 23rd Annual SVP Benefit Auction and Social Timeが開催される。皆が持ち寄った物品でオークションを行い、その収益はSVPへと還元される。
僕もいくつか出品したのだけど、いくらの値がつくか、怖くもあり楽しみでもある。
投稿者 corvo : 19:55
2005年10月20日
SVP1日目
19日成田を出発、サンフランシスコへ向かい、トランジットの後フェニックスへと降り立つ。
今、出発してから何時間たっているのか思い出すことも困難なのだけど、とても楽しい一日であった。
成田のゲートから見た、これから乗り込むユナイテッドのジャンボジェット。
もちろんエコノミーなのだけど、これが思っていた以上に狭く、8時間あまりの旅はけっこう苦痛であった。しかも窓際の席しかとれなかったため、トイレに立つのにもかなり大変であった。
それでも隣の席の上品な韓国人夫婦に、色々と気遣っていただき快適に空の旅を楽しむ事ができた。
こちらの写真は、上空からフェニックスの町を望むところ。人工的に整備された砂漠の中の町という印象である。
低い建物が多く、空が広い。天気は快晴でかなり暑いが、湿気がないため不快感はほとんどない。
空港には13時30分頃到着。荷物を受け取るのに、かなりの時間がかかる。
その後タクシーで予約してあったホテルまで移動。
少しの休息のあとにSVPの会場まで行き、いくつかの発表を聞く。英語はほとんど分からないのだけど、リズミカルで美しいスライドショーのある発表だと、画像からおおよそのことを読み取ることができて、なんとなく分かった気になってくるのが不思議である。
今日は初日であったため、オープニングレセプションが開催された。
会場は近くにある博物館 The Mesa Southwest Museum で行われた。博物館の入り口で、原寸大のブロンズのディロフォサウルスが出迎えてくれる。確か、マイケル・ターシック制作の彫刻だったと思う。
パーティーが始まると、皆各自好きな場所で食べ始める。博物館のどこで食べても良いのだ。レプリカのトリケラトプスとはいえ、展示台の上に皿を載せて歓談。なんとも自由な雰囲気である。
この博物館はそれほど大規模なものではないのだけど、随所に工夫が盛り込まれていて楽しい空間になっている。
建物の中央に大きな吹き抜けがあり、ジオラマの中を滝が流れている。時々、その水流の勢いがかわり臨場感を盛り上げてくれる。
屋上も素敵な空間である。気候も気持ちよく、ビールを飲みながら雰囲気を楽しむ。ここでもう少し英語力があれば。と感じることが多々あるのだけど、本当に楽しい。
これは番外編。人文系の展示にも力をいれており、この土地に実際あった監獄が展示されている。
実際に入ってそのどうにも鬱屈した空気を味わうことが出来るのだけど、本当に陰鬱な気持ちにさせられる。
牢に入って、鉄格子越しに撮影してもらったところ。こんな経験は絶対にしたくないと思う。
会場を出たのが午後11時。その後、誘われてホテルに帰ったのが深夜。
まだまだSVPは始まったばかり。毎日、その様子を報告していきます。
投稿者 corvo : 19:56
2005年10月19日
やっつけ仕事の放送日
以前、拙blogで紹介したやっつけ仕事の放送日の紹介である。
番組タイトルは「熱中時間〜忙中趣味あり〜」で、放送時間は次の通りである。
NHK BS hi
10月20日(木)22:00〜22:59
10月24日(月)13:15〜14:14
NHK BS 2
10月23日(日)20:00〜20:59
タブリンさんの作る精巧な木彫骨格模型を堪能していただければと思います。
平山さんのコメントがたくさん聞けるかな。(予想)やっつけ仕事がどれほど露出するか。僕自身もちょい役で映っているかもしれません。
とりあえず、興味あったら見てみてください。
投稿者 corvo : 01:17
2005年9月29日
集中講義2日目、3日目
集中講義2日目と3日目をまとめてアップ。
昨日は12時に学生と国立科学博物館で待ち合わせ。目的はアパトサウルスの標本を見るためである。
平面上の図版を見ているだけでは、立体の理解が難しくなってしまう。論文の図版は3面図になっていて立体を想像することはできるが、一度も見たことのないものを思い描くことはあまりに困難だ。
そこで、実際の標本を見ながらスケッチをとったり、撮影をしてもらいながら話をするという時間を設けた。
芸大も博物館も上野公園内にあるという立地条件の良さから、比較的ゆっくりと博物館で時間をとることができた。
アパトサウルスの標本を前にして、スケッチをとる学生。
研究室に戻り、作業の続きを進める。ほとんどの骨格の位置を決定し、論文に図版のない部分を手で描き加えているところ。
完成した骨格図をトレーシングペーパーに写し取る。
立体の把握のヒントとして、椎骨の断面図を厚紙に貼り、切り抜いて針金でつないだものを作る。針金は脊髄が通っている穴を貫通している。
骨格の側面図との相関関係はこんな感じ。
トレーシングペーパーに写したイメージを画用紙に転写して、筋肉と皮膚を復元していく。様々な資料が山積みになっている。
時間切れで学生たちは完成させることが出来なかったが、復元のプロセスを体験し理解するという目標は達成できたと思う。
今回、講義をしてみて感じたことは、復元という作業を伝えることは非常に難しいということである。自分の中でも理解が進まず、納得のいかない部分が多々あるのが、古生物の復元である。動物園に行って観察し確認することもかなわない。
特に筋肉の復元に対する理解が不足している。近々、筋肉の復元を徹底的にやってみなくては。
今回の集中講義は今の自分に何が不足しているかを、実感することが出来た経験であった。
投稿者 corvo : 23:14
2005年9月26日
集中講義1日目
今日から集中講義。芸大美術解剖学研究室の修士の1年生を対象にした、ゼミ形式の講義である。
復元画とはどういったもので、僕自身がどんな仕事をしているかという話は、6月16日に行った第一回目の講義で話をした。今回は実際に復元画を描くプロセスを体験してもらうため、実技を中心とした講義を行う。当然、1日で完成することは不可能なので、3日間で一枚の復元画を制作する予定である。
さすがに普段から実技を行っている学生は理解が速い。また解剖学の訓練を受けているため、骨の名称や機能を理解しているので、一方的に話をするだけでなく議論をしながら進めることができ、僕にとっても勉強になる講義となった。
資料として用意したApatosaurus louisaeの骨格図を切り抜いていく。
論文の図版は縮尺が部位によってバラバラのため、スキャナで取り込んでから縮尺を1/20に統一してある。全身を復元するとおよそ1mほどになる。
僕がこのblogで紹介した「apato process」と同一の論文を使用している。
まず頸椎から始める。ひとつひとつ切り離した頸椎を、関節の部分で丁寧につないでいく。全体のバランスも見ながら、何度も試行錯誤を重ねていく。そのため糊には貼り直しのできるペーパーセメントを使う。(画像に写っているスティック糊とは違う物です)
頸椎、胴椎がおおよそ出来てきたところ。今日の講義の時間ではここまでが精一杯。
最終的にモノクロの生体復元図を描いてもらうことが目的である。
帰宅してから録画してあったブラジルGPをようやく見た。
アロンソ、ワールドチャンピオン決定。年間を通じてマシンの信頼性も抜群で、ミスの少ないドライビングで安定していたことが大きな要因である。ライバルの自滅にも助けられ部分もあったが、勝ち取ったタイトルであることに間違いない。2戦を残しての決定に少し残念ではあるが、ブラジルでも3位に入りチャンピオンにふさわしいレースであった。
投稿者 corvo : 22:48
2005年9月18日
やっつけ仕事続報
今日の昼になって、修正の連絡が入る。遅い。昼になるまで確認していないのか。
首を上げたブラキオサウルスの首をもっとS字にしてほしいということ。
怒りに震えた手で描いたので、線も少しびびっているかも。
従来の復元姿勢を描きおろす意味がわからない。絵を合わせたいのかもしれないが、所詮テレビ上で数秒のことであろう。G・ポールの復元図で良いのではないか。
S字に復元しようとすると、かなりの無理がかかる。
疲れた。これでおしまい。
投稿者 corvo : 13:31
やっつけ仕事
昨日のやっつけ仕事の画像。
夜の間にメールで送ってあるのだけど、いまのところ返答はなし。おそらく大丈夫でしょう。
首を高く上げない復元姿勢。
従来の首を高く上げた復元姿勢。無理にあげているため、所々脱臼している。
やっつけ仕事とはいえ、各骨格の比率は計測して描いている。
出来上がりとしては不満も多いのだけど、あらためてブラキオサウルスの復元姿勢を確認することができた。
投稿者 corvo : 11:34
2005年9月17日
急ぎの仕事
急ぎの仕事である。
はっきり言って腹の立つ依頼。先方は18日に欲しいということであるのだけど、その依頼があったのは16日の夕方。20日でもいいということなのだけど、それは完全に連休をつぶせということなのか。定期的な休みをとらずに仕事をしているフリーランスではあるが、休みも必要であるし予定もある。
その依頼の内容は、テレビの番組で使用するためのブラキオサウルスの骨格図である。しかも、首を高く上げた図と低く下げた図の2点。最終的には首から先の部分をデジタル上で差し替えるので、1.5頭分の骨格図というところであろうか。
写真を見てもらえれば分かるとおり、これだけの図版を制作するだけにも、多くのの資料を参照する必要がある。
そして絵を描くというスキルが必須である。
時間が短い以上に、ギャラの安さに腹が立つ。
当然、特急料金も週末手当も付かないのである。
1日でやっつけてしまって、明日データで納品。目出度し目出度し。
投稿者 corvo : 23:52
2005年9月15日
久しぶりの復元画
久しぶりに復元画の画像のアップである。
といってもまだエスキースの段階である。登場する恐竜はマジュンガトルス2頭。
この恐竜の化石が発見されたときに、歯による傷のついた骨格の化石が発見され、共食いの証拠と考えられた。実際、生きたもの同士が闘い共食いをしたのか、死体を漁って結果、共食となったのかは分からない。
今回は生きたマジュンガトルス同士が争った場面を想定してみた。アクティブすぎるポーズかもしれないが、時々こんな感じの場面を無性に描きたくなる。
いくら劇的な場面といっても、解剖学的に逸脱したポーズをとらせることをしてはいけない。
そのポーズをとらせるために関節を脱臼させたり、骨格のプロポーションを無理矢理変えるようなことは、復元するという目的から一番遠い行為となる。
絵の上のことなので、完全に整合性がとれているかと問われると、多少デッサンの狂いがあるかもしれないが、構図を決定するときには、色々な方向から見て無理がないようにポーズを決定している。
観察できない生物を描くのは、本当に難しい。
投稿者 corvo : 23:33
2005年9月 6日
SVP
来月、SVP主催の65th Annual Meetingに参加することにした。場所はアメリカのアリゾナ州フェニックスである。フェニックスといえば1991年まで、市街地サーキットでF1を開催していたところ。1990年のアレジとセナのバトルは、今思い出してもぞくぞくする。
ちょっと話がそれたけど、SVPとはThe Society of Vertebrate Paleontologyの略称で、古生物のなかでも脊椎動物を対象にした学会である。僕は学会に所属していないが、nonmemberとして参加することができる。ただし、参加費は割高である。
あまりに心許ないというか、だめだめな英語力ではあるが、その雰囲気だけでも楽しんできたいと思う。
開催日は10月19日から22日までなので、まだ1ヶ月以上先の話であるのだけど、参加するための登録やホテルの手配を早急にする必要があったため、今日の報告となりました。
投稿者 corvo : 23:21
2005年7月30日
頭部シリーズ終了
今回でとりあえず、リクエストも終了。
このまま切りなく続けていくと、個展の準備にとりかかれないのでご容赦を。
作品リスト作り、額装とけっこう手間がかかるのです。
Oviraptor philoceratops
メールでの再びのリクエストで、先日紹介したモノクロに着色。
Pachycephalosaurus wyomingensis
投稿者 corvo : 12:18
2005年7月29日
リクエスト3連発2
リクエスト3連発、第2弾である。
サイカニアはコメントからではなく、友人がメールでリクエストしてきたものである。
ついに個展オープンまで1週間を切った。秒読みである。
Rhamphorhynchus gemmingi
Triceratops
Saichania chulsanensis
投稿者 corvo : 16:44
2005年7月27日
リクエスト3連発
リクエストのあった3点。
会場に見に来てもらうためには、ネット上にアップしない方がよいのかもしれないが、遠方から見てくれている方もいるのでやはりアップすることにする。
お近くの方は是非会場で!
Einiosaurus procurvicornis
Stegosaurus stenops
Oviraptor philoceratops
投稿者 corvo : 18:20
2005年7月26日
ショニサウルス
リクエストにショニサウルスとあったのだけど、今回の画面は小さいため全身を描く必要のある復元画は、基本的に無理がある。そこで昨年グランドオープンした国立科学博物館用に描いたショニサウルスをアップする。
これは生体復元ではなく生体のシルエットを持った、骨格復元図である。将来的には海の生態も含めた復元画を制作したいと思っている。
大木さん、とりあえずこれで勘弁してください。
投稿者 corvo : 22:54
リクエスト第二弾
今日はリクエストにあったマメンチサウルス。
今回はモノクロでいってみた。彩色するとペン画のシャープさが少し鈍くなる印象があるので、次からモノクロシリーズでいってみようと思う。
Mamenchisaurus youngi
投稿者 corvo : 11:10
2005年7月25日
リクエスト第一弾
リクエストに応えてアリオラムス。
シャモティラヌスはあまりに資料が少ないので勘弁してもらった。
資料が少なすぎると、復元ではなく想像に頼る部分が多くなってしまう。
日本で発見される恐竜化石のように、極めて部分的な標本から復元することに意義のある場合もあるのだけど、それは特殊なケースである。
引き続きリクエスト募集中です。
Alioramus remotus
昨日のドイツGP、またしてもライコネンを悪夢が襲う。今シーズンは同一チームのマシンがそろって上位に入ることが少ない。多くの場合どちらかのチームメイトにトラブル、アクシデントが起きている。(エンジンを載せ替えて、予選順位が降格になっているにもかかわらず表彰台に乗ったライコネンの例もあるが・・・)
昨日だと、ライコネン、フィジケラ、琢磨、トゥルーリなどなど。
特にライコネンと琢磨はツキから見放されている。これで十中八九チャンピオンはアロンソのものだろう。
終盤もつれるようだと本当に面白いのだけど、ライコネンがこの流れを断ち切れないとそれものぞめない。
琢磨ファンクラブの会員としては、琢磨にはやくポイントをとってほしい。
コメントにF1の話題も大歓迎です。
投稿者 corvo : 21:41
2005年7月24日
リクエスト募集
個展開催まで2週間を切りました。準備も大詰めです。
今回、何点か小品を用意したいと思っています。サイズはハガキ大で下の画像がサンプルです。
素材は紙にペン、透明水彩。
そこで、描いて欲しい!という古生物をリクエスト募集します。基本的には中生代の脊椎動物と考えていますが、それ以外でも資料があれば描いてみようと思っています。
個展まで日がないので全て描けないかもしれませんが、どしどしリクエストお願いします。
気軽にどうぞ!
Tarbosaurus bataar
投稿者 corvo : 22:35
2005年7月22日
apato process 23
アパトサウルス”一応”完成である。
一応というのも、展覧会に展示する新作であることと、ぎりぎりまでディテールを詰めたいことから、このブログではこの段階で完成として終わりたい。
もちろん会期後にはもっと大きな画像で、完成した状態をアップする予定。
まずは、お近くの方は個展会場へ見に来ていただければと思う。
さらに完成度の上がったアパトサウルスを楽しみにしていてほしい。
全体にもう少し明るくしたいのと、背景を整理したいと思っている。
頭部のディテール。ここまで拡大するとけっこう粗い。ルーペで覗いた状態がこんな感じである。
肉眼で制作しているため、それほど精度の高いタッチではない。
投稿者 corvo : 00:00
2005年7月20日
apato process 22
ようやく全貌が見えてきた。
昼間はほとんどの時間を、他の企画のラフスケッチのために使っていた。なので進んだのはほんの少し。
ここから仕上げるまでにエネルギーがかなり必要になる。
アパトサウルス全体に絵の具がのったところ。鉛筆デッサンよりも、若干しっぽが太い。
でも、こちらのほうがしっくりくる。
すこしアップ。身体のあちこちに傷がついている。
さらにアップ。けっこう細かくタッチが入っている。ふたたび千本ノックの気分。
投稿者 corvo : 00:05
2005年7月19日
apato process 21
今日のアパトサウルス。
ようやく尾にとりかかる。そしてまたもや酸欠仕事。蓄積してきた疲労と相まってくらくらする。
背景は基本的には白バックでいくのだが、どうまとめるか悩みどころ。大胆にいってしまうか。
早く完成させて、小品の制作や次の企画のことを考えたいところ。もうすぐかな。
投稿者 corvo : 00:01
2005年7月17日
apato process 20
apato process も20回の大台にのった。はやく完成させねば。
しっぽ以外はおおよそ出来ているようにみえるが、まだまだやり残しているところが多い。
頭部付近のアップ。
左前肢と左後肢。足は重要である。陸上生物を描くときは、特に大地との関係に気を使わなくてはいけない。
重力に支配されて物が存在する。大地に対して垂直に重心をとり、立つことが出来なくては行けない。
全ては絵の上のことであり、絵空事ではあるのだけど常に考えておく必要がある。
投稿者 corvo : 21:56
2005年7月16日
apato process 19
アパトサウルスの頭部をだいたい仕上げる。
首の途中を残したことで完成へのプレッシャーをかける。まだ描かなくてはいけないところはかなりある。
角度がついていて、上下に若干つぶれた画像である。
今日そろそろDMも着く頃だと思い、ブログ上でも個展の宣伝を。
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小田 隆絵画展-復元された恐竜の世界
2005年8月4日(木)〜10日(水) 午前10時〜午後8時(最終日は午後4時30分閉場)
池袋東武 本館6階1番地 美術画廊小サロン
豊島区西池袋1-1-25 TEL.代表/03-3981-2211
http://www.tobu-dept.jp
----
毎日、会場に詰めている予定です。是非、ご来場ください。
よろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 22:26
2005年7月13日
apato process 18
今日は再び酸欠仕事。
竜脚類の長い首は、えさを広範囲に集めるために有利に働いたと思われる。
さらにある知人のアイデアなのだが、放熱のために必要な長さだったのではないかということだ。
大型になればなるほど、体温を維持することは容易になるのだが、逆に体温が上がりすぎると危険な状況に陥ってしまう。現在のアフリカ象も大きな耳を利用して、体温が上がりすぎないようにかなり気を使わなくてはいけない。
そこで今回の復元では首に血管が多く集まっているという考えから、赤みを帯びた色にすることにした。
スパッタリングで絵の具を飛び散らせたところ。頭がくらくらする。
昨日から進んだ胴体部分。
返り血を浴びてしまった!
投稿者 corvo : 19:46
2005年7月12日
apato process 17
アパトサウルスの制作も今日は酸欠から解放される。
いきなりディテールから描き始める。今回は腹部から。ウロコを描くのは毎回大変。
最初から仕上げにちかい密度で描いていく。(ただしケースバイケースで)一気に密度を上げていくことで、後の仕事で手を抜けないようにプレッシャーをかけていく。こういった単調なタッチの繰り返しは、呼吸とリズムが大事。しかし、単調になりすぎても不自然になるので、ときどき呼吸とリズムに変化をつけていく。立体の移り変わりをなぞるように、自分の体が恐竜の周りを浮遊して観察しているような気持ちで筆を動かす。
爬虫類の写真集も参考資料になる。
腹部と腰回りが大体出来てきたところ。今日の写真もパースがついている。
さらにディテール。面相筆と比較すると、大体のタッチの大きさが分かる。
今日36歳になる。今年は年男。
投稿者 corvo : 23:25
2005年7月11日
apato process 16
尾をのぞいておおよその部分にカラーインクを塗ったところ。
暗部は比較的に丁寧に描いていくが、それ以外の所はけっこうラフに進めていく。
インクが飛び散っているところは、筆先にたっぷりとインクを含ませて息を強く吹き付けて飛ばしている。
人間エアーブラシのようなものであるが、かなり強く吹くため連続してやっていると頭がくらくらしてくる。まさに酸欠。
この飛び散ったインクが、模様や、しわや、背景のイメージなどに変化していく。
ストップしている骨格図の制作も始めなくては。
全体の感じ。
胴体の部分。鉛筆デッサンと比較してもらうと素材による表現の違いがよく分かると思う。
手前から奥にかけてパースのついた写真なので、実際の画面のプロポーションとの違いがある。
投稿者 corvo : 23:35
apato process 15
今日から彩色を始める。まずは鉛筆デッサンをあたらしい紙の上に転写する。
今回はサイカニアの時と違った方法をとる。
鉛筆デッサンの上にトレーシングペーパーを置き、アウトラインを水性ボールペンで写し取る。
トレーシングペーパーの裏に鉛筆の粉をこすりつけたものを、紙の上にのせて写し取った線をなぞっていく。
このとき、どこまで写したかすぐに分かるように、赤いボールペンを使用する。
写し終わった後、カラーインクで彩色を始める。デッサンをするように暗部から描いていく。
投稿者 corvo : 23:19
2005年7月 8日
apato process 14
今日、金曜日は非常勤講師の日。
授業を終えた後、諸々の用事をすませて帰宅。その後からの制作である。
背中の棘のような突起を中心にディテールを詰める。
棘を全体にはやした状態。昨日の画像と比べてもらいたい。
頭部から首への部分。よりディテールが分かる。
さらにディテール。首の付け根は可動範囲を確保するために、皮膚のたるみを大きくとっている。(あくまでも推測)
腹と後肢の付け根。植物食であったアパトサウルスは、大きな消化器官をもっていたと推測される。でっぷりと太った腹。
自然界は極めてバランスのとれた経済効率の上に成り立っていると思う。それは人間が儲けるために考える経済効率ではなく、それぞれの生物が生きていく上で必要不可欠なだけの食物連鎖の効率のことである。
野生生物の体もバランスの上に成立しており、ぎりぎりの食物で維持されている。人間のように余分に食べたり、過剰に蓄えることはない。
恐竜は巨大であることから、かつての陸上の覇者ようにとらえられるが、野生生物である以上ぎりぎりのバランスの上で生存していたはずだ。アパトサウルスの巨大さも過剰なのではなく、必要にして不可欠なデザインなのだと思う。
今の人間の行為ほど生命のバランスから逸脱しているものはないのではないだろうか。
投稿者 corvo : 23:55
2005年7月 7日
apato process 14
今日のところはここまで。
まだディテールを詰めなくてはいけない状態。
大きな画面は描いていて気持ちがいい。
投稿者 corvo : 23:18
apato process 13
現時点でのアパトサウルス鉛筆デッサン。
後肢まで形が見えてきた。これから寝るまでに尾の先までいけるかどうか。
画面はもっと細長いが、描いたところまでを撮影。
頭部から首の部分。昨日よりもさらに描き込んでいる。
首の付け根のアップ。これだけの大きさになると、かなりの数の線描を重ねることになる。
鱗を感じさせたいので、ひとつひとつのストロークを短く描く。これがしんどい。ただひたすら手を動かす。
千本ノックの気分である。
投稿者 corvo : 19:32
apato process 12
鉛筆デッサン、現在の状態である。このペースで明日には完成させたい。
骨格の復元でも悩みまくった肩胛骨だが、この部分の筋肉の復元も難しい。
アパトサウルスの肩胛骨に似た形のものを、他の動物のなかに見つけることができない。
大型の哺乳類ともまったく違う。悩みはつきない。誰か参考になる生物をご存じだろうか。
上半身まで出来てきたところ。
ディテールもさらに描き込んでいる。
投稿者 corvo : 00:06
2005年7月 6日
apato process 11
鉛筆でデッサンを始める。
この段階は今日の午後2時頃。骨格図からそれぞれの部位のプロポーションを大まかにとって、あたりをつけて描き始める。あたりをつけてしまえば、後はディテールからどんどん描いていく。
あとから修正することは考えずに、もう決めていく感じで進める。とはいえ鉛筆なので、消しゴムで消すことが出来る。支持体の紙も強靱なアルシュなので、毛羽立つことなく修正できる。
頸椎の形もあたりをとっておく。結果的に隠れてしまうが、ここで意識しておくと、より正確な描写ができる。
ディテールの描写はこんな感じ。鉛筆の銘柄はステッドラー。今のところHBだけで描いている。
投稿者 corvo : 23:44
2005年7月 5日
apato process 10
肩胛骨の位置を決める。もう後戻りは出来ない。
今日は胴椎、仙椎、肋骨、肩胛骨、腸骨まで出来あがり。
頭部から骨盤までの全体。
胴体部分。
生体の鉛筆デッサンを始める前のラフスケッチ。
アパトサウルス以外の物も混じってる。短時間でどんどん描いていく。
今日、8月の個展の案内状が出来上がってきた。木曜日着と聞いていたのに、ずいぶん早い到着である。
このアパトサウルスも個展のために制作している。
明日には生体の鉛筆デッサンを始めなくては。
投稿者 corvo : 22:15
2005年7月 4日
apato process 09
あまり進まなくて、そろそろ飽きてきた頃だろうか。
ようやく頸椎が描きあがる。
胴椎にセピアで着色を始めたら、今頃になって迷いが出てくる。いまだに肩胛骨の位置に確信が持てないのだ。
さらに胴椎の椎体は、もっとそれぞれを接近させて関節させるべきだった。
ほ乳類と違って、胴体の可動性を考慮に入れる必要はない。
恐竜の場合、胴体の骨格はがっちりとかご状に固定される。ほ乳類のように胴体を大きくしならせて動くことはない。
復元は常に試行錯誤の連続である。制作しながら資料を探したり、読むことで中断することもしばしばである。
頸椎まで完成。
胴椎の着色を始める。頸椎の時と同じように、セピアのカラーインクから始める。
そろそろ生体の復元も始めようと思う。
明日には少しお見せできるかも。
投稿者 corvo : 23:53
2005年7月 3日
apato process 09
彩色を始める。転写した骨格図の上にカラーインク(セピア)で着色していく。
カラーインクは透明色なので、転写されたイメージの濃淡を見ることができる。
これともとの図版を手がかりに、アクリル絵の具でで立体感を再現していく。
ここからの作業は時間がかかる。仕上がりを左右するため、慎重に丁寧に進めていく。
カラーインクはウインザー&ニュートンのセピア。面相筆を使用する。とにかく丁寧に。
アクリル絵の具をのせていく。ここでも面相筆を使用する。光の方向、立体の把握に注意する。
今日、出来上がった部分の写真。すべての頸椎を描ききってしまいたかったがここまで。
フランスGPが始まる。
投稿者 corvo : 23:50
2005年7月 2日
apato process 08
転写が完了する。結局、前肢、後肢の位置を決定することができなかった。
肩胛骨の位置を決定したあとに転写した。
ここに前肢、後肢を描き彩色して作業を進めていく。尾椎もポーズに変化をもたせるため、これから描いていく。
この骨格図が完成した時点で、生体の復元の制作を開始する予定である。
投稿者 corvo : 23:55
2005年7月 1日
古生物学会
7月1日から4日まで日本古生物学会が東京大学本郷キャンパスで開催されている。
今日はシンポジウムに参加してきた。
シンポジウムのすべての基調講演を聞いたわけではないのと、あまりに専門的すぎて分からないことも多くて、内容についてはほとんどコメントすることができない。
一つ、非常に気になる講演があった。
これは研究者の講演ではなく、NHKで放映された「地球大進化シリーズ」のプロデューサーの話である。
番組制作においてお世話になった研究者の方々に謝意を表しながら、制作の難しさ、科学への思い、これからの科学番組のあり方という内容の話であった。話の最後で、研究者は好きなこと仕事にしており、その情熱がオーラとなって番組を引っ張ってくれたという締めくくりであったと思う。番組についてどんなことでも良いので質問や意見を述べて欲しいということだったので、発言させてもらった。
質問の内容はこんな所である。
「復元画を制作することを仕事にしているものです。以前、番組を見せていただきました。好きなことを仕事にしている研究者のオーラが番組を支えてくれているという発言がありました。一方、これは全くの主観ではありますが番組の中で使われている古生物の復元CGの出来が決して良いとはいえないと思いました。復元を表現する立場にある人間に、好きなことをやっているという気概や情熱を感じることができませんでした。」
この発言に対しての答えは、
「CGを作っている人間はその仕事に情熱も持っており、好きでたまらない人たちです。CGを作る側にとって一番重要なのは「きれいでかっこいい」ということです。しかし、いくら「きれいでかっこいい」と思える映像を作っても、研究者から学術的に駄目だと言われれば作り直さなくてはいけない。そこにどうしてもジレンマがある」
といった内容であったと思う。
しかし、これはまったくおかしい。
復元という作業において、もっとも優先順位が高いのは「きれい」でも「かっこいい」でもない。
例えばある脊椎動物を復元しようとした時に、次のようなプロセスを経ているのだろうか。
・その生物の骨格の資料はそろえたか?
・それぞれの骨格のプロポーションを計測したか?
・解剖学的な知識をもっているか?ない場合は少しでもその知識を吸収しようとしたか?
・その生物と近縁であると推測される現生の生物を観察したか?実際に観察出来ない時に、ビデオなどを何度も見たか?
・その生物の動き方をどれぐらい想定したか?
ざっと思いついただけでも、これぐらいのことはする必要がある。
「きれい」「かっこいい」ということは、これらのプロセスを経た後に結果としてついてくるものだと思う。
また、きわめて主観に左右されることであり、これを一番に重要視することは危険である。
科学番組で復元をする以上、主観で表現するわけにはいかない。
復元とは、研究者と同じ目的、目標を共有することが重要である。
また研究者と表現者は対等の立場でなくてはいけない。
研究者がイニシアチブをとって引っ張っていくだけでは限界がある。
研究者には研究者の、表現者には表現者の責任と覚悟が必要であると思う。
これはそれぞれの領域を分けるということではない。あくまでもお互いを尊重して行う、共同作業であると考える。
復元するうえで、「きれい」「かっこいい」を最優先にするのでは、あまりに志が低いのではないだろうか?
投稿者 corvo : 23:34
apato process 07
アパトサウルスを転写する。
切り貼りした骨格をスキャニングしてパソコンに取り込み、フォトショップで左右反転させプリントアウト。
さらにコピーをとりようやく準備が整う。アナログ、デジタルとりまぜけっこう手間がかかる。
コピーの裏からファンシープリントを染みこませたところ。
コピーの上から鉛筆で圧力をかけていく。このときにきたないタッチで鉛筆を動かすと、そのままのタッチが転写されてしまう。転写するだけとはいっても、丁寧な仕事、美しいストロークを心がけたい。
支持体に転写されたイメージ。かなり緻密な部分まで写し取ることが出来る。
投稿者 corvo : 08:56
2005年6月30日
apato process 06
アパトサウルスの制作のために紙を用意する。
紙の種類はAquarell Arches Hot Pressのロールである。大変強靱な紙で巻き癖も強いため、カットする前に本を重しにしてなるだけ癖をとっておく。無駄に重い書物が、こんなときに役に立つ。
余談ではあるがこの紙のロールは日本では手に入らない。代理店がどういう理由からかしらないが、輸入していないのである。仕方がないのでアメリカの大手画材店Dick Blickからネット通販で取り寄せている。(フランスの紙なのに)
スムーズに日本で入手できるように、是非輸入して欲しい。
カットの終わった紙をパネルに水張りする。パネルのサイズは500x1200mm。
水張りに使用する道具。ボールに水、刷毛、ガンタッカー、ステンレスステープル。
紙全体にたっぷりと水を含ませる。こうすることで紙が水分を吸って膨張する。この状態から素早くステープルで、パネルに固定していく。写真は十字方向に固定したところ。しわがでないように周囲をすべて固定していく。紙から水分がなくなると、ぴんと張った状態になる。これでようやく絵を描き始める準備ができる。
投稿者 corvo : 17:52
2005年6月29日
apato process 05
アパトサウルス再開である。
ここ数日、別のイラストの制作や、ブログの準備のために滞ってしまっていた。
いまだに前肢、肩胛骨の位置が決まらず苦戦している。
写真に写っている模型は、私が造型アドバイザーを務めているフェバリットコレクションのスケルトンモデル「アパトサウルス」である。模型といっても出来る限り正確さを追求して、制作されている。巨大な恐竜を描く場合、こういったミニチュアがあると非常に便利だ。
頭のなかで想像で立体を把握していたことを、模型に代用できることは脳の負担が軽くなり、より描くことへ集中することができるようになる。
今日のうちには、前肢の位置を決定してしまいたい。
投稿者 corvo : 09:44
2005年6月25日
apato process 04
肩胛骨、上腕骨、とう骨、尺骨、大腿骨、脛骨を配置。(脛骨だけが右のものをダミーで置いている)
前肢、後肢がつくとまぎれもなく恐竜であるがわかる。
肩胛骨は胴体に関節しない骨である。そのため位置を決定することが難しい。
では、どうやって決定するか。立体で確認することができれば、肩胛骨を肋骨のカーブに合わせていって位置を探ることが出来る。しかし、今回のように平面で復元するときは、足跡の化石がヒントとなる。
車で言うとトレッドとホイールベースの記録がそこにある。
前後左右の足跡の位置から、上に向かって前肢と後肢を伸ばしていき、関節の可動範囲が無理のない位置になるよう決定していく。
これもあくまでも推定であるが、恐竜が大地に残した証拠である足跡は、極めて重要な情報源となる。
骨から復元することが基本ではあるが、それ以外のデータ、情報も常に念頭においておく必要がある。
アパトサウルスの姿がはっきりしてくると、とても楽しくなってくる。
投稿者 corvo : 21:33
apato process 03
今回は肋骨である。
立体のものを平面に置き換えているので、かなり無理がある部分もあるのだが、それぞれの部位の比率が分かるだけでもこの作業の意義は大きい。
肋骨がつくことで、胴体のボリュームを実感することができる。
食べ尽くされた魚の骨のような状態から、かなり恐竜らしくなってきた。
でもよく見ると、まだ魚を食べた後のようだ。
投稿者 corvo : 21:28
2005年6月23日
apato process 02
脊椎がかなり繋がってきたところである。尾の先の細かな椎骨はこれからである。
1/20の縮尺で作っているのだけど、それでも1メートルを超える大きさだ。
この大きさで制作を進めていくか迷うところ。もう少し小さい方がやりやすいのだけど、今の迫力もすてがたい。
本当に美しいフォルムであると思う。
投稿者 corvo : 20:57
apato process01
次の制作をスタート。今度も好きな恐竜のひとつである、アパトサウルス。
この写真では極めて原始的な手順を踏んでいる。
論文からコピーした各骨格を切り抜いて、台紙の上に繋ぎ合わせているところである。
横方向からの図だけであるが、関節のつながりを客観的に検証することができる。
この作業は「最新恐竜学」(平山廉著、平凡社新書)の挿絵を描くためにすでにおこなったことがある。
自分の意志、意図とは関係なく、関節をひとつひとつ繋げていくことで浮かび上がってくる全体像が楽しみである。
投稿者 corvo : 16:28
2005年6月21日
saichania process 15
サイカニア完成である。
画面サイズは370x550mm。素材は紙にアクリル。使った色は、チタニウムホワイト、ペイニーズグレー、ローアンバー、バーントアンバー、ローシェンナ、バーントシェンナ、イエローオーカ、ネープルスイエローヒューである。ほとんど褐色系とモノクロしか使っていない。
投稿者 corvo : 20:53
2005年6月20日
saichania process 14
かなり完成に近づいてきたところである。模様をどこまで入れようか。
背景をびしっと描かないタイプの復元画なので、画面作りである程度遊んでいる。
思い入れの深い恐竜であると以前書いたのだけど、そのためか今まで描いている枚数も最も多いかもしれない。
一度、過去のものを並べて紹介できればと思う。
最初の一枚は今見ると、本当に拙くて下手くそである。
全体
頭付近のディテール。ライティングが悪くて、光って見づらい。
尾のほうのディテール。
投稿者 corvo : 01:12
2005年6月18日
saichania process 13
絶滅した動物の色は、絶対に知ることはできない。復元画においては想像に頼るしかない、もっとも大きな部分である。
実は色を決めるのはとても難しく、憂鬱なことである。
そうなるとやはり原生の生物を参考にすることが多い。今回は大きさは全然違うが、外観の特異さで似ているモロクトカゲを参考にすることにした。下の写真は図鑑の表紙である。模様をどこまで入れるかが悩みどころである。
投稿者 corvo : 01:06
2005年6月17日
saichania process 12
グリザイユがある程度できてきたところで、色数を増やしていく。といっても褐色をベースにした色にするため、パレットの様子は極めて地味である。
特に大型の恐竜を描く場合は、だいたいこんな感じの色数に落ち着いてしまう。
投稿者 corvo : 01:02
2005年6月14日
saichania process 11
頭部のディテールから描き込んでいく。面相筆を使っての地道な作業である。
鉛筆デッサンを常に参考にしながら進めていく。もちろん写真資料もすぐに確認できる状態にしておく。
色をつけるときも最初からたくさんの色を使うのではなく、モノクロームのトーンを合わせるため少ない色数に制限して描写する。このモノクロで表現された状態をグリザイユという。ここから色を増やしていくのである。
投稿者 corvo : 22:37
2005年6月12日
saichania process 10
アウトラインにそって背景の彩色を終えたところで、サイカニア本体への彩色へ移る。水をたっぷりふくんだローシェンナを大胆に散らしていく。画面を散らかすように、絵の具をふきつけるように。飛び散った絵の具が鱗のようにも見える。
投稿者 corvo : 22:26
saichania process 09
アクリルのローアンバーでアウトラインにそって彩色していく。サイカニアのシルエットの美しさを確認しながらの作業。
彩色ではたっぷりと水を使用するため、紙をパネルに水張りで固定しておく。そうすることで仕上がったあとに、紙が水分でたわむことがなくなる。
投稿者 corvo : 22:15
2005年6月11日
saichania process 08
この段階はすこし行程が飛んでしまっている。アクリルで描くための支持体(アルシュ紙)にエスキースを転写した状態である。転写にはコピーとファンシープリントを利用している。ファンシープリントというのは、印刷物の写真などのイメージを紙などへ転写する画材の一種である。
エスキースのコピーを左右反転させたものを用意し、支持体の上にかぶせてファンシープリントをコピーの裏からしみこませて、鉛筆などでこすり圧力を加える。そして写し取った状態が下の写真である。
色を付ける前にあらためてデッサンを取り直す必要がないので、作業が非常に軽減される。以前にも書いたが、準備がしっかり出来ていればいるほど、良い仕上がりへとつながっていく。
投稿者 corvo : 21:58
2005年6月 6日
saichania process 07
鉛筆デッサンの完成。
ここまででおよそ3日間ほど。時間だと15時間ほどだろうか。このデッサンをもとにアクリルでカラーイラストを制作する。
この段階までにしっかり描いておけばおくほど、次の段階が楽になる。
色という情報が増すと、ついつい形態への注意がおろそかになってしまう。そのためにもエスキースの準備は不可欠な作業である。ここまで来ると少しほっとする瞬間である。
投稿者 corvo : 21:49
2005年6月 5日
saichania process 06
ディテールがもう少しわかる写真。
投稿者 corvo : 21:46
saichania process 05
少し進んだ状態。側面の装甲のうねりが美しい。大好きな部分である。
モンゴルの研究者リンチェン・バルスボルド博士は、これらの装甲を葛飾北斎の描く波のようだと表現している。
ここでも光の描写は大切にしたい。そして、それぞれの突起の形態、付着する角度、それらをとりまく空間まで表現したい。鉛筆のタッチがクロスしないように心がける。これは好みの問題でもあるのだけど、できるだけタッチはパラレルに入るように描写する。そのほうがトーンをつぶすことなく、美しい仕上がりにつながる。
投稿者 corvo : 21:10
2005年6月 4日
saichania process 04
これは制作の現場写真。
ノートパソコンにデジカメのデータが入っているため、モニターを見ながらの制作になる。
電卓は骨格の比率の拡大、縮小を計算するために必要である。
鉛筆がたくさんあるのは、途中で削るのが面倒で時間がもったいないからである。なので同じ濃さの鉛筆を数十本ずつ準備しておく。画面のサイズは380x570mm。
投稿者 corvo : 20:56
saichania process 03
ちょっと写真の色やライティングが悪くてわかりにくいが、デッサンのディテールである。
鉛筆のタッチの方向や、線の密度が分かってもらえると思う。
投稿者 corvo : 20:50
saichania process 02
前回の骨格図をもとに、鉛筆デッサンを制作する。
いつもなら多くのラフスケッチを描いてから始めるのだが、今回は実際の標本を観察できた印象が強く残っているため、早く制作にとりかかりたかった。
紙はアルシュのホットプレス。表面がスムースで繊細な表現に向いている紙であるが、とても強靱で強く消しゴムを使っても表面がけばだつことはない。(とはいえほとんど消しゴムを使うことはない)
使用する鉛筆はステッドラーの2BからHBまでの濃さ。骨格図をもとにプロポーションを計って、画面に軽くあたりをつけていく。おおよその構図が決まったところで、頭部のディテールから描き始める。
デッサンをするときは実際に観察できないものを描くときでも、光の方向をしっかりと設定して、制作することが大切である。基本的には石膏デッサンの描写などと、それほど変わるところはない。
(石膏デッサンに興味のある方はこちらをご覧ください。アリアスの鉛筆デッサン)
筋肉や皮膚などの軟組織を復元する場合でも、骨格の情報は常に重要である。撮影した標本の写真を常に見ながらの制作となる。そのため写真(情報)が多ければ多いほどよい。
投稿者 corvo : 20:20
2005年6月 3日
saichania process 01
今日から鎧竜の一種であるサイカニアの復元プロセスを紹介したいと思う。
サイカニアはモンゴルの白亜紀後期の地層から発見された恐竜で、非常に保存状態が良く全身の骨格が残っており、復元するにはとても良い標本が現存する。今回は幸運にも実際の化石を直接取材することができ、また組み立てられたレプリカも詳細に観察することができた。
過去に組み立てに参加した、思い出深い標本でもある。
鎧竜というと装甲で全身が覆われ無骨なイメージがあるが、サイカニアの装甲の一つ一つはうねる波のようで、実に美しい形をしている。
サイカニアは頭部など一部が報告されているが、全身骨格の報告はまだである。今回の全身骨格は綿密な取材に基づいて描いた、オリジナルのものである。
投稿者 corvo : 18:32