2010年12月22日
古生物復元セミナー&講演会「モササウルスのいた海」3
3番目の講演はこのセミナーの首謀者、徳川君による「実はけっこう個性的? 新復元によるマチカネワニ復元模型製作」。
研究者とのやり取りをしながらの、模型製作のプロセスを解説。研究者の鋭い突っ込みに、柔軟に対処する姿勢がよく分かる。
4番目は、京都大学大学院博士後期課程でもうすぐ学位をとる(はず)の北川博道さんによる「ナウマンゾウ復元の現在」。
最新の研究成果から、性差による復元の違いまでを丁寧に解説。徳川君もコメントしていたが、話も上手い。語るべきことが明確な人の話は聞きやすい。
そして、この日最後は藤森英二さん
これはやられました。終始、自分語りなのだけど、会場は大受け。何千万年前、何十万年前といった話が続いた後に、ここ20年ぐらいの年表を見せられて「結婚を機に模型作りを再開」とやられた日にゃ、もう笑うしかない。
最後に全部持ってかれました。ご本人は「敗戦処理」とおしゃっていたが、見事な火消しぶりだった。
終了後、きしわだ自然資料館に戻って、小西さんの展示解説つきで会場を見学。これは本当に贅沢なこと。
皆さん、熱心に聞き入っていた。やはり小西さんの美声は魅力がある。
プラテカルプスの復元画は、会場でこんな風に展示されている。
原画も会場に展示するべきだったかな。でも、とてもスペースがない状態。
そして、夜は恒例の飲み会。忘年会らしい集まりは、今年これが最初かも。なかなか豪華メンバーによる宴でした。
(実はまだ続く)
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投稿者 corvo : 23:13
2010年12月21日
古生物復元セミナー&講演会「モササウルスのいた海」2
改めて別エントリーでアップ。先週末、きしわだ自然資料館で開催中の特別展『モササウルス』の会場をようやく訪れることができた。本来なら展示準備にももっと関わるべきだったのだけど、多くの状況がそれを許さなかったことが悔やまれる。メインビジュアルの復元画を制作するだけで精いっぱいだった。
そして、この週末岸和田まで行ったのは、古生物復元セミナー&講演会「モササウルスのいた海」に演者として2日連続で講演を行うためである。
講演会会場はきしわだ自然資料館ではなく、岸和田市の誇る『だんじり祭り』の殿堂『だんじり会館』の会議室で開催された。画像はプロジェクターをセットしつつ、打ち合わせなどしながら歓談中。
トップバッターはカナダ王立古生物学博物館研究員小西卓哉氏による、「かたちを観る、捉える、表現する〜とってもアートな古生物学の世界」。
古生物の研究に関する基本的な事例を交えながら、モササウルス研究の面白さをひも解いていく。海外に渡って長年研究している小西さんにとって、日本語での講演発表は今回が初めてだということ。内容とは関係ないが、とても良い声。セクシーな声ってこんななんだろうな。
次は僕。「プラテカルプス」を描く。今回の展示のメインビジュアルである、プラテカルプスの復元画を描くまでのプロセスを、復元の基本的な解説から始めてスライドで紹介。アケボノゾウの講演の時もそうだったが、監修者の目の前でプレゼンテーションするのは緊張感がある。ついつい学術的な部分で間違いがなかったか、客席の小西さんに確認してしまった。
(続く)
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投稿者 corvo : 10:55
2010年12月20日
古生物復元セミナー&講演会「モササウルスのいた海」
午前0時過ぎに、無事岸和田から帰還。
詳しい内容は、後日追記します。
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投稿者 corvo : 00:13
2010年11月14日
特別展『モササウルス』
もうすでに始まっているのに告知が出来ていなかった、きしわだ自然資料館1階ホールで開催中の特別展『モササウルス』。
会期:2010年11月3日(水)〜2011年1月30日(日)、月曜日休館
時間:10:00〜17:00
〒596-0072 大阪府岸和田市堺町6番5号 きしわだ自然資料館自然史担当
電話:072-423-8100
ファクス:072-423-8101
特別展『モササウルス』公式blog
特別展『モササウルス』公式twitter
ちょっと遠くて、会期が始まってからまだ会場に行くことが出来ていません。講演会、ワークショップなども企画されていますので、是非お立ちよりいただければと思います。モササウルスに焦点を当てた、画期的な展示会です。
講演会等の情報はこちらです。
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投稿者 corvo : 01:30
2010年10月22日
モサ、モサ 23 カラー編 完成
日本時間で2010年10月22日午後4時10分、完成。
キャンバスにアクリル。112 x 162 cm。
グレースケールチェック。
今回苦戦した鱗。
血の表現はちょっと控えめ。
少し完成まで待ってもらったが、無事納品することができた。
そろそろSVPのエントリーを完結させなければ。
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投稿者 corvo : 16:47
2010年10月20日
モサ、モサ 21 カラー編
制作の続き。昨日から突如、時差ボケが激しく出てきてしまった。
夜、眠くならない日が続いていたが、昼間に目が覚めているのに体が眠っているような状況になってしまった。こんなことは帰国後が初めて。
プラテカルプスをほぼ完成。構造色を意識して、色彩を加えた。
グレースケールで確認。背景の明度が少し低い。もう少し上げて、プラテカルプスとのコントラストをはっきりさせたい。
プラテカルプス自体もトーンの幅が少し必要。
明日は首長竜を中心に進めていこう。
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投稿者 corvo : 23:53
2010年10月19日
モサ、モサ 20 カラー編
昨晩から鱗の復元について、さらに追加の修正が入り、昨日作業した部分をほとんど全てやり直すことになった。
勢いに任せて、一気にかなりの部分まで進めることが出来た。
昨日の鱗をおおよそ四分割し、小さいダイヤ型の鱗に修正。
これでも、実物の鱗の大きさに比較すると少し大きい。
完全に科学データーに合わせて復元することに意義があるのかどうか、こういった部分ではその判断は難しい。科学的に分かっていることとはいえ、ある程度の演出の入る余地があるのも復元画だからこそだろう。
しかし、四の五の言わず、22日夕方納品に向けて突っ走るだけである(授業もしながら)。
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投稿者 corvo : 23:50
2010年10月18日
モサ、モサ 19 カラー編
現在、"SVP 2010 in Pittsburgh"編を絶賛連載中だが、ここで少し現実に戻って締め切りを間近に控えた「モササウルスの生態環境復元図」の制作を再開。
SVP会場で打ち合わせを行った結果を反映して、鱗の描写を大幅にやり直している。
オオトカゲに近い生物ということで、コモドオオトカゲの体表を参考にしていたのだけど、実際に発見されている皮膚の印象化石から、むしろニシキヘビなのような鱗の形をしていたことが分かっている。これは僕の方の見落としでもあるので、全てを監修者の責任にするわけにはいかない。
ある程度、規則正しく並ぶ鱗は、これまでの鱗よりも格段に手早く描ける。また、下地に複雑な色彩が残っているので、より生物らしい色彩を帯びてきた。
頭部も少し修正。描き込みを行った。
さて、間に合うか。時間との勝負。
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投稿者 corvo : 23:45
2010年10月10日
モサ、モサ 18 カラー編
まだ途中だが、ひとまずここで一段落。明日はちょっと移動日。
帰ってからが正念場になる。
いや、正念場というよりは修羅場だな。それほど追いつめられています。
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投稿者 corvo : 00:17
2010年10月 9日
モサ、モサ 17 カラー編
今日(金曜日)は朝から京都へ出かける。ドルの引き出しのために銀行へ。しかし、3月のダイヤ改正でJR湖西線の本数が格段に減ってしまった。10時台から14時台までの15分から45分まで、京都行きがないのである。朝夕のラッシュ時でないとはいえ、30分電車が来ないのは不便きわまりない。複線なのに。銀行絡みでもいろいろとごたごたがあったのだけど、なんとか用事をすませて大学に着いたのが午後3時。
全然、話は違うのだけど、
昨日、お土産にもらったグレープフルーツ味のビール。ほとんどジュース。飲みやすすぎる。
ふたたび大学の話。
明日から第18回 成安造形大学大学祭「響心祭」が始まるので、学内はどこもかしこも学生たちがその準備に追われていた。
そんな中、モササウルスを制作。
じりじりとではあるが進んでいる。
明日はフル回転で手を動かします。
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投稿者 corvo : 01:11
2010年10月 8日
モサ、モサ 16 カラー編
本当に少しずつ。でも着実に進んでいる。
ようやく、前肢まで鱗が進出してきた。明日は授業も会議もないので一気に進めてしまいたい。
ただひたすら描くだけだ。
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投稿者 corvo : 01:25
2010年10月 7日
モサ、モサ 15 カラー編
火曜、水曜、木曜はごごからびっしりレギュラーの授業があるので、遅々として進まない。それでも少しずつ鱗が増えていっている(鱗だけというのが悲しい)。
これは画面を斜め上から。妙な立体感があって面白い。
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投稿者 corvo : 11:29
2010年10月 5日
モサ、モサ 14 カラー編
月曜日、火曜日と制作をしていたのだけど、授業などもあり時間の多くを割くことが出来なかった。
月曜日。
火曜日。
淡々と鱗を描きながらも、それぞれの鱗の位置によって、光の当たり方、形、大きさの変化を描き分けていく。さらに、立体感を損ねないように注意する必要がある。
全身の鱗も一枚から、とはいえ全ての鱗は描かない。遠近感の問題もあるし、全体に固さが出てしまう。
粛々と進めるしかないのである。
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投稿者 corvo : 23:37
2010年10月 3日
モサ、モサ 13 カラー編
日曜日、午後からモサの制作。
首長竜の頭部を中心に進めた。
背景にブルーを置いてみて、全体のイメージをつかんでいく。
ディテール。
首長竜の鱗は細かく目立たなかっただろうという推測のもと描き込んでいっている。歯もむき出しで、モササウルスとはその特徴が大きく違う。
今週が勝負。
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投稿者 corvo : 23:56
2010年10月 1日
モサ、モサ 12 カラー編
今日は朝から会議。午後から制作をスタート。突発的に学生の面談なども入るので、集中できる時間は限られている。
まったくセオリー無視で、手前から描き込んでいる。今回もディテールからいきなり始めて描き進めていく予定。
明るく描きおこして、立体感を明確にすることに集中している。仕上げではもう少し濃い色になる予定。
ディテール。
遊びで斜めから撮影してみたもの。
背景も部分的に描いていくので、学生から不思議そうにされる。「どうしてそれで描けるのですか?」と問われたのだけど、背景とその手前のものの関係を同時に描いていってるという点から言えば、全くセオリー無視というわけではないのだけど。
水中なので、遠くに行くに従って輪郭を不明瞭に、色も青く染まっていく。ディテールをしっかりと描き込むのは、この部分ぐらいかもしれない。
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投稿者 corvo : 23:55
モサ、モサ 11 カラー編
木曜日も午後から授業。授業始めと授業終わりに、少し手を入れた。
頭部を中心に鱗に着手。
まだまだ序盤。ただし先は長いとは言っていられない。残された時間はそれほどないぞ。頑張れ、自分。
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投稿者 corvo : 02:23
2010年9月30日
モサ、モサ 10 カラー編
授業の始まる前、授業の合間、授業終了後に少しずつ手を入れる。
昨日の状態から、ヘビーゲルなどでテクスチャーをつけていく。透明の素材なので前の段階で描いたイメージを損なうことはない。鱗の複雑な表情を表現するために、モササウルスを中心に盛り上げていく。ここでアウトラインにとらわれすぎてしまうと、絵が固くなってしまうので背景にもはみ出すようにのせていく。
テクスチャーの素材が乾燥したところで、色をうすくのせていく。最終的には寒色が中心となるこの絵の仕上がりをより複雑にするため、補色となる暖色を積極的に塗り重ねていく。血の色を意識しているわけではない。
今日はここまで。さらに色を多くしていった後、そろそろ細部の描き込みに入りたい。監修者と話し合った結果、モササウルスも首長竜も派手な色や模様になる予定はないです。
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投稿者 corvo : 01:25
2010年9月29日
モサ、モサ 9 カラー編スタート
日曜日の午後から11月にきしわだ自然資料館で開催される特別展の打ち合わせだったのだけど、これから制作プロセスを紹介していく復元画が、グラフィック展示の中で大きな位置を占めることになる。
これがそのエスキース。ポスターやチラシに使われるのは、こちらのモノクロ画像で、成安造形大学の学生たちが頑張ってデザインしてくれたものが、もうすぐ出来上がってくる。
エスキースをコピーしたものに方眼線を引き、その位置をキャンバスに拡大して転写していく。このプロセスをゼミ生に手伝ってもらった。ただしその間、僕は彼女のキャンバスを張っていたので、まるで、絵を描く先生の傍らでキャンバスを張る助手のようだったけど。
転写された線画をもとにアクリル絵の具で描いていく。今回は先にテクスチャーを付けずに進めていく。
下地の色もこの段階で入れていく。
下地終了。
さらにローアンバーの線描で、ディテールをはっきりさせていく。
この後、生物の形態にあわせてテクスチャーを付けていく。
後10日ほどで、完成の目処をつけなくてはいけない。出来るか!乞うご期待!
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投稿者 corvo : 09:03
2010年9月11日
モサ、モサ 8
昼間、監修者からの指摘で、比較的大きく修正。といってもそれほど大変なことではなく、納得しながらの作業。よく修正依頼のときに恐縮されるが、論理的な指摘である場合がほとんどなので、こちらも勉強になるし楽しむことができる。とくに図示したものを送ってもらえると助かる。現在はカナダとやりとりしながら進めている。日本人研究者となので、日本語が使えるのはありがたい。
どこを修正したかは、いつかの機会に。
食べられる首長竜の遺体の頭部を描写。
着々と完成に近づいている。
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投稿者 corvo : 23:50
2010年9月10日
モサ、モサ 7
今日は朝から教授会。比較的早く終わったので、午前中に少し手を入れることができた。
ようやく全貌が見えてきた。これまで見てきたモササウルスの復元画とは、かなり違ったイメージになってきている。
完成が自分でも楽しみ。
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投稿者 corvo : 23:18
2010年9月 9日
モサ、モサ 6
ちょっと間があいてしまったが、モササウルスに手を入れることが出来た。これもゾウと同じく急ピッチで仕上げなくてはならない。
ようやく体のボリュームがすこしずつ現れてきた。びっちりと全て同じ密度で鱗を描くわけではない。後ろに行くに従って省略していき、空間感、立体感を強調していく。
ヒレの鱗のパターンをどうするかで、何度か試行錯誤を繰り返した。
コモドオオトカゲをイメージするように、意識的に細部を描写している。
鱗が厄介なのは、一つとして同じ形、大きさのものがなく、光の当たり方によっても様々にその表情を変えるからだ。それらを全て表現しようと思おうと、膨大な手間がかかってしまう。
さあ、明日もどんどん描き込んでいこう。
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投稿者 corvo : 23:02
2010年9月 4日
モサ、モサ 5
朝はいくぶん涼しくなってきたけど、太陽が高くなるにつれ暑さが増す。当然といえば当然だが、今年の夏は尋常ではない。
昼前に研究室に行って、モササウルスの続きを制作。
あまり時間をかけることができなかったので、進んだのは少しだけ。
鱗、鱗、鱗の毎日よ再び。
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投稿者 corvo : 21:34
2010年9月 3日
モサ、モサ 4
これまで研究者とやり取りをして進めてきたラフスケッチをもとに、密度の高いエスキースを制作中。これも急ピッチで進めていかなくてはならない。
いつものように端から順番に描き進めていく。サイズは51.5 x 72.8 cm。水張りしたアルシュに鉛筆。
頭部。
ディテール。鱗、鱗、鱗の連続。
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投稿者 corvo : 23:46
2010年8月31日
モサ、モサ 3
モササウルスも急ピッチで制作しなくてはいけない。やはり、研究者とのやりとりは刺激的で面白い。
ほぼお互いに満足のいく復元になってきた。
これからさらにブラッシュアップしていきます。
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投稿者 corvo : 23:01
2010年8月27日
モサ、モサ 2
モササウルスの生態環境復元図のラフスケッチを描く。これはその一部。
この構図になるまでに、数十枚の小さなスケッチを描き、この段階でもまだ納得のいく構図にはなっていない。これから、もっと詰めていきます。
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投稿者 corvo : 14:20
2010年8月26日
モサ、モサ 1
ワニと並行して進めている、モササウルスの復元。
まずはラフスケッチから。
これからどんどん描いていきます。
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投稿者 corvo : 21:58