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2013年3月10日
薮内正幸原画展
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今日、たまたま別の展示を見に行く目的で3331 Art Chiyodaに行ったところ、薮内正幸原画展が開催中であることを知り、急きょ展示を見ることにしたのであった。会場に行くと、ちょうど御子息である薮内美術館館長の藪内竜太氏のギャラリートーク中で、そのまま椅子に座って話しを聞くことになったのである。後で時間を確認するとすでに1時間ほど話された後だったと思うのだけど、非常に興味深い話しの数々で楽しむことができた。
薮内氏は最初、福音館書店の社員として働くことになる。仕事は動物のイラストレーションを描くこと。福音館には図鑑を出版する目的があり、その全ての動物のイラストレーションを描くという遠大な作業に従事していた。監修者からの度重なる修正、数百種の動物を描くために、それぞれに数百枚のスケッチを要したという。しかも、全てが出来上がった時、上達したためタッチが最初と最後で違ったことを指摘され、さらに全てを描き直したというからすさまじい。僕の仕事の修正など可愛いものだ。
ところが、最初の3巻分が印刷所に納品されていたにも関わらず、出版社の経営判断でこの図鑑シリーズの出版は見送られる。相当な落胆だったそうだ。それはそうだろう。想像を絶する事態である。晩年になってもずっと、心の中に埋められない穴として残ってしまっていたらしい。
でも、その後、動物絵本という新しいジャンルを築いて次々とヒット作を連発する。いまでも多数が出版されている。代表作に『どうぶつのおやこ (福音館の幼児絵本)』、『しっぽのはたらき (かがくのとも傑作集―どきどきしぜん)
』、『冒険者たち――ガンバと十五ひきの仲間
』などがある。
動物イラストレーターとして忙しくなった薮内氏は、その後、福音館書店を退社。フリーランスとしてさらに活躍の場を広げていく。代表作はサントリーの愛鳥週間シリーズの挿し絵。それらの一部を今回見ることが出来たが、原寸大に描かれたイヌワシやアホウドリの迫力は圧巻だった。
まったくの偶然だったが、思いがけず良い空間と作品に出会うことが出来た。
小規模な展示だが、素晴らしい展覧会である。会期の日数も残り少ないので、興味のある方は是非!
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投稿者 corvo : 2013年3月10日 23:39