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2013年3月21日
ひょうご恐竜化石国際シンポジウム2日目 丹波竜の復元プロセス1
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2日目はサイエンスカフェで丹波竜の復元模型を造った徳川君とともに、復元画のプロセスについてプレゼンすることになっていた。当初は30名ほどの来場者と、1日目に発表された研究者とともに、お茶菓子でも食べながらゆったりとする予定だったのだが、予想を上回る応募があり、急きょ会場も変更になってしまっったのである。
最終的に集まった人数はなんと150名。同じ敷地内にある、山南ホールでの開催となり、サイエンスカフェではなく、パネルディスカッションのような形態になってしまった。(もちろん当日までに分かっていたことではあります)
当日のプレゼンでは紹介しなかったけど、2008年に描いた丹波竜の復元画(兵庫県立人と自然の博物館収蔵)。
監修は同じく三枝さんなのだけど、この時はイメージ画に近いもので、頭部の形態が全く違っている。エウヘロプスを全面的に参考にしている。確か、この時点ではまだ頭骨の一部が見つかってなかったと思う。そしてこの復元画がどれほど変化したか、そのプロセスを紹介していこう。
まずは頭骨の歯の修正から。修正する必要があることは昨年末から分かっていたのだけど、手元に原画がなかったこともあり、延び延びになっていた。これまでのものは実際に発見されている歯の標本と比較して小さい過ぎたのである。
これが修正のための指示書。簡潔ではあるが明瞭で分かりやすい。監修の三枝さんの修正指示は細部にまでわたるが、非常に明解なので修正が容易である。しかし、その分量にもよるのだが。
上下の歯の位置の咬耗する箇所が合うように、トレーシングペーパーを使って決めていく。極めてアナログな作業だが確実である。
ラフスケッチをスキャンしたものを、既存の頭骨にコラージュしてみる。この段階で一度メールで送信。
OKが出たところでペン入れ完成。
上下の咬耗も問題ない。
そして、この頭骨を元に頭部の生体復元図も修正。歯がかなり大きくなったので、修正箇所も口周りの大部分となってしまい、予想以上に時間がかかってしまった。
ここから全身骨格図の復元プロセス。
まず胴椎のスケッチから始める。上段はブラキオサウルスを参考にしたため、神経棘突起の高さが低く、今回の復元には合わないものだった。
監修を経て、ペン入れまで完成したもの。胴椎、仙椎、尾椎の一部。
頚椎のごく初期段階のラフスケッチ。
完成した頭骨と頚椎。B3のイラストレーションボードに収めるため、頚椎は二分割で描いている。
頭骨から仙椎までをPhotoshopで繋いだもの。まだ脊柱の角度は決定していない。こういったことが出来るのがデジタルの強みである。
肋骨のスケッチを完成している胴椎にコラージュしてみたところ。
プリントアウトしたものに、フリーハンドで四肢をスケッチ。
骨盤。
四肢の比率を表した書き込みのある画像。これを元に前肢、後肢の各部位の長さを決定していった。
尾椎。
繋げたもの。血道弓の角度も変えている。非常に長い血道弓が特徴的である。
ここまできて、肋骨の関節位置に修正の指示が届く。しかし、この後にさらなる大きな修正が必要になってしまったのである。胴椎、仙椎、骨盤、肋骨、全て描き直しとなったのである。
こちらが描き直した。胴椎、仙椎。骨盤、肋骨。
肋骨を関節させたもの。
そして、まだまだ続きます。
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投稿者 corvo : 2013年3月21日 23:17