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2012年2月24日
シマウマ解体
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先日、大阪自然史博物館にお邪魔して、シマウマの解体の見学とお手伝い(ほんの少しだけ)に行ってきた。来年度に僕のゼミを志望する学生の参加もあって、思いがけずゼミ初活動の1日となった。
この日は朝から大雪だっため、鉄道ダイヤの乱れが大きく、当初考えていた時間に到着することは出来なかったが、なんとか解体開始には間に合った。ただ、びっくりしたのは大津であれほど積もっていた雪が、大阪長居公園にはまったくなかったこと。しかし、厳しい寒さの中での屋外作業には変わりなく、長い1日が始まったのである。
大量の写真とビデオ撮影も行ったが、ネット上での公開は控えて、その場で描いたスケッチを元にレポート。
スケッチの制作時間は、約1〜3分程度。
すでに博物館の屋外に横たわっていたシマウマ。動物園で病理解剖された後なので、内蔵はすべて取り除かれていた。
ホネホネ団団員の手によって、手際よく解体作業が進められていく。
後肢の腱、筋肉などをはっきりと観察することができる。また触ることでその固さや動きを確認することが出来る。
鼻の軟骨を取り去った後の吻部。ちょっと分かりにくいかもしれないが、この個体の歯の噛み合わせは独特で、人間でいうとやや受け口に下あごが前にずれていた。そのため一番前の小臼歯の後ろ半分だけが削れて、犬歯の様に尖っていたのが特徴的だった。かなり高齢の個体だったこともあり、歯はほぼ限界まで咬耗していた。
胸郭。胸骨が大きく出っ張っている。
寒風吹きすさぶ中の屋外作業だったが、非常に楽しく有意義な経験だった。ここで楽しいと書くと、不謹慎だと言う人が少なからずいるかもしれないが、知的好奇心を満たす行為はやはり興奮するし楽しい。また、そのモチベーションがなければ、厳しい環境の中で、決して快適とは言えない作業を行うことも出来ないだろう。
成安造形大学からは僕と彫刻の先生、そして3人のゼミ生が参加して、解剖書と比較しながらスケッチをとったり、最後には一緒に解体作業を少し手伝うことが出来た。学生にとっては初めての解体作業だったが、何ものにも代え難い貴重な経験となったと思う。(僕は二度目)
自分の頭の中だけでイメージしていても、早晩行き詰まってしまうことが多々ある。だが、こういった肉体的な直接的な経験を積んでいていると、自分の中のイメージを膨らませるときにも有効に活用することができる。やはり見たことも触ったこともないものを描くのは困難だ。
本来なら解体作業の写真をアップしたかったのだが、否定的な印象を持たれる方もいるため控えた。
ただ、解体作業自体は科学的にとても尊いものである。その動物の死をいたずらに扱っている訳ではなく、敬意を持って接している。解体することで標本として次世代に残すことが出来、何百年先までも研究の対象となりうる可能性もある。なにわホネホネ団の活動は、博物館のスタッフだけでは処理しきれない遺体を解体し、標本化することを目的としている。今回のような新鮮な遺体だけでなく、腐っている遺体、事故死した動物、数多くの名もなき野生生物の骨格標本の作製をしてきた。すべての生物の命に重いも軽いもない、動物園で名前をつけられ多くの人に親しまれて愛されていた個体も、道ばたで車で引かれて死んでいる名も亡き動物も、命の重さは同じである。
写真を元に、もう少し詳細に描いたイラストレーションをアップしようかな。
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投稿者 corvo : 2012年2月24日 01:17