2011年4月28日
美術解剖学は人体を簡単に描くための手法ではない
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以前にも書いたのだけど、美術解剖学を学んだからといって人体が簡単に描けるようになるわけではない。むしろ描くことが難しくなると言っても良いだろう。内部の構造を知るということは格段に情報量が増えることになる。その増えた情報を整理し、必要なものだけを抽出し表現するには高いスキルが必要になる。ただ美しく描くだけなら、美術解剖学は邪魔になってしまうかもしれない。それでも僕は美術解剖学が人体描写を豊かにし、より説得力のある表現につながると信じている。
20分クロッキー。脇に見える肋骨とは違う角度でレリーフを形作っている前鋸筋はとても重要な部位。
10分クロッキー。
10分クロッキー。
20分クロッキー。構図は失敗。
学生へレクチャーするために、骨格や筋肉の特徴を少し誇張して描いている。特に今回のモデルは皮下脂肪が薄くしっかりと内部構造が分かる人だったので描きやすかった。
しかし、学生の描いたものを見ていて目下の悩みは、彼らが顔を本当に描けないことである。おそらく顔を立体としてとらえられていない。顔がどちらを向いているのか。どんな角度で描いても目や鼻の位置が正確に描けているか。でも、もっとも致命的なのは、魅力的に描けないこと。世の中、美男美女、萌える顔ばかりではない。だからといって魅力がないわけではないのに、およそ人とは思えないような物を描いてしまうのだ。
今後どう指導していこうか。そのために頭骨のデッサンも課題として出しているのだが、一向に改善される様子がない。何か策を考えねば。
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投稿者 corvo : 2011年4月28日 11:56