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2011年4月 1日
京都府木津川市から発見された齧歯類化石(追記あり)
昨日遅くに関西事務所へ戻ったのだが、かねてから描くと約束していた復元の仕事がぎりぎりになってしまった。論文はかなり早い段階で出来上がっており、査読もクリアしていたのだけど、諸々の事情により伸び伸びなってしまっていた。現時点でもまだラフの段階で執筆者には多大な迷惑をかけていて申し訳ない気持ちで一杯である。本日中にさらに追記する予定なので、追ってご覧いただければ幸いです。
これがその論文である(pdfでダウンロードされるので注意)。
深夜のスカイプでの詳細なやりとりはまだまとめきっていないので、でき次第追記していく予定である。
現時点ではなんの変哲もないネズミの姿をしているが、その驚くべき生態と特徴をこれから徐々に明らかにしていきたい。
遅くなってしまった。Brontsmus raiiの全身復元画を公開。着色した完成した復元画ではないが、世界で唯一Brontsmus raiiをもっとも正確に復元した画像である。
このネズミ、現生種には存在しない発電装置を持っていたことが分かっている。電気ウナギの存在等、発電できる生物はそれほど珍しいものではない。
その点について、記載者、荻野慎一郎氏からのコメントを転載。
「一般に常生歯性げっ歯類の歯のエナメル質の亜鉛(Zn)含有比率は,一般の哺乳類に比べ高いが,Brontsumus属のそれは際立って高い.同様に象牙質部分の銅(Cu)含有量についても高いことがわかっている(Sobelson, 1986).
現世げっ歯類の中には,頬袋に果実を溜め込み,この果汁を電解質溶液として起電力を生じさせている種が見られるが(ソース忘れ),下顎が高く発達していて頬袋が大きかったと考えられるBrontsumusに関しても同様の発電機構が備わっていただろう.
さらに,私見ではあるが,B.raiiは体サイズが大きいことから発電量もかなり大きかったと思われる.」
ちょっと時間をオーバーしてしまったけど、これで完成。
くれぐれもよい子の皆は信用しないように。
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投稿者 corvo : 2011年4月 1日 11:44