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2010年7月14日

怒りに満ちた一日

火曜日はゼミ授業の日。終日、怒りに満ちた日だった。
以前にお知らせした通り、最初のゼミ展が19日(月)から始まる。搬入は18日日曜日の夜7時から。そう、もう日がないのである。実質、制作に割けられる日数は4日だ。
ほとんどの作品は出来ていて最後の仕上げを残すのみ、というのが理想的な段階である。
僕自身も月末にグループ展を控えているので、学生たちのゼミ展のスケジュールに合わせて、新作の制作をしてきた。それがこれまでもたびたび制作プロセスを紹介してきた、次の2点である。
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ゾウの胎児のほうは11日に額装が完成するように、少々無理を言ってお願いし、頭骨のほうは月曜日の授業のない時間に完成させた。13日のゼミ授業に間に合わせるためだ。

授業の冒頭に、僕から学生に次のような言葉を送った。
「僕は今月末にグループ展を控えているので、ちょうど良い機会と思い、君たちのゼミ展のスケジュールに合わせて新作を制作してきました。普段は授業や会議もあり、フリーの請負仕事の締め切りにも追われ、十分に制作に時間を取ることが出来ません。それでも、少しずつ空いた時間を見つけて、制作を進めてきた結果、なんとか完成させることが出来ました。今、ここに持ってきた作品がそうです。
君たちは、僕以上に制作時間があったはずです。バイトがあると言っても、僕の大学業務の拘束時間に比べれば短いでしょう。集中して制作できる環境もそろっています。
この前期は結構多くの学生と遊んできました。朝までカラオケに付き合ったり、お酒や料理を作ってふるまったり、一緒に遊んだ学生も多いと思います。
がちがちにこもって、業務以外の時間を制作に当てていたわけではないです。
僕は単身赴任なので、遠い自宅に帰ることもあるし、東京での打ち合わせもありました。
さて、これから君たちの作品を拝見するわけですが、当然、僕よりも密度の高い制作が出来ていることでしょう。上手い、下手の問題ではありません。どれだけ時間と情熱と持てる技術を、自分の制作物に投入することができたか?そこが重要です。
さあ、見せてもらいましょうか!」

結果は最低、最悪。完成した作品を見ることはおろか、全行程の一割にも満たないようなものまで存在した。何を考えているのか。
学外で展覧会をするということは、大学の授業の延長ではない。好むと好まざるとに関わらず一人の作家として見られることを意味する。そこが決定的に意識出来ていないので、どういった展示にするのか、額装はどうするのか、具体的なイメージも出来ないのである。
これから4日で好転するとも思えないが、散々プレッシャーはかけてきたので、死ぬ気で制作してもらわないと。

夕方はある研究生に面談、というか説教。先週の木曜日、デザインフェスタの出展申込書の記入のため、聞きたいことがあったので電話をかけたところ大学の側にいるのですぐに行きます、という返答。トートバッグを作っていた時だったので、版画工房で待っている旨を伝えて電話を切ったのだけど、待てど暮せど来ない。夜10時、施錠の時間になってしまったので、しかたなくその日は帰宅した。次の日になっても連絡はなく。日曜日もそのまま。月曜日の夕方にこちらも堪忍袋の緒が切れて、メールで呼び出すことに。
ということで火曜日夕方に、研究室まで来てもらったわけであるが、結論から言うと「忘れてました」。いいね、それで済むんだ。
ゼミ授業と相まって、怒りが増幅。

その後、出かける用事にしていたのだけど、少し時間があったのでふらっと4年生の実習室を覗きに行くと、あれほど僕からプレッシャーをかけられたのに一部の学生がカードゲーム(トランプのようなもの)で遊んでいる。見た瞬間、完全に沸点を振り切り、「お前ら、ええ根性しとるのお、遊んでる余裕あるんか!」と一喝。さらに怒りが増幅。

とまあ、そんな状態で同僚の先生と映画を観に行ったのだけど、そちらはとても楽しくまた別のエントリーででも。

最後、湖西線の終電が大雨で遅れている路線の到着を待つことになって、約25分遅れでの出発になってしまった。普通ならとっくに家に着いている時間だ。最後の最後で、憤懣やる方ない一日の締めになってしまったのである。
本当に怒りに満ちた一日だった。

でも、実はいまだにその怒りはおさまっていないのである(終電の件ではないですよ)。

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成安造形大学イラストレーション領域

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投稿者 corvo : 2010年7月14日 01:23