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2009年3月24日
「大恐竜展」知られざる南半球の支配者 2
「大恐竜展」の続き。
スコミムスの見事な頸椎。素晴らしい保存状態であるが、頸肋骨の細さに驚く。極めて繊細な自然の造形美である。
こちらも素晴らしい標本。名前はまだない(未記載)。尾椎、頸椎、頭骨は復元されたもの。
今回の恐竜展の目玉「マプサウルス」。異常に頭の大きいプロポーション。図録に「比較的軽快な体型をした肉食恐竜」とあるがとてもそうは思えない。また、亜成体の後肢が短いのが気になる。タルボサウルスなどでは、亜成体のときはほっそりと後肢が長いことが分かっている。図録を読んでいるとまた不思議な記述が、「マプサウルスは若いときには軽くて足が速く、大人になると重く、あまり活動的でなかったと考えられる」。展示してあった標本を見る限り、亜成体が軽快に動けたとは思えないプロポーションだ。どこまで見つかっているか明確な図示がないので、なんとも判断のしようもないのだが。
そして、しばらくいくと驚くべき展示が!よくある生体復元模型だと思いきや、
なんと「実物」の表記が。奥さん、これ剥製ですよ!っていうわけはなくて、でもなんでこんな表記になっているのか謎である。型取りして抜いた模型ではなく、オリジナルだということなのだろうけど、どうにも分かりづらい。面白いけど。
マシャカリサウルス。お尻の振り方がセクスィーだ。などと言いながら、漫画家の久くんと写真を撮りまくる。ちなみに前から撮影した写真はない。
このマジュンガサウルスの標本は素晴らしかった。さらにクリーニングの進んだものを見てみたい。
ラジャサウルス。
ラジャサウルス頭部の生体復元。この復元の素晴らしさは、唇の復元に集約される。上下の顎が閉じたとき、ぴたりと口が閉じられるようになっているのだ。制作したのは、タイラーの同僚である。この唇の復元については、もともとタイラーがアイデアを持っており、そのアドバイスが活かされたらしい。僕とタイラーが知り合うきっかけになったのも、唇の復元だったのだが、ようやくそのアイデアが立体として具現化したのである。
これは翼竜のコーナーにあった標本。小さく部分ではあるが、その繊細な造形、構造がよく分かる逸品である。
別の角度から。大味な組み立て骨格ではなく、こういった標本に出会えると嬉しくなる。
だいきょうりゅうてんこうしきふぃぎゅあ「マプサウルス」。いや、もう、これが公式って。すごいなあ(棒読み)。
今回は、展示物に非常にばらつきの大きい展覧会だったように思う。ミュージアムショップは相変わらず、子供向けのお土産屋のようなラインナップで代わり映えがしない。もっと、どうにかならないものだろうか。書籍コーナーには、僕が関わった本は1冊しか置いてなかった。科博で開催される恐竜展でセレクトしてもらえないとは、僕もまだまだである。
一緒に行った徳川君のエントリーもあわせてご覧ください。
投稿者 corvo : 2009年3月24日 23:25