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2008年11月25日
Mare skull 07
馬の頭骨、ようやく完成。
アルシュ紙にチャコールペンシル、顔料、アクリル。56 x 76 cm。
今日、完成させた臼歯。
これも、今日描いた門歯。
下あごにも、少し手を加えた。
実際の標本は折れてしまっていた鼻骨は、”復元”して描写した。
苦労した脳頭蓋も上手くいったと思う。
今回は写真を利用して、アウトラインをトレースして制作した。かなり制作時間を短縮する事ができたのだけど、トレースした形が正確なのものとはいえない。カメラは単眼のレンズで世界を見ている。一方、人間は二つの眼で世界をとらえている。絵を描く上で、この両者には大きな違いが出る。人間のほうがある意味いい加減ではあるのだけど、リアリティある空間を描く事ができるのは、人間の眼の方だ。写真はその対象物が平面、立体に関わらず、光の増減を写しとる装置である。そのものの構造を捉えられるわけではない。
人間の視線は常に一定していないが(絵を描く時は、かなり気をつけて一定に保つ努力もするが)、そのことはメリットでもある。ずれることでより多くの情報を捉えることができ、立体感や構造の的確な理解につながる。より効果的になるよう、光の増減も自在にできる。それらは写真に比較したとき、大きなメリットになる。
今、僕が描いているものを、「写真のようだ」と思われる方がいるかもしれないが、写真では写す事の出来ない世界を描いているのだ。そこにも魅力を感じてもらえればと思う。
投稿者 corvo : 2008年11月25日 23:55