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2008年9月30日
骨格模型をクロッキー
モデルさんが入るのは今週からなので、それまでは学生が持ち回りで着衣モデルをしたり、骨格模型をクロッキーしたりしていた。そのときに描いた骨格模型クロッキーを紹介。クロッキーといっても、相手は動かない骨格模型なので、ポーズ時間も長めである。
それぞれ20分ずつ。
こちらはもう少し長めだったかな。セピアインクとつけペン。このモデル、ちょっと内股なのです。
これは120分かけて、じっくり描いたもの。
こちらはおまけ。使い道は内緒。マトリョーシカスケルトン。アルシュにミリペンと透明水彩。
投稿者 corvo : 01:13
2008年9月29日
ワイルドライフアート展にご来場いただいた皆様へ
ワイルドライフアート展にご来場いただいた皆様、ありがとうございました。会場へ行くことが出来ず、大変失礼いたしました。失礼ついでに、非常に残念なお知らせをしなくてはなりません。
東京での展覧会ということで、いつもお願いしている額屋さんに額装と搬入をお願いしたのですが、今日手元に作品が戻ってきてひどいことになっていることに気がつきました。額装のマットの窓が小さく、作品が上下切れてしまっているのです。毎回信頼のおける作業をしてくれていたのですが、今回のミスは最悪です。全く僕が意図していない作品が、一週間にわたって展示され続けていたのです。
ぞっとするとともに、悔しい気持ちでいっぱいです。
こんな状態になってしまっていました。もはや僕の作品ではありません。嘴も翼も、切れてしまっていました。
これが正しい姿です。大きな違いです。ベストな状態で作品をお見せできなかったこと、申し訳ありませんでした。
僕自身、いまだ怒りが治まらない状況です。
投稿者 corvo : 16:50
2008年9月28日
第15回動物を描こう写生大会〜成安造形大学〜
今日は、朝(といっても午前11時)から大学で開催された「第15回動物を描こう写生大会」に参加してきた。
移動動物園が学内にやってきて、近所の子供たち対象に写生大会をするというものだ。
全景はこんな感じ。閑散とした印象に見えるかもしれないが、ピーク時はかなりにぎわっていた。
最初に描いたのがこれ。なんて種か確認してこなかったけど、寝姿がかわいい。ずっとこの姿勢で寝ていた。
早く終わってくれと願っているのか、無関心を決めているのか、ユーモラスな姿でじっとしていた。鉛筆。
コンゴウインコ。じっとしている時もあるのだけど、時折せわしくなく動き回っていた。
左はセピアインクとつけペン。右はパステルとチャコールペンシル。
つがいのコウモリ。描いている最中に気がついたのだけど、母親の方が赤ん坊を抱えていた。
あまり動くとはないので、じっくりと描けた。途中、手の膜の手入れをしたりするのだけど、また元の姿勢に戻ってくれる。鉛筆。
これはポニーかな。ちゃんとチェックしてこなかった。
蹄がひどく伸びている。
パステルとチャコールペンシル。
テグートカゲ。
大きく頭だけ描いてみた。チャコールペンシル。
アンキロサウルス類も驚きの、妊娠したヤギのお腹。時々、中の胎児が動くのが分かった。
天気は曇りでちょっと肌寒かったけど、楽しく描くことが出来た。人間と全く違ったフォルムを持つ動物たちの姿は面白く、そして美しい。子供たちの描いている絵を見るのも楽しかった。ただ、気になったのは、親が一所懸命になるあまり、事細かに子供たちに指示をする姿だった。「あそこは、この色でしょ」とか、パレットにどんどん勝手に色を出していったりとか、「画面いっぱいに入れなさい」とか、普段絵も描いていないだろう人たちが、えらく具体的なことを子供に言っている。子供は言いなりに描くのだけど、楽しくも面白くもないだろう。僕自身はそんな経験をしたことはない。
よく美術教育批判をする人がいるが、こういった親たちによって美術嫌いになっている子供たちも多いのではないだろうか。もちろん、その場では何も言わなかったけど、暗澹たる気分なってしまったのである。
投稿者 corvo : 23:31
ねとねと、べちょべちょ
タイトルからは想像できないと思うが、車のパーツの話し。ルノーの内装パーツに使われている、樹脂のコーティング材は、どういうわけか経年劣化でべたついてくる。特に気持ちが悪かったのがドアのインナーハンドルで、常に手で触る部分がべたつくのは、とても気持ちが悪かった。そこで、このショップの提供する、リペンイントインナーハンドルを注文した。
下取り交換のため、まずパーツを外して送らなくてはいけなかった。なので、この2日間は左の写真のようにスイッチとコードが飛び出した状態。土曜日に注文していたパーツが届いて無事に交換も終了。べとつかずとても気持ちがよい。
投稿者 corvo : 02:15
2008年9月27日
吊るされたものたち 08-02 コチョウゲンボウ 1
新たな仮剥製のシリーズを制作開始。金曜日は朝から3つの会議をこなさなくてはならず、全く制作時間をとれずにフラストレーションがたまった。夕方に全ての会議から解放されて、少し描いたのがこの写真の状態。
カラスの様に真っ黒ではないので、顔料の色を利用しながら、色彩を感じさせる絵に仕上げたいと思っている。今回も中心になる画材はチャコールペンシル。素早く短時間で仕上げてしまいたい。
自分の描きたい作品を作っている時は、本当に楽しくて嬉しくて、でも肉体的にも精神的にも負担が大きくて、制作後の消耗が激しい。たとえ短時間であっても、かなりの疲労度になる。こういった作品を毎日描き続けるのが、僕にとっての理想ではあるのだけど、それが許される状況では今はない。では、描きたいものだけを描いているかというと、そういった感覚だけではなく絵に描かされていると常に感じている。画面が要求してくることに、応え続けていかなくてはらないという強迫観念にさらされる。
現在、滞っている仕事もあり、クライアントには大変申し訳ないのだけど、もう少しで復活します。今、高まっているモチベーションを、どちらの方向にも活かしていきたい。
投稿者 corvo : 23:52
2008年9月25日
再びBONES
今日の授業でも、再びBONESを上映。昨日と同じ第1話である。昨日と違ったのは、スピーカーと投影画像の大きさ。僕のミスと、元々のスピーカーの性能低さから、迫力ある音響とはいかず、集中しずらかったのかもしれない。
しかし、今日はとっておきの秘密兵器を用意しておいたのだ。というか今日しか間に合わなかったのだけど、オークションで格安で手に入れた、BOSEのラジカセである。BONESとBOES、どこか似ていていい感じだ(何の関係もないけど)。どちらもサイエンティフィックな香りがするじゃないか(と勝手に思っている)。
非常にコンパクトで、カセットデッキを搭載したモデル。ラジオも聞ける。外部入力端子を使えば、たいていのオーディオ機器はつなげることができる。アンプを搭載した、落ち運び出来るスピーカーと考えるのが良いだろう。これが噂に違わぬ良い音を鳴らしてくれた。
今日は、ちょっと自重気味に「昨日は不評やってん」と上映開始。ドラマが始まってから、デッサン室はずっと静か、というか静まり返っている。「ヤバいなあ、今日も駄目かなあ」と思いながら、僕は自分で楽しむことに専念していた。上映終了後、おそるおそる感想を聞いてみると、皆口々に「めっちゃ面白かった」。ということで、このクラスは来週から2話ずつ観賞して、ファーストシーズン最終話まで見てしまうことに決まったのである。
水曜日のクラスは全話見ることができないが、彼らがその選択をしたのだからし方がない。1/3ぐらいは見たがっていたので、ちょっと可哀想な気もするが、自力でどうにかしてもらうしかない。多数決がいいことばかりだとは思わないが、過半数が望まない授業をやるつもりはない。聞いてはいたけど、これほどクラスによって温度差があるとは驚いてしまう。
どんなことに対しても興味を持つ、ということを大切にしてほしいと切に願うのである。
投稿者 corvo : 23:58
2008年9月24日
BONESー骨は語るー
『BONES』はアメリカのドラマシリーズ。最近はテレビコマーシャルも流れているので、知っている方も多いと思う。
ファーストシーズンは春頃購入。セカンドシーズンは9月になってリリースが始まった。
骨を愛し、骨に愛された主人公の法医学者が、FBIの捜査官と協力して迷宮入りと思われた事件を解決していくというもの。全ての事件は死体からスタートするので、ショッキングな映像も多く出てくる。また、事件は解決するが、ハッピーエンドというわけにはいかない。そのほとんどは悲劇だ。派手なアクションがあるわけでもなく、大きな盛り上がりもほとんどない。それでも、骨を中心に物語が展開していく様は、すこぶる面白いのである。毎回登場する、遺体の骨格から生前の姿を復元する3DCGは、興味深く美しい。
BONESとは主人公のニックネーム。彼女は勤務する研究室では骨に囲まれている。壁一面、骨の入ったケースだ。会話のテンポ、時々挟み込まれるユーモアも楽しい。
そんな骨にまつわる楽しいドラマを、学生たちに紹介しようと思って、今日の授業内で上映したのだけど今ひとつ食いつきが悪かった。プロジェクターを使って大画面で見ることができるし、質問してもらえればある程度解説することも出来るのに残念。今日は第1話だけだったけど、毎回、様々な骨の名称も出てくるので、その部位を想像するだけでも勉強になると思う。砧骨(きぬたこつ)、槌骨(つちこつ)、鐙骨(あぶみこつ)なんて、美術解剖学的には無関係な部位ではあるけど、少しでも興味を持ったらどこの骨か知りたくなると思うのだけどなあ。
ファーストシーズンは全22話。13回ある授業時間を利用すると、毎回2話ずつ見れば全ての話を観賞することができる。1話が44分なので、2話見ても90分以内でおさまる。ほぼ1限の授業時間だ。来週からモデルさんに入ってもらうが、4時までには全てのポーズのスケジュールが終わってしまうので、時間の使い方としてはいいと思ったのだけど、今日の感じでは不評だった。それでも毎回1話ずつは見せるつもりなので、真ん中ぐらいまでは進められる。途中で面白くなって、全部見たかったと言い出しても後の祭りだぞ。
せっかく、普段見ていないようなものを紹介してるのだから、興味を持ってほしいなあ。これにめげずに、もう少し押していくつもりである。
投稿者 corvo : 23:35
2008年9月23日
Self Wing 08-01.4
昨日、完成のエントリーをアップしたのだけど、今日ほんの少しだけ手を加えたので再アップ。少し大きめの画像です。
といっても、ほとんど変わっていません。
投稿者 corvo : 17:45
Self Wing 08-01.3
完成。
前々回の画像の方が面白いのは分かっているのだけど、なかなかあそこで筆を置く勇気もつことができない。難しい。
右側の翼を、もう少し背景に溶け込ませようか思案している。
眼で捉えている情報量と、手で表現できる情報量には大きな差がある。
全てをを描ききることはできない。画材の限界を引き出して、何を描くかを選び取らなくてはならない。
アルシュにチャコールペンシル、顔料(ウルトラマリン、プルシャンブルー)。73 x 53 cm。
なんとか間に合ってよかった。
投稿者 corvo : 02:00
2008年9月22日
Self Wing 08-01.2
今日は午後から研究室で制作の続き。
現在の状態。翼はほぼ描き終わった。もうすぐ完成。
ディテール。今回は積極的に色の顔料を使ってみた。ウルトラマリンとプルシャンブルー。
投稿者 corvo : 16:18
2008年9月21日
Self Wing 08-01.1
今日、無事今年度のオープンキャンパスが終了。
先日から、週末のグループ展に出品する新作を制作している。
再び、カラス。大量のチャコールペンシルを消費するので、あらかじめ削っておくのが大変。毎日仕事終わりには、すべてを削ってから帰路につく。
現在の状態。
ディテール。
ディテール。
明日明後日には完成させなくては。
天使の翼展に出品します。
最終日は会場に詰めている予定です。
投稿者 corvo : 23:55
2008年9月19日
フェバリットコレクション『恐竜のいる風景』
これまでも造形監修をしてきたフェバリットコレクションから、新商品が出ます。
『恐竜のいる風景』
実際、開発に携わっていたの春から夏にかけて。どんな仕上がりになってくるのか、楽しみです。原型制作は徳川君。僕の指示スケッチをもとに、彼が原型を制作するというプロセスを経て出来上がっていきました。
詳しくはリンク先をご覧ください。
投稿者 corvo : 23:59
2008年9月18日
後期授業始まる
水曜日から後期授業が始まった。
前期と同じ時間割で、水曜、木曜ともに、午前中が1年生の演習、午後が2年生の実習だ。最初にモデルさんが入るのは10月1日から。なので今日はガイダンスと人体骨格の解剖学的な解説を簡単に行った。この2日間しゃべりっぱなしだったので、けっこう疲れた。普段、ほとんどしゃべらないですむ仕事をしていたので、なれない筋肉とエネルギーを使わなくてはならない。これからは授業をする体力もつけていかないと。
余った時間に、学生に持ち回りで着衣モデルをしてもらって、5分クロッキーを2日合わせて数十枚描いた。
こちらも久しぶりだったので、疲労困憊。夏休みにクロッキーをやらなかったぶん、腕が落ちていた。もっとがんばらないと。
週末もオープンキャンパスなどがあり、しばらく更新が不定期になってしまうかもしれません。
でも、書きたいことはたくさんあるのです。
投稿者 corvo : 23:28
2008年9月17日
日本ワイルドライフアート協会展〜会期変更!〜
今日、自宅宛に届いていた郵便物をまとめて送ってもらったのだけど、開けてみたらびっくり。
「吊るされたものたち 08-01 ハシブトガラス」を出品する『日本ワイルドライフアート協会展』の会期が急遽、変更になっていた。メールか携帯に連絡してくれればすぐに対応できたのに、郵送ではタイムラグがある。作品の搬入も額屋さんにお願いしているので、明日の朝のは変更を伝えなければまずい。20日(土)に出品作家のギャラリートークショーへの参加を依頼されたのだけど、21日(日)には大学のオープンキャンパスがあり、とても戻れる状況ではない。会期中は関東にはいないと伝えてあったはずなのだけどなあ。
とりあえず無理。明日、断りの電話をいれなくては。
『ー日本の野生画の世界ー日本ワイルドライフアート協会展』
会期:2008年9月20日(土)〜26日(金) 21・23日休館
会場:山脇ギャラリー 東京都千代田区九段南4-8-21 Tel:03-3264-4027
会期中、会場におりませんし、出品作品も一点だけですが、ご高覧いただけると幸いです。
全体の出品作品も多いですし、ワイルドライフアートが好きな方なら、楽しんでいただけると思います。
よろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 23:55
2008年9月16日
吊るされたものたち 08-01 ハシブトガラス 6
完成。
アルシュ紙にチャコールペンシル。53 x 73 cm。
チャコールペンシルだけで描いているため、それほど細密な描写はしていない。
少し時間がかかってしまった。この作品を軸に連作を続ける予定である。油彩、銅版画への展開も考えている。
投稿者 corvo : 02:51
2008年9月15日
『K/T - 絶滅期の恐竜と新時代の生き物たち』福井県立恐竜博物館 3
この日は現地で徳川君と待ち合わせをしていたのだけど、彼がたまたま勝山駅で出会った小学生の女の子とそのお母さん、そして学会出席のため福井を訪れていた中学校の理科の先生と一緒に館内をまわることになった。自然な成り行きで、徳川君と僕とで簡単な解説をすることに。間違ったことを言わないようにドキドキしながらの解説。どちらにしてもそんなに大した話はできないのだが。
小学生の女の子は、とても知識が豊富で質問も的確。しかも細かな地味な展示にも興味を持って見ている。ミーハーに恐竜の骨格を追いかけるだけではなく、化石の持っている細かな特徴や違いが気になるらしい。面白いなあ。いろいろなことに好奇心を発揮していってほしい。こういった子供たちに、良いものを残したいと常々考えている。本気でぶつかってくる子供には、本気で応えたい。
デススター、もといメインの展示空間を館内の窓から見たところ。黒川紀章の置き土産。モチーフは恐竜の卵らしいのだけど、内部空間は実に無駄が多い。十分な天井高をとっても、4層ぐらいのフロアをつくれるほどの高さがある。にもかかわらず、メインの部分はほぼ1層の展示場所しかない。内壁にそってぐるっと回廊が付いているが、地下から2階のフロアまでつながっているだけである。これが螺旋状にぐるぐると天井近くまで行っていたら、ダイナミックで面白いのではないだろうかと、いろいろと妄想してしまう。この博物館の最大の欠点は、暗すぎることだろう。キャプションも統一感がなく、また標本を見る妨げになっているものある。
こんな高さのパネルはいらないだろう。標本が主役になっていないし、観覧者の目線を想像できていない。
せっかく良い標本があるのだから、もっと活かせればさらに魅力ある博物館になるだろう。
特別展『K/T - 絶滅期の恐竜と新時代の生き物たち』は、とても勉強になった。こちらは写真撮影禁止だったので画像はなし。今日は時間がないので、詳しいエントリーは後ほど。書けるかな。
ちょっと遅めのランチの後で食べたソフトクリーム。
まがっているのはご愛嬌。
帰りは徳川君たちを宿まで送り届けて、無事9時頃に帰宅したのでした。
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成安イラストレーションクラスニュース
投稿者 corvo : 22:42
2008年9月14日
『K/T - 絶滅期の恐竜と新時代の生き物たち』福井県立恐竜博物館 2
昨日のエントリーの続き。
タルボサウルスとティランサウルスを並べて観察できる博物館は、世界広しといえどもここぐらいではないだろうか。さらに背中側から観察することも出来る。これは非常に参考になる。
角竜と鎧竜も背面から。
広々とした展示空間。
この博物館で秀逸なのは、恐竜の骨格以上に植物の展示だろう。古生代に陸上に進出してから、様々に形を変えて進化していった様を、精巧な復元模型で見ることができる。同時代の脊椎動物や、節足動物もジオラマ(原寸大)の中に登場する。中生代の植物も、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀とそれぞれにジオラマ模型(こちらはスケールモデル)がつくられており、景観を俯瞰で見ることができる。また、その時代の代表的な植物が一つ、原寸大に復元されている。
ニヤゾフさんのコメントにもあったのだけど、以前は展示物の写真撮影が制限されていた。観光地よろしく、撮影ポイントが決まっていて、その場所以外からの撮影は禁止されていた。でも、いつからかは正確に分からないが、今では自由に撮影することができる。これでこそ、真っ当な博物館のあり方だろう。しかし、問題もある。ストロボと三脚を使った撮影は禁止されているのだけど、展示空間が全体に暗すぎるため。シャッタースピードがスローになりすぎて、全く撮影が不可能な場所もあるほどだ。演出上の問題なのかもしれないが、それにしても暗すぎる。こった照明などいらないから、もっと標本を見やすくしてほしい。
展示物が豊富で、展示空間が広いだけにもったいない。
このエントリー、もう少し続きます。
投稿者 corvo : 23:46
2008年9月13日
『K/T - 絶滅期の恐竜と新時代の生き物たち』福井県立恐竜博物館 1
今日は早起きして、福井県立恐竜博物館へ、特別展『K/T - 絶滅期の恐竜と新時代の生き物たち』を見に行ってきた。片道約210kmのドライブ。ほとんど高速道路での移動なので、肉体的負担はそれほどでもなかった。行きも帰りも、一度ずつ仮眠は必要だったが、渋滞もなく快適な道中だった。
恐竜博物館にくるのは、数年ぶりか。白峰の集中調査に参加していた頃は、よく皆で休みの日に遊びにいっていた。ここのところ調査もご無沙汰なので、博物館を訪れるのも久しぶりだ。
途中、休憩のため立ち寄ったPAから見た絶景。敦賀湾。途中、雨が激しかったが、この頃にはすっかり上がっていた。
博物館に近づいてくると、異様な銀色の施設が遠くからでも目立つ。自然と気分も高まってくる。仲間内での通称は「デススター」。博物館に着く頃には晴れていて、気温もかなり上がってきていた。蒸し暑い。
館内に入ると、中央にある長いエスカレーターで地下に運ばれる。一方通行で、館内の最下部から順に上がってくる動線になっている。
トップライト。
常設展会場側から見た全景。このスペースは円形の空間に回廊が設置されていて、クリーニングの様子や海外アーティストの原画の展示、DINOラボなどにつながっている。展示空間ではないとはいえ、壁はほとんど有効活用されておらずすかすかしている。原画や彫刻の展示は、奥まっていて目立たない。見逃している観覧者も多いのではないだろうか。最初に博物館を訪れたときから、コレクションも増えていないかも。回廊中の壁という壁に展示してあったら圧巻だし、楽しいと思うのだけど。
次は展示会場。続きます。
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成安イラストレーションクラスニュース
投稿者 corvo : 23:52
2008年9月12日
吊るされたものたち 08-01 ハシブトガラス 5
今日も大学の研究室で制作。集中できている。
昨日に続いて、腹側から描き込んでいく。前回に比べて、それぞれの翼の構造が際立ってきた。ちょっとかたい感じもあるので、最後の仕上げのときに少しコントラストをやわらかくするかもしれない。
後肢と尾羽の距離感がより明確になってきている。立体の構造と空間を同時に描くことは写真には出来ない。絵画の持つ大きな特性だと思う。
背面側からも描き込む。まだ少し描き込みが足らない。画材が画材でないものに変容する瞬間まで、なんとかして持っていきたい。
頭部ディテール。
頭部ディテール。あごの下から。
今日の間に完成させようと思っていたのだけど、もう少し時間があることが分かったので、焦って完成させずにじっくり描き込むことにした(といってもわずか2日程度のこと)。
次のグループ展に出品します。
『'08 日本ワイルドアート協会展』
会期:2008年9月19日(金)〜9月26日(金)21日23日休館
会場:山脇ギャラリー 東京都千代田区九段南4-8-21
僕はこの作品1点だけの出品です。会場には1日も詰めていることが出来ません。
お時間ありましたら、ご高覧いただけると幸いです。
投稿者 corvo : 23:39
2008年9月11日
『恐竜の復元』を読みながら
「恐竜の復元」が出版されて、およそ2週間がたった。値段も高いし、バカ売れするような本でないことは間違いないが、どういった売れ行きなのかとても気になる。関西事務所の近くの紀伊国屋書店では平積みになっていたし、都内でも平積みされているところが多いらしい。まだ、ネット上で書評を見ることもほとんどなく、どういった評価をしてもらっているのかも気になる。もし、読んだ方がいたら、ここのコメント欄でも良いので書いてただけるとうれしいです。
以前のエントリーで、画集を作りたかったと書いたのだけど、もう一つは現在の日本における古生物の分野の可能性を示したかったということである。
日本では古生物はマイナーな分野であり、恐竜といえども大きなビジネスにつながることはないのが現状だ。出版物であっても、図鑑を除くと10000部を超えることはほとんどないだろう。
アメリカのように巨大でまとまった恐竜の化石が発見されることもない(丹波竜はそれに匹敵する可能性があるが)ため、研究対象が豊富ともいえない。そんな土壌では古生物がメジャーな分野になることは難しいのかもしれないが、少なくない数の研究者志望の学生がいて、国内外の学会で積極的に発表を行っている。そんな彼らにも、今回多くの文章を執筆してもらうことが出来た。
紹介されたアーティストは7名中4名がアメリカ人と過半数を超えているが、こればかりはプロフェッショナルに活躍している数が全然違うので致し方ない。この日本では、古生物の研究以上に復元の造形やイラストレーションの分野はマイナーだ。ほとんど知られていないと言っても過言ではない。いまだに、「図鑑を参考に描く(作る)のですか?」と質問されることもしばしばだ。そんな現状をなんとか打開したいと強く思っている。
昨年、「知られざる日本の恐竜文化」という本が出版された。著者は現在の日本における「恐竜」のおかれた現状を憂いているのだけど、愚痴とも恨み節ともとれるような文言が多く出てくる(「知られざる日本の恐竜文化は、知りにくい」に詳しい書評が)。でも、嘆いてばかりでは仕方ない。僕は今、そしてこれから何が出来るかを考えていきたい。
日本でも研究の土壌は出来つつある。研究者も育ってきている。きちんと原典にあたって復元を行うイラストレーターも造形家もいる。マスコミの主催する恐竜展の内容に不満を多く感じることもあるし、博物館行政のありかたにも問題は多いが、それでも前向きな意識をもっていれば現状を変えていくことは不可能ではないと思っている。
今年も僕と徳川君はSVP 68th Annual Meetingに来月参加してくる。僕はこれで4回目。徳川君は3回目だ。「恐竜の復元」に作品を掲載してくれた、タイラー・ケイラー、トッド・マーシャル、ゲイリー・スターブはSVPの会場で僕が直接あって話をした作家たちだ。タイラーとは毎年会場で会っている。個人レベルではあるが、海外のアーティストや研究者とコンタクトをとって、様々な関係を持つことは難しいことではない。僕のようなひどくいい加減な英語でもなんとかなるものである。
まだ不充分ではあるし、理想からは遠いけど、「恐竜の復元」は日本の古生物のおかれた現状の中で、精一杯ポジティブに作られた本だと自負している。
立ち読みでも、図書館でもよいです。是非、読んでいただきたいと思っています。「愚痴」を言っている暇があったら、今何が出来るかを考えたいです。
だから、皆さんもどんどんリクエストをだしてください。博物館や出版社にも意見を表明してください。変わらないかもしれないけど、変わる可能性はゼロではないはずです。
僕も微力ながら、期待に応えていきたいと思います。
投稿者 corvo : 23:40
2008年9月10日
吊るされたものたち 08-01 ハシブトガラス 4
大津に戻ってきてから、大学の研究室でも制作を再開している。
かなり完成に近づいてきたが、まだもう少し描き込む予定である。
まだ描き込みが足らない。
くちばしに艶が足らない。全体にカラスの濡れ羽色が再現できるところまで描きたい。
投稿者 corvo : 03:36
2008年9月 9日
"2008 – PaleoArt Poster Exhibit – SVP Cleveland"
今日は朝の5時まで2008 – PaleoArt Poster Exhibit – SVP Clevelandに出品するためのデータを作り続けていた。デジタル上だといかようにもレイアウトを替えられるので、よほど明確なビジョンがないと短い時間で作成することができない。僕はもともとこういったデザインワークは苦手なので、なかなか決まらず時間がかかってしまった。
文章の英訳に関しては、友人の恐竜くんに全面的に協力してもらった。
真ん中に簡潔な説明文。
制作風景とプロフィールも掲載。
今年からSVPで正式に行われることになったセッションで、掲示できる枚数が限られている。なので、事前に画像を送った上での審査があり、すべてのポスターが展示できるわけではない。今日中に画像を申し込みのフォーマットとともにメールで送るので、今週末ぐらいには結果が分かるはず。
やるからには、ぜひとも展示したい。
ここからは余談なのだけど、恐竜の楽園で紹介されていた「小学館の図鑑NEO 恐竜カレンダー2009」のカバーの絵がなんだかおかしい。
カバーだから、こんなことになっているのか分からないが、カルノタウルスを襲うティラノサウルスに、空を舞うプテラノドン。遠景にはイグアノドンらしきものも見える。詳しい人ならすぐにわかると思うのだけど、どの恐竜の時代も生息地も重ならない。カルノタウルスとティラノサウルスは時代が同じとはいえ、生息地域が大きく離れている。また、とくにティラノサウルスの復元が正確とはいいがたい。絶滅した動物なので、何が正解か分からないといえ、骨格のプロポーションから逸脱していては、それはもはや復元ではなくイメージ画にすぎない。首と胴体もちゃんとつながっているように見えないし、後肢の指が短すぎるだろう。どういった意図で描かれたものかは分からないが、図鑑をもとにしたカレンダーとしては適当ではないのではないだろうか。
投稿者 corvo : 12:06
2008年9月 8日
眼鏡を作る 2
関東に帰っていたときに作った眼鏡を、現在仕事で使用している。
今回も2年前に作ったのと同じフレーム(色違い)で、レンズの形を変えてもらった。僕はもともと遠視で、年々近くのものが見えづらくなってきている。まだ、老眼ではないのだけど、遅かれ早かれそのときは確実にやってくる。
新しくした眼鏡で、これほど楽になるとは思わなかった。ここ半年ほど見えていないものが多かった。若干筆先も鈍かったようにも思う。ものから受け取る質感の情報量が圧倒的に違う。世界が変わった気分。
さあ、どんどん描こう。
投稿者 corvo : 00:38
2008年9月 6日
吊るされたものたち 08-01 ハシブトガラス 3
滋賀へ移動するぎりぎりまで描いていたのだけど、完成させることは出来なかった。
右側には腹側からみたカラス。
あまり描き進めていない、左側の頭部
もう少し艶っぽさが欲しい。
腹側からなので、脚がはっきりと観察できる。
描いたところでそうでないところが混在している状態。
近日中に完成の予定。
投稿者 corvo : 03:05
2008年9月 5日
残暑お見舞い申し上げます
日頃、お世話になっている皆様へ。
残暑お見舞い申し上げます。
涼しい日が続いたと思ったら、一転蒸し暑くなったりと、不順な天候が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
上記画像は、今年の個展のお礼状に使用したものです。種類までは分かりませんが、猛禽類の頭骨です。
今回もプリントゴッコで作りました。ひょっとしたら最後のプリントゴッコでの制作かも分かりません。消耗品を買いだめしていないのです。まだ手に入るのかな。手軽にシルクスクリーンが作れるので、とても気に入っていました。
お礼状は芳名帳に名前と住所を書いていただいた方、名刺交換をした方にお送りしました。もし、受け取っていないという方や、芳名帳に記名しなかったけど欲しいという方は、メールでお知らせください。数に限りがあるので、先着順でお送りいたします。
季節の変わり目、くれぐれもご自愛ください。今後ともよろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 17:07
2008年9月 4日
今日から関西事務所
昨日の午後10時に家を出て、車で関西事務所へ向かった。RSに荷物が満載。フロントが上がって、サスも若干のびているのが分かるほどだった。途中、仮眠をとる必要もなく、3回の休憩のみでスムーズに行くことが出来た。
全行程530km、使ったガソリンは38l。およそリッター14km。荷物満載だったことを考えると、良い方だろう。
約1ヶ月ぶりの関西事務所にはうっすらとほこりが積もっていた。
増えてきた書籍を整理するために、無印良品のパルプボードボックスを購入。
4段重ね。かなり荷物が整理できて、部屋がすっきりしてきた。早く仕事の体制を整えなくては。
投稿者 corvo : 23:58
2008年9月 2日
The Dark Knight
昨日は夕飯をすませた後、近くのシネコンへ「The Dark Knight」を見に行ってきた。結論から書くと、これは最高の映画の一つ。前作「バットマン・ビギンズ」を見ていないという愚挙をおかしながらも、一つの映画作品として充分に楽しむことが出来た。ただし、楽しんだとはいっても、これは痛快な娯楽作品ではない。
物語の軸になっているものは、きわめてシンプルであり、人間誰しもが心の奥底に持っているある感情の揺らぎがテーマになっている。
ティム・バートン監督作のバットマンでは、ゴッサムシティはどこかおとぎ話の世界のようだったが、今作では地球上のどこかにあるリアリティを持った存在として描かれている。また、映画全体としては明るい昼間の場面が多く、ジョーカーのあけすけで躊躇のない堂々(?)とした振る舞いが、強調されている。決してジョーカーは闇の住人ではない。純粋に自分が行動したいように動くだけだ。他人との利害関係も希薄である。
しかし、この映画ほど感情移入のない作品は珍しいかもしれない。どこまでもその世界を客観視している自分がいた。なのに、すこぶる面白いのである。これは不思議な感覚だ。数多くの悲劇を演出し、その脚本を実行したジョーカーに対して憎悪の気持ちもわいてこない。その突き抜けた、やりきった行為に、価値を見いだしてしまっているのか。金にあかせて武器を開発し、あげくの果てに市民すべてを監視するという違法行為に踏み出してしまう、バットマンとの対比でそう感じるのか。なんとも気持ちの整理がつかない。
長い上映時間だが、すべてのシーンが無駄なくつながっていく。全く飽きることのない時間だった。
ラリっていない、正義感にあふれるゲイリー・オールドマンの刑事というのは新鮮だった。最後まで誰だか気がつかなかったぐらい。余談ではあるがジム・ゴードンが「デスノート」の夜神長官に見えてしょうがなかった(ひげに眼鏡という共通項だけなのだけど)。
まだの人は必見である。
今日は夕飯後、借りていた「レミーのおいしいレストラン」を見た。これもすばらしい映画だった。前評判の高さから期待をしていたのだけど、とても楽しい気分させてくれる一本だ。
そして、クリエイティブな行為にもっとも必要なのは「勇気」だということを教えてくれる。チャンスと幸運な出会いなくてしては、成功につながらない。不断の努力なくしては、前に進むことはできない。
これも、まだの人は必見である。
どちらの映画も、過剰なほどの完成度である。全く手を抜くことなく、粘り強く、それでいて楽しく、そんな現場が想像される。今の日本では、どう逆立ちしたって、同じ予算があったとしたって、まねの出来ない領域の仕事だと思う。
総理大臣が無責任に(思える)辞任をしてしまう国では、望むべくもないことなのかもしれない。でも呆れはしたが、多くの国民は似たような日常を繰り返しているのではないか。本当に粘り強く、地道に、努力し続けていると胸を張れる人間はどれぐらいいるだろうか。もし、たくさんいるのなら、もっと政治に反映されていてもおかしくないのではないだろうか。
つまるところ、楽をしたい人間のほうが圧倒的多数なのだろうなあ。だからといって、それを当然のことだとは、僕は思いたくはない。
投稿者 corvo : 23:46
2008年9月 1日
吊るされたものたち 08-01 ハシブトガラス 2
昨日からさらに手を加える。
カラスの黒さが増してきた。
画面左半分。
頭部のディテール。
翼のディテール。
投稿者 corvo : 02:59