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2008年8月27日
旭山動物園 5
ここのところ、プライベートで大きな出来事があり、更新が滞ってしまった。峠はすぎたので、ようやく落ち着きを取り戻しつつある。
旭山動物園、最後のエントリー。
現在、非常に人気があり、今回初めて訪れた旭山動物園であるが、この施設の持っているキャパシティーに対して、明らかに入場者が多すぎるのではないかと感じてしまった。もちろん、日本全国からたくさんの観覧者が訪れるということは、喜ばしいことだし動物園の将来を考える上でも良い刺激になっていると思われるのだけど、一人一人が十分に満足して帰ることができるかと考えたとき、既に厳しい状況ではないかと思ってしまった。
僕が行ったときは夏休みといっても平日だったので、週末の混雑に比べれば大したことはなかったのかもしれないが、3時間という滞在時間ではすべてを見ることはとても出来なかった。朝一番にきて、閉園までいる覚悟がなければ、十分に楽しむことができないかもしれない。でも、それでは子供連れの家族や、当の子供たちはすっかり参ってしまうだろう。動物たちにはストレスになっていないのかな。
「行動展示」は非常に面白い動物の姿を見ることができるのだけど、それぞれの規模が大きくないため、一度で見ることができる人数が制限されてしまう。混雑時には見るまでに時間がかかるし、その場所に来ても立ち止まらずに通過せねばならず(特にオオカミ館やホキョックグマ館の覗き窓)、良いタイミングで出会えないと何も見ることができないということになってしまう。これは来場者にとってはストレスだろう。
テレビや雑誌などで紹介されたイメージを持ってくると、現実とのギャップに戸惑ってしまうかもしれない。
ホッキョクグマ館のそばにあった売店。魅力的なぬいぐるみやグッスが並んでいて楽しい。オリジナルのグッズも積極的に開発していて、ついついいろいろなものに手を伸ばしてしまう。ただ、残念だったのは閉園までまだ20分ほどあるのに店員が片付けを始めてしまったことである。そう、ここは公立の動物園。サービス業ではなく、お役所仕事になってしまっている。工夫された動物たちの展示とのギャップを大きく感じてしまう。
かつてこの動物園で飼育係で、現在絵本作家であるあべ弘士氏デザインのモニュメント。氏のイラストは園内の至る所にあって、こちらの目を楽しませてくれる。
自動販売機にまで。
他に気になったのは動物園内のキャプション。それぞれの動物たちのキャプションのイラストや文章が、職員たちの手作りなのだけど、これが決して読みやすいものではなかった。確かに素朴で楽しげで、彼らの情熱は伝わってくるのだけど、動物園や博物館に求められるキャプションとしての機能を考えたとき、果たしてこれで良いのだろうかと疑問を持ってしまった。
何もかもをプロに依頼することが良いわけではないが、最低限人に見せるということはどういうことかという意識があっても良いのではないだろうか。はなはだ主観ではあるが、工夫された「行動展示」とともにより読みやすいキャプションがあればと強く思う。
今回のエントリーでは、いろいろと書いてきたが、僕自身は是非とももう一度行ってみたいと思っている。まだこの動物園を楽しめるほどには、見ることが出来ていないからだ。次回はきっと違った印象で見ることができるだろう。ゆっくりじっくり、動物たちと対峙してみたい。でも、それが許されるタイミングはいつなんだろうか?
投稿者 corvo : 2008年8月27日 23:18