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2008年7月11日

前期の授業が終了

終了といっても正確には合評週間が残っているのでまだなのだけど、合評のない1年生には作品を提出してもらい、成績もつけてしまった。また、現在開催している4年生のクラス展も採点しなくてはならないので、水曜日は会議の後、京都の会場を回ってきたのである。
僕自身、前期授業では学生にまじって、かなりの枚数を描いた。結果的にクロッキーブックは10冊を超えることになった。これはいい勉強だった。そして、まだまだ未熟な部分が多いことにも気づかされた。毎回必死の思いで、集中して描いていた。どれだけ枚数を重ねたところで、簡単に描けるようなものではない。
授業の最後に固定ポーズで描いたデッサンを紹介しよう。
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2週間、4ポーズ固定(1ポーズは20分)。76 x 56cm。向かって左側のお尻と太ももの関係がおかしく、極端に足が長くなってしまっている。大きなミスのある1枚。
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これも2週間、4ポーズ固定(1ポーズは20分)。76 x 56cm。柔らかなとても女性らしいシルエットのモデルさんだった。背中の微妙に移り変わる起伏を描くことに苦心した。時間も足りず、満足できる結果とは言えない。
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3週間、11ポーズ固定。103 x 73cm。男性ヌードモデルと全身骨格模型を同一の画面に構成する課題。モデルさんのポーズ中は、学生と同じように描いていたのだけど、それ以外の時間は雑務やほかの仕事に追われることも多く、目一杯時間をかけて描くことができなかった。そのため未完成である(と言い訳ばかり)。
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3週間、11ポーズ固定。76 x 56cm。時間切れを恐れて、学生よりもサイズの小さな紙に人物を入れる構図にした。それでも十分とは言えない描き込みに終始してしまった。
まだまだ修行が足らない。さらに研鑽を積まなければ。

今回、初めて大学生と接したのだけど、小中高での美術体験の少なさを実感するような出来事も多かった。美術大学でありながら、高校までにヌードクロッキーを経験したことのない学生が大多数であり、クロッキーすらも未体験という学生も少なからずいた。でも、皆真剣に集中して描いていたと思う。
ただ、こちらが当然だと思って使っている言葉が通じないのには困ってしまった。「来週からは固定ポーズです。合計4ポーズやりますから、B2のパネルに画用紙を水張りしてきてください。デッサンを描きます。」と伝えてあったのだけど、いざその週になって授業を始めようとすると「4枚描くのですか?」「画面を4つにきって、4ポーズ描くのですか?」といった、とんちんかんな質問が次々に出てきたので、大声で怒ったことがあった。説明したときにすぐ質問があれば、丁寧に説明し直して答えるが、一週間もたってからそういった発言が多かったので、これには頭にきてしまった。これは専門的なことを理解しているかどうかというよりも、単純に話を聞いていたか、真っ当な国語力があるか、といったたぐいの問題であるがほとほとあきれてしまったのである。
構内の売店に「絵の描けるペンをください」と言ってくる学生もいるらしく、こちらの予想を大きく超えて斜め後ろからやってくるような珍問答に苦慮することも多い。
後期では誤解のないよう、さらに説明を工夫することが必要だろう。そんなことに気を使うことがなければ良いいのだけど、そうも言っていられない。まだまだあらゆる点で修行が足りないのである。

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投稿者 corvo : 2008年7月11日 03:11