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2008年4月28日
豊橋市自然史博物館・中生代展示室リニューアルオープン01
26日の土曜日、GWを目前に控えて(というかもう入っているのかな)、豊橋市自然史博物館の中生代展示室がリニューアルオープンした。
「終了!」でもお知らせしたが、僕がグラフィック展示に関わる全ての復元画を担当しており、昨年の夏頃から打ち合わせを始めて、今月の初旬まで原画の制作に追われていたものである。最大の目玉はエドモントサウルス(以前はアナトサウルスと呼ばれていた)展示室の両翼15mにもなる大壁画。白亜紀後期、北米の一場面を復元したもので、原画の制作にはおよそ2ヶ月を費やした。
26日のオープニング式典は、大学の行事が入っていたため駆けつけることが出来なかったのだけど、27日日曜日に朝からドライブがてら博物館まで行ってきたのである。片道約200キロ。日帰りするにはぎりぎりの距離かな。
エドモントサウルスの展示室は円筒形になっており、1階部分と2階部分からガラス越しに中をのぞける構造になっている。この写真は2階の窓からほぼ正面に壁画を見たもの。
展示室に降りて、1階から展示室内を見上げるとこんな感じだ。
高い位置に展示される事が分かっていたので、下から見上げる事を想定して構図を組み立てた。画面上のほうは若干大きめのプロポーションで描いている。
真下から見上げるとこんな感じになる。
最初の画像の位置から見ると、僕がスタジオで制作していた状況とほぼおなじような状態に感じられる。壁画を人間の目線で間近に見る事ができないので、リアルにその大きさを実感することは難しいかもしれないが、縦3.8m、横幅15mの大画面が展示空間の大きな部分を占めている。でも、来館者を観察していると、それほど壁画には関心を示さないようだ。そこにあるのが当たり前のような感覚なのか、展示してある標本と対応した内容である事を示すキャプションがないからだろうか。やはり標本の強さには勝てない。うまく空間の中にとけ込んでいるという点では成功かもしれないが、もう少し関心を持って見てくれると嬉しいなあ。聞いた話によると、この画面を張り込んでいた職人さんたちが一番興奮していたらしいです。
僕としては約5倍に引き延ばしているにも関わらず、ほとんど画面が荒れていない事に安心した。スキャニングの精度も素晴らしく、出力の色も安定している。帯状に何枚も重ねて一枚の画面にしているのに、それぞれの出力の色の差は最小限に抑えられている。いい仕事してます。スキャニングはドラム式のもので、キャンバスを一気にスキャンする方法をとったということだった。色々な意味でキャンバスに描いたことが奏功した。
他の展示室の画像なども含めて、何回かに分けてエントリーをアップしていきます。
投稿者 corvo : 2008年4月28日 08:55