2008年3月 6日
mixiの利用規約改変
mixiのメンバーでない方には、まったく分からない話ではありますが書きます。
ネット上でも話題に上っているので、何事かと思っている人も多いかもしれないが、今回の利用規約の改変は、はっきり「改悪」と言っても良いようなものだった。もっとも影響が大きいと思われたのは18条で、次のような文言であった。
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第18条 日記等の情報の使用許諾等
1
本サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。
2
ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします。
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特に僕のように著作物を制作し、それを生きる糧にしている人間にとっては、文面をそのまま受け取るなら横暴以外のなにものでもない。ただし、最初の規約改変から数日がたっており、多くのメンバーの反発から、運営側の譲歩を引き出しつつあるのが現状である。
もし、実際にこの規約を利用してmixiが出版物等を出そうとしたとき問題になるのは、絵や写真といったものだけではない。それ以上に深刻なものがたくさんある。もともとmixiというのは会員制であり、友人達が集まってコミュニティを作ってきたものである。その閉じた安心感から、かなりプライベートに踏み込んだやりとりや、情報の開示が友人同士行われてきていた。日記の公開も段階別に設定することができ、本当に良く見知った人だけに向けて書かれたものも数多く存在する。18条を運営側が文言通りに行使すると、これらのプライベートな情報が世間に開示されてしまうことになる。これは、僕の絵が無断で使用された、なんてことよりもはるかに問題が大きい。
冷静に考えれば、運営側がそんなリスクの高い行動を起こす事はないだろう。たくさんの会員が存在するからこそ広告収入が入るのであり、誰も寄り付かないような場では運営の存続が困難になってしまう。
だからといって、黙っていればいいというわけではなく、こんなときこそ大きな声を上げて、きちんと反対するべきだ。何も言わなければ、なし崩し的に僕らにとって不利な決定がなされていってしまう。そして、mixiが今まで通りの場であったとしても、おかしな前例を認めてしまうと、次に参入する業者や、社会の常識というものが、望まない方向にシフトしてしまうだろう。それはなんとしても避けなくてはいけない。
お互いは利益ばかりを追究しては社会は成り立たない。しかし、お互いが納得出来るバランスをとることは出来るはずだ。そのためにはお互いが歩み寄り、時には闘い、もっとも良い妥協点をさぐる必要がある。それこそが民主的な態度であろう。
僕はmixi内で日記を書いていない。このblognリンクを貼っているだけなので、今回の規約改変の影響はほとんど受けない。でも、mixiを通して出会うことができた、今となっては貴重な友人が何人もいる。規約改変発表の直後は、感情的になって退会も視野に入れていたが、それでは損をするのは僕の方だけである。mixiは痛くも痒くもない。わざわざ自分から不利益を被ることはない。
ということで、まだしばらくmixiから退会することはありません。
投稿者 corvo : 2008年3月 6日 23:54