2007年12月30日
紙とキャンバス
今、描いている大画面は、久しぶりにキャンバスを支持体にしている。これまでの仕事は、紙に描くことが圧倒的に多かった。一番気に入っているのは、このblogでも度々紹介しているアルシュのホットプレス(極細目)だ。ロットリングで描いたり、透明水彩を使う場合は、もっぱらBBケント細目のイラストボードを使っている。
油彩を描いてきたとき以来のキャンバスであるが、これほどアクリル絵の具と相性が良いとは思わなかった。今回使っているのはクレサンジャパンのA-Line Canvas「FD 麻・細目」である。スムーズな表面が好みなので、キャンバスも細目を選んでしまう。でも、実際描くときはテクスチャーも付けるし、ざらついた下地を必要とする場合もある。どちらにしても、最初がスムーズな表面であると応用が効かせやすいので、僕の描画には適している。
キャンバスの利点として、タッチの伸びやかさがある。どういうことかというと、適度に筆先が走ってくれるのである。これが紙だと吸い込み(吸湿性)が強すぎて、筆先が必要以上に引っかかってしまい、絵に伸びやかさがなくなってしまう。細かなタッチも、キャンバスのほうがごまかしがきくので、結果的に美しい仕上がりになる。紙の方が忠実に毛先の乱れまでも捉えてしまう。キャンバスの持つしなやかさが、手への負担も減らしているように感じる。
これから先、全ての仕事でキャンバスに移行していくかどうかは分からないが、大きな可能性を知ることが出来たので、色々試していきたいと思っている。ただ、紙よりもコストがかかるのが玉にきずである。
投稿者 corvo : 2007年12月30日 01:18