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2007年11月30日
Smilodon01
猫つながりで「スミロドン」である、というのは嘘なのだけど、ある本の表紙のために制作中。
ラフスケッチの段階なのだが、タイトルと帯がはいる部分が全体の半分以上を占めており制約が大きい。自由に構図を決めることは、ほぼ出来ない状況である。
サーベールタイガーの仲間であるスミロドンの強大な犬歯を、画面上でカットすることなく収めなくてはいけない。
少しおとなしめのスケッチ。口も開けていない。
正面を向いて、少し口を開けたポーズ。身体のシルエットに犬歯が重なってしまうという理由で却下。
これは今日描いたもの。もう少し小さく描いたほうがいいかな。まだしっくりこない。
今日もバナーを。早く決まると良いです。
投稿者 corvo : 23:49
2007年11月29日
ヴァイオリンと里親募集
昨晩は招待券が当たったということで、妻とヴァイオリンのコンサートに行ってきた。
会場は森のホール21。小ホールでの演奏だったのだけど、キャパシティが小さいにも関わらず客の入りは半分ほどだった。
ピアノの伴奏に、ヴァイオリンのソロという構成。舞台とも近く10mと離れていなかったので、演奏者の表情、手の動きまでしっかりと見ることができる。
ヴァイオリンがアントン・バラホフスキー(Anton Barakhovsky)、ピアノがウラジミル・ミシュク(Vladimir Mischouk)。序盤のベートーベンで少し寝落ちしてしまったのだけど、素晴らしい演奏だった。でも、耳も肥えていないし、普段からクラシックファンというわけではないので、評価のしようもないのだけど、生の音の良さを充分に堪能することができた。
話は変わって、またまた友人のところで、猫の里親募集。今回は計5匹。少し大きくなってしまっている子もいるが、全て1歳未満。詳しくはごまぐりもなかにっきで。今回も早く決まると良いです。
投稿者 corvo : 23:09
2007年11月27日
もうひとつの絵本企画01
アパトサウルスの次の作品となる、もうひとつの絵本企画も同時に進んでいる。昨日は夕飯の後、何時間もページ割を決めるのに苦しんでいた。本を作る場合、印刷の都合上8ページがひとつの単位になる。8の倍数でページ数が増えていくので、絵本だと32ページとか40ページといった数が一般的である。この中で、効果的なページ割をかんがえなくてはならない。
最初にきちんと決めておければいいのだけど、進めていくうちに新たなアイデアが出て来たり、削ったり増やしたりする場面が出て来たりと、やりくりをじっくり考える必要がある。なんども箇条書きにしながら、うんうんと悩んで悩んで決定することができた。
まだ本作りに慣れていないので、完璧なビジョンを描くことができない。感覚的に進めていくので、完成をイメージ出来るまでに、時間がかかってしまう。これからの課題として、もっと早い段階でイメージ出来るようにしなくては。
残念ながら、まだ内容は紹介できないのだけど、ご期待下さい。良い本になりそうです。
投稿者 corvo : 23:38
2007年11月26日
復活!!
といっても草野球でのこと。
昨日の夜、もう冬だというのに、午後7時からナイターで草野球の試合に出場。日中暖かい日だったので、それほど冷え込みはきつくなかったのだけど、さすがにゲーム終盤は寒かった。
連戦の疲れからか肩や肘に痛みを訴えるメンバーが何人かいたものだから、幸い肩の具合のよい僕がサードのポジションに立候補することにした。怪我をするまではサードを守る機会が一番多かったので、サードの守備位置につくと落ち着く。内野の中ではあまり頭を使わなくてもすむし、それほど肩が強くなくてもいいポジションである。ただし、打球は良く飛んでくる。とくに軟投派のピッチャーだと右打者の引っ張った強烈な打球や、ひっかけたぼてぼてのゴロが次から次へとやってくる。昨日はゴロこそ多くなかったのだけど、ポップフライがいくつも飛んで来て、おそらく全アウトの半分近くは僕が処理していたかもしれない。確か、全ての打球がサードに飛ぶというイニングがあったような気がする。ちょっと微妙な判定だったのだけど、5-4-3のダブルプレーも決まり、試合にも勝てて気持ちよく終われたのであった。
しかし、よく動いたというか動かされた試合だった。チーム最年長者としてはつらい。試合序盤から、太ももに張りを感じていたし、送球の際にバランスを崩すことも。普段からもっと鍛えておかないと。
野球に再び行くようになって、いいリズムが作れるようになってきた。仕事にもめりはりがつくし、全身の筋肉を使うことで、身体全体がやわらかくなってきている。絵をずっと描いていると、どうしても姿勢を維持することに力を使ってしまい、背中がぱんぱんに張ってしまう。疲労感も大きい。草野球で大怪我をして、一時期全く仕事ができなかったという苦い経験があるため、草野球をすることに多少の躊躇もあるのだけど、適度な運動と楽しみは精神活動においても大切だということを実感している。
やっぱり野球は楽しい!
投稿者 corvo : 23:25
2007年11月25日
出張と『安彦良和原画展』
昨日は出張のため、ふたたび関西へ。午後1時が約束の時間ということで、最寄り駅を朝の8時前に出発する。睡眠時間は3時間ほど。新大阪行きののぞみだったのだけど、途中完全に寝落ちしてしまい京都駅を乗り過ごしてしまったかと「はっ」とするも、まだ滋賀県内だった。
久しぶりに、綺麗な富士山を車窓から見ることができた。
昼過ぎに食べたケーキセット。
今回、京都駅でたまたま知ったのだけど、駅ビル内の美術館で『安彦良和原画展』を開催していた。入り口でえらく人が並んでいるので、混んでいるのかと思ったら、サイン会の日だったらしく、ちらっと遠目にご本人を見ることが出来た。僕は整理券もなにも持っていなかったので、サイン会に並ぶこともなく会場へ。
「勇者ライディーン」から始まって、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」まで、原画をすっかり堪能することができた。比較的サイズが大きなものが多く、伸びやかな線描が気持ちいい。図録を買って来たのだけど、インタビュー記事が面白かった。その内容については後日にでも。
久しぶりに落書きしてみた。記憶を頼りに描いているので、細部の間違いはご容赦ください。
あんまり良くないなあ。マスターグレードを早く作って、今一度細部の確認をしておきたいところ。
でも、「聴こえるよ。そんなことをしている暇はないだろうって声が」。
投稿者 corvo : 15:32
2007年11月23日
子供向け絵本企画03
コメントの返答が遅れがちですみませんです。
複数の案件を並行して進めているので、少々頭の中も混乱してきている。
タイトルの「子供向け絵本企画」もその案件の一つで、昨日編集者から新たな指令が届いた。毎回違った手段で届く。メールだったり、ファックスだったり、スカイプだったり。
その指令書がこちら。
サイカニアである。鎧竜ということで、僕が一番描きやすい物を選んでもらっている。サイカニア、今まで何点描いているだろう。ひょっとしたら一番多く描いている古生物かもしれない。自分で組み立てを行ったということもあり、思い出深い恐竜である。
この指令書をもとに、僕が制作したエスキースがこれ。
んんん。やっぱりサイカニアは良い。好きだなあ。このアングルは何度も描いているが、毎回少しずつ復元の細部を変えたりしているが、基本になっている骨格は、もちろん同一である。
以前に描いた骨格図を参考にしている。現存するサイカニアの復元骨格図は、おそらくこれぐらいかもしれない。
以前のエントリーでコメント欄に突っ込みのあった、謎のマスクマンであるが、その誕生の瞬間の写真がこれだ。
現在、進めているこの企画のチームで火曜日に集まって飲んだのだけど、そのときの一こま。
このマスクは、実際にミル・マスカラスが使用した本物だということで、プロレスファンの編集者が驚喜してかぶってポーズ。そして、ここにタカ・マスカラスが誕生したのである。
この日の飲み会はとても楽しかったのだけど、話の流れで二次会はカラオケに行くことに。お互いにカラオケに行くのは、まったく初めてのメンツ。それぞれの手札がわからないままに、アニソン中心の選曲で楽しんで来た。
40にもなって、アメリカでずっと仕事していて、夫婦で「ハレ晴レユカイ」歌うってどうよ。と思いながら、振りを覚えて盛り上げれば良かったと思う僕もどうかしているが。
さらに、裏声で歌った「マクロス愛覚えていますか?」がドン引きだったのは、ここだけの話だ。
この本、きっと上手くいきます。(いくよね?タカ・マスカラス)
投稿者 corvo : 23:53
2007年11月22日
アラジンに火が入った
小春日和の日も多く、穏やかな天気の続く日々だったが、さすがに朝晩の冷え込みは厳しくなってきた。夜中まで仕事場で制作しているのだけど、地下にあるため室内気温は19度を保ってきた。しかし、さすがに足下の冷え込みは厳しく、たった今、アラジンを引っ張りだして点火したところである。暖かい。
念のため、今から芯も買っておくかな。
投稿者 corvo : 02:37
2007年11月21日
子供向け絵本企画02
前回、紹介したイラストが編集サイドで評判が良く、スタッフのモチベーションが高まってきているということである。僕としてはとても嬉しい。産地直送の美味しい野菜を、レストランで料理してもらう気分かな。僕の役割は、美味しい素材を作ることにある。
今日は新たなページのラフスケッチを制作。まず、編集者からファックスでラフが届く。それがこちら。
このラフを見ながら電話で打ち合わせ。編集者が何を求めているかを理解する必要がある。気心も知れているのでやりやすいのだけど、逐一確認していくことが大切である。
上のラフを元に僕が描いた物がこれ。
水辺を進む、アパトサウルスの群れ。一番手前に来ている主役は、極端な遠近法で描かなくてはいけないので難しい。少し頭をこちらに振り向けているような姿勢にした。いい感じで進んでいます。
アマゾンに注文していた本が、ようやく届いた。「Amazon.co.jpのまずい対応」の例の本である。呪われているのではと思うほど時間がかかってしまったのだけど、無事に入手することができた。実を言うと日本のアマゾンの発注はキャンセルして、アメリカのアマゾンから取り寄せたのである。最初からそうすれば良かったと思っても、後の祭りである。
でも、この本は予想以上に良かった。子供向けといっても、小学校高学年以上を対象にしていると思われる内容で、非常にしっかりしている。第一線で研究している、トマス・ホルツ氏が著者であるということも大きいだろう。イラストは全てルイス・レイ氏が手がけている。一冊丸々制作する労力は大変なものだったと思うが、400ページを超える大部でありながら統一感があって素晴らしい。彼独特の極端なパースを使った構図と派手な色彩が、とても楽しい。
日本のアマゾンでは現在最在庫を切らしているようだが、お勧めです。今の日本の出版社、出版業界では作ることができない本だろう。
投稿者 corvo : 23:19
2007年11月20日
Dick Blickでお買い物
これからの制作に備えて、紙をまとめ買いした。送料を負担しても、日本で買う半額程度になるので、アメリカからの通販を時々利用している。その店はここ。クレジットカード決済で買うことができる。半額になるのはこの紙の場合で、もちろん商品によって割引率はまちまちである。写真のような状態で運ばれてくる。大雑把ではあるけど、しっかりとした梱包。今のところ商品が傷んでいたことはない。
買ったのは「Aquarelle Arches / Hot press / 56 x 76cm / Natural White」。表面がスムーズで、強靭な紙である。水彩にもペン画にもアクリルにも、また鉛筆やチャコールペンシルにも適している。基本は水彩画用。
写真に一緒に写っているカタログが楽しい。日本の画材店ではお目にかかれないものまで、多数そろっている。見たこともない製品も数多い。便利グッズ系のものも多い。また、スタジオ用品も充実していて、絵を描く現場に必要なものはなんでも揃うだろう。こんな店が日本にもあればなあ。世界堂でも、ここまでは揃わない。
友人同士でまとめ買いをすると、送料を割り勘に出来てお得です。お勧めのネットショップです。
投稿者 corvo : 20:16
2007年11月19日
嬉しいこと、悲しいこと
先週の後半は、嬉しいことと悲しいことがあり、感情の起伏の大きい週末だった。
嬉しいことは、僕に二人目の甥っ子が出来たこと。これで妹のところは、男の子二人兄弟ということになる。親戚中を見回しても、男兄弟は珍しく他に一組しか思い出せない。大変そうだなあと漠然と思いながら、僕自身とてもうれしく思っている。おめでとう。
悲しいことは、僕の大切な友人の一人が、愛する伴侶を失ってしまったことである。それも突然の出来事だった。若くして自ら命を絶ってしまったのである。日曜日の夜、通夜に参列してきたが、あまりにつらそうな友人の姿にいたたまれない気持ちでいっぱいになった。こちらも励ますだけで精一杯。傍目には、とても幸せな家庭に見えていたのに、どうしてそんなことになってしまったのか。友人が気持ちの整理をつけられるまでには、とても長い時間が必要かもしれない。
生と死。偶然ではあるのだけど、どちらも同じ日の出来事だった。
投稿者 corvo : 23:20
2007年11月17日
SCBWIイベント、11月17日(土)
今日は久しぶりにSCBWI東京支部のイベントに参加してきた。仕事も詰まっていたし、英語だけの講演ということで、行こうかどうしようか迷っていたのだけど、メールで「会場設営などのスタッフが足らないので、来られる人がいたら是非お願いします。」ということだったので、なんとか時間をやりくりして行って来た。結果として、とても興味深い話が聞けたし、面白い人とも知り合いになれたのだけど、一方とても憤りを感じる話もあった。
今回のイベントのタイトルは、「Made in Japan: What Makes Manga Japanese—And Why Western Kids Love It」。現在、ジャパニメーションは世界中に輸出されており、多くの子ども達に親しまれている。どこにその魅力があるのかという部分に焦点をあてて、東京大学で講師を務めるRoland Kelts氏と、ポケモンのエグゼグティブプロデューサーである小学館のMasakazu Kubo氏から話を聞くことが出来た。Rolandさんの話は英語で行われたのだけど、ゆっくりとした語り口で英語のつたない僕にも、なんとなく理解することができた(でも、ここで忠実に伝聞できるかというと、それは難しいです)。日本の漫画、アニメの歴史にも造詣が深く、どこに魅力があり、欧米でどういった部分が指示されているのか、という話だったと思う。
一方のkubo氏(漢字が分からないのでアルファベットで)は、ポケモンが世界中に流通し、いかに大きな利益を上げているかという話に終始していたように思う。エグゼグティブプロデューサーである以上、大きな売り上げを上げることは第一の目的あることは理解できるが、あまりSCBWIのイベントで話す内容ではなかったように思う(彼の話は日本語で行われ、参加者に対して英語で通訳されるというスタイルだった)。僕が憤りを感じたというのは彼についてなのだけど、端的に言ってこの人はクリエイターに対して敬意をはらっていないのだろうと感じたからだ。
日本のアニメが世界中に流通した大きな要因は、「安い」からだ。これは現状でもあまり変わっていないだろう。なぜ「安い」かと言えば、過酷な労働環境で働く、多くの人々が支えているからだ。ポケモンに関わるクリエイターと言っても給料制なので、どんなにポケモンが巨万の富を生み出そうとも、彼らには還元されない。なので、慰安として海外旅行に連れて行くのだとKubo氏は言うのである。20億の売り上げなら香港、30億ならハワイ、50億ならロスかドバイ、といった具合らしい。今年のポケモン映画は50億を売り上げたということで、ラスベガスに行ってきたということだった。連れて行ったのは48人で、その多くがクリエイターだというのだけど、本当に現場で汗水たらしているのはそれだけではないだろう。だいたい社員の慰安旅行みたいに連れて行かれても楽しくないだろう。僕だったら絶対に嫌だ。「クリエイターにはインプットが必要なので、シルクドソレイユなどの良質なエンターテインメントを見ることで、これからもいい仕事をしてくれるでしょう(本当にそういう発言だった)」。プロデューサーになんの権限があって、クリエイターに趣味を押し付けることができるのか。
本来なら、十分な報酬と休暇を与えて、各個人が自分にあった刺激を吸収しにくべきだろう。しかも、ラスベガスでも、夕食時にが打ち合わせをしていたという。怒りを通り越して、呆れてしまった。
個人で行くことができれば、家族旅行だってできる。仕事の延長で連れ回されるご褒美なんて、まっぴらごめんである。
全く、クリエイターというものを理解していないとしか思えない。
また、こんなエピソードまであって、日本のアニメーションを愛好するスペイン人クリエイターから、東京アニメセンターで仕事をしたいという打診があったのだけど、スペイン語しかできないということで、断ってしまったのだという。その後、そのスペイン人は自分の作品をアメリカのシーグラフに出品して、見事グランプリを勝ち取り、ティム・バートンからハリウッドデビューのオファーを受けたという。プロデューサー氏は残念がっていたが、日本にもし来ていたらつぶれていかた、嫌になってしまっていただろう。海外から優秀なクリエイターを集めて、どんどん日本の女の子と合コンをしてもらって定住してもらえば、アニメ業界も良くなるという発言もしていたが、これは女性に対しても失礼な話だし、今現在日本で頑張っているクリエイターにたいしても、極めて失礼な発言であろう。まあ、とにかくむかむかして、嫌な気分だった。
いまだ、こういった人間が業界を牛耳っているかと思うと、暗澹たる気持ちになる。
投稿者 corvo : 23:56
2007年11月16日
子供向け絵本企画01
現在、いくつかの企画が並行して進んでいるのだけど、これもその一つ。友人であるフリーの編集者の企画で、友達同士でコラボレーションといった趣である。もちろん、なれ合いで作っているわけではなく、それぞれがプロフェッショナルに自分の役割を理解して制作を進めている。
今の段階では出版社も詳細も明かせないのだけど、僕の制作した絵に関しては公開してもよいということなので、出来上がったものからプロセスも含めて紹介していく予定である。
そこで、2日前に出来上がったのがこれである。
まず、水張りしたアルシュ紙にカラーインクで着色。ローシェンナとセピアを使用。染みがついたような、古びた紙のように見せるためでもある。
あたかも現場にいて、見て来たように描くというのがポイントである。カラーインクの他には、チャコールペンシルと白の色鉛筆を使って描いている。
サイカニア。
アロサウルス。
素早く描くということで、制作時間は3時間ほど。編集者サイドからもすぐにオーケーが出て、火曜日の夜には納品してしまった。この企画も、まだまだ描かなくてはならないものがたまっている。全ての企画が、ほぼ同時期に締め切りを控えている。かなり追いつめられてきているのだけど、今ひとつ僕のエンジンのかかりが悪い。なんとかしなくては。
投稿者 corvo : 01:49
2007年11月15日
構図が決まった!
と言っても、何日か前の出来事。なかなか更新する時間すらとれない。
非常に横長の画面のため、構図の構成に苦しんでいたのである。全貌をお見せするわけにはいかないのだけど、構図の決定にはリチャード・セラの彫刻作品がヒントになった。構図全体を見せることができないので、説明のしようもないのだけど、自分也に納得のいく結果になったことは確かである。解説については、完成したときのお楽しみに!(それまで覚えているかどうか)。
今日は出来上がったラフスケッチをもとに、詳細なエスキースを作っていた。ほんの一部だけチラリズムで。
大きな画面の制作になるので、出来る限りエスキースの時点で完成度をあげておきたいのである。でも、結局本番でも多く修正することになるのだけど。アルシュ紙全体にアクリルのローシェンナを塗り、チャコールペンシルで描き込んでいる。
今日、夕方のニュース番組で懐かしい曲が。発売が2007年10月24日なのだけど、今まで発売されていなかったのかなあ。公開されてから20年。高校生のときでした。
投稿者 corvo : 23:47
2007年11月14日
お勧め骨サイト
ここのところ更新が一日おきになってしまっていますが、毎日地道に制作しております。
先日、友人から教えてもらった、お勧めサイトを紹介。全て骨がらみ。
Digital Morphology
このサイトは随分前に知っていたのだけど、改めて見てみると興味深い。デジタルで作られているので、スライスされた断面を見ることも、ぐりぐり回して見ることもできる。脊椎動物だけでなく、無脊椎動物も紹介されており、中にはパイナップル(植物)も。恐竜のデータはまだ少ないが、現生生物の骨格の立体感を把握するには、とても役立つ。ついつい長時間見てしまうので、その点だけはご注意を。
Bird Skull Collection
鳥の頭骨に特化したサイト。頭骨だけでなく、一部の鳥は全身骨格を3Dで見ることができる。水平方向だけとはいえ、あらゆる角度から観察できるし、クローズアップの機能もついている。素晴らしい。このサイトの画像は写真をもとに作られている。
ANIMAL SKULL COLLECTION
このサイトは、様々な種の頭骨写真が掲載されている。これまで紹介したものに比べると、ちょっと物足りないかもしれないが、SKULLのデザインの妙を堪能することができる。
インターネットがブロードバンド化したことによる、恩恵は計り知れない。トップページからいきなり動画やフラッシュがはじまるサイトは嫌いなのだけど、画像のデータベースとして活用するには速い回線が不可欠だろう。本当は手元に標本を置いておきたいのだけど、経済的にもスペース的にも無理な相談なので、こういったサイトの存在は非常に助かる。
投稿者 corvo : 08:32
2007年11月12日
第128回化石研究会例会
昨日、ここでも紹介した化石研究会例会に参加して来た。会場は早稲田大学で、今回の世話人は平山廉さん。例会へは非会員でも無料で参加できる。僕もまだ会員にはなっていない。
古生物学会やSVPの発表だと、15分から20分ほどの講演時間しかないので、少し消化不良かなと思うことが多いのだけど、この例会では1人たっぷり1時間。それぞれの講演者からじっくり話を聞くことができた。
1:三枝春生(兵庫県立人と自然の博物館)
「兵庫県丹波市の篠山層群から脊椎動物化石の発見」
今年、一躍有名になった「丹波竜」の話。一次発掘調査も無事終わり、クリーニングも進んでいるようだ。残念ながら、ここで詳しく述べることはできないが、素晴らしい保存状態であることは間違いない。現在、発見されているのは、関節した尾椎、血道弓、脳函の破片、獣脚類および鳥脚類の脱落歯。クリーニングが進むと、新しい発見がある可能性も高い。これからも継続的に発掘は行われる計画になっており、全身骨格の発見にも希望が持てる。
2:平山 廉(早稲田大学)
「巨大恐竜・竜脚類の古生態を類推する」
平山さんの著書「最新恐竜学」で述べられていた竜脚類についての考察を、もう少し踏み込んでの講演。「最新恐竜学」が出版された同時期から、竜脚類の首の姿勢についての論文がいくつか発表されているが、平山さんのアイデアを裏付ける結果が多く見られる。でも、まだ十分とは言えず、平山さん本人による新しい論文の発表が待たれる。
竜脚類ほどユニークな存在はいないだろう。首と尻尾が長大で大きな胴体を持ちながら、四肢は地面に対してまっすぐに立っている。現生のほ乳類であるゾウの場合は、前後の重量配分は少し上半身よりであるが、竜脚類はかなりの重量を後肢で支えている。もともと二足歩行の恐竜から進化していると考えられるからであるが、あれほど長い首を持ちながら、後肢よりに重心があることは、にわかには信じがたい。しかし、前肢に比べて後肢が太く、足裏の面積も大きいことや、残された足跡の深さから推測することができる。
見れば見るほど、奇妙な動物だ。僕にとっても、もっとも興味深い古生物のひとつである。
3:鈴木 茂(林原自然科学博物館)
「林原自然科学博物館 モンゴル共同調査の15年とその成果」
モンゴル発掘の歴史から始まり、1993年から毎年継続的に行われている、林原自然科学博物館とモンゴル科学アカデミー古生物研究センターとの古生物学共同調査のレポート。
2006年まで有明のパナソニックセンター内「ダイノソアファクトリー」で、その成果の一部を見ることが出来たのだけど、残念ながら今は閉鎖されてしまっている。岡山県内に新設される博物館の公開が待たれるが、もう少し開館は遅れるようである。私企業が母体となっている、自然史系博物館は日本初ではないだろうか。博物館のアートディレクションについて質問をしたのだけど、欧米のような体制をとることは、私立であっても難しいようだ。本来なら国立科学博物館が先頭に立って具現化するべきだと思うのだけど、結局展示会社におんぶに抱っこのような状況で、博物館の展示は作られていってしまっている。
4:小林快次(北海道大学)
「『ダチョウ型恐竜』オルニトミムス類の進化と生態復元」
オルニトミムス類はそれほど馴染みのない恐竜からもしれないが、歯のない獣脚類である。歯のないことから、植物食または雑食と考えられていたが、小林さんの研究では、植物食であったと考えてよいのではということだ。様々な手法を使い、オルニトミムス類の復元を目指していることがよく分かる、非常に面白い講演だった。現在行われている恐竜研究の実際の方法も、少しではあるが知ることができた。
これだけの講演を、無料で聞くことができる機会はそうそうないだろう。会場には80名という大勢の方が詰めかけていたが、まだ座席にも余裕があり、もっと多くの方に聞いてもらうことができれば良かったのにと思う。
懇親会ではお酒を飲みながら先生方と話すこともできるし、古生物に関わりたいと考えている人間にとっては、またとないチャンスだろう。今後もこういった催しがあれば、どんどんお知らせしていきます。
投稿者 corvo : 21:06
2007年11月10日
The Unknown Skull 007
ここのところ、復元画の仕事が続いているので、物を見て描くことに飢えている。そこで久しぶりに頭骨のデッサンをすることにした。鉛筆でどこまで細密に描けるかやってみようと思う。といっても、僕のスタイルや個性だと、そんなに細密には描けないのだけど、どこまで出来るか試してみたい。
合間、合間で描けるようにモチーフをセッティングしてある。
昨日始めたばかり。ここまで20分ぐらいか。時間をかけて、じっくり仕上げていきます。
投稿者 corvo : 23:36
『ストッパー毒島』
最近、久しぶりに草野球に行ったものだから、野球熱がちょっぴり高まって来た。もうすでにメジャーリーグもプロ野球もシーズン終了してしまっているというのに。もちろん草野球もオフシーズンといってもいい時期。
そんな中無性に読みたくなって、ネットオークションで買ってしまった。僕がプロ野球漫画の最高傑作のひとつと思っている、『ストッパー毒島(ぶすじま)』である。
「京浜アスレチックス」という架空のプロ野球チームを中心に、ストーリーは展開していく。詳しくは上記リンクのウィキペディアで。
確かに、主人公は最速163キロを投げる天才ではあるが、大変な努力家でもある。素行は悪いけど。奇跡のパリーグ優勝に向かってチームが一丸になっていく過程には高揚感がある。一気に読んでしまった。1996年から1997年シーズンが舞台ということで、懐かしい選手や監督の面々がたくさん出てくる、。すでに引退してしまった選手も、現在メジャーで活躍している選手も、リアルな描写で登場する。各選手の癖の描写も細かくて楽しめる。まだ読んでいない人は是非。
ちなみに、チックくんの「どこでもブルペン」持ってます。
投稿者 corvo : 22:27
2007年11月 8日
芸大美術解剖学研究室で集中講義2
今日は先月に引き続き、集中講義の2回目。実際にアパトサウルスの各骨格を切り抜いてもらい、どうのようにつながるかを検討してもらった。学生達は、基本的にまったく恐竜や古生物に関する知識がないので、先入観なしに復元のプロセスを体験してくれている。
ひとつひとつ丁寧に切り離していく。黙々と淡々と作業を進めている。
ホワイトボードを使って、骨の構造を解説。
大まかに出来上がった状態。なんとなくどんな生物なのかイメージできてきたようだ。ここにきて、「あ、首の長い動物だったんだ!」。いい感じです。イメージや固定観念を持たずに、復元というプロセスを大切にしてほしいと思っている。
最後にお遊び。
投稿者 corvo : 23:40
2007年11月 7日
Amazon.co.jpのまずい対応
僕はかなり頻繁にアマゾンを利用している。普段、書店に行く時間を作ることも難しく、専門書を多く購入することもあり、なくてはならない存在である。そんなアマゾンだが、以前から配送に関して緩いところがあった。24時間以内の発送が守られていなかったり、メール便だと到着に数日かかるということもあった。しかし、これほど酷い出来事は初めてである。
下記の本がサイト上にアップされたのは、昨年末のこと。予約注文という形ですぐに注文をいれてあった。実際に出版、発売されたのは今年10月だったので、そのタイミングですぐに届くだろうと思っていたら一向に配送されない。サイトの商品ページを見ると「在庫あり」の表示になっていたので、少し様子を見ていたらいつの間にか「通常1~2週間以内に発送します。」になってしまっていたのである。これはおかしいと思い、カスタマーサービスに電話したのだけど要領を得ない。3日後にメールが来たのだけど、引き続き調査中というだけの、まったく意味のない内容のもの。その後、あまりに連絡がないので今日の午前中に電話したのだけど、結局結論を得ることは出来なかった。最初に僕が電話をしてから、およそ2週間もかかっている。
こうなってしまった以上、入手が遅れるのはしょうがない。僕が知りたかったのは、どうしてこういった事態になってしまたのかということだ。その原因を知りたかったのである。そして、ようやく夕方になってメールが届いた。
「(前略)お客様のご注文に対しシステム上のエラーが発生し、その原因の調査に長らくお時間がかかっておりますことを重ねてお詫び申し上げます。(後略)」。「システム上のエラーでした」と言ってもらえれば、僕としてはとりあえず納得なのである。彼らは僕がどんな答えを望んでいたかを全く分かっていない。
「システム上のエラー」がどのような原因で起こったのかは、僕には関係のない話だし、興味もない。それを改善することによって、サービスの質が向上するという意味では重要ではあるが、現時点で僕への説明責任はそれほどないだろう。
「システム上のエラー」の問題を、客からの指摘で気がつき、慌てて調査している時点で、そうとうにおかしいと僕は思う。
電話ではかなり厳しく追及したけれど、本当に客が何を望んでいるかを、きちんと理解してほしいものである。
もっと早い段階で、「システム上のエラーで、ご迷惑をおかけしました。申し訳ございません。」と言ってくれていれば、「そういうこともあるよな。次から気をつけてください。」で済んだことだと思うのだけどね。
投稿者 corvo : 18:06
2007年11月 6日
国立科学博物館ニュース-展示たんけん-
先月末、4年間続けていた連載にようやく一区切りがついた。2004年1月号(417号)から始まった、「国利科学博物館ニュース-展示たんけん-」のためのイラスト制作だ。最後の連載はまだ出版されていないが、2007年12月号(464号)で終了である。毎回、科博の展示を一つとりあげて、その展示の担当研究官がテキストを書き、僕が関連したイラストを制作するというものだった。生物ばかりでなく、物理学、天文学、工学など、その分野も多岐に渡り、勉強になることも多かった。途中、休載する号もあったり、僕の怪我で断らなくてはいけなかったり(一号だけ)と、いうこともあったのだけど、それ以外は休むことなく、締め切り前には担当者をハラハラさせながらも、最後までやり遂げることができた。
発行部数も少なく、多くの人の目には触れなかったかもしれないけど、研究者とやりとりをしながらイラストを制作していく過程は、僕のスキルアップにもつながったと思う。
並べてみたら、これだのボリュームになった。関係者の皆様、どうもありがとうございました。
バックナンバーは、おそらく科博のミュージアムショップで入手可能だと思います(何号まで在庫があるかは未確認です)。
投稿者 corvo : 11:35
2007年11月 4日
久々の草野球
今日は約1年ぶりに、草野球の試合に参加してきた。
僕が所属するのは、ここLibertadores。2004年から所属しているので、かれこれ4年目になるのだけど、2005年に怪我をしてからはほとんど参加できていない。
久しぶりに出ることになったのは、人数が足りないということだったのが一番の理由であるのだけど、ここのところ煮詰まってしまっていて、身体を動かすことがしたかったのももう一つの理由だ。まるで試合勘に自信がなかったので、「フル出場は勘弁してよ」と言っていたのだけど、蓋を開けてみたら「スタメン、9番セカンド」で出場。途中ライトにもまわったが、結局でずっぱりのフル出場だった。天気も良く気持ちの良い一日。球場が荒川自然公園といいうことで、都電に乗って下町の雰囲気も味わえた。試合はサヨナラ勝ちで快勝。初回、いきなり先頭バッターの打球が飛んでくるも、無難にさばいて波に乗ることができた。しっかり守ってノーエラー。打つ方は三振とレフトフライ。レフトフライの当たりは良かったのだけど、野手の正面をついてしまいヒットにはならなかった。追加点のチャンスだっただけに悔しい結果だった。
試合の様子は、上記リンクの「スコアブック」→「チーム勝敗表」→「詳細」で見ることができます。
愛用しているグラブ。いい型もついて、非常に使いやすいです。アントラーグラブという知る人ぞ知るブランドのものなのだけど、とても上質です。こことの出会いもネットが縁だったのだけど、今でも不思議な感じがします。
投稿者 corvo : 23:14
2007年11月 3日
見ることが出来ない世界を描くということ
今日、まるまる一日苦しんだが、結局良い結果に到達することはできなかった。
現代の日本とはまったく違った、見たこともない景色。絶滅してしまった動物。それらの全てを頭の中で構築して、あたかも現前にあるかのように描かなくてはならない。
上空からの俯瞰図を描き、各動物の位置を確認したあとで、人間の目線から見た情景を描こうともがいている。
横幅の広いパノラマのため、実際の視角ではとらえきれない広さがある。カメラの広角レンズで見たように描くか、引いた場所から撮った画角でパノラマのように切り抜くか、どちらかで動物の大きさ、遠近感が全然違ってくる。悩ましい。
自分の未熟さを痛感するのである。
投稿者 corvo : 23:54
2007年11月 2日
構図が決まらない
なかなか構図が決まらない。仕事の内容上、全てを公開することは出来ないのだけど、ここ数日画面の構成と構図にずっと悩んでいる。何枚ラフスケッチを描き散らしたことか。いまだ納得のいく回答は得られておらず、非常に苦しい。
できれば週末には、エスキースまで完成させてしまいたい。
skullのスケッチもしたいのだけど、なかなか時間が確保出来ない。
じっと見つめられながら仕事しています。
投稿者 corvo : 23:46
2007年11月 1日
成安造形大学で講義
ちょっとアップが遅くなってしまったが、30日の講義の様子を少し。
朝7時30分に家を出て、新幹線で京都方面へ向かう。車内で本を読もうと思っていたのだけど、ただひたすら眠い。京都駅からは湖西線に乗って移動。
湖西線のホームから。
味のある車内と車窓からの風景。
12時30分ごろには学校に到着。校内のカフェでランチを食べる。
昨年はスライドショーのデータが壊れていて大騒ぎしたのだけど、今回は大丈夫。講義前に無事テストも完了。必修の単位ということではなかったので、去年よりも生徒の集まりは少ないが皆熱心に聞いてくれて、居眠りしたり私語をしたりということは一切なかった。静かすぎて、ちょっと拍子抜けするぐらい。
夜は近くのイタめし屋で食事。前菜。
ムール貝とエビのアラビアータ。このディナーセットで1300円。味も満足。店の雰囲気も良い。
午後8時44分に雄琴駅を出て、自宅に戻って来たのは午前0時30分でした。
11月にはいって、忙しさに加速度がついてきました。がんがんいくですよ。
投稿者 corvo : 21:49