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2007年5月30日

『300』

「さんびゃく」もとい「スリーハンドレッド」。打ち合わせの後、ミヤモトさんに誘っていただいた試写会に、九段会館まで出掛けて来た。上演15分前にはほとんどの席が埋まっており、二階席のほんとにすみっこのほうから見ることになってしまうほどの盛況ぶり。注目度の高さが伺える。試写会だというのに映画の宣伝が長い。ここですでにうとうとし始める。いつ映画が始まったのかわからないいうち、頭が朦朧としてきて10分ほど寝落ちしてしまった。率直に言って駄作である。リアリティのかけらもない映画。
戦闘シーンではストップモーションをやたらと使うのだけど、これがなければきっと映画の長さは2/3ほどになっただろう。残酷な戦闘が延々と続くのだが、まったく痛みを感じない。これは描写としてまずいだろう。ほとんどがCGでつくられているのだと思うが、肉体を感じないバーチャルな現象にしか見えてこない。簡単に手足が落ちる、首が飛ぶ。人間の身体は、そんなに簡単に切れる物ではない。ましてや何十人も、何百人も、切り続けて、常に手足を切断できるなどということはない。そんなシ−ンが馬鹿馬鹿しいほど続くのである。それは、サム・ペキンパーが描いたストップモーションによる暴力シーンとは似て非なる物で、まったく表現として幼稚でどうしようもないものだった。ちょっと期待していただけに、がっかり。(モンティ・パイソンのサム・ペキンパーのパロディを思い出してしまったよ)
戦地に赴くのに、兵糧も持たずに300人が移動する。着いた戦地は作物などまったくないような海岸線。水はどうしている?食料はどこから持って来た?スパルタの兵士たちは、常にやる気満々、元気一杯。鍛え上げられているとはいえ、無尽蔵の体力である。ミヤモトさんも指摘していたのだけど、とにかく字幕が読みづらい。背景にとけ込んでしまうことがしばしば。シナリオも単調で、台詞もよくないので、読めなかったところで大勢には影響なかった。
これが「世界各国でNO.1大ヒット記録、続出中!!」。本当の話ですか?もし事実なら、そうとうに狂っている。

試写会の後、神保町まで歩いていき、僕が時々行くタイ料理屋でミヤモトさんと遅めの夕食。ここは本当に美味しくて、本格的なタイ料理を食べる事が出来る。値段もリーズナブルで、いくつかの料理に、ビールを一杯、デザートも頼んで、お腹いっぱいになって、一人2500円ほど。小さな店だけど、清潔感もあってお勧めです。
タイ料理マプラー 」
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投稿者 corvo : 2007年5月30日 02:33