« 『300』 | メイン | ナウマン象02 »

2007年05月31日

ナウマン象01

絵本の仕事が一段落したので、ある博物館の特別展のために、ナウマン象の復元画を制作している。
blog07053001.jpg
これは28日月曜日の状況。資料を広げて、ラフスケッチを制作する。
blog07053002.jpg
最初のラフをもとに、監修者からのチェックが戻ってくる。これぐらい具体的に赤を入れてもらえると、次の作業がやり易くなる。
blog07053003.jpg
ラフチェックしてもらったものを元に作成したエスキース。右の物は、チェックの後さらに修正したもの。アルシュ紙に鉛筆、サイズは728x515mm。
blog07053004.jpg
メールで添付ファイルを送って電話でやりとりし、さらに修正を加えていく。
blog07053005.jpg
これがエスキースの最終版。鉛筆で作業しているので、修正を加えるのは比較的容易である。でも、あまり修正はしたくない。これ送ったときの、僕のメールの文面は、「嫌です。と言いたいところですが、修正しました。添付します。」
それに対する返信は、「(前略)それにしても、仕事は速いし、どんどん良くなりますね。では次の修正点を連絡します。。。
うそです。今回のものをベースに進めてください。よろしくお願い致します。(後略)」
まあ、こんな感じで研究者とやりとりをして、仕事を進めていっている。これらのやりとりは全て、30日中の出来事です。
にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif

投稿者 corvo : 2007年05月31日 00:25

コメント

会話(文面)でのやり取りが紹介されて
いなくても、監修者の方と良いコミュニケーションが
出来てるのがわかる修正点指示ですね。

原型師の世界でも監修・修正は毎度の事です。
で、同業者から「適当な監修しやがって~」なんていう
文句もよく聴くわけです。確かに「そりゃないよな~」
な話も多いですが。
が、私は修正を頼む側も好きで文句を言ってる
訳ではないと思う事にしています。
また、修正を頼まれて、それで相手を憎いと思うようでは、
仕事にとりか掛かる以前に、相手との信頼関係が
成り立っていない証拠だと。
修正を頼む方も頼まれる方も、お互いの事を
思えば出来れば修正なんてしたくない、でも
良い物を生み出すためには、あえて言いたい事を
言うし、そのためにはまず信頼関係を構築しなければ
いけません。

以前原型製作で参加していた某商品のシリーズで、
多くの原型師さんが相当に厳しい監修で
苦労する中、私はほとんどノーミスですべての
仕事を終わらせた事があります。
これは、私の技術が他の方と比べ特に高い訳ではなく、
仕事に掛かる前に先方としっかり話をして
監修者の好みを探り、ラフスケッチを送り、ダミーを作り、
その上で実作業に取り掛かったからなんです。
それくらいしないと、どんなに良い物造って見せても、
絶対どこかで好みの違いが出て、修正になります。

「人を待つ身は辛いけど、人を待たせる身も辛い」
これくらいの気持ちで丁度良いと思いますし、
「修正点を言わせてしまって申し訳ない」、
と思えるくらいの信頼関係がある方と
仕事が出来るようにしたいなと。

投稿者 ふらぎ : 2007年05月31日 02:58

ナウマン象にしてもマンモスにしても現生アフリカ象と同程度か小さい固体(標本)が多いですよね。
マンモスが「ギガンティック」の代名詞になりがちなのは牙の長さに由来しているのかな?なんて考えます。
哺乳類に関してはドシロウトなので、どの程度復元が「正確」なのか判りませんが。

投稿者 村瀬 : 2007年05月31日 04:53

ナウマンゾウの復元画かっこいいですね!

ゾウは好きな動物です。
下から見上げるアングルが体の大きさを強調していて迫力があります。

ナウマンゾウはマンモスのように寒冷地適応した毛の長い、耳の小さなゾウとして復元される場合と、アフリカゾウなんかのように、毛の疎らな耳が比較的大きな温帯系のゾウとして復元される場合があるようですが、今回は後者のイメージでしょうか?

投稿者 米澤隆弘 : 2007年05月31日 11:14

 お話を伺って、細かい打ち合わせを重ねられて製作されているのが、良く判りました。
 私が小学生の頃ですから随分前になるのですが、子ども向けの「野尻湖のぞう」という本を読んで、発掘にたずさわる方たちや復元される研究者の方たちのご苦労を初めて知りました。それ以上に、大むかしの日本にはこんな大きなぞうが住んでいたんだと、挿絵のぞうの姿がしっかりと脳内に焼きつきました。古い本なので、現在解明された事実とは違う部分もあるとは思いますが、ファーストインプレッションというのでしょうか、子どもが最初に目にする挿絵というのは、大切だなと思います。

投稿者 すず : 2007年05月31日 13:00

>ふらぎさん
いつでも、誰とでも、同じように進められる訳ではないですが、今回のプロセスは理想的な形ですね。
とにかくリサーチは大事ですね。始める前に出来るだけ資料を集めて、分からなければ質問して、参考文献も教えてもらい参照する、最低限必要なことだと思います。
修正した点がはっきりとわかるようにしていくことも必要です。修正したことが効果的だったと思えなければ、無意味な修正になってしまいますね。
僕もフェバリットコレクションでは、修正をお願いする立場になるので、どちらの難しさも少しは分かっているかもしれません。

>村瀬さん
マンモスは牙もそうですが、極端に肩の高いプロポーションが、そう思わせているのかもしれないですね。逆に下半身はとても貧弱です。
でかい標本も見つかっていますが、それほど一般的ではないと思います。そういった点では、現在の象も十分に魅力的で神秘的な動物ですよね。
ほ乳類は現生の生物と比較できるので、簡単な部分もありますが、少しでも違うと不自然に見えるので、難しい部分も多々あります。誤摩化しがきかないです。

>米澤隆弘さん
ありがとうございます。丘陵地をこちらに向かって上がってくるところです。実際にであったら、こんなに冷静にシャッターはきれないですね。すぐに逃げ出します。
今回の設定は、温帯です。なので身体に毛はなく、耳も大きめです。

投稿者 corvo : 2007年05月31日 13:14

>すずさん
どんな分野でもそうなのだと思うのですが、大部分のプロセスは地味で目立たないものですね。発見、発掘、化石のクリーニングなどの作業は、復元画を描くのとは比べ物にならないぐらい大変なもので、そういったことがあって初めて、僕が描くことができます。だからこそ、研究の成果には最大限の敬意をはらわなくてはいけません。
やっぱり、子供たちには最初に良い物に触れてほしいですね。少しでもそんなお手伝いができればと思って、日々制作しています。

投稿者 corvo : 2007年05月31日 13:19

ふらぎさんのコメントを、教育や仕事など、色んな場面に通じるお話だなぁと、感慨深く拝見いたしました。
まずパートナーシップを作ることが大切なんですね。
自分自身を振り返ってしまいました。

投稿者 A-WING : 2007年05月31日 14:25

>A-WINGさん
なにか大きな問題が起きる時というのは、ほとんどがコミュニケーション不足によって起きるのだと思います。
仕事上で、「話さなくても心で通じ合う」なんて言説を聞いたりすると、トラブルの種をまいているようにしか思えないです。
毎回きちんと出来ている訳ではないので、自戒をこめて様々なことに、向かっていきたいと思います。

投稿者 corvo : 2007年06月01日 01:35

コメントしてください




保存しますか?