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2007年5月31日

ナウマン象01

絵本の仕事が一段落したので、ある博物館の特別展のために、ナウマン象の復元画を制作している。
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これは28日月曜日の状況。資料を広げて、ラフスケッチを制作する。
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最初のラフをもとに、監修者からのチェックが戻ってくる。これぐらい具体的に赤を入れてもらえると、次の作業がやり易くなる。
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ラフチェックしてもらったものを元に作成したエスキース。右の物は、チェックの後さらに修正したもの。アルシュ紙に鉛筆、サイズは728x515mm。
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メールで添付ファイルを送って電話でやりとりし、さらに修正を加えていく。
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これがエスキースの最終版。鉛筆で作業しているので、修正を加えるのは比較的容易である。でも、あまり修正はしたくない。これ送ったときの、僕のメールの文面は、「嫌です。と言いたいところですが、修正しました。添付します。」
それに対する返信は、「(前略)それにしても、仕事は速いし、どんどん良くなりますね。では次の修正点を連絡します。。。
うそです。今回のものをベースに進めてください。よろしくお願い致します。(後略)」
まあ、こんな感じで研究者とやりとりをして、仕事を進めていっている。これらのやりとりは全て、30日中の出来事です。
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投稿者 corvo : 00:25

2007年5月30日

『300』

「さんびゃく」もとい「スリーハンドレッド」。打ち合わせの後、ミヤモトさんに誘っていただいた試写会に、九段会館まで出掛けて来た。上演15分前にはほとんどの席が埋まっており、二階席のほんとにすみっこのほうから見ることになってしまうほどの盛況ぶり。注目度の高さが伺える。試写会だというのに映画の宣伝が長い。ここですでにうとうとし始める。いつ映画が始まったのかわからないいうち、頭が朦朧としてきて10分ほど寝落ちしてしまった。率直に言って駄作である。リアリティのかけらもない映画。
戦闘シーンではストップモーションをやたらと使うのだけど、これがなければきっと映画の長さは2/3ほどになっただろう。残酷な戦闘が延々と続くのだが、まったく痛みを感じない。これは描写としてまずいだろう。ほとんどがCGでつくられているのだと思うが、肉体を感じないバーチャルな現象にしか見えてこない。簡単に手足が落ちる、首が飛ぶ。人間の身体は、そんなに簡単に切れる物ではない。ましてや何十人も、何百人も、切り続けて、常に手足を切断できるなどということはない。そんなシ−ンが馬鹿馬鹿しいほど続くのである。それは、サム・ペキンパーが描いたストップモーションによる暴力シーンとは似て非なる物で、まったく表現として幼稚でどうしようもないものだった。ちょっと期待していただけに、がっかり。(モンティ・パイソンのサム・ペキンパーのパロディを思い出してしまったよ)
戦地に赴くのに、兵糧も持たずに300人が移動する。着いた戦地は作物などまったくないような海岸線。水はどうしている?食料はどこから持って来た?スパルタの兵士たちは、常にやる気満々、元気一杯。鍛え上げられているとはいえ、無尽蔵の体力である。ミヤモトさんも指摘していたのだけど、とにかく字幕が読みづらい。背景にとけ込んでしまうことがしばしば。シナリオも単調で、台詞もよくないので、読めなかったところで大勢には影響なかった。
これが「世界各国でNO.1大ヒット記録、続出中!!」。本当の話ですか?もし事実なら、そうとうに狂っている。

試写会の後、神保町まで歩いていき、僕が時々行くタイ料理屋でミヤモトさんと遅めの夕食。ここは本当に美味しくて、本格的なタイ料理を食べる事が出来る。値段もリーズナブルで、いくつかの料理に、ビールを一杯、デザートも頼んで、お腹いっぱいになって、一人2500円ほど。小さな店だけど、清潔感もあってお勧めです。
タイ料理マプラー 」
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投稿者 corvo : 02:33

2007年5月29日

絵本『(仮)アパトサウルス』43

今日は午後一で出版社にて打ち合わせ。最初の色校が上がって来たので、担当編集者、デザイナー同席のもとチェックをするためである。原画に比べると出ていない色、逆に出過ぎてしまっているタッチなどを、一点ずつ細かく見ていく。
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打ち合わせを含めて2時間30分ほど。その後、監修者である平山さんの研究室へ向かい、色校を見てもらいながら文章のチェックをしてもらった。これからもう一度、作者である僕が本文を読み直し、必要なら修正して、決定稿が出来上がることになる。

この後行った試写会の話は、次のエントリーで。
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投稿者 corvo : 23:58

2007年5月28日

『ジャバウォッキー』


友人である漫画家の久正人さんから、新作漫画の単行本が届いた。お礼と宣伝をかねて、ここで紹介しようと思う。
以前、本人に直接言った事もあるのだけど、ちょっと絵が見づらい。スタイリッシュで、随所に構図の工夫が見られるのだけど、登場人物の立ち位置や向きが分かりづらく、重力を感じることができない。僕は個人的にはどうしても読んでいて居心地が悪くなってしまう。
いきなりネガティブなことから書いてしまったのだけど、この漫画の本当の面白さはストーリーと設定にあると思う。その面白さが見えてくるまでに、少し時間はかかるのだけど、もっと先を読みたいと思わせてくれる物語が展開していく。現代(設定としては20世紀初頭ぐらいかな)に生きのこった知的生命体である恐竜と人間の関係が面白い。また、マイノリティの中にも明確な差別があり、悲しい過去も背負っている。それぞれのキャラクターがどう変化していくのか、どうストーリーとからんでいくのか、今から楽しみである。
所さんのblogでも紹介されていますね。所さんの書評のほうが、ずっとその魅力を伝えられているかも。
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サイン入りでいただきました。久君、どうもありがとうございました。久君がお酒を飲むと、”エロ”マシンガントーク炸裂の、セクハラ親父であることは、ここだけの秘密である。

かねがね作りたいなあと思っていたブツが、ついに手元に。箱がでかい。パーツが多い。説明書を読むだけで一苦労。ちょこちょこと、パートに分けて作っていこう。どれだけ時間を確保できるかが、一番の問題である。絵ばかり描いていると、手の動きが限定されてしまうところがあるので、指先の訓練にはもってこいである。息抜きに少しずつやっていきます。

昨日のモナコGPは、一言で言うとつまらなかった。アクシデントを期待するわけではないが、あまりに淡々としたレース展開は、じつに退屈だった。ハミルトンは勝つ気があるのか。そこが分からない。あれだけの速さと正確さを持ちながら、昨日はそのチャンスから自ら手を引いたように見えてしまった。マクラーレンに限ってチームオーダーはないと思うのだけど。
でも見事なワンツーフィニッシュ。まったくフェラーリはついていく事が出来ず、4位以下を全て周回遅れにしてしまった。
アロンソ、ハミルトンのコンビが、このまま独走してしまいそうな気配である。
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投稿者 corvo : 16:46

2007年5月27日

絵本『(仮)アパトサウルス』42

この週末は少しゆっくりしている。といっても、ほとんどは仕事場の片付けに費やされている。あまりに酷い状態だったので、次の仕事に移る事ができない。資料も一度、本棚へ戻さないと収拾がつかない。
そこで、ついでというか必要だったので、この絵本の為に使用した参考文献をまとめてみた。
アマゾンで購入できるものは、リンクを貼ってある。(絶版もあります)

●ヴェルンホファー,P. 渡辺政隆(訳)長谷川善和(監修)1993『動物大百科 別館2 翼竜』平凡社
●ジョーンズ,J.P. 1998『ビジュアル博物館 第69巻 猛禽類』同朋舎出版
●千葉県立中央博物館(監修)2002『恐竜時代の生き物たち―桑島化石壁のタイムトンネル』晶文社
●ツェルカス,S.J. オルソン,E.C.(編)小畠郁夫(監訳)1995『恐竜―過去と現在〈1〉恐竜―過去と現在〈2〉』河出書房新社
●疋田努 2002『爬虫類の進化』東京大学出版
●平山廉 1999『最新恐竜学』平凡社
●ポール,G.S. 小畠郁夫(監訳)1993『肉食恐竜事典』河出書房新社
●ポール,G.S. 三宅真季子(訳)1996『恐竜骨格図集』学研
●Fastovsky,D.E. Weishampel,D.B. 真鍋真(監訳)『恐竜学 進化と絶滅の謎』丸善株式会社
●冨田幸光 真鍋真(監修)2002『「世界最大の恐竜博2002」カタログ』朝日新聞社 NHK NHKプロモーション
●長谷川善和 カーペンター,K. 董枝明 徐星(監修)2006『「世界の巨大恐竜博2006 ”生命の環境ー進化の不思議」カタログ』日本経済新聞社 NHK NHKプロモーション 日経ナショナルジオグラフィック社
●千石正一(監修)長坂拓也(編著)2002『爬虫類・両生類800種図鑑』株式会社ピーシーズ
●バーニー,D. 1990『ビジュアル博物館 第1巻 鳥類』同朋舎出版
●Rock,S. Budras ,K.D. 橋本善春 1997『馬の解剖アトラス 第2版』チクサン出版社

●Ayer,J. The Howe dinosaurs. SAURIERMUSEUM AATHAL
●Chiappe,L.M. Dingus,L. 2001. Walking on Eggs: The Astonishing Discovery of Thousands of Dinosaur Eggs in the Badlands of Patagonia. Scribner
●Schwimmer,D.R. 2002.King of the Crocodylians: The Paleobiology of Deinosuchus (Life of the Past). Indiana University press
●Sloan,C. 2002. Supercroc and the Origin of Crocodiles. National Geographic
●Unwin,D.M. 2006. The Pterosaurs: From Deep Time. Pi Press
●Cams,J.M Jermy,A.C. Thomas,B.A. 1991. A World of Ferns. Natural history museum publications
●Wilson,J.A. Rogers,K.C. 2005. The Sauropods: Evolution And Paleobiology. The University of California prss
●Tidwell,V. Carpenter,K. 2005. Thunder-lizards: The Sauropodomorph Dinosaurs (Life of the Past) : the Sauropodomorph dinosaurs. Indiana University press
●Upchurch,P. Tomida,Y. Barrett,P.M. 2004. A NEW SPECIMEN OF APATOSAURUS AJAX (SAURPODA : DIPRODOCIDAE) FROM THE MORRISON FORMATION (UPPER JURASSIC) OF WIOMING, USA. National Science Museum Monographs No. 26(これは国立科学博物館で入手できると思います)
●Dingus,L. 1996. Next of Kin: Great Fossils at the American Museum of Natural History. Rizzori International Publications
●Haines,T. 1999. "Walking with Dinosaurs". A Dorling Kindersley Book
●Stewart,W.N. Rothwell,G.W. 1993. Paleobotany and the evolution of plants. Cambridge University press
●Gilmore,C.W. 1936. OSTEOLOGY OF APATOSAURUS, WITH SPECIAL REFERENCE TO SPECIMENS IN THE CARNEGIE MUSEUM. Memoirs of the Carnegie museum No. 4.
●Schwarz,D. Frey,E. Meyer,C.A. 2007. Pneumaticity and soft-tissue reconstructions in the neck diplodocid and dicraeosaurid sauropods. Acta paleontol. pol. 52(1): 167-188

Web:
DinoMorph
AMNH Scientific Publications

アマゾンで調べてみると、絶版になっているもので古本が出品されているものには、馬鹿げた値段が少なからずある。こんな値段で誰が買うのかと思うのだけど、そんなに仕入れ値が高かったのだろうか。プレミアとはいえ、まったく阿呆らしい。多くの場合、そんな値段で買っても価値はない(と僕は思う)ので気をつけましょう。一体だれが買うのだか。
ネットオークションを利用したり、海外の古本サイトを探した方が、適正な価格で入手できるだろう。本国アマゾンのマーケットプレイスもよく使うのだけど、届くのにえらく時間がかかる時がある。余裕のあるときでないと、困った事になってしまう。
場所と資金があれば、化石のレプリカや骨格標本も欲しいのだけど、ままならないのが現状である。
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投稿者 corvo : 18:22

2007年5月26日

生誕100年 靉光展

金曜日は朝から非常勤講師の日。大雨の中、「アパトサウルス」の原画を、ビニールで養生したポートフォリオケースに入れて、電車で都内へ向かう。今回も高校の最寄り駅で担当編集者と待ち合わせて、無事に原画を納品することができた。

授業を終えた後、夕方から東京国立近代美術館で開催されている、「生誕100年 靉光展」を見に行ってきた。とても好きな画家である。1988年に練馬区立美術館で開催された「靉光展」も見ていて(浪人中だなあ)、ほとんどの作品は実際に見た事のあるものだったが、改めて好きな作家であることを実感した。「眼のある風景」が最も有名であるが、僕自身この絵はあまり好きではない。彼のすごみがもっともよく現れるのは、線画の世界だ。画面の大きさに関わらず、その緊張感は途切れる事がない。カミソリの刃の上を綱渡りするような、それでいて確信に満ちた力強さがある。
点数も多く、見応えのある展覧会であった。またぎりぎりの紹介になってしまった。会期は明日27日まで。
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投稿者 corvo : 23:11

2007年5月25日

子猫里親募集

無事、里親が決まったようです。決まるまで時間がかかることが多いのですが、今回はおどろくほどスムーズだったようです。良い縁に恵まれて、本当に良かったです。
皆様、ありがとうございました。

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うちの黒猫「ポー」の保護者でもある、michimichiさんごまぐりもなかにっきで、子猫の里親募集をしています。くわしくは、エントリー里親募集で。可愛いんだ、これが。ペットを飼う事は大きな責任が伴いますが、興味のある方いかがですか?

投稿者 corvo : 13:25

絵本『(仮)アパトサウルス』41

絵本『(仮)アパトサウルス』の全ての原画が完成。来週、色校が上がった段階で、編集者、デザイナーとともにチェックして、僕の手を完全に離れることになる。発売は来月なので、はっきりした日が分かったら、ここで公表します。
カバーの原画はこうなった。
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最終的にどういったデザインになるかは、発売までのお楽しみということで。今日(24日)の夕方に出来上がったばかり。
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本文中にアップで登場することがなかったので、ここぞとばかり描いた。相対的に頭が小さいので、本文中のように全身を画面に収めようとすると小さくなってしまうのは仕方がない。この顔を覚えておいて、書店で見かけたら、是非ゲットしてください。
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これは扉の絵。静寂感を出したかったので、こんな感じになった。
ストーリーや、絵の順番は、書店で手に取るまでのお楽しみということで。
長らくの間、応援ありがとうございました。すぐに次の仕事に移ります。
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投稿者 corvo : 00:19

2007年5月24日

著作権法の非親告罪化

著作権に関わる仕事をしている人間にとって、全く無視の出来ない法律が検討されている。僕自身はmixiを通じて知ったのだけど、たけくまメモのエントリー「著作権】とんでもない法案が審議されている」に詳しくまとめられている。
本来、著作権侵害は、「侵害されたと思う側」がアクションを起こさない限り、法的に争うことにはならない。第三者が、「あれはパクリだ」と言ったところで、当事者が訴えない限り、それ以上は何も起こらない。ようするに「親告罪」なわけだが、これが「非親告罪」になると、第三者機関が当事者に関係なく逮捕や告訴することができるようになってしまうのである。
あらゆる創作物は模倣の上に成り立っているものである。模倣なくして、新しい表現を創造することはできない。
この法律が検討されている背景には、海賊版の横行があるようだが、結局それは著作権の中間管理者の権益を守るだけで、著作者の利益については、それほど考えられていないのではないだろうか。

表現者の端くれとして、著作権の非親告罪化には断固反対です。
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投稿者 corvo : 23:08

2007年5月22日

絵本『(仮)アパトサウルス』40

今回は、絵本の中のイラストなのだけど、ちょっと番外のようなエントリー。
恐竜の大きさを分かってもらうために、物差し代わりにいろいろなものを組み合わせることがある。一般的なのは人間の大きさとの比較だろう。今回は20mを超えるアパトサウルスということで、車と人物を組み合わせる事にした。
そこで、家にあるカングーに登場してもらうことになった。
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全長が約4m。基準としてはわかりやすい大きさだと思う。
また、子どもにも登場してもらうため。お隣の兄弟にお願いしてモデルになってもらった。
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そして、出来上がったのがこちらのイラスト。車は描き慣れていないの大変だった。
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軽くしあげるはずだったのが、予想以上に時間がかかって自分の首をしめることに。約束のテキストの手直しもすっぽかして、担当編集者から催促される始末。どうもすみませんでした。
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繰り返された修正。次はもっと簡潔なタッチで描こう。寝るときには、また空が白んでしまっていた。

今日は表紙をスタート。いい感じになりそうです。
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投稿者 corvo : 23:53

2007年5月20日

絵本『(仮)アパトサウルス』39

金曜日の朝に本文中の原画を全て納品したのだけど、どうしても1点気に入らない画面があって、性懲りもなく描き直すことにした。土曜日朝に担当編集者にスケジュールを確認してから、制作を開始。今、ちょうど出来上がったところである。
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これは昨日の夜の状態。前回のエントリーで、土曜日はゆっくりしたいと書いたのだけど、結局寝たのは空が明るくなってからだった。
これが気に入らなかった画面。そのときのエントリーで、「今更ながら、もうちょっと引いた絵にすれば良かったと反省。もっとアパトサウルスを小さく描いた方が雰囲気が出たかも。」と書いている。ずっと喉にひっかかった骨のように気になっていたのである。
今朝は選外になったコンペの作品を引き取って来た。いい天気だったけど、寝不足も重なって、あまり良い気分ではなかった。

帰宅後、絵本の制作を再開。
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これが完成した画面。アパトサウルスの群れに雑じって移動する2頭のブラキオサウルスも描いてみた。
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これぐらいの構図のほうが、雰囲気が出るかな。
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遠くに歩き去る個体を描くことで、より広がりのある構図になったと思う。
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アパトサウルスの小便シーン。どこかで排泄行為の瞬間を描きたかったので、ここで登場してもらうことにした。先日のSCBWIのイベントで聞いたのだけど、子供というのは画面を隅々まで見渡して、色々な発見をすることに大きな喜びを見いだすということだった。だから、たくさんの要素が画面の中にあり、それらを指差して見つけていくことが、とても楽しいのだという。そんなことを意識しながら、「うんち」や「おしっこ」を描き加えている。

現在、友人の徳川君が、ある重要なミッションを帯びてアメリカに滞在している。彼のブログでその様子が公開されているので、そちらを読んでいただけると、その様子がわかってもらえると思います。「到着しました」「サム・ノーブル自然史博物館」「授賞式」。
代理で授賞式に出て来てもらってきたわけではなく、これからシカゴでそれ以上に重要な用件をお願いしているのである。どういった報告があるか、楽しみ楽しみ。アメリカからの連絡はたびたびskypeで受けている。ネットにさえ接続していれば一切料金がかからないので、時間を気にせず話をすることができる。パソコンの前にいなければいけないという制約はあるが、非常に便利です。

明日から、表紙と扉の制作を始めなければ。本文テキストにも直しをいれなくてはいけない。ナウマン象も待っているし。結局、ゆっくりすることなど出来ないのである。
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投稿者 corvo : 23:30

2007年5月19日

絵本『(仮)アパトサウルス』38

火曜日の夜は、監修者である平山さんと担当編集者を交えての打ち合わせだったのだけど、すでに納めた原画も含めて修正することになった。編集者から金曜日の朝には修正したものが欲しいという、(怖い)リクエストがあったので連日大変な状況になっていた(エントリーのアップやコメントが遅れた主な原因)。以前のエントリーで書いたように、今週は打ち合わせや取材など、外へ出る用件を毎日のように入れていたので、絵を描く作業が夜にずれ込んでしまい、肉体的にもかなりきつくなってしまっていた。でも、売れっ子漫画家や売れっ子イラストレーターに比べたら、まだまだだろうなあ。

修正したのは次の原画。
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平山さんに見せてもらった、新たな資料から修正点が浮かび上がり、どうしても納得がいかなかったので加筆修正を加えた。画像が小さいのでよく分からないと思うが、かなり理想に近づけることができた。
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以前、ニヤゾフさんからも指摘があった、卵がむき出しでは危険でないのか?ということを、平山さんからも指摘を受けて、上から土をかぶせることになったのである。ニヤゾフさんにコメントをもらった時点で修正しておけばよかった。
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産んだ後、後ろ足で土をかける。一番手前の巣には、完全に土がかからず顔をのぞかせている卵がある。
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土の中で孵化するということになったので、土中をイメージさせるように、背景を黒くすることにした。かなり勇気のいる修正だったのだけど、結果的にはより印象的なシーンになったと思う。
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この絵は、自分が納得いかなった部分を修正した。主に、死体の上に乗っているアロサウルスの足をほぼ完全に描き直してしまった。こちらのほうがよりリアリティが増したと思う。

金曜日は朝から非常勤講師の日だったので、高校の最寄りの駅で朝、担当編集者と待ち合わせて「ブツ」を受け渡すことにして、首尾よく納品することができた。3時間睡眠。今日一日、ゆっくりとしかしゃべれなかった。今もこんな時間まで起きてしまっているが、そろそろ寝なくては。明日は少しのんびりするつもり。
でも、まだ扉の絵と、表紙が残っている。イメージは固まっているので、描きだせばスムーズに進められるだろう。
なかなか、かっこいい表紙になる予定。発売はおそらく6月後半。もうしばらく、楽しみに待っていてください。
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投稿者 corvo : 01:06

打ち合わせと取材、5月17日

木曜日、ランチタイムに上野で打ち合わせ。来年に向けて、新たに企画している事案である。詳細は明らかにできないが、実現すれば画期的で非常に面白いものになるはず。公開できる段階になったら、このblogでも紹介していこうと思っている。
ランチを食べたのは最近お気に入りの上海バール。食べたのは山椒のきいた牛肉の鍋料理。辛くて美味い。でも、お通じのとき、ちょっとお尻が痛かったです。癖になる味。
その後、東京文化会館内のレストランでコーヒーを飲みながら、打ち合わせの続き。お互いにアイデアを出し合いながら、具体的なイメージがおぼろげながら見えてきた。是非、実現したい。ある種、使命感も感じている。

雨が弱くなったところで、上野動物園へ取材に。打ち合わせに参加していたメンツ(野郎3人)で、動物たちを見に行った。動物に詳しい友人が一人いると、とても楽しい。ゾウを撮影することが目的だったのだけど、雨だったせいか外にでていなくて残念だった。室内にいる姿をガラス越しに撮影するのがやっとだった。
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アジアゾウ。
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アメリカバク(マレーバクは間違いです。ごめんなさい)、いい味出してます。
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けっこうせわしなく歩いていた、オオアリクイ。
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威風堂々とした、ハシビロコウ。あまり動かないのだけど、なぜだか見ていて飽きない。
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上野動物園に行くと、必ず見に行くハダカデバネズミ。4月に生まれた子供たちが活発に動き回っていた、と言ってもごろごろしているだけなのだけど。ほ乳類で唯一、蟻のような社会を作っていて、1匹の女王ネズミだけが子供を産む事ができる。毛もなく、目も小さく、門歯が大きく露出しているという、およそ可愛いとは言えない外観なのだけど、とても魅力的な動物のひとつ。これをモチーフにTシャツを作りたいと思った事もあるのだけど、絶対にブレイクすることはないだろうなあ。僕は大好きです。
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投稿者 corvo : 00:34

2007年5月18日

千葉県立中央博物館で取材、5月16日

水曜日、昼前に家を出て千葉県立中央博物館に向かう。ナウマン象の復元画を描くための取材である。これも締め切りがぎりぎりに迫っており、少々焦っている。昨年末から、全ての仕事が押し気味で、無理に無理を重ねている状況。
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博物館に12時過ぎに到着。博物館の食堂でカレーを食べる。午後1時から、友人でもある学芸員の伊左治さんの協力のもと、かなり詳細な撮影をさせてもらうことができた。いい復元画が出来そうです。

ちょうど博物館で開催していた、企画展示「山の科学画」が見応えがあって面白かった。
「 鳥瞰図とはまさにその名の通り、鳥が空の一点から地上を斜めに見下ろしたような図で、地形景観や都市景観を表現する方法として、古くから利用されてきました。
 鳥瞰図は単なる地図ではなく、絵心がないと作れない絵画でもあり、その中で表現しようとする主題が必ずあります。
 氷河地形研究者であり、山岳鳥瞰図作家として知られる五百沢智也氏(千葉県一宮町在住)は、1970〜1980年代にかけて、山岳雑誌「岳人」(東京新聞出版局)や「山と渓谷」(山と渓谷社)などに、日本アルプスやヒマラヤの鳥瞰図を連載してきました。
 また1979年には、これらの中の氷河作用を受けた山、火山活動でできた山を意味する「氷の山、火の山」シリーズをまとめ、「鳥瞰図譜=日本アルプス」(講談社)を出版しました。
 これらの鳥瞰図は、地形を見る確かな眼と、飛行機から自分で撮影した斜めのステレオ写真を実体視(立体的に見ること)する技術に基づいて描かれており、臨場感のある絵画として、また山岳地形、氷河地形の客観的な記録として、高く評価されています。  パソコンで世界中の地形を鳥瞰できるようになった昨今でも、これらの作品は、山のすばらしさを多くの人々に伝えてくれます。
 平成19年3月3日から開催予定の「山の科学画」では、槍・穂高連峰や鹿島槍ヶ岳など、鳥瞰図譜に掲載された日本アルプスの山岳鳥瞰図の原画を系統的に展示し、その描き方や氷河地形の解説を加えて紹介します。

 このほか、「房総半島の地形を主題にした鳥瞰図や地形模型」、地表面の形状を地性線のみで描いた「日本列島地貌図」、山座同定に役立つ「山の似顔絵式展望図」なども展示します。
 これらを通して、ふだん何気なく見ている「風景」が、大地のさまざまな営みによって長い時間をかけて造られてきた「地形」であるということを伝えられればと思っています。」(博物館サイトの紹介文から引用)
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展示風景。原画の繊細な手技が素晴らしい。その技法も、くわしく解説されている。
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線だけで描かれた日本列島。自分の育った土地を探してしまう。おおよそ矢印のあたりがそうである。
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この本をミュージアムショップで購入。図版も豊富で非常に良い本です。アマゾンのリンク先では馬鹿げた値段がついているのだけど、博物館でサイン入りの本を特別価格2646円で買う事ができます。なんで、こんな値段になってしまうのか、理解に苦しむ。

投稿者 corvo : 23:51

SCBWIイベント、5月12日(土)

ちょっと前の話なのだけど、先週の土曜日にSCBWIイベントに、久しぶりに参加してきた。
今回はアメリカからネイチャーイラストレーターであるBob Marstall氏が来日するということで、どうしても話を聞きたくて都内まで出掛けてきた。彼の作品も彼自身のことも全然知らなかったのだけど、事前に彼のサイトを見てとても興味を持ったのである。
何冊もクオリティの高い絵本を出しており、評価の高い作家なのだけど、アメリカでも絵本だけを生業にしていくのは、とても難しいということだった。彼自身は油絵で風景を描く画家でもあり、大学で教鞭もとっている。そういった生活のベースがあるからこそ、丁寧に時間をかけて絵本を制作することができる。An Extraordinary Life: the Story of a Monarch Butterflyという北米の蝶をテーマにした絵本があるのだけど、その取材のためにメキシコまで足を伸ばしたということだった。科学イラストや絵本を描くには綿密なリサーチが欠かせない。1枚の絵を描くのにも、とても時間がかかる。
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話をする、Bob Marstall氏。
共通することも多く、大変勉強になった。また、僕が知らなかった技法を知る事できたのも収穫だった。
後半は福音館の編集者の講演で、あらためて子供のための絵本を作る事の難しさと大切さを実感した。こちらも、とても勉強になる話だった。
その後の夕食会でもたくさん話をすることができて、スケジュールを無理矢理あけてでも参加した意義のあるイベントだった。
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投稿者 corvo : 22:37

2007年5月17日

打ち合わせ集中週間

先週の土曜日から、立て続けに出掛けなくてはいけない用事があり、エントリーの更新、コメントへの返答が遅れがちになっている。
月曜日から木曜日までも、連続して打ち合わせや取材の毎日。月曜日は新たなプロジェクトの立ち上げのために、自宅にて打ち合わせ。火曜日は平山さんの研究室で絵本の監修を含めた打ち合わせ。水曜日は、これから制作するナウマン象の復元画のための取材に千葉県立中央博物館まで。今日、木曜日はランチタイムに上野で打ち合わせを行い、その後動物園へ取材に行って来た。それぞれに面白いことがあったので、別のエントリーで上げていこうと思う。

コメントへの返答、しばしお待ち下さい。必ず書き込みますので。
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投稿者 corvo : 23:44

2007年5月16日

スパムコメントと一緒に

ごめんなさい。
昨日のコメントをスパムを掃除しているときに、ごっそり削除してしまいました。
もしお手数でなければ、また書き込んでいただけると嬉しいです。
コメント欄の書き込みはとても貴重なものだと思っています。大変申し訳ありませんでした。
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まったくどうしようもなく忌々しいスパムコメント、スパムトラックバックに、毎日悩まされています。

投稿者 corvo : 09:32

2007年5月15日

SUPER AGURI、初ポイント獲得

少し遅いタイミングになってしまったが、これは書かずにはいられない。
先日行われたF1スペインGPで、スーパーアグリの佐藤琢磨が見事8位に入賞したのである。これは快挙である、大きな一歩と言えるものだ。
序盤から荒れたレースだった。ポールのマッサに対して、2番グリッドからスタートしたアロンソが1コーナーでしかけるが、行き場を失いコースオフ。順位を落としてしまう。しかし、見事な攻防だった。押し出されたとはいえ、フェアなバトルであり、見応えのあるものだった。終盤、チャンピオンシップを争う段階になっても、これぐらいクリーンなバトルが見られれば良いのだけど、今年はどうなるか。
ハミルトンにも前に出られてしまったアロンソは3位でフィニッシュ。フリー走行、予選を通してマクラーレンが有利と思っていただけに、ファーステストラップも刻んだマッサの走りは素晴らしかった。アロンソは地元グランプリで気負いすぎたか。ライコネンがマシントラブルで序盤から姿を消してしまった。2戦目以降、輝きが見られない。それにしても、今年のマクラーレンの信頼性の高さはどうだろう。キミ、ファンコンビのときはあれほど壊れていたのに、今年からはそんな兆候もまったく見られない。ニューウェイもいなくなったから?もともと信頼性には定評のあったチームだけに、ここ何年かの状況が異常だったと言えるのかもしれない。
ハミルトンが3連続2位入賞でポイントリーダーに立った。早く初優勝が欲しいところだろう。これからのアロンソとの関係がどうなっていくのか。マッサを見ていると、マンセルを思い出す。精神的なもろさと、はまったときの爆発力に似たような印象を受ける。マッサのほうがずっとクレバーなドライバーであることは間違いないと思うのだけどね。
琢磨の入賞は上位陣の脱落によることは否めないが、レースを通してミスなくプッシュし続けた結果である。予選での燃料トラブルが惜しまれるが、シーズン序盤とはいえワークスホンダにも勝ち(バリチェロ10位、デビッドソン11位、バトン12位)、2台そろって完走できたことは誇るべきことである。昨年、参戦できたことが奇跡であったチームが、22戦目にしてポイントを取ってしまった。結果をだしたことで、クローンカー問題が再燃しなければよいのだけど。
CSの中継はコマーシャルも入らないし、もちろん生中継なので、実に快適である。でも、実況のレベルは地上波同様お世辞にも高いとはいえない。もうちょっと勉強すればいいだろうに。まわりの解説者がその都度修正してくれるので、レースに集中することができる。ヨーロッパラウンドだと、時間帯も午後9時頃からなので眠くなることもない。歴史的瞬間に立ち会えた事が、本当に嬉しかった。

昨日の日経新聞のスポーツ欄。こっちの記事の大きく写真入りででていた。スーパーアグリポイント獲得は、写真もなく短い文章だけ。日本人が代表を務めるチームで、日本人ドライバーが入賞したというのに、北京オリンピック出場が絶望的になった高校教師の話題の方が上だとは。モータースポーツの扱いは、所詮こんなものなのだろうな。

とにもかくにも、スーパーアグリ、佐藤琢磨、おめでとう!
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投稿者 corvo : 03:58

絵本『(仮)アパトサウルス』37

最後の1点が完成(表紙、扉を除く)。
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遠景に火山の噴火。中景に卵を産むアパトサウルス。近景に産み落とされた卵と巣。
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輸卵管を伸ばし、割れないようにそっと卵を産み落とす。
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盛り上げられた山のくぼみに卵が並んでいる。ティタノサウルス類では、大規模な営巣地の化石が見つかっているが、アパトサウルスでは発見されていない。近い仲間ということで、同じような産卵場所を作っていたのではないかという推測である。
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う○ち、○んち、うん○。
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こちらは仕上げずに残っていた1点。雨が降りしきる中、アパトサウルスの亜成体を2体のアロサウルスが襲うシーン。
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構造的に脆い頭部と頸部に攻撃を集中している。太い血管を傷つけられ、やがて出血多量で動けなくなるだろう。
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スピード感を出すために、わざとぼやけた描写をしている。もっと極端にやったほうが面白かったかな。

これで、本文中の原画は終わり。出版前なので、順序などは明示しない。適当に並べ替えて、楽しんでみてください。
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投稿者 corvo : 01:41

2007年5月14日

絵本『(仮)アパトサウルス』36

昨日というか今日は寝たのが午前4時30分。さすがに空が白んでいた。
産卵シーンはまだ完成はしていない。表紙のラフスケッチを描いて、メールで担当編集者に送ってから床についたのだけど、今朝目が覚めると全く違った構図を思いついてしまった。朝食を食べながら簡単なラフを描いて、すぐに出版社へファックス。今の感触では、こっちのほうが採用になる模様(勝手な推測です)。
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これが寝る直前までの状態。
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地面や巣も、すこし描き進めている。
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活発な火山活動が多かったと考えられている。
午後から自宅にて別件の打ち合わせがあるので、それまでに少しでも完成に近づけておきたい。納品は明日。
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投稿者 corvo : 10:43

2007年5月13日

絵本『(仮)アパトサウルス』35

週末の更新が滞ってしまった。いろいろと書きたい事があるのだけど、絵本の原画制作を最優先にしているため、なかなかそうもいかないのである。
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最後に残った1枚。産卵のシーンである。集団である土地にまとまって産みつけられる卵たち。
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どうやって産卵したのか、分からないことがたくさんある。地上から総排泄口までかなりの高さがあるので、卵がわれないようにするには膝を深く曲げるか、卵管を伸ばすなどの仕組みが必要だっただろう。膝を深く曲げる事は構造的に無理があるので、卵管を伸ばすアイデアを採用した。
明日には完成の予定である。
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投稿者 corvo : 23:41

2007年5月11日

絵本『(仮)アパトサウルス』34

上空からのシーンが完成。
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森から出て来たばかりのアパトサウルスの亜成体は、広い世界をまのあたりにし戸惑いを隠せない。
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成体に比較すると、何倍もの体格差がある。まだまだ大型の肉食恐竜は危険な存在である。
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気流に乗って優雅に舞う、プテロダクティルス。風の変化を的確に捉えながら、上空から地上を観察している。
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水を飲みに来たブラキオサウルス。陸上生物である以上、水をある程度容易に飲むことができなくてはいけない。S字に高くそびえ立つ首では、それは非常に困難だろう。長い頸肋骨をもつ骨格的特徴とあいまって、首を高く上げた復元は非現実的なことがわかる。
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投稿者 corvo : 23:11

2007年5月10日

絵本『(仮)アパトサウルス』33

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森の中でステゴサウルスと邂逅するシーンが完成。不意の出会いに、ステゴサウルスは少し興奮気味である。
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もう少し描写するところと、そうでないところのメリハリをつけようと思っていたのだけど、筆が走ってしまい予定よりも描き込んでしまった。
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若いアパトサウルスに気がつき、牽制するように視線を送っている。
「兄ちゃん若いでよう知らんかもしらんけどな、この辺りはわしらステゴサウルスのシマやで気をつけたほうがええで。若いやつは見境なく尾の先のドス振り回すさかいなあ。」といった感じかな。擬人化することはあまり好きではないのだけど、たまに遊びでこんなことも考えてみる。
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今自分がどういった状況にあるか理解できていないアパトサウルス。
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全体に森の中にとけこむカラーリングながら、しっかりと自己主張している背中の皮骨板。

昼間は担当編集者と自宅仕事場にて最終打ち合わせ。進捗は当初の予定より若干遅れ気味である。表紙と扉のラフが決定。こういったことは相談しながら進めたほうがよい。本文中の迷っていたシーンも、おおよその構図を決定することができた。ラフスケッチの段階のものがどうしても気に入らず随分考えていたのだけど、これですっきり。
まだまだ厳しい状況ですが、明確に出来上がりのビジョンに近づいています。

投稿者 corvo : 00:01

2007年5月 9日

絵本『(仮)アパトサウルス』32

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佳境に入って来て、さすがにエントリーアップとコメントがおくれがちである。ご容赦ください。
現在、2点同時に制作中。残り1点は、まだ良い構図が決まらない。
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森深くに生息するステゴサウルスと出会った、亜成体のアパトサウルス。
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森を出て、群れと合流しようとする場面を、上空から俯瞰したところ。この絵の主役はプテロダクティルスだな。

今日は午後に編集者と最終打ち合わせと数点の納品。それまでに森の中のシーンが完成できれば御の字である。、

投稿者 corvo : 10:37

2007年5月 7日

絵本『(仮)アパトサウルス』31

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昨日、今日で1点完成。
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昨日、寝るまでの状態。
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模様が入っていない幼体たち。
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今日の午後3時頃に完成。画面上半分は白く残した。
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模様の入った幼体たち。孵化した後、森の中に逃げ込み身を隠す。倒木の隙間を見つけて、複数で身を寄せ合う。これから植物を食べて、身体をどんどん大きくしていかなくてはならない。

本文中のイラストは残り3点。ようやくゴールが見えてきました。

投稿者 corvo : 18:30

2007年5月 5日

絵本『(仮)アパトサウルス』30

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幼体が襲われるシーンがようやく完成。予定より1日遅れてしまった。
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エスキースンの時には想定していなかった超広角の構図に変更したり、明るい背景を描くのが予想以上に時間がかかってしまった。もっと楽に描けると思っていたのだけど誤算だった。
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逆光で浮かび上がる、喰うものと喰われるもの。
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運良く生き延びた幼体達。ほんの少しのタイミングの違いが、生死を分けたのだろう。成長するまでには、まだまだ多くの試練が待っている。

投稿者 corvo : 23:57

絵本『(仮)アパトサウルス』29

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前回のエントリーの続きを制作。
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昼間の状態。まず遠景から描いていく。
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これが現在の状態。完成までは至らなかった。オルニトレステスから描いていく。毒々しく冷酷な雰囲気を感じてもらえればと思う。「小さいアパトサウルス、頑張れ!」という気持ちになってもらえると嬉しい。
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逆光に浮かび上がる凄惨な一瞬。残酷な場面だが、出来る限り美しく描きたい。

投稿者 corvo : 02:50

2007年5月 3日

絵本『(仮)アパトサウルス』28

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昼間の続き。
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水張りしたアルシュ紙に転写した後、セピアとボーンブラックで陰影をつけていく。広角レンズでみた世界を再現してみた。そして「逆光は勝利!」。全ページの構成を考えて、それぞれにリズムをつけて制作していく。なかなか最初から完璧なビジョンを持つことは出来ないが、この段階でようやく全体像がつかめてきた。
明日、着彩して完成させる予定。

投稿者 corvo : 23:44

絵本『(仮)アパトサウルス』27

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新たな場面の制作。前回と違い、多少複雑な構成になるのでエスキースから始める。
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森の中で小型の獣脚類オルニトレステスに襲われるシーン。
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木々や倒木の間を縫って逃げるが、一匹の幼体が餌食になってしまった。成体に比べて肘や膝も深く曲がり、柔軟で活発に動き回る姿をイメージした。
これからトレースして転写し、着彩に移っていく予定である。

投稿者 corvo : 16:26

「capeta」、特待生制度

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「もやしもん」に続き、今はまっている漫画がある。曽田正人作の「capeta」だ。

月刊マガジンで連載が始まったときから、(大きな声では言えないが)立ち読みで追いかけてきていたのだけど、念願の単行本を5巻まで買ってきた(現在13巻まで発売)。これも大きな声では言えないが、全て古本である。著作権で商売している端くれの人間としては、新刊本どどーんと大人買いと行きたいのだけど、こちらにも事情というものがある。
「capeta」は天才の物語である。母親を亡くし、父親と二人暮らしの男の子が、レーシングカートとの出会いから、その類いまれなる才能を開花していく。初めてカートに乗った日から、まさに天才の力を発揮するのだが、結果に至るきちんとした順序が、省かれる事なく描かれている。モータースポーツは、個人の競技と思われがちだが、組織の闘いである。どんなにドライバーに車を速く走らせる能力があっても、車が本来の性能を発揮していなかったり、ライバルよりも著しく遅かったら、絶対に勝つ事は出来ない。いかに天才であってもそれは無理である。
そんな状況が非常に丁寧に描写されている。モータースポーツファンにはたまらない。
だから、一足飛びに結果を出していくわけではない。やるべきことをやり、周囲の人間の理解と指示を集めながら、成功へと一歩一歩進んでいく。実にリアリティのある話ではないだろうか。
いままでの漫画やフィクションの多くは、なんの取り柄もなかった人間が、ある日目覚めて大変な努力をし成功をつかみ取るといった話だったり、天才的な才能に恵まれながらも、あまりにも不遇で不幸な試練を与えられて、へとへとになりながら成功へ向かっていくという話が多かった。そんな話、実際にはほとんど(というか全く)ないのではないだろうか。
平凡だった人間が、何かのきっかけにヒーローに、ヒロインになるといった話のほうが、読者は夢を持てるかもしれないが、所詮、絵空事でしかないだろう、共感することができない。
才能にあふれた人間が成功の階段を駆け上がっていく姿を見守っていきたい。僕は不覚にも、「capeta」を読みながら、何度も泣いてしまった。特に5巻、涙があふれて止まらない。漫画でこんな経験をしたのは初めてだ。
才能ある人間が、その才能を発揮出来る場を与えられて結果を出す。なんて素晴らしいことなのだろう。彼らの足を引っ張ってはいけない。

ここ最近、騒がれている、高校野球の特待生問題。これまでの報道を見る限り、高野連の対応、態度には憤りを感じる。何様のつもりか、いや何様のつもりなのだろう。権力者であることを、誇示しようとしているようにしか見えない。
勉強が出来る生徒にも特待生制度はある。野球以外のスポーツには、制限はないらしい。なぜ、野球だけなのか。今回の一件、誰も得する事がない。高野連のメンツのためでしかないのではないか。野球が好きで、得意で、将来を嘱望されて特待生に選ばれる。それは優遇されることであるかもしれないが、大変なプレッシャーでもある。結果が出せないかもしれない。怪我をしてしまうかもしれない。それでも日々、努力している高校生が試合も出来なくってしまうなんて、あまりにもおかしいだろう。つい最近も、テレビのバラエティ番組での一件をもとに、ある旅館を高野連の指定から外すという横暴を行ったばかりである。
日本学生野球憲章の見直しをするべきなのは明白なのに、ここにきてもなお高野連は見直しをすることはないという。
いっそのこと、プロ野球が新しい組織を作って、高校野球大会を主催してしまったほうが、シンプルではないか。風通しもよくなる。
高野連の職員が100人束にかかっても払えないような税金を払える、そんなスター選手が出てくるのがプロ野球の世界である。日本のことを考えても、高野連など解体してしまったほうが、はるかに有益だと思うだけど、どうなのだろうか。

投稿者 corvo : 03:10

絵本『(仮)アパトサウルス』26

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さくさくと進める。序盤のワンシーンが完成。シンプルな構成の画面。
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大海に漕ぎだす小舟のような心境か。
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初めて出会う、巨大な仲間たち。
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一歩を踏み出し、大きな群れに合流しようとしている。

ストーリーまで公開することは出来ないので、色々と想像を膨らませてください。

投稿者 corvo : 01:33

2007年5月 2日

絵本『(仮)アパトサウルス』25

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世の中はゴールデンウィークというものらしいし、天気もよく気持ちのよい日なのだけど、そんなこととは関係なくずっと仕事を続けている。ここのところ、少し白んできてから床に入る日が多い。起きるのは9時から10時ぐらい。
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出会ったカップルが交尾をしようとするシーン。この巨体でどうやって交尾をしたのか、まったく想像がつかない。なので、お互いを高め合う場面を想像して描いてみた。
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オスのほうが噛み付き、お互いのど元を赤く染まらせて、そのときが近づいて来たことを示している。どんなに強く噛んだとしても彼らの貧弱な歯とあごでは、皮膚に傷をつけることもなかっただろう。
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あまり柔軟ではなかっただろうと思われるこの足で、どうやって交尾のポジションをとるのか。浮力のある水中を利用したとも考えられるし、長大なペニスを持っていたのかもしれないし、決定的にこれだというアイデアが思いつかない。
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柔軟に動くとすると尾しかないのだけど、絡み付いたポーズにエロィックなものを感じてもらえると嬉しいです。でも、これ子供向けの絵本です。
1日1点ペースでがんばります。

投稿者 corvo : 12:26

2007年5月 1日

絵本『(仮)アパトサウルス』24

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今日(月曜日)は午前中に「科博ニュース」用の挿絵を完成させて、すぐに発送。1日着で、ぎりぎり間に合った。
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イラストボードにロットリングと透明水彩。全体は見せる事が出来ないので一部を。

群れのシーンがようやく完成。さすがに画面が大きいため、時間がかかってしまった。週末に出掛ける予定が重なってしまったのも、原因のひとつ。
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アルシュ紙にアクリル。原画のサイズは350x965mm。
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広大な平地で、二つの群れが出会う。もうちょっと余裕があれば、他の生物も描き込みたかったのだけど、ここまでで断念。すぐに次の画面の制作に入ります。

本題とは関係ないのだけど、ずっと以前から欲しくてしょうがないのがこれ。プライオリティとしては「巨神ゴーグ」より上である。

一時期在庫切れで値段が上がっていたのだけど、最近は別のバージョンも出ている。

かれこれビデオ版の頃から10年以上欲しいと思い続けて、いまだかなわず。絵本がどーんと売れれば、買っちゃうかも。皆様、よろしくお願いします。

こっちもいいんだよな。

投稿者 corvo : 01:29

 
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