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2007年4月17日
国立科学博物館・日本館オープン
昨日、今日と寒い日が続く。雨が冷たい。先日、国立科学博物館・日本館のプレオープンに行ってきた。科博ニュースのイラスト(毎月連載)を描いていたり、日本館のグラフィックを少しお手伝いしたことから、招待状をいただいていたのである。
日本館は、古い科博の建造物にはほとんど手を加える事なく、展示物を一新している。日本に関係ある標本に限定されており、我が国の自然科学を体系的に知る事ができる。写真は、3階から吹き抜けのホールを見下ろしたところ。かつてここには、タルボサウルスとマイアサウラの全身骨格レプリカが展示されていた。
今回の展示の目玉の一つであるFutabasaurus suzukiiの実物化石標本。組み立てられた全身骨格は混雑していたため、撮影し忘れてしまった。
Utatsusaurus hataii、こちらも日本が誇る良質な古生物標本の一つ。三畳紀の魚竜で、原始的な形質を数多く残しており重要な化石である。記載者のひとりである藻谷さんに会場でばったり会う。アメリカからこの日、帰国されたということだった。
ここから僕が担当したグラフィック用の復元画を紹介。パレオパラドキシア(学名表記面倒なので、カタカナで)。
デスモスチルス。
アロデスムス。
日本館の展示スペースはコンパクトなのだけど、よく整理されていて見やすい。標本を近くでじっくり見ることができる。コンパクトといっても、その情報量は膨大なもので、わずか2時間ほどではざっと見る事しか出来なかった。近々、時間をとってじっくりと見学したいところである。人類の展示も見応えがある。日本固有種の生物も興味深い。僕たちがどれほど外来種を見慣れてしまっているかということがよく分かる。日本産の馬の小ささに驚く。サラブレッドを使わない戦国時代劇を見てみたいのだけど、そうすると人間の体格も小さくしないといけないから、バランスが難しいかな。
どの展示物もお勧め、面白いです。
ホールから天蓋を見上げたところ。昭和初期に建てられた重厚な建築物も、貴重な標本のひとつだろう。
今の科博で僕が不満に思っているのは、エントランスである。新しく建てられた地球館と日本館が、うまく融合していないと感じる。天井の低いせせこましい玄関を使わなくてはならず、博物館に来たわくわく感を一気にそがれてしまう。日本館のエントランスを復活させてほしい。せっかくの吹き抜け大空間がもったいない。切に願う次第である。
投稿者 corvo : 2007年4月17日 23:40