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2007年4月10日
絵本『(仮)アパトサウルス』09
骨格図の鉛筆エスキースの制作。
昨日、昼間の状態。頸椎から描き進めていく。複雑な形態をしており、論文の図版から脳内で立体を構築し、そのイメージを画面に定着していく。
頸椎がほぼ描き終わったところ。使用する鉛筆はステッドラーのF。
出版社から届いた色校正を見て、インクと紙の種類を決定する。原画に近づけるのか、本としての印象をよくするのか、悩むところ。編集者と電話で打ち合わせながら、2種類まで絞り込む。もう一点原画を描いて色校正を作ってもらい、最終判断をすることになった。
これは昨日の夜寝る前の状態。前肢、後肢を除いてほぼ出来上がって来ている。この角度から見ると、アパトサウルスの持つ特徴がよく分かる(ちょっと写真が小さくて分かりにくいですね)。椎骨の神経棘突起は途中で二股に分かれ、腰に向かうにつれてまた一つになっていく。また仙椎の部分が一番高いことが分かる。1番目の肋骨はほぼ直線的で肩幅が狭く、7番目から8番目あたりでもっとも胴体の幅が広くなる。肋骨に合わせるように、腸骨の前部も左右に大きくひろがっている。真上から見ると、ちょうど水滴のような形になるのが、恐竜の基本形態であると僕は理解している。
これが、今日の午後に完成した状態。
前日の段階から、肩甲骨の位置を少し情報にずらした。肩帯の位置を決めるのは、いまだに悩む。保存状態の良い化石が見つかっても、肩帯はどこにも関節していないため、ずれている場合が多い。
肋骨で構成されるカゴ状の立体感を描写することが重要である。ここに長大な腸管を含む内臓が収まっている。
次のプロセスは、別の画面に転写すること。その後、アクリル絵の具を使って、カラーの骨格図を描いていく。化石の色ではなく、現生種のように白い骨に描こうと思っている。そのほうが立体感も表現しやすいしね。
投稿者 corvo : 2007年4月10日 18:13