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2007年4月 7日

レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像

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昨日の夕方、「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像」展を見るために上野まで出かけて来た。
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上野の桜もまだ残っており、夜桜を見るためのブルーシートが一面に敷かれていた。ちょっと肌寒いが、心地よい空気の冷たさだった。

目玉はなんといっても、レオナルドの手になる「受胎告知」。もちろん初来日であるが、これが最初で最後になるのは間違いないだろう(多分)。日本に居ながらにして、名画を見る事ができることはとてもありがたいことだが、殺到する観覧者と混雑する会場のために、満足に作品を鑑賞することが出来ない事が多々ある。
しかし、今回は夜間も入場できる金曜日ということで、ほとんど並ぶ事もなく鑑賞することができた。「受胎告知」の展示される会場は、この1点のためだけに設営されている。遊園地のアトラクションのように、ジグザクに導線がつけられているのだけど、混んでいなかったため画面を見る事ができる場所まではすぐに到達することができた。
この絵の聖マリアの右腕は以上に長い。先週の新日曜美術館で知ったのだけど、画面向かって右側から斜めに見たときに、適正な長さになるよう描かれているらしい。絵の保存状態は予想以上に良い。どれほど修復されているのか分からないが、表面にはかなり新しいと思われるワニスが塗られている。艶艶していて、ごく最近描かれたような輝きを放っている。
少し高い位置に展示されているため、一番見たかった聖マリアと大天使ガブリエルの顔が少し遠い。オペラグラスを持ってくるべきだったかな。混んでいないとはいえ、「立ち止まらないでください」とたびたび指摘される。それでも、かなりじっくりと堪能することができた。画面を高解像度スキャンするように、視線を走らせていく。それぞれのタッチ、手の動き、制作の手順などを想像しながら、隅々まで観ていく。とても楽しい、心躍る瞬間である。

もう一つの会場は、レオナルドの考案した機械や、彼の思考を具現化した模型などが展示されている。精巧に作られた模型でビジュアル化されており、こちらもとても楽しい。残念なのは触ったり、動かしたりできない事。どこかの美術館や博物館で、実際に体験できる装置として常設してもらえないだろうか。
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会場の外に展示されていた、レオナルドの考案した人力飛行機の原寸大模型。
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この大きさと重量では、とても羽ばたいて飛翔することは出来ないが、隅々までレオナルドの美意識が感じられ、鳥を観察して得られた知識をあますことなく再現しようとしているようだ。
入場制限がかかるほどに混雑していたら、うんざりしてしまったかもしれないが、ゆったりと展示を楽しむことができた。
これから観に行こうと思っている人は、金曜の夕方がおすすめです。でも、会期終了が近づいてくると尋常でない混雑が予想されるので、なるだけ早い時期に行くのが良いと思います。

投稿者 corvo : 2007年4月 7日 23:29