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2006年12月20日

ゴールデンフルイド説明会とシアター360

19日、20日の出来事を遡ってアップ。
前回のエントリーにも書いたが、19日は朝から都内へ「ゴールデンフルイド説明会」の講師をするために出かけた。ゴールデンはアクリル絵の具メーカーで、日本ではターナー色彩が代理店である。そのターナー色彩からの依頼で、説明会の講師として出席してきたのである。
今、「フルイド」という製品を中心に制作をしている。アメリカでは何年も前から存在していたらしいのだけど、日本には今年から正規輸入された粘性の低いアクリル絵の具である。アクリル絵の具は水溶性で、乾くと耐水性になる性質をもっているが、従来の物は伸びやかさに欠ける嫌いがあった。このフルイドはその性質を大きく改善したもので、非常に伸びやかに絵の具を塗ることが出来る。水彩的な表現をするのに適しているのだが、僕にとっては油彩に近い表現ができる点で貴重な材料である。
もともと油彩は厚い絵の具をごてごてと盛り上げるものではない。薄い透明の絵の具を何層にも塗り重ねて、深い色味を獲得していくこと、物の豊かな質感を再現することに主眼が置かれている技法である。
今回は、画材店向けの説明会だったのだけど、実際にこの絵の具を使ったワークショップも体験することができた。
こちらの講師はアーティストのshioriさん。僕なんかよりもずっとアクリル絵の具を深く理解しており、大変勉強になった。
画材店の人から聞いた話で興味深かったのは、一般のお客さんにとって「アクリル絵の具」というものがイメージしにくい存在なのだということである。「水彩」や「油彩」は馴染みがあるのだけど「アクリル」になると、とたんにどんな物だか分からなくなってしまうらしい。その説明に苦慮するのだという話をされていた。
でも、今ペンキなどの塗料はアクリルの物がほとんどだし、アクリル樹脂でできたクリアケースなど、僕たちの日常生活の中にあふれている素材でもある。それが絵の具となると、きちんと理解されていないということだ。
また、アクリル絵の具の日本でのシェアはリキテックスが圧倒的で、アクリル絵の具=リキテックスといっても過言ではない。絆創膏=バンドエイドのようなものである。笑い話で「リキテックスのゴールデン絵の具をください」というお客さんが実際にいるらしい。
いろいろな情報交換も出来て、楽しく勉強になったひと時だった。
blog06122101.jpg
説明会のお土産。このマグカップ、書いてあることが面白い。その名も「Effective MUG (効き目のあるマグー信じるものは救われる、アーティスト用)」。
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使い方
1.飲みたいものを選んで注ぐ。(とりあえず、では効果なし)
2.味わって飲む。(今の気分を考えながら)
3.使用後は、「違いのわかるゴールデン」と唱えながら速やかに洗う。
使用上の注意
・軽い気持ちで他人に貸さないこと。
・一日の大半をティータイムにしないこと。
.描きたくなったら、衝動に逆らわないこと。
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20日は朝から夕方まで集中して制作したあと、国立科学博物館での「シアター360」の内覧会に参加してきた。
このシアターは昨年の愛地球博の日本館に設営されていたもので、球体の内側に映像を映して、その中心のブリッジから観賞するというものである。全てをCGで作っているので、解像度の問題などはあるが、これまでに経験したことがない感覚を味わうことが出来る。手すりにつかまらずに、視線を動かしていると足下がぐらぐらする感覚に襲われる。
科博に行く機会があったら、是非体験してみることをお勧めします。
まだ、色々と書きたいこともあったのだけど、今日はここまで。
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投稿者 corvo : 2006年12月20日 22:19