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2006年8月 3日

WBAライトフライ級王座決定戦

僕は子供のときからけっこうボクシング好きで、世界タイトルマッチはよくテレビ観戦していた。といっても、そこそこ好きというぐらいで、すごく詳しいわけでもなく、蘊蓄をたれられるほどの知識もないのだが、2日に行われたタイトルマッチの結果には疑問を感じずにはいられない。
テレビ中継にも問題がある。新聞のテレビ欄には、午後7時30分からとあったが、実際に試合が始まったのはその1時間30分後。もっと試合時間をチェックしておくのだった。とにかくこれまでの亀田一家の軌跡を、これでもかと見せ続ける。亀田興毅選手は、勝たなくてはいけないシナリオが出来ている。ブレーキのこわれたトロッコに乗せられたような感じか。本人にとっては相当なプレッシャーだろう。19歳の若者にとって、これほど酷なことはない。試合前の顔つきに、始める前から追いつめられたような雰囲気を感じた。
1ラウンドで完璧なダウン。相手のランダエタは巧く、的確にパンチを当て続ける。ときおり亀田がラッシュを見せるも、うまく受け流しダメージをもらっているようには見えなかった。ロープ際からの脱出も見事。試合後もランダエタは綺麗な顔で涼しげだった。一方の亀田は顔を腫らして、かなりダメージを受けているように見えた。
僕の印象では、終始ランダエタの巧さとキレが光り、終盤まで亀田は必死になって食らいついていったという感じである。実況も、当然亀田びいきであるが、パンチが当たってないのに絶叫。優勢でもないのに絶叫。冷静に試合を実況することをはなから放棄している。解説もどうにも苦しいコメントが多かった。客観性はどこにもないのか?
プロボクシングである以上、興行が目的である部分も大きい。そうであるなら、これぞプロフェッショナルという試合をみたいと思うのが正直なところである。ボクシングは一つ間違えば命に関わる危険なスポーツであり、僕のような素人からしてみたら想像を絶するようなトレーニングを積み減量に苦しみ、試合に臨んでいる。それだけで尊敬に値するし、敬意を表するべきなのだが、納得のいかない判定だった。
亀田はよく戦った。でも、今回は相手選手の方が一枚も二枚も上手だったよ。これでいいではないか。彼の立場はこれから、ますます苦しくなるだろう。プレッシャーも大きくなるだろう。今回の試合の肉体的ダメージも、しばらく残るだろう。どこへ進もうといばらの道しか残されていない。これが本人の望んだ道だったのか。
僕はプロフェッショナル同士でしか実現できない、そんな試合が見たいのである。今回の世界戦は、ファン・ランダエタに対して、あまりに役不足であったことは否めないと思う。「価値ある負け」を手に入れるチャンスを逃したことは大きい。
一時的には良いかもしれないが、全てにおいて不幸な結果だったと、僕は思う。
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投稿者 corvo : 2006年8月 3日 00:30