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2006年7月21日

NHKスペシャル「恐竜VSほ乳類」

昨日、ようやく録画してあったものを見たところである。といっても前編の「巨大恐竜繁栄のかげで」を見るのがやっとで、後編はオンエア中に2/3ぐらいを見たままで終わっている。
「恐竜VSほ乳類」というタイトル、コンセプトには、違和感を感じる。繁栄しているものが、自然界の覇者であるという考え方は、決定的に間違っている。自然界に勝者も敗者もない。生態系にとって、全ての生物は必然で重要な役割をもっているはずである(人間ははずれているかもしれないが)。生物にとって一番大切な前提を抜きにして、自分勝手な物語を作ってしまうのが嫌なのである。
CGは予想通り、クオリティの高いものではなかった。CGの技術的云々についてはコメントできるほどの知識と経験もないが、生物らしさを感じることができない。すでに製作されてから7年になる「Walking with Dinosaurs」には、自然と生物に対する敬意があふれていた。NHKのものには、そこが感じられない。何が何でも、自分たちのシナリオに誘導しようとしていて、「自然」「生命」といったものを、都合良く解釈しているように見えてしまう。
実写のロケーションとCGを組み合わせているのだけど、ジュラ紀だというのに地表を草が覆っているのはどういうことだろう。だれも指摘しなかったのだろうか。出来上がった映像を見て監修者が指摘しないはずはないと思うのだけど、間に合わなかったのだろう。
CGを製作するスタッフに生物の知識が不足しており、研究者との連携がうまくとれていないのではないだろうか。作ってからチェックしてくださいでは、修正できる範囲は極めて小さい。コンセプトを作る段階から、がっちりタッグを組んで綿密に作っていくべきである。そんな当たり前のことをしていないから、お粗末な結果になってしまうのである。
ぴょこぴょこ跳ねるトリケラトプスに唖然。
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投稿者 corvo : 2006年7月21日 08:23