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2006年5月 4日
「恐竜の科学展」七日目
今日(3日)は午前中に、上野の白山眼鏡店へ、注文しておいた仕事用眼鏡を取りにいった。以前の記事で書いた通り、近い場所の焦点が合いにくくなってきたため、細かい仕事に対応した特別な眼鏡が必要になったのだ。この店は、本当に対応が細やかで、新しい眼鏡は時間をかけてフィッティングしてくれる。耳にかかる部分を微妙にカーブさせ、圧迫感がなく、ずり落ちにくいようにベストの状態に調整していく。驚くのは、2、3回の修正だけで、ほぼ完璧なかけ心地を実現してしまうことだ。この辺りのノウハウには、非常に熟練したものがあるのだろう。
仕事場でしか使わないし、ほとんど人前で見せることはないのに、こんなお洒落なフレーム。近い場所を見るために限定されたレンズで、このまま遠くを見るとぼやけてしまい、そのまま無理をして焦点をあわそうとすると目が悪くなってしまうという危険なものでもある。
少し使ってみたが、ディテールを突き詰めていく作業には、ほんとうに快適である。頻繁にかけ直さなくてはならないが、なくてはならない道具のひとつになりそうだ。
上野を出た後、大丸東京へ移動する。
「恐竜の科学展」も後半に突入。今日から祝日ということで、多くの人手が予想されたが結果的には、4800人という記録的な入場者数であった。
午後には大丸に着いたのだけど、エレベーターも混雑しており、12階のミュージアムに移動するのも一苦労。入場制限のため階段で待っているお客さんの隣をすり抜けて、ようやく会場へたどり着くことが出来た。
今日のサイン会は、昼食を済ませた午後1時30分ぐらいから始めたのだけど、ほぼ切れ目なく4時ぐらいまで描き続けることになってしまった。皆さんに喜んでもらうのは嬉しいのだけど、サイン会を開くことは、僕にとってほとんど直接的なメリットはない。既に出版されている書籍は、印税もしくは原稿料をすでに受け取っている。たくさん売れることで、重版がかかれば印税が入ることになるが、印税契約をしていない書籍もある。もちろん、サイン会ということで、日当を受け取っているわけではない。全て、僕の意思で行っているものである。
そのため、僕の関係した書籍を買っていただいた方にだけ限定で、イラスト入りのサインをすることにしている。時々、「他のものを買ったのだけどサインをしてもらえますか?」というお客さんがいるが、そこまではとてもではないが対応できない。どうか、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
これで、ばんばん絵も売れればいうことないのだけど、高額な商品なためそうもいかない。かなり苦戦中である。
サインに添えるイラストは、あらかじめリクエストを受けて、出来る限り希望に添うようにしているのだけど、順番が回って来てもなかなか決められない子供がいる。特に、後ろに列が出来ているときは、こちらもヒヤヒヤである。並んでいる間に「決めておけ」と言いたい。散々、迷ったあげく「じゃあ、ティラノ」とか「トリケラトプスでいいや」とか言われると、実は本当に腹が立つ。これからいいものを描こうとしているときに「じゃあ」とか「〜でいいや」とか、その投げやりな態度には、がっかりさせられる。また、せっかく描いていても、全然見ていない子供も嫌である。なんといっても一番だめなのは、最後に「ありがとう」が言えない子供。言わなきゃ、言わなきゃという気持ちが先走って、手渡す前に「ありがとうございました!」と言ってしまう、微笑ましい子供もいるのだけど、親に促されても「ありがとう」の一言が出てこない子供がいる。
それでも、喜んでくれる大多数の子供たちのために、ただひたすら手を動かすのである。
帰宅後は、残っている仕事を片付ける。全然、終わらない。
こんな感じのカットを、60点ほど描かなくてはならない。しかも、この線描の上から透明水彩で着色もしなくてはならない。ない時間をやりくりして、少しずつでも進めておかなくては、締め切りをクリアーすることができないだろう。
明日4日も、午後から大丸東京の会場へ行きます。
目指せベスト3。だんだん遠くなってきました。応援よろしくお願いします。
投稿者 corvo : 2006年5月 4日 00:24