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2006年4月19日

GOLDEN ACRYLICS 02

昨日から、サンプルでいただいたGOLDEN FLUID ACRYLICSを試している。従来のアクリル絵の具に比べて、粘度が低く伸びが良いのが特徴である。実際、パレット上に並べてみると、粘度が大きく違うことがよくわかる。
ちなみに、GOLDENはアメリカで開発された絵の具で、日本ではターナーが輸入販売を行っている。
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左がFLUID ACRYLICSで、右が従来のアクリル絵の具(これはGOLDENではありません)。まるで下痢xxxと健康なxxxとか言わないように。柔らかいといっても水に溶いた絵の具のように流れることはなく、適度な粘性を持っている。容器も従来のチューブではなく化粧品の瓶のようだが、適度に絵の具を出すことが出来て試行錯誤の後が伺える。

この絵の具を使って、ある恐竜展のポスター原画を制作しているので、そのプロセスとともに紹介していきたい。
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支持体はパネルに水張りしたアルシュ(極細目)。鉛筆で描いたエスキースをトレースし転写した後、カラーインクで線描を起こしイエローオーカを全てに塗ったところ。さらにその上からテクスチャーをつけるために、レギュラーゲル(セミグロス)とグレージングリキッドを混合した物を、画面に置いていく(絵の具を置くという表現は、油絵などの場合よく使います)。透き通るので下地のイエローオーカには影響なく、画面に凸凹をつけることができる。
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この写真で、どれぐらいの凸凹がついているか分かってもらえると思う。変化を付けるため、豚毛の硬い筆で色々な方向にタッチを入れている。
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部分的にテクスチャーをつけた後、セルリアンブルーディープで画面全体を塗る。このときにも、非常に均質に絵の具が伸びてくれるのを実感する。通常のアクリル絵の具では、なかなかここまで綺麗に塗ることは難しい。
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後ろに見えるのが、エスキースの鉛筆デッサン。テクスチャーをつけた部分と紙の部分で、吸湿性に差があるため、絵の具のしみ込み方による色の変化がある。これは想定していたことなので、気にせず次へ進む。また、この画面の不均質さが面白さへとつながっていく。
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ディロフォサウルスの頭部を描き込む。画面にテクスチャーがあるため、皮膚の凸凹した感じを表現しやすい。こういった下地は繊細な描き込みにはむかないが、生物の生き生きした感じを、偶発的なテクスチャーと相まって再現できることがある。
この絵の具を使ってみるまでは、粘度の低さから透明水彩のようなものをイメージしていたのだけど、これはまったく違う物であった。むしろ、油彩に近い。それも樹脂油を多く使う、古典技法に近いものだと感じている。油彩の古典技法は透明色を重ねていくことで絵を完成させていくのだが、濁りが少なく、透明感のあるFULUID ACRYLICSは、古典的な繊細な描写に向いているのではないだろうか。今回、初めて使った色にQuinacridone Goldという色があるのだが、これはパレットに出した瞬間、ちょっと興奮するほどに新鮮な驚きがあった。油彩で使うコパール樹脂で溶かれた茶系の絵の具のように、輝いて見えたからだ。薄く伸ばしても美しい発色をする、赤みを帯びた褐色(正確には違うかもしれないが)の絵の具である。他には代用の利かない貴重な色彩であると思う。
また、FULUID ACRYLICSは乾燥すると通常のものよりも硬く、乾燥も速い傾向があるようだ。これはもう少し、使ってみないと確実なことはいえないが、乾燥したアクリル絵の具のぶよぶよとしたビニールのような感じよりも、硬質で僕は好きである。
まだ一日しか使ってないが、雑感としてはこんな感じである。
これからも、制作のプロセスとともに、レポートしていきます。
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投稿者 corvo : 2006年4月19日 10:18