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2006年1月24日
背骨
アメリカからの輸入牛肉に、背骨が混入していたという。
「混入」という言葉から、骨片のような小さなものが混じっていたのを、勝手に想像していたのだけど事実は全く違ったようだ。
この画像は、22日付け日本経済新聞朝刊の3面に掲載されていたもの(掲載に問題がある場合は削除します)。左の写真の矢印は、背骨の一部を指しているだけで、混入したものが小さな印象になるような意図を感じる(ただし、あくまでも僕の個人的な主観であるが)。右の画像は、この写真の背骨を線で囲ってみたもの。この大きさのものが、チェックされずに素通りするということは、何もなされていないと考えても良いだろう。実際この件については、アメリカ側の業者に危険部位であるという認識は、全くなかったということらしい。
背骨ついでに、哺乳類の背骨と、竜脚類のものを比べてみると、大きな違いがある。このことは、平山廉さんが著書「最新恐竜学」でも書いているのだけど、椎体と神経棘突起のプロポーションが、まったく違うのである。哺乳類の椎体は比較的小さく、神経棘突起が長い。竜脚類はその逆である。このことから、哺乳類は筋肉などの軟組織で積極的に身体の構造を支え、可動域の大きい運動性を獲得しているといえる。一方、竜脚類は骨でがっちりと身体を支え、身体の可動域は大きくないが、少ない筋肉量で巨体を支えていたと考えられる。
新聞に小さく載った骨を見ながら、いろいろと考えてしまうのであった。
投稿者 corvo : 2006年1月24日 23:56