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2005年12月26日
Tyrannosaurus is fat
今日も清々しい冬空。突き刺すように冷たい空気。
そんな季節だから、「デブ」なティラノを描きたくなった・・・・わけではないのだけど、太めなティラノサウルスを描いてみた。
実は友人の造型師ふらぎさんが、太いティラノサウルスの復元模型を作るというので、僕もどういった感じになるか復元スケッチを描いてみた。
この「太い」ということには、ちゃんとした根拠がある。骨格を見る限り、この大型の獣脚類が太いシルエットを持っていることは明かである。しかし、これまでの復元では腹肋骨の存在を無視するように、大きく腹がえぐれた「痩せ型」復元が主流であった。
また、ティラノサウルスの糞の化石と思われるものから、細かく砕かれた骨が見つかっている。このことから、骨ごと骨髄まで食べる食習慣があったのではないかと考えられる。そのためにも、肉食の動物にしては長い消化管が必要だったのではないだろうか。
紙に鉛筆(B、HB、H)で制作。大きさはおよそA3サイズ。
ふらぎさんも彼のblogで指摘しているのだけど、頭が大きく重いため重心をどこに持ってくるかで、復元姿勢に大きな違いが出てくる。いくら尻尾が長いといっても、上半身とバランスさせるためには、重心を前よりにもってくる必要がある。
さて、この「デブ」なティラノサウルスの印象、皆さんはどうだろうか。
各骨格のプロポーションは、スタンの計測値を利用している。わざわざ太めの復元をしようとして、デフォルメしているわけではない。常に骨格をもとに復元することが大切である。
久しぶりにニュートン2月号を買った。まだ読んでいないのだけど、興味深い特集記事が多い。しかし、相変わらず復元画が酷い。今回、翼竜のタペジャラが紹介されているのだけど、骨格を無視した復元だ。曲がるはずのない骨が曲がっていたり、左右で翼のプロポーションが違っていたりする。これは、復元画ではない。復元画のようなものであり、似て非なるものだ。
ビジュアルをメインにしている雑誌である以上、改善していくべきであると思う。
これではいつまでたっても、「復元画」と「空想画」の違いが明確になってこない。影響力のある雑誌だからこそ、きちんとしたものを掲載してほしいと切に望むのである。
投稿者 corvo : 2005年12月26日 20:43