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2005年12月11日

川端龍子展

今日は昼前から、妻と江戸東京博物館へ出かける。企画展「川端龍子展」を見るためである。残念ながら今日が最終日であった。
車で出かけたのだけど、日曜日だというのにものすごい渋滞。師走だからだろうか。平日のほうがよほどましだ。

最終日で日曜日ということもあり、かなりの混雑を覚悟していたのだけど、拍子抜けするほど空いている。
前回の「北斎展」の混雑に比べれば天国である。やはり絵はゆっくりと見たい。
川端龍子はこれまで実際の作品を見たことがなく、横山操の師であったという程度の予備知識しかなかったのだが、作品の数々は、予想以上に素晴らしかった。毎秋「青龍社展」へ出すために制作していた、横7.2m縦2.4mの大作を始めとして大画面が会場を飾る。圧倒的な質量で迫ってくるが、清潔感のある美しい画面だ。 
岩絵の具の質感も美しい。岩絵の具で描くことは、まさに宝石を画面に定着させるようなものである。油絵の具やアクリル絵の具ではこうはいかない。油やアクリルでは描写することで、空間や質感を作り出す必要があるのだが、岩絵の具の持つ質感はそれだけで存在感を獲得してしまう。逆に、岩絵の具は油絵のような空間や立体感を描くことには向いていない。龍子の描く画面は、岩絵の具の魅力を余すことなく使い切っている。
岩絵の具を使う以上、こうあってほしい。アクリルのメディウムで岩絵の具を溶いた、インチキ日本画など見たくもない。
大画面の作品を見ていると、僕も大作を描きたくなってきた。ここのところ小さい作品の制作が続いているため、思いっきり身体を動かして描きたい衝動にかられる。来年は大作を描くことを、目標の一つにしよう。
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投稿者 corvo : 2005年12月11日 22:04