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2005年12月31日

大晦日

大晦日、久しぶりに実家でゆっくりとした時間を過ごしている。
今晩、年越し参りにいこうかと思っていたのだけど、体力的にもとても大変なので、明日の昼間に初詣に行くことにする。

今年、大きかった出来事としては、絵本「ティラノサウルス」の出版である。これまで挿絵という形での出版物はあったのだけど、自分だけの著作としては初めてであった。一冊の本を作るプロセスを全て経験できたことで、より出版という形態に興味ができた。デジタルによるコンテンツの制作が主流となりつつあるが、本というスタイルにもまだまだ可能性を感じる。編集者を始めとして、多くの人の手があって、初めて形になることができる。

また、今年の2月に公式サイトをオープン、6月にはこの blogをスタート。ほぼ毎日更新してきたが、自分でも驚きである。これも、ここを訪れてくれる読者の皆さんのおかげである。

一方、アクシデントとしては、4月に骨折してしまったことだ。
草野球の試合中、サードからファーストへ送球したときに、右の上腕骨が折れたのである。投球骨折という症例であった。骨が弱っていたわけではなく、自分の筋力で自分の骨をねじ折ってしまったのだ。「右上腕骨骨幹部骨折」。
最初は装具による保存療法を試したのだけど、治療経過が思わしくなく、3週間後に手術を受けた。初めての全身麻酔で、折れた上腕骨をチタンのボルトとプレートで固定する処置である。
この怪我のため、およそ1ヶ月半ほどまったく仕事ができない状況であった。しかし、食事のために左手の訓練を始めたところ、問題なく使えるようになり、新たに脳の新しい部分が開発されたようだ。この間もスケッチ程度の絵を、左手で描き続けていたのだけど、右手での制作を再開したときに、より物がみえるようになったと感じたのである。気のせいかもしれないが。
怪我をしたことをネガティブにも思いたくなかったことから、ポジティブにマインドコントロールしていたのかもしれない。
リハビリを進める過程では、身体の構造を頭の中に描きながら、イメージトレーニングを重ねていた。人間の身体の構造の理解にも、役立つリハビリであった。何が何でもポジティブに思いたいのだ。

今年は、いいことも悪いこともあった一年であったが、来年のための準備という側面が大きかった。
来年はたくさんの出版物に関わる予定である。ご期待ください。

それでは皆様、良いお年をお迎えください。
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投稿者 corvo : 17:45

2005年12月30日

帰省

今日は午前中に実家に向けて出発。ただし、出かけるまでが一苦労である。猫たちをかかりつけの動物病院に預けていかなくてはならない。異変を察した猫二匹を無理矢理捕まえて、移動用のケージに入れて車で運ぶ。捕まえてケージに入れるまでに、二人がかりで30分かかってしまった。
正午には家を出発。思ったよりも道がすいていている。しかし、事故が多い。国道では3台が玉突きで、動けなくなっていた。東名高速に入ってすぐに事故渋滞に巻き込まれて、のろのろ走行せざるをえない状況に陥る。海老名SAまで行って休憩をしたかったのだけど、あきらめて港北PAで休憩する。渋滞の中に戻るため、PAから出るのにも時間がかかる。
事故現場であった厚木を過ぎると、車がスムースに流れ出す。すでに事故処理は終わっており、路面もきれいな状態。
ここからはほとんど混雑することなく、順調に進む。次の休憩は富士川SA。ここは富士山を間近に望むことが出来る。
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この季節としては、驚くほど雪がない。冬に褐色の富士を見ることになるとは思わなかった。
次は浜名湖SAで休憩。すっかり日が落ちて暗くなってきた。

今回は伊勢湾岸道路を初めて使ったのだけど、名古屋市内を通過しなくてよいので、とてもスムースに三重に入ることができる。東京湾の湾岸道路より起伏とカーブがあり、ダイナミックな造型だ。東京へ戻るときは、明るい時間に通過する予定なので走るのが楽しみ。
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この写真、幻想的にみえるが、露出不足でただただ手ぶれている。湾岸道路沿いにナガシマスパーランドという、東海最大の遊園地がある。ここは昔から絶叫マシンの宝庫で、僕はとても乗れないものばかり。その夜間照明のアトラクションを、助手席の妻が走行中に撮影したのが、上の写真である。
午後8時前には無事に実家に到着し、思ったよりも順調な道のりであった。
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投稿者 corvo : 23:55

2005年12月29日

mixiで忘年会

昨日は、mixiの集まりで忘年会。約一名(中学時代の同級生)を除き、知らない人ばかり。でも、楽しめました。 中学の時の同級生とは、今年の夏、おそらく17年ぶりの再会だったのだけど、きっかけはblogであった。そのときの模様は「偶然」に詳しく。
朝まで二次会の誘惑を断ち切って、終電で帰宅。帰りの電車はものすごい混雑。もう何年も朝のラッシュを経験していないが、酒臭い(自分も)集団の満員電車はつらい。混雑から、電車も遅れ気味。
疲れたけど、気分良く就寝。

今日は久しぶりに洗車をする。もう何ヶ月もそのままで、いい加減汚れていたので、寒い中、丹念に手荒い。でも、ワックスがけまで出来なかったので、ちょっと中途半端。
年賀状を出すために、住所録を整理していると、ハガキが足らないことが判明。急遽、プリントゴッコで重版。明日は実家へ移動する日。久しぶりの三重である。年越し参りに伊勢神宮へ行く予定。

実家からアップできれば、blog毎日書く予定です。
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投稿者 corvo : 23:47

2005年12月28日

仕事納め・・・かな?

昨日は馬鹿なネタを考えつつ、次期絵本のダミーを3冊制作。
コピーしたものを製本するだけといっても、3冊ともなるとかなり大変な作業である。テキスト原稿は、編集者とのやりとりでかなり変更を加えた。客観的な目が入らないと、頭では分かっているけど、伝わりにくい事柄がなかなか見えてこない。いつもながら、担当編集者の優秀なスキルに感銘を受ける。
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出来上がった3冊のダミー本。1冊は編集者へ、もう1冊は監修者へ、そしてもう1冊は自分のためにである。

今日は、以前にもお伝えしたファンタジー小説のための挿絵を制作。1月から配信が始まるため、今から制作しておく必要があったのだ。久しぶりに、インクとペンで描いてみた。ここのところロットリングで制作することが多かったのだけど、どうしても線の強弱が単調になってしまう。コントロールは難しいが、つけペンで描く線には魅力がある。
ペン先はブラウゼ社の文字・速記用。かなり柔らかい。Gペンは僕には硬すぎて使いにくい。インクはホルベインのスペシャルブラック。顔料系で、乾くと耐水性になる。ホルベインの油絵の具は、どうにも使えない代物だが、このインクは優秀だ。
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全貌はお見せできないので、途中段階の部分を紹介。かなり拡大された画像。
これから完成したデータをメールで送ってしまうところである。一応、これで年内の仕事は決着がついた。
今晩は、今年最後の忘年会。
明日は一日、年賀状の準備です。
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投稿者 corvo : 16:23

2005年12月27日

Tyrannosaurusの死因

昨日、ティラノサウルスの復元をしてみて、気が付いたことがある。
ティラノサウルスに代表される獣脚類は、上半身と長い尻尾でバランスをとりながら、絶妙に姿勢を保っている。
しかし、いくら尻尾が長いと言っても、頭を含む上半身の重さはかなりのものだろう。
相当に気を付けていないと、前のめりにこけてしまうかもしれない。
そこで彼ら大型獣脚類の死因を考えてみた。
ティラノサウルス同士が、激しく争ったことがあったと想定してみよう。大きな牙と、頑強な顎という、強力な武器を持った両者がぶつかりあったとき、かなり凄惨な現場が展開したのではないだろうか。
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でも、現実は意外にあっさりとしたものだったのである。彼らの弱点は尻尾の先にあったのだ。イラストは極端ではあるが、これほど大きく切断されれば出血もかなりのものだろうし、感染症にかかる確率も上がってしまう。それ以上に深刻だったのは、絶妙のバランスをとっていた姿勢が、完全に崩れてしまうのだ。
実際にはこれほど切断しなくても、ほんの数十センチ欠損するだけで、大きな影響が出てしまう。とてもまともに歩くことは出来なくなり、走るなどもってのほかである。
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最後には、完全にバランスを崩し、イラストのように前のめりに突っ伏してしまい、鼻先を地面にめりこませて窒息してしまったのである。これが真実だ。
「スー」が発見されるまで、ほぼ完全に揃ったティラノサウルスの尾椎は発見されていなかった。これも合理的に説明がつく。尻尾の先をかじられて、バランスを崩しほとんどのティラノサウルスは窒息死していたのだ。「スー」のようなケースはまれであっただろう。


このblogを熱心に読んでくれている賢明な読者が、よもや信じることはないと思うが・・・・・

久しぶりの馬鹿話である。
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投稿者 corvo : 19:56

2005年12月26日

Tyrannosaurus is fat

今日も清々しい冬空。突き刺すように冷たい空気。
そんな季節だから、「デブ」なティラノを描きたくなった・・・・わけではないのだけど、太めなティラノサウルスを描いてみた。
実は友人の造型師ふらぎさんが、太いティラノサウルスの復元模型を作るというので、僕もどういった感じになるか復元スケッチを描いてみた。
この「太い」ということには、ちゃんとした根拠がある。骨格を見る限り、この大型の獣脚類が太いシルエットを持っていることは明かである。しかし、これまでの復元では腹肋骨の存在を無視するように、大きく腹がえぐれた「痩せ型」復元が主流であった。
また、ティラノサウルスの糞の化石と思われるものから、細かく砕かれた骨が見つかっている。このことから、骨ごと骨髄まで食べる食習慣があったのではないかと考えられる。そのためにも、肉食の動物にしては長い消化管が必要だったのではないだろうか。
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紙に鉛筆(B、HB、H)で制作。大きさはおよそA3サイズ。

ふらぎさんも彼のblogで指摘しているのだけど、頭が大きく重いため重心をどこに持ってくるかで、復元姿勢に大きな違いが出てくる。いくら尻尾が長いといっても、上半身とバランスさせるためには、重心を前よりにもってくる必要がある。
さて、この「デブ」なティラノサウルスの印象、皆さんはどうだろうか。
各骨格のプロポーションは、スタンの計測値を利用している。わざわざ太めの復元をしようとして、デフォルメしているわけではない。常に骨格をもとに復元することが大切である。

久しぶりにニュートン2月号を買った。まだ読んでいないのだけど、興味深い特集記事が多い。しかし、相変わらず復元画が酷い。今回、翼竜のタペジャラが紹介されているのだけど、骨格を無視した復元だ。曲がるはずのない骨が曲がっていたり、左右で翼のプロポーションが違っていたりする。これは、復元画ではない。復元画のようなものであり、似て非なるものだ。
ビジュアルをメインにしている雑誌である以上、改善していくべきであると思う。
これではいつまでたっても、「復元画」と「空想画」の違いが明確になってこない。影響力のある雑誌だからこそ、きちんとしたものを掲載してほしいと切に望むのである。
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投稿者 corvo : 20:43

2005年12月25日

Happy Christmas!

関東はホワイトクリスマスではありませんが、からっと晴れ上がった空です。
暖かい地下のアジトで書いているので、勝手な想像です。きっと晴れているでしょう。
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恒例の妻へ送るクリスマスカード。登場するのはちょびとポー。ちょびとポーについては猫工房でくわしく紹介しています。(執筆、写真撮影は妻です)
赤鼻のトナカイのコスプレでやる気満々の黒猫ポーですが、ちょびサンタは寒いのでやる気なし。
出不精です。
皆様、素敵な週末を!
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投稿者 corvo : 00:03

2005年12月24日

シュテファン・バルケンホール展

今日も寒い。
昼間から夜まで出かけていたのだけど、日中と夜間でそれほど温度差を感じなかった。それぐらい昼間を寒いと感じていたのだろうか。雲一つなく晴れ渡って日差しがあったにも関わらず、身を切るように冷たい空気であった。昨日の予告通り、昼から平山さんのところへ打ち合わせに。これまた予告通り、打ち合わせ以外の話題で大いに盛り上がった。 予告通りでなかったのは、目的以外の話題が半分どころか8割ぐらいであったことだろう。

夕方、初台のオペラシティアートギャラリーへ、シュテファン・バルケンホール展を見に行く。
ざっくりとした荒々しいタッチの彫刻と平面作品(純粋には平面ではないが)。巨大な丸太から掘り出される、人物や動物の彫刻は30cmあまりの大きさしかない。丸太の部分はそのまま台座になっている。そのポーズはただ立っているか、少し重心をずらして佇んでいるだけであるが、天井の高い大きな展示空間の中で大きな存在感をはなっている。
平面の作品は、厚いベニヤ板にレリーフして着色した風景をモチーフにしたものだ。描かれているものはなんてことはない、旅行先の売店にある絵はがきのようだ。しかし、削り取られ立体感を持った描線は、非常に強い力を持っている。平面作品を鑑賞する場合、正面からずれてしまうと絵画空間がゆがんで見えてしまうが、彼の平面レリーフ作品は斜めからでも絵画空間を維持する強度を持っているように感じた。これは、僕にとって新しい発見であった。ヨーロッパでギリシャ彫刻のレリーフを見たときには感じなかったのに、バルケンホールの作品にはそんな印象を持った。技術的にははるかに拙いのにである。一つは絵画的に着色されていることが原因かもしれない。
彼の作品は木材を素材にしているが、表面は仕上げられておらず、ささくれた木くずがそのままに残されている。これでは輸送のときに、ばらばらと落ちてしまうだろう。気になったのでスタッフに聞いてみると、かなりの量が展示設営の段階で落ちてきたらしいが、作家は気にすることもなく鷹揚と構えていたということである。彼の作品は移動するたびに、微妙にそのテクスチャーを変化させていっているのかもしれない。
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写真は、バルケンホール展の入場券。遊び心があって、とても楽しい。早速仕事場に飾ってみた。
収蔵品展は相笠昌義展を開催していた。これが予想以上に良い作品であった。無個性にデフォルメされた無機質な群像と、乾いた油絵のタッチがバルケンホールの作品と響いて見える。意図的なキュレーションなのか、思った以上に楽しむことができた。
今回もぎりぎりの紹介で申し訳ないのだけど、会期は明日25日までである。
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投稿者 corvo : 22:58

2005年12月23日

ハエトリグモ

相変わらず寒さが厳しい。子供の時からものすごい寒がりで、冬が人一倍きらいだったのだけど、年齢を重ねるごとに冬の寒さに耐えられるようになってきた。温暖化しているせいではないと思うのだけど、からっと晴れた空ときりっとした空気が心地よい。地下のアジトもアラジン一台で19度をキープ。経済的である。

今日はハエトリグモを制作。これも掲載前なので、部分の画像を紹介。ロットリングの0.2mmを使用。
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ハエトリグモは室内に入ってきたハエを捕らえてくれる益虫である。子供の時には、よく実家でアシタカグモを見つけたが、彼らはゴキブリを食べてくれる益虫ということで大切な同居人であった。
なので蜘蛛はそのままいてもらうのがよい。最近、日本に入ってくるようになった毒のある外来蜘蛛は問題だけど、むやみに忌み嫌って殺すことはない。
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TACHIKOMAはハエトリグモをモデルに設計されているのだろう。動きもよく似ている。

今日もさらにダミー本を詰めていく。かなりいいところまで来た。明日は監修を引き受けてもらう予定の、平山さんのところへ行って打ち合わせである。でも、半分以上は他の話題になってしまうに違いない。
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投稿者 corvo : 18:57

2005年12月21日

ダミー本、さらに改訂

昨日、編集者と話し合った結果、ダミー本を改訂することになった。
今日、さらに電話とメール、ファックスを使って打ち合わせ。
テキスト原稿をもう一度練り直すことと、ページの台割りが変わるため構成も変更することになった。でも、これらは改良なので、確実に良い方向に向かっている。相当に面白くダイナミックなものになりそうである。
とにかく今は企画を通すことに集中。ダミー本のためのスケッチにも力が入る。

夕方から、別件のため都内で打ち合わせ。これは他の出版社の企画である。これも僕の方からダミー本を作り、企画を通さなくてはいけないのだが、面白い絵本になりそう。
これらの企画がうまく通ると、来年3冊の絵本を出版することになる。かなりハードではあるけども、とても楽しみな内容ばかりである。
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ラフスケッチの途中。相変わらず資料に囲まれて作業している。
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投稿者 corvo : 23:56

2005年12月20日

絵本「ティラノサウルス」が・・・!?

今日、出版社から連絡があり、拙著「ティラノサウルス」が社会保障審議会推薦文化財に決定したということである。
なんだか、とても稀少なことらしいのだが、売り上げにはまったく影響しないということ。社会的にもほとんど認知されていないのではないだろうか。喜ばしいこと・・・ですね。あまりピンとこないのだけど。

のびのびになっているサイトの更新、今急ピッチで進めています。これ以上、お待たせすると狼少年になってしまう。
ただいま原稿執筆中。
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投稿者 corvo : 23:39

2005年12月19日

サソリーイラスト

今日は、以前お知らせしたサソリのイラストを描く。
掲載前のものなので、全体をお見せすることは出来ない。そこで一部を紹介。
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ロットリングで線描を描いてから、透明水彩で彩色している。
普段脊椎動物の復元が多いため、現生のサソリではあるが時々描く無脊椎動物が楽しい。
かつてのサソリは海の中に生息していた。その名もウミサソリである。大きなものは2mもあった。水中に生息し重力の影響を受けなかったために、大きくなることができたのだろう。決して出会いたくない生物のひとつである。
古生代ー節足動物

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今、ヤフオクでちょこちょこと部品を集めながら、自転車を組み立てている。ここ10年以上自転車から離れていたのだが、部品の規格が大きく変わっていて驚く。一から勉強し直し。今のところ、写真のようなところまで出来てきた。まだ、揃わない部品があるため、走れるようになるのは来年になってからだろう。

今日はさらに年賀状の原画を制作。ここ最近はずっとプリントゴッコで制作している。いつもは大晦日頃に刷って正月に出すという、不届き千万なことをしていたので、今回はちゃんと年内に出すつもりである。
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投稿者 corvo : 23:50

2005年12月18日

東京ミネラルショー

昨日、土曜日は池袋で開催中の「東京ミネラルショー」へ出かける。
ミネラル=鉱物ということで、鉱石、宝石などにまじって、化石なども多数出品されている。展示即売会であり、その場で購入することもできる。本物の恐竜の化石ともなると数百万円のプライスがつくものまであり、見るだけでも楽しむことが出来る。詳細はライブドアニュースで。19日まで開催。
今回、フェバリットコレクションの新作スケルトン、サイカニアもゼネラルサイエンスブースで見ることが出来る。実は、製品化されたものを見るのは、これが初めて。非常に良い出来である。
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全長は40cmほど。1/10スケール。
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ラピスラズリをあつかう店。ひとつかけらを1000円で買う。絵の具にも使われる高価な石のひとつ。いまでは化学合成されたウルトラマリンが代用品として使われている。
深く美しいブルー。

池袋を3時過ぎに出て、「お結び展」の会場へ向かう。ギャラリーの20周年記念パーティーへ参加するためである。
こちらもとても楽しいひとときであった。美味しい食事とお酒。何人かの作家と知り合うことができて、会話も楽しむことができた。
僕の作品、まだ全て売れ残っています。ご入り用の方は、この機会に是非!

川端さんの小説「リスクテイカー」を読了。「金融」を扱いながら、読後感のすがすがしい小説。実際の金融の現場を知らないので、どれほどリアリティがあるか判断できないのだが、非常に面白い小説であった。経済と芸術はどこか似ている。人々の生活に密接に結びついていながら、強く意識されることがない。経済は新聞やニュースなどで日々報道されているし、生活に直接関わるものではあるけど、どういった仕組みで成り立ち世界が動いているかという本質を、実際目の当たりにすること意識することはすくないのではないだろうか。
どちらも空気のような存在であることが望ましいのだろうか。この小説を読んで、経済が分かるようになるわけではないが、ほんの少しでも意識するきっかけにはなるかもしれない。どうもとりとめない文章ですみません。
実は「竜とわれらの時代」よりも僕にはおもしろかった。

今日はからっと晴れているが、外の風は冷たく寒い。いよいよ冬本番だ。
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投稿者 corvo : 15:07

2005年12月17日

mixi「古生物復元」

mixiを始めて6ヶ月。このblogのスタートと同時期であったと記憶している。
僕自身、いまひとつ盛り上がりにかけながら、毎日ログインしていたのだけど、自分でコミュニティを作ってみることにした。
その名も直球で「古生物復元」。
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ここのblogとも絡めて、復元のノウハウや文献の情報、自由で活発な議論が出来ればと思っています。
興味のある方いらっしゃいましたら、ちょこっと覗いてみてください。
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投稿者 corvo : 00:00

2005年12月16日

ラフスケッチ

今日は一日、絵本のためのラフスケッチを続ける。
昨日の取材の成果を活かしての制作。例のごとく、内容にふれられないのだけど、画像を見るとものすごく勘の良い人は分かるかも。非常に面白い内容であるのは間違いないと確信している。
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カバ。描いてみるとかっこいい。
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カバときて、イノシシ、ラクダ、キリン、ウシ。全て偶蹄目である。草食獣はおとなしく、肉食獣は凶暴であるという擬人化されたイメージが定着しているが、まったくおかしな話である。カバは同じ生息域にいるクロコダイルよりはるかに凶暴な猛獣であり、キリンはその前脚でライオンを蹴り殺すらしい。
古生物、現生の動物にかかわらず、擬人化されたイメージは大きな危険をはらんでいる。冷静に謙虚に自然を見つめていくべきである。
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投稿者 corvo : 22:43

サソリ

木曜日、サソリの取材に科博分館へ。研究員の小野展嗣氏に話を聞く。
もちろんサソリのイラストを描くのだが、「国立科学博物館ニュース」という科博が出版している月刊誌のためである。毎月違った研究テーマの連載のため、その都度各研究者に取材する必要がある。今回のテーマが「サソリ」。何体か生きたものも見せてもらったのだけど、なかなか可愛い。昼間はほとんど動かず、じっとしているらしい。毒のある尻尾も鎌首のように上げず、横にだらんと寝かしている。いかにも省力化されている生物だ。
新しい分野に触れることは、本当に楽しい。いい「サソリ」がきっと描けるだろう。
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これはヤフオクで入手した標本。違う種類のサソリを描く予定だが、ディテールを確認するために必要である。かっこいい。

その後、地学研究室の甲能さんのところで、次に企画している絵本のための取材。久しぶりだったので、ついつい話題がつきず雑談も含めて、2時間ほど話し込んでしまった。さらに真鍋さんともしばし雑談。科博分館を後にした。

科博分館は新宿区百人町にあるのだけど、駅からの道のりは異邦に来たようである。中国語などの外国の言葉が自然に聞こえてくる。歓楽街、住宅地、科博分館のコントラストが面白い。何度も来ているが、けっこう好きな場所かもしれない。
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投稿者 corvo : 00:11

2005年12月15日

仕事場=地下室

僕の仕事場は地下室である。
地下と言っても吹き抜けがあり明かり取りになっているので、暗くじめじめしたところではない。
地下のメリットとしては、夏涼しく、冬暖かいことである。今の季節、朝仕事場へ降りてくると、ストーブをつけていなかったにも関わらず、気温は18度ほどである。夜もアラジンストーブ一個つけているだけで、昼間と同じ気温をキープすることが出来る。さすがに足下は冷えるが、これは厚い靴下を履くなどすれば解決できる。
この地下室に、大量の書籍、作品、画材、骨格などの資料など様々なものがあるものだから、さながら秘密のアジトのよう。ネットもここから繋がっている。
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仕事場全景の組写真。

明日(15日)は午後から科博分館へ。研究者のところへ取材と相談に。
一人で調べて理解することも大切なことだが、専門家に聞くことで悩んでいたことが、たちまち溶解することが多々ある。研究者と話をすることは、とても楽しい。会話の中から、様々なアイデアを思いつくことができる。
内容については、お知らせできるようになるまでしばしお待ち下さい。(数ヶ月先かな)
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投稿者 corvo : 00:05

2005年12月14日

お結び展

今日は、午後から突然の打ち合わせが入ったため、都内へ出かけることとなった。
ちょうど「お結び展」も今日からオープンだったので、夕方会場へ顔を出してきた。なかなかにぎやかな展示である。
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会場は1階と2階とに分かれており、2階の会場は絵画を中心に展示されている。この写真は2階の会場で、僕の作品もこちらに全て展示されている。新作と楽天ショップ出品中の作品を会わせて、全部で11点。右下のハマーはおまけ。さすがに迫力のある巨体である。しかし、せまい神田小川町の街に路駐は迷惑以外の何ものでもない。しかも交差点の近くである。センスのない路駐は嫌いだ。
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こちらは1階の会場。陶器など工芸品が主体の展示。

17日土曜日は16時から会場に詰めているので、お時間のある方是非お出かけ下さい。この日はギャラリー20周年記念パーティーも開催されます。こちらも一般の方の参加もオーケーです。
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投稿者 corvo : 22:00

お結び展ー開催

今日(まだ深夜ではあるが)14日から「お結び展」開催です。
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2005年12月14日(水)〜22日(木)18日(日)休廊 AM11:00〜PM7:00(最終日PM5:00終了)
世界観ギャラリー(ギャラリー間瀬内)
千代田区神田小川町3-28-13 電話:03-3293-6334
17日(土)PM4:00からパーティーが開催されます。僕も出席しますので、興味のある方気軽にご参加ください。
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新作4点、無事に搬入してきました。
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師走ではありますが時間のある方、近くまで出かけられる方、ご覧になっていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
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投稿者 corvo : 00:52

2005年12月13日

スクラッチボード

スクラッチボードによる制作を試してみた。幼稚園か小学校ぐらいの時、紙に黒いクレヨンを塗りたくって、ニードルのようなもので引っ掻いて描いた記憶がある。原理としては全く同じ物である。市販されているスクラッチボードは、あらかじめ黒い塗料が塗布してあり、アートナイフなどを使ってイメージを削りだしていく。
このスクラッチボードも日本での入手が難しく、アメリカの画材店から個人輸入して手に入れた。日本の画材屋はアマチュアに売れるものばかり扱うので、プロ用のものがどんどん減っていっているように感じる。
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黒い長方形のものがスクラッチボード。まさに漆黒である。横にあるのはニードルと、アートナイフ。
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アートナイフで削っていく。鉛筆などの描写と違って、明るく光りがあたっている部分を描写していく。主にアートナイフを使用するが、刃先の角度を変えることで描線の太さをコントロールすることができる。なかなか楽しい。
僕は銀筆やスクラッチボードのように、やり直しがきかない素材が好きである。後戻り出来ない緊張感が嬉しい。マゾかもね。多分。
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完成したもの。白い部分に透明水彩で着色している。かなり幅の広い表現が可能だ。大きさは105x150mm。
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ディテール。削った白い部分と着色した部分の違いが分かってもらえると思う。
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投稿者 corvo : 00:57

お結び展-出品作

お結び展に出品のための新作4点が完成。明日、搬入である。
1点は先週、blogの記事で紹介した銀筆で制作したもの。
展覧会の前から出品作を紹介してしまおうと思う。今回のグループ展は小品が中心とはいえ、出品者が70名を超える展覧会である。会場で作品を見つけてもらうことも、なかなか大変なことかもしれない。
そこで、もしご来場いただけるなら、ここで見た画像を目指して探してもらえればと思う。展示するときは額装もするので、まったく違った見え方をするだろう。ここで画像を紹介してしまったからといって、会場で作品の魅力が落ちてしまうことはないと考えている(そうあってほしいという希望もこめて)。
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猫工房でもおなじみ、黒猫のポーである。アルシュ紙にチャコールペンシルと透明水彩。白い部分は、紙の白を残して生かしながら制作している。大きさは150x105mm。
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そして、こちらが猫工房の主役、三毛猫のちょび。こちらは銀筆用紙に銀筆と透明水彩、アクリル絵の具。大きさは150x105mm。
もう1点は新しい技法を試したので、次の記事で紹介したいと思う。
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投稿者 corvo : 00:33

2005年12月12日

インチキ日本画!?

先日の記事で「インチキ日本画など見たくない。」と書いたところ、美術教育問題で知り合った尻別川の畔よりの依田昌也さんが、歯切れの良いコメントとともにblogの記事で紹介してくれた。
日本画の材料は岩絵の具、膠、墨などである。僕が「インチキだ」と書いたのは、最近膠の代わりにアクリルのメディウムを使う技法が増えているからだ。膠は獣や魚の骨、皮、腱などを煮て作るゼラチンを主成分とした材料である。普通、固形の状態で入手出来るのだが、これを湯煎で溶かして使用する。天然の素材で出来ているため、液体の状態では腐りやすく管理に気を使う材料でもある。
一方、アクリルのメディウムは化学的に作られたアクリル樹脂を主成分としている。アクリルは強く安定しているため絵の具のメディウムや、アクリルガラスとして広く普及している。
しかし、僕はこのアクリル絵の具が嫌いである。乾燥の速さなどから普段よく使うのだけど、油彩に比べるとどうにも発色が良くない。これは膠の代わりにアクリル樹脂を使った場合も同様である。市販されているアクリルのメディウムを見ると、どろっとした白濁した液体である。乾燥すると多少透明度は増すが、膠や油彩のメディウムの比ではない。また乾燥したときのぶよぶよとしたビニールのような質感が、好きになれないのである。
膠を使って固定された岩絵の具は素晴らしい発色を見せる。膠の澄んだ透明度と相まって、岩絵の具の一粒一粒が言葉を語るように画面に定着する。これがアクリル樹脂を使うと、鈍くなってしまうのである。
昨日、川端龍子を鑑賞して、伝統的な画材を正しい技法で使用することの意義を実感した。
そもそも「日本画」という呼称もかなりおかしなものである。これまでも多く指摘されてきたことであるが、「油彩」に対してならば「膠彩」とか「膠絵」という呼び方が正しいだろう。「西洋画」に対してなら「東洋画」であると思う。「日本画」と呼ばれているものは、決して日本だけに独自に発展した技法ではない。「中国画」「インド画」「アメリカ画」「ドイツ画」「フランス画」などという呼び方をしないことから言っても、そうとうに特異な存在であるといえるだろう。
僕は「日本画」を貶めようと考えているのではない。僕は岩絵の具を使用した技法や、岩絵の具や水墨で描かれた絵画が大好きである。だからこそ、今一度整理して美術上の立ち位置を明確にしてはどうかと思うのである。
伝統的な画材の正しい技法と書いたが、以前見たドキュメンタリーの中で加山又造氏が面白い描き方をしていた。
天井に飾る巨大な雲竜図を描く様子を追った番組である。番組中、彼が墨の説明をするのだけど、それらは厳選された入手も困難な高価な墨ばかりである。硯もそれにあった質のものでなくてはならない。そうして擦った墨汁をおもむろに、工業用エアブラシのガンに容れて、墨を吹き始めたのである。これはけっこう痛快であった。
「この墨は大変高価で貴重な物です。色味も重要です。」と語った側から、工業用ガンで噴いてしまう自由さ、軽やかさに驚くと共に嬉しくなってしまった。
伝統を知り、敬意を払った上で、今を考えることの重要性を痛感するのである。
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投稿者 corvo : 18:05

2005年12月11日

川端龍子展

今日は昼前から、妻と江戸東京博物館へ出かける。企画展「川端龍子展」を見るためである。残念ながら今日が最終日であった。
車で出かけたのだけど、日曜日だというのにものすごい渋滞。師走だからだろうか。平日のほうがよほどましだ。

最終日で日曜日ということもあり、かなりの混雑を覚悟していたのだけど、拍子抜けするほど空いている。
前回の「北斎展」の混雑に比べれば天国である。やはり絵はゆっくりと見たい。
川端龍子はこれまで実際の作品を見たことがなく、横山操の師であったという程度の予備知識しかなかったのだが、作品の数々は、予想以上に素晴らしかった。毎秋「青龍社展」へ出すために制作していた、横7.2m縦2.4mの大作を始めとして大画面が会場を飾る。圧倒的な質量で迫ってくるが、清潔感のある美しい画面だ。 
岩絵の具の質感も美しい。岩絵の具で描くことは、まさに宝石を画面に定着させるようなものである。油絵の具やアクリル絵の具ではこうはいかない。油やアクリルでは描写することで、空間や質感を作り出す必要があるのだが、岩絵の具の持つ質感はそれだけで存在感を獲得してしまう。逆に、岩絵の具は油絵のような空間や立体感を描くことには向いていない。龍子の描く画面は、岩絵の具の魅力を余すことなく使い切っている。
岩絵の具を使う以上、こうあってほしい。アクリルのメディウムで岩絵の具を溶いた、インチキ日本画など見たくもない。
大画面の作品を見ていると、僕も大作を描きたくなってきた。ここのところ小さい作品の制作が続いているため、思いっきり身体を動かして描きたい衝動にかられる。来年は大作を描くことを、目標の一つにしよう。
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投稿者 corvo : 22:04

恐竜倶楽部忘年会

昨日は今年最初の忘年会であった。2件時間差でブッキングしており、場所を往復しながらの参加であった。とはいっても、一方は昼間の集まりであったのでそれほど負担ではなかった。
まず1時30分から赤坂にて恐竜倶楽部主催の講演会。演者は平山廉さん。竜脚類についてのアイデアをまとめたもので、もう一度確認し直す意味でもためになる講演会であった。講演の後、質疑応答の時間があり、3時過ぎまでこの場に参加。次の集まりが3時からのため少し遅刻であったが、地下鉄を使って大手町へ移動。
こちらの集まりは野村学芸財団という、学生の時に奨学金をもらっていた財団法人主催の年に一度の懇親会である。この財団は、「銭形平次」の生みの親である野村胡堂氏が設立した財団であり、懇親会はとても楽しいひとときであった。この集まりは5時30分まで。
その後再び赤坂へ移動して、恐竜倶楽部の忘年会へ合流。着いたときにはすでにかなり盛り上がっていたが、すぐにペースをあわせる。しばらくすると恒例のビンゴ大会がスタート。参加者全員が賞品を持ち寄り、ビンゴが出た順番に好きな物をもらっていくシステム。今年は幸い早い順番でビンゴになり、RC GEARさんデザイン制作のディノニクススカルのシルバーアクセサリをゲット。
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これがゲットした賞品。いつみても良い出来。
二次会はカラオケと、じつに定番で楽しい忘年会であった。
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最近、順位が落ちています。気が向いたら、ポチっとお願いします。

投稿者 corvo : 21:19

2005年12月 9日

トリトン航海記ー水口博也著

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以前から予告していたファンタジー小説について、ようやく告知できることとなりました。
クジラやイルカなどの海洋写真で著名な水口博也氏が描く、海洋ファンタジー小説です。これまでも、水口さんの小説「リトルオルカ」で挿絵を担当しました。今回が二度目のコラボレーションです。
この「トリトン航海記」はインターネットで配信という方法をとります。
以下は水口さんのサイトから、配信開始のお知らせの引用です。
---
水口博也の書き下ろし海洋冒険ファンタジー「トリトン航海記」がネットで配信されます。今回配信されますのは、シリーズ第1作「消えた酸素石」です。
        *
海中に暮らすトリトン族の村で、村人たちの命の綱である酸素石が消えはじめた・・・。新たな鉱脈をさがすために旅だった少年ウータが旅先で出会う謎の人びとと、そこからはじまる新たな冒険。
 原稿用紙500枚におよぶ渾身の書き下ろし。クジラやイルカも登場して、子どもから大人まで楽しめる壮大な海の冒険物語です。毎回、画家・小田隆さんの精緻な挿画が、読者をより深い海中の世界へ誘います。
配信開始:2006年1月17日(金)
     以降毎週火曜日と金曜日
配信回数:40回
購読料金:1680円(消費税を含む)
---
水口さんのサイトはこちらです。
ご購読についてのお問い合わせはこちらです。
ご購読の申し込みはこちらです。
まだ、準備中なのですが、挿絵のメイキングブログを公開予定です。イメージを作り上げていく過程を、水口さんとのやりとりを交えながら見せていきます。コメントの書き込みも可能ですので、読者の皆様からのご意見ご感想も大歓迎です。
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ロゴの入っていない状態のカバーイラストです。
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投稿者 corvo : 23:24

銀筆ーsilver point

「お結び展」のための作品が一点完成。
しばらくぶりに銀筆での制作。銀筆とは鉛筆が発明される前に一般的であった描画道具である。黒鉛の芯のかわりに、純銀の芯を使うと思ってもらえればよい。ルネッサンスの時代、多くの芸術家が銀筆によるデッサンを残している。
鉛筆と違うのは、下地を塗った支持体を必要とすることだ。どんな紙や板にも描けるわけではない。
アクリル絵の具のジェッソや、炭酸カルシウムを基調とした白亜地などが適している。皆さんは銀の指輪をしていて、漆喰の壁に手をついたり触れた時に、黒く線が残ったりした経験はないだろうか。銀筆で描くことと同じ原理である。
僕は専用の用紙をイタリアのゼッキから個人輸入している。銀筆もここで手に入るのだけど、銀線と呼ばれる純銀製の針金を貴金属屋から入手してもよい。これをステッドラーの芯ホルダーに入れて使用している。
銀は柔らかく、描画していると先が丸くなってくる。そこで先をとがらせるために紙ヤスリや、オイルストーンを使って先端をとがらせる。
銀筆の魅力のひとつは、鉛筆では描けないほど細い線が引けることだ。常にとがらせておけば、微細な線描を重ねることができる。鉛筆と違い黒鉛の粉でこすれることがないので、極めてシャープな描写が可能だ。ただし、消しゴムで消して修正することはできない。描写は全て一発勝負である。どうしても消したい場合は、下地ごと紙ヤスリで削り取るしかない。
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モチーフは人の頭蓋骨。セッティングしたところ。クリーム色のものが、銀筆用紙。
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これは線香花火を遊んでいるところではなく、硫黄水を作っている。銀は硫黄に触れると、黒く変化するため硫黄水を使って、描線に変化をつけることができる。これは日本画のテクニックでもあり、銀箔に表情をつけるときに使うらしい。「焼く」と呼ばれる技法である。
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面相筆を使って、描線を焼いているところ。陰影を意識しながら、変化をつけている。
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完成した画面。サイズは150x105mmの小品。素材は他にアクリル、透明水彩を使用している。
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ディテール。
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もうひとつディテール。歯の部分をアクリルと透明水彩で描いている。
銀筆はさらに時間を経るごとに、味わいを増していく。好きな素材のひとつだ。
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投稿者 corvo : 01:54

2005年12月 8日

ダミー本完成

今日の昼過ぎにダミー本完成。
ダミー本とは絵本が出来た時をイメージしやすくするため、ラフスケッチに文章を入れたコピーを、簡単に製本したものである。早速、編集部と監修者へ郵送。
これがあると、ぐっと現実味がわいてくる。前回の「ティラノサウルス」では、3回ぐらい改訂を繰り返した。このダミー本の出来に、企画が通るかどうかがかかっている。
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これが製本中のダミー本。簡単な造りとはいえ、わざわざ製本テープを使用している。この段階で明確なイメージがあればあるほど、ここから先の絵本作りがスムーズに進む。
今日は、これから「お結び展」の新作制作。夜はまだまだ長い。
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投稿者 corvo : 19:40

ラフスケッチ完成

昨晩、遅くまで次回絵本の文章に手をいれていたため、遅い朝。
ラフスケッチも完成。一度出したダミー本に、編集者から駄目だしをしてもらい、半分を描き直す。前半の文章も大幅に変更し、編集者のアイデアも盛り込む。着実に良い方向に向かっている。
今日はダミー本に製本する作業と、編集者へと監修者への発送作業である。
信頼できる編集者との仕事は楽しい。アイデアとサジェスチョンが有機的に絡み合い、加える部分、削る部分が明確に見えてくる。
残念ながら内容については、ほとんどお知らせすることができない。前作のスタイルを踏襲しつつ、かなり違ったものになると思う。機能形態の側面から、恐竜をとらえてみたい。
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この季節、朝仕事場には斜めに光が入る。床に映るアラジンの影。
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投稿者 corvo : 10:39

2005年12月 7日

お結び展

「お結び展」とは、日本各地のお結び(おにぎり)を持ち寄り、郷土の味に舌鼓を打ちながら語り明かすことを目的とした展覧会です。そして、作品のテーマは全て「おにぎり」。嘘です。

日頃、お世話になっているギャラリー間瀬さんの主催するグループ展が「お結び展」である。
DMから挨拶文を転載。
「お客さまと作家と画廊を結び、ことしを締めくくる恒例の”お結び展”を開催いたします。日頃たくさんの作家たちといろいろなかたちでおつきあいをいただいていますが、その中から約70名の様々なジャンルの作家にご協力いただきました。楽しいユニークな作品がたくさん揃います。どうぞお出かけ下さい。」
2005年12月14日(水)〜22日(木)18日(日)休廊 AM11:00〜PM7:00(最終日PM5:00終了)
世界観ギャラリー(ギャラリー間瀬内)
千代田区神田小川町3-28-13 電話:03-3293-6334
17日(土)PM4:00からパーティーが開催されます。僕も出席しますので、興味のある方気軽にご参加ください。
展覧会一週間前であるが、これから作品の制作である。小品とはいえ厳しいスケジュール。

今日(6日)はずっと次回絵本のためのラフスケッチを制作。昨日の打ち合わせの内容を活かして、大幅に変更を加えていく。最初の段階でぎくしゃくしていたり、流れの悪いところがあったのだがかなり良くなってきた。「ティラノサウルス」のときはシンプルな展開だったので筋道はすんなり決まったのだけど、今回は複雑な要素が多い。
うまく伏線をはってクライマックスへ持って行きたい。前回は文章がやや冗長気味だったので、文章が説明的になりすぎないように気を付けている。そして、分かりやすいビジュアルイメージを模索しているところである。
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投稿者 corvo : 00:21

2005年12月 6日

アンデルセン

昨日の記事に、「corvoさんがアンデルセンを描かれたらどんな絵を描かれるのかしら~って想像してしまいました。」というコメントがあったので、遊びでちょっと描いてみた。
アンデルセンをきちんと読んだことがないので、まったく世界観が構築できていない段階での制作。
モデルはなく完全なイメージ。
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紙にロットリング。ちょっと男性的かも。
これを機会にアンデルセンをちゃんと読んでみようと思います。
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投稿者 corvo : 21:44

2005年12月 5日

田中清代展

今日は午後から自宅で打ち合わせ。次回、絵本のために詳細に意見交換をする。企画が通る前だというのに、非常に熱心に担当編集者がサジェスチョンを与えてくれる。かなり内容が明確になってきた。打ち合わせ中、アイデアを出すたびに資料が机の上に積み上がっていく。その有機的な状況が面白い。2時から始まった打ち合わせは5時まで続いた。充実した3時間であった。

その後、夕方から都内へ出かける。友人である田中清代さんの個展を見に行くためである。アンデルセンの「木の精ドリアーデ」を主題にした、彩色銅版画の数々。彼女は9月にデンマークを訪れて、これらの作品の構想を練ってきたということである。ドライポイントで描かれた線描は繊細で柔らかく、エッチングとは違った暖かさがある。
彼女は絵本作家として活躍しており、多数の著書が出版されている。絵本の分野では、僕の大先輩である。
展覧会の詳細なデータはここにあります。
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作者の田中清代さんと、会場風景。
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2005年12月5日(月)〜17日(土) 12:00〜19:00
日曜休廊 土曜日18:00まで
月、火、金、土、作家午後1時より在廊予定。土曜日のみ終日在廊。
ギャラリー福山
104-0061 東京都中央区銀座1-23-4 明松ビル303
tele. 03-3564-6363 facs. 03-3564-6366
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個展DMから。出品作のひとつです。
絵本の好きな方、アンデルセンの好きな方は是非!
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投稿者 corvo : 23:56

北斎の鵜図

先日の北斎展の図録を見ていて、どうも気になることがあった。
北斎の描く鳥の造型は、特に顔の描写にリアリティを感じない。眼が横に長く楕円で、鵜図では頭の上のほうについているように見える。
しかし、それ以上に気になったのは脚の描写であった。鵜の脚の形をしていない。鵜の指は第一指から第四指まであり、第四指がもっとも長くなるのだが、北斎の鵜は第三指が一番長い。北斎ほどの「眼」であれば、鵜を見て気が付かないはずがない。実物を写生したことはなかったのだろうか。
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図録「北斎展」P252「巌頭の鵜図」から部分を転載。
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鵜の脚部。紙にペンで描いてみた。時間がなかったので右脚だけである。左脚はあたりをとったところまで。通常、これぐらいのあたりからペン入れをしている。
だが科学的正確さがないからといて、北斎の描く鳥に魅力がないわけではない。
どれも素晴らしいものであった。
時代と個性の違いはあるが、僕は蕭白の描く鳥図のほうが好きだ。でも、これは蕭白が好きで好きでたまらない、一マニアの言葉として聞き流しておいてほしい。
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投稿者 corvo : 00:16

2005年12月 4日

NHKスペシャル

今日のNHKスペシャル「脳梗塞からの”再生”免疫学者多田富雄」を見る。
僕は今日まで、この多田富雄という学者のことを何も知らなかった。4年前に脳梗塞で倒れて、右半身はほとんど完全に麻痺ししゃべることもできない。一度、麻痺して駄目になった神経細胞は再生することはない。科学者である彼は、自分のおかれた状況を冷徹に見つめている。しかし、倒れた直後は何度も死ぬことを考え、絶望したことを告白している。第一線で活躍し、大学で教鞭をとっていた人間が、突然身体の自由を奪われ、しゃべることも出来なくなってしまったのである。
麻痺のために嚥下運動(物を飲み込む動作)が満足に出来ない。ゆっくり食事をとる、口からぼろぼろと食べ物が落ちる、何もしていなくても右の端の口元からよだれがたれる。その全てをさらけ出した姿をカメラの前に見せる。
倒れてから初めてパソコンを習得し、著作を次々と書き上げている。身体は麻痺していても、その頭脳は明晰で創造することをやめることはない。
酒の好きな彼は、仕事の後の晩酌を一番の楽しみしている。普通に液体の状態では飲み込めないので、ゼリー状の液体でウイスキーを割って飲む。酒の好みにもうるさい。そのどん欲さには頭が下がる。
時々、こんな番組から勇気をもらっている。
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投稿者 corvo : 23:43

Allosaurus

新作ではないのだけど、アロサウルス。
これは昨年の東武百貨店での個展のために制作した一枚。案内状にも使用したので、ご覧になった方も多いかもしれない。
論文の頭骨の図版を紙に転写し、その上からロットリングで軟組織を復元して、最後に透明水彩で仕上げている。
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今日は以前お伝えしたファンタジー小説のカバーイラストの制作をしていた。
この小説はインターネットで配信することが決まっており、ビジュアル(挿絵)を僕が担当することになっている。このファンタジーには魅力的なキャラクターがたくさん出てくるのだが、それらのデザインやビジュアルイメージを別のblogを立ち上げて紹介していく予定である。
そのblogでは完成されたビジュアルの紹介だけでなく、メイキングを中心に見せていく。作家と僕、そしてblogを見てくれた読者に参加してもらい、この小説の世界を作っていこうと思っている。
もうしばらくお待ち下さい。
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投稿者 corvo : 00:00

2005年12月 3日

画狂人 北斎

金曜日は講師の帰り、夕方に都内で出版社との打ち合わせ。具体的に何か決まっていての打ち合わせではなかったのだけど、実現できそうなプランがいくつか出てきた。面白い本が出来そうだ。
その後、上野の東京国立博物館でやっている「北斎展」へ向かう。この展覧会、昨日までその存在を知らなかったというていたらく。最終日が4日日曜日ということもあって、あわてて行くことに決めたのである。幸い金曜日は夜8時まで開館しており、夕方からでも見ることが出来る。多少、混んでいるかもしれないが、昼間ほどではないだろうと高をくくっていたのだが、6時40分頃博物館に着いてみると「20分待ち」のアナウンス。半信半疑で平成館に着いてみると、外に並ぶ列は短い。ところが玄関を通って中へ入ると、延々と蛇のように行列が続いている。
当然、展示会場に入ってからもかなりの混雑である。最初は柄にもなく列に並んで、おとなしく順番を待ちながら見ていたのだが、とてもじゃないが全て見終わる速度ではない。まさに牛歩。
途中からしびれを切らし、比較的空いている展示物から見ていくことにする。おもしろいことに肉筆画の前は比較的空いている。これが見たかったのだ。冨嶽三十六景などの有名な版画の前は、ひとだかりでどうにもならない。それよりも肉筆画に限る。まさに北斎の手の動きが、画面に結晶化されているのである。驚くほど保存が良い物が多い。ある程度の修復もなされているのかもしれないが、ついさっきまで描いていたような瑞々しさがある。なんと自在な運筆だろう。
実はこれまで不勉強で、北斎をまとめて見たのは初めてであった。まさに「画狂人」。恐るべきは、最晩年の作である。衰えるどころか、その筆力はますます高みへと昇っていこうとしている。とても齢90の老人の手によるものとは思えない。
僕にとっての東洋美術最高のスターは、曽我蕭白であった。それは今も変わらないが、葛飾北斎も同じく傑出した存在であることを再発見した一日であった。

この展覧会は世界中から集められたコレクションで構成されている。ざっと見ていただけでも、ホノルル美術館、シカゴ美術館、メトロポリタン美術館、ベルリン美術館、ベルギー王立美術歴史博物館、ボストン美術館、ケルン東洋美術館、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館、アムステルダム国立美術館、大英博物館等々・・・・・。複雑な気分になる。もちろん日本にもたくさんの良質なコレクションが残されている。しかし、海外へ流出している傑作も数多い。前述の曽我蕭白もその一人である。
もっとどうにかして守れなかったのだろうか。バブルの時、買い戻すことはできなかったのだろうか。そもそもそういった動きはあったのだろうか。
日本人の手になる世界的遺産を、日本で味わうことが出来ない不幸に、美術教育も含めた根の深い問題を感じるのである。
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投稿者 corvo : 00:39

2005年12月 1日

贈り物

今年の10月に訪れたSVPの会場で友達になったTodd Marshallから嬉しいプレゼントが届いた。
彼に拙著「ティラノサウルス」を送ったお返しに、サイン入りポスターとオリジナルのドローイングを送ってくれたのである。これは本当に嬉しかった。僕の英語がもっと達者なら電話してしまうのだけど、拙い英語のメールでなんとかコミュニケーションを取っている。復元の手法や、資料や学説についての突っ込んだ議論もしたいところ、自分の英語力を伸ばすしかない。
Toddに掲載の許可をもらったので、彼のドローイングを紹介。
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トレーシングペーパーに鉛筆で描いてある。繊細で的確なタッチ。彼がもっとも好きな恐竜だと言っていたアロサウルスだと思う。
僕が描くとこんなディテールにはならないだろう。でも、Toddの描くディテールも好きだ。
ここが復元画の面白いところである。同じ骨格標本を利用しても、それぞれに違いが出る。だからこそ、どこまでが科学的な復元で、どこからが作家の個性なのかも重要な問題である。
絵の中でそれが明確に分かるようにすることは不可能だが、復元のプロセスを公開することで説明することができる。
これからも復元のプロセスを大切に制作していきたいと思う。

今日は少し風邪気味で午前中、病院に行ってきた。夜になると咳がでて、喉がいがいがする。
咳がでると呼吸が乱れるので、筆先の動きに影響が出てしまう。常に一定の呼吸ができないと、イメージ通りの線を引くことが出来ない。薬を飲み出したら、随分良くなってきた。なんとか酷くならないように、冬を乗り切りたい。
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投稿者 corvo : 23:25