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2005年11月29日
クロコダイル skull 04
クロコダイルのskull、一応完成である。ひょっとしたらもう少し手を入れるかもしれない。
僕の場合いつものことなのだけど、頭骨などを描くときは標本画として描いていない。あくまでもモチーフの一つとして、対象に向かっていっている。そう、標本画として見た場合は、かなり不正確な描写なのである。
きちんと正確に描くためには各パーツの計測が必要であるし、視点を一点に定めて描かなくてはならない。
ところが僕の描き方は、計測もしなければ視点も一定ではない。特に視点は大きく動くため、キュビズムの手法で描いていると言っても過言ではない。どうしても立体として把握しようとすると、色々な角度、ずれた視点から観察する必要に迫られる。
また、今回のように制作期間が何日かにまたがっている場合は、その日その日で視点にズレが生じてしまうことになる。もっとも標本を正確に描くことを目的としていないので、これで良いと考えている。
描くことは快楽のひとつである。見る、認識する、描く、この3つを繰り返し、イメージが画面に定着されていく過程は、ぞくぞくする。最後に筆(鉛筆)を置くときには、一抹の寂しさを感じる。
これがモチーフのクロコダイルの頭骨。あまり大きくない。目線に合わせるため、本を積み上げて高い位置にセットしている。
完成したデッサン。素材はアルシュ紙極細目に鉛筆(HB、B、F)。290x380mm。
歯の周りのディテール。
目の周りのディテール。
制作現場風景。机の上に転がっている鉛筆は、先が丸くなってしまった鉛筆。1時間ほどの制作でも、鉛筆をこれぐらい消費することになる。大量の鉛筆を常に削っておく必要がある理由が、分かってもらえると思う。
投稿者 corvo : 2005年11月29日 12:42