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2005年10月11日
官から民へ
10月10日の日経新聞文化面に「ミュージアム「民」参入の行方-長崎の「実験」」というコラムがあった。
興味深く読んだのだが、驚くべき内容であった。
ある民間企業が、来月オープンになる長崎歴史文化博物館の全ての運営に携わるということである。これ自体はおもしろい試みであるし、良い方向に行けば良いと思う。
しかし、次の文言を読んで我が眼を疑った。「研究活動に没頭するような学芸員はいらない。」阿呆か。これには呆れる。研究活動のできない学芸員に何の魅力があるのか。たった1年の契約で、毎年更新するとうシステムで、どんな研究活動ができるのか。
民間の会社が入ってやるべきことは、研究者や学芸員にPR能力を求めることではなく(もちろんそれも必要だが)、来館者と学芸員をつなぐ新しいポジションを創造することではないのか。そこにこそ価値があるだろう。
収蔵品の管理、運用も煩雑になるようである。博物館は開かれてこそ価値があると思う。誰でも収蔵庫に入れて良いとは思わないが、地域の小学生が自由研究のために、収蔵庫を見学できるぐらいに秩序ある気軽さがあるべきだろう。
とりあえず、この民間企業のお手並み拝見である。
投稿者 corvo : 2005年10月11日 23:09