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2005年10月28日
美術の授業3
二週間ぶりに非常勤講師の日。
先週はアメリカに行っていたこともあるのだけど、中間試験期間で授業も休みであった。
授業内容についてblogで書いたところ多くの反響があり、自分でもいろいろと考え調べるきっかけとなった。
とくに衝撃的だったのが「酒井式描画指導法」の存在である。主に就学前の子供や小学生に絵の描き方を事細かに指導して、完成度の高い画面を作ることを目的にしている指導法である。「酒井式描画指導法」には賛否両論あり、Googleで検索しただけでも9370件がヒットする。なので興味のある方は、自分の判断で調べてみてほしいと思う。
また、このことがきっかけで色々な方と知り合うことができた。
北海道の中学教諭、山崎先生の美術と自然と教育と。
アーティスト中村シキカツさんのシキカツ近況。
この方も北海道の美術教諭、岩田先生の子供との笑顔〜美術教育の日々〜。
酒井式に対して批判的であるという点からいうと、偏った紹介であるかもしれないが、これらのblogを見なくては全く知らないままで過ぎてしまうことであった。
僕も非常に問題のある指導法であると思っている。
描画法が精緻にマニュアル化されているため、誰が描いても同じような描写、構図になってしまう。しかもこの描法で描かれた絵が、多くのコンクールで優秀な成績を収めているらしい。こういった事実に親は喜び、満足をしているという側面もあるようだ。それほど皆、絵が上手くなりたいと思っているのか疑問である。もっと他の選択肢があるだろう。野球やサッカーがうまくなりたいとか、語学が得意になりたいとか、料理がうまくなりたいとか・・・・それぞれの特性にあった得意分野が見つかるのではないだろうか。また、見つけていくことが大切ではないだろうか。
この酒井式のなかで僕がぎょっとしたのが、顔を鼻から描くという指導をしているということである。
もちろん僕はこのやり方を踏襲しているわけではない。一つの方法であって、強制されるべきものではない。それでも、僕にとっては描きやすい方法であることに違いはない。
このblogのエントリー美術の授業で、多くのコメントを書いていただいたのだけど、このことについて一言述べておきたい。
色々な意見があり、言葉を交わすことで僕自身も考えるきっかけができ、非常に良かったと思っている。しかし、残念ながら議論と呼べないような書き込みがあったことも事実である。ハンドルネーム「けい」と名乗る方の書き込みは、最初問題提起として貴重であると思ったし、自分自身のやり方を再考してみるきっかけともなった。このことについては感謝している。しかし、二回目の書き込みでは反論に対して答えることなく、実際に僕の授業を受けていた「RENA」さんに対して非常に失礼な返答であったと思う。そして、僕と「RENA」さんが「けい」さんに対して質問を出したのに、それについては何ら答えてもらってはいない。最初に書き込むまで二日も悩んだという思慮深い方のようなので、二週間ほど待ってみたのだけど、いまだなしのつぶてである。
「けい」さんはサイトもblogも開設されている。匿名で書き込みだけしていく、荒らしのような存在とは違うと思っている。
ただし、今回の顛末を見る限り、大変無礼で失礼な方であると判断することしかできない。
まずは、コメント欄の質問に対してきちんと答えていただきたいと思っている。
コミュニケーションをとることを拒否し、その不完全さゆえに投げやりな態度をとる人間に、アートについて語る資格はないと僕は思う。彼(性別が分からないので便宜上)の書いたコメントにも、彼のblogの意見にも、僕はほとんど賛成することはできないが、全く反論がないのでは議論のしようもない。
もし意見があるならば、コメントはいつでも歓迎です。
投稿者 corvo : 2005年10月28日 23:07