2005年8月31日
猫のskull 01
今日から新しい作品をスタートする。
すこし暖めていた企画で、描いてみないとわからないところも多いのだけど、とりあえず描いてみる。
いつもどおり、まずは鉛筆のエスキースから。
モチーフは猫の頭蓋骨。本物である。
標本として販売されていたもので、きれいに処理がなされている。
アルシュ紙にHBのステッドラーで描写する。ある程度あたりをとったところで、すぐにディテールを描いていく。
ここまでの作業でおよそ30分ぐらい。明日にはエスキースを完成させてしまう予定である。
投稿者 corvo : 23:53
2005年8月30日
縄文VS弥生
今日は国立科学博物館へ特別展縄文VS弥生を見に行く。
明日31日が最終日で、夏休み中ということもあり展示室内は混雑していた。
内覧会の案内をいただいていたにも関わらず、その日が他の用事があったため、閉幕ぎりぎりの今日になってしまった。
ポスターなどの宣伝広告がきわめて戦略的で、一般の人の目を引きつける効果的なものになっていたと思う。こういった新しい試みも、独立行政法人化されたことに起因しているのかもしれない。
それに比べると「恐竜博2005」の宣伝広告は洗練されていない従来の雰囲気を漂わせていたように感じる。恐竜というスタイリッシュなデザインの生物を、もっと活かした作り方ができたと思うのに残念である。(僕自身はまったく展覧会に関わっていないので、一観客としての意見です)
特別展であるが、たくさんの骨を見ることができたのは収穫だった。
成人の骨だけでなく、新生児からある程度の段階を経た子供たちの骨。さらに病変の跡が見られるものなど、興味深い標本が数多く展示されていた。
しかし、全ての標本が比較的低い台に展示されていたため、前の方でないと見ることが出来ない。それにも関わらず、まったく列が動かない場所があり、スムーズに展示を見ることがなかなか難しかった。
夏休みということもあり勉強熱心なのは分かるが、そんな状況のなかでメモをとりながら動かないのはどうかと思う。
そんな若い(高校生か?大学生か?)女性を促すように少し足で押したら、大変不審な目で見られてしまった。標本を見なくては分からないことについて展示会場でメモをとる意義は大きいと思うが、キャプションをメモに取るぐらいなら図録を買ってしまったほうが早いはずだ。
大きな展示物で圧巻だったのは、実際の貝層(貝塚の跡)を薄くスライスして剥離し、樹脂で固定した標本である。横13m、高さは最大で4m。
図録は雑誌的な作りである。読み物としておもしろく編集されており、デザインも統一されている。
こういった新しい試みが国立の博物館で行われているということは、これから地方の博物館にも波及していくのかもしれない。図録についての感想は、またもう少しじっくりと読んでから書いてみたいと思う。
投稿者 corvo : 23:17
2005年8月29日
RICOH Caplio R1
今回の白峰では、新しく買ったデジカメが大活躍。
しかし、新しく買ったといっても、最新の機種ではない。(中古ではなく新品をヤフオクで)
自分にとっては非常に使いやすく、目的にぴたりと来る機種であった。RICOH Caplio R1
最高400万画素とたいしたスペックではない。普段はデータが重くなることを嫌って320万画素で撮っている。
露出補正、ホワイトバランスを迅速に変更できるところが嬉しい。ついつい好みでアンダー気味に撮ってしまう。
デジカメの撮影結果をも、スチールカメラの露出、シャッタースピードの目安に使えるかも。(当然、活用している方はいるのでしょうね)
投稿者 corvo : 22:10
2005年8月28日
白峰最終日
白峰最終日。(実際は帰宅後書いています。家に着いたのは29日の午前2時前)
昨晩の楽しい飲み会のあと、寝たのは午前1時過ぎ。朝の7時30分まで寝ていられたので、特に睡眠不足ということもない。朝から良い天気である。
望岳苑の宿泊している部屋から、白山連邦がはっきりと見える。
この日は午前中までの作業で、家路に着く予定・・・であったが白峰を出発したのは午後2時。
午前中のうちに脊椎動物の骨を2個見つける。
帰りの道中ほとんどが山道である。
白峰の化石壁が含まれる、手取層群はこのあたり一帯の山々に含まれている。
まだまだ手つかずの発掘地残されているはずである。
山々の間に見える、田んぼや民家。
今でこそ舗装道路が通り車で移動できるが、かつては険しい道を人力や家畜を利用して移動していた。
山をひとつ越えることは外国へ行くことと同義であっただろう。
日本の化石の産地は山深いところばかりである。
夏ともなると植物が生い茂り、まさに藪の中だ。
まだ日本の古生物研究は始まったばかりなのだと思う。
化石には人々を魅了する何かがあるのだろう。化石に魅了された人たちが、山に入り露頭を見つけて採集し研究を底辺から支えてきた。
しかし、中には化石をコレクションすることに心を奪われて、無許可で山に入り(個人所有であったり、国定公園に指定されている場所も多い)採集を繰り返す人たちもいると聞く。
きっかけは熱心な愛好家の存在があると思うのだが、化石を通して知的好奇心を共有することに魅力を感じる。
採集された化石を人類共有の財産として、適切に扱っていくべきだろう。
まだまだ黎明期にあるこの分野。多くの人々に知ってもらい、理解してもらうことが重要である。
以上、白峰からリポートのでした。
投稿者 corvo : 23:49
2005年8月27日
白峰7日目
白峰に来てちょうど1週間。(実際は29日の帰宅後書いてます)
ぐずついていた天気もようやく落ち着いて、夏らしい晴れた空が広がる。
手取川の水量もずいぶん少なくなった。
化石を見つけるのにルーペを利用する。これは10倍のもの。
ルーペを覗きながら石の表面をまんべんなく探すという使い方ではなく、これはと思った部分の細部を確認するために使う。化石を見つけるための必需品。
レンズを通して見えているのは化石の部分だが、残念ながら植物である。
炭化して炭になっている。さわると脆く、すぐに壊れてしまう。
たまに炭にも強度の高いものがあり、「根性のある炭」と呼ばれている。
しかし、骨との違いはルーペで覗けば一目瞭然である。
週末ということもあり。参加者が一気に増える。
夜は楽しい宴会。たくさん飲むという感じではないが、「業界裏話」を肴に大いに盛り上がる。
残念ながら公表できない話が99%という純度の高さ。
聞かれても答えられないので、悪しからず。
投稿者 corvo : 23:56
2005年8月26日
白峰6日目
今日の午後は食後に白山民族資料館へ見学に。
ちょうどヒサクニヒコさんの原画展を開催中であった。
ヒサさんは恐竜の復元画で有名な漫画家なのだけど、今回は河童と天狗の絵本の原画展。
あたかも実在するようなエピソードを盛り込んだ楽しい絵である。
カッパの生活図鑑
テングの生活図鑑
展示されていたのは、民俗資料館に保存されている昔の旧家。
絵の雰囲気ととても良くあっていた。
上陸が予想されていた台風がそれてくれる。しかし自宅のある千葉へ上陸したようである。
台風が通り過ぎたのに、昼間はけっこう雨が降った。皆、軒下で石を割る。(僕は最初から軒下で作業している)
天気が悪く暗くなると化石を探しにくくなる。
太陽の光の力は偉大である。
一見骨に見える植物も、貝殻の破片も、光が化石の姿を露わにしてくれる。
明日は天気が良くなるとよいな。
投稿者 corvo : 21:56
2005年8月25日
白峰5日目
白峰5日目。さすがに少し疲れもたまってくる。
石を割る毎日。
今日からこれまで泊まっていた民宿を出て、望岳苑へ移る。ここはホテルのような設備を持つ宿泊施設である。食事もおいしく落ち着いて休める空間である。
食事といえば昼食に熊丼を食べた。文字通り熊の肉のどんぶりである。特別うまいものではないが、野趣あふれる歯ごたえが新鮮。
夜は久しぶりにすき焼き鍋を囲む。関西風ということで鍋奉行を買って出る。
使う調味料は砂糖と醤油とお酒のみ。関東のように割りしたは使わない(いまだに関東のすき焼きはちゃんと食べたことがない)。すき焼きなのでもちろん牛肉、半分ぐらい赤いぐらいが美味い。
「望岳苑」という名前、友人の研究者から指摘があったのだけど、英訳すると「The Overlook Hotel」。
そうキューブリックの映画シャイニングの舞台となるあのホテルの名前である。
ここ白峰も北陸にあり豪雪地帯である。山の上にある望岳苑は11月から冬の間は閉鎖される。
まさにThe Overlook Hotelと同じシチュエーションである。
もちろん、惨劇があったわけではないが・・・
夏はすずしく快適な宿泊場所である。
投稿者 corvo : 23:21
2005年8月24日
白峰4日目
今日は朝から久しぶりに朝から晴。日差しがきつい。
太陽の光があると化石も見つけやすくなる。(しかし今日は不発)
化石探しの達人たち。集中力と経験と知識の賜。
午後から休暇をもらって、ふもとにある福井県立恐竜博物館へ行く。
企画展「大空に羽ばたいた恐竜たち」を見学。
非常に良い標本が展示されている。日本で初めて公開される始祖鳥の標本も見ることができた。
いまだにMicroraptor guiの後肢にあったとされる翼の解釈には疑問がある。
とても空力パーツとして役に立ったとは思えない。
また、かれらの股関節が「股割り」のように開いたとも思えない。
企画展は残念ながら写真撮影ができないので、常設展の展示風景。
ただし、ストロボと三脚の使用はできない。
博物館で撮影を禁止することについては、まったく理解できない。
美術品などの場合、ストロボは絵を傷めるし三脚は入場者のじゃまになることは理解できる。
しかし、欧米では申請をすればイーゼルをセットして、油絵の模写を展示空間で行うことも可能である。
化石標本のように著作権もなく、ストロボにたいしてもそれほど影響がないと思われるのに、撮影禁止であることはおかしいと思う。
現に国立科学博物館は撮影を自由にすることができる。7月まで開催していた恐竜展も同様であった。
図録だけでは見ることができない角度、細部は是非とも撮影していきたいと思うものである。
今日のおまけ。化石探しに疲れて、恐竜と戯れる学生。この後どうなったかは定かではない。
投稿者 corvo : 21:00
2005年8月23日
白峰3日目
こちらは連日天気が悪い。
夜と朝に雨が降る。昨日は集中豪雨のような激しさだった。
しかし、昼間だけはぴたりと雨が上がるので調査が続けられる。誰の行いが良いのだろう・・・・
連日の雨で増水した手取川。濁流である。
今日は午後から新しい露頭(地層が露出したところ)を探しに、山にハイキングに。
舗装されていない林道が整備されているので、比較的楽に歩くことが出来る。
午前中は石を叩いて、化石を探す。朝から一時間ほどでさい先良く3個見つける。
化石を探すにはとにかくよく見るしかない。
石を割る前にあらゆる角度から観察する。小さなでこぼこになった一面一面を光のあたる角度を変えながら見ていく。
脊椎動物の骨が化石になっているところは、極めて特徴的な表情を見せる。
化石化している部分は植物も、貝も、骨も黒くなるのだけど、それぞれに際だった違いがある。
植物は炭化しており石炭のようにつやがあり脆い。
貝は若干茶色味を帯び、薄い膜が何重にも重なっているように見える。
骨は稠密で実に密度の高い黒である。実に美しい。しかし、もっとも数が少ない。
こういった言い方は変ではあるが、骨はじつに高級感がある。貝と植物は安っぽい。
まあ、そんなこと基準にしながら化石探している。
投稿者 corvo : 22:02
2005年8月22日
白峰2日目
白峰2日目である。今日から本格的に作業にはいる。
朝からひたすら石を叩く。
作業場はこんな感じ。ハンマーを使って、ちいさく砕いていく。ただし割れるたびに、断面を確認していく。
どんな小さな化石も見逃さないように注意と集中力が必要。
化石最終の途中でもクリーニングをして、化石の状態を確認することもある。
その化石がどういう状況にあるか、どういった形で保存されているか、この作業をとおしてより理解することができる。
ただし僕はここまでやることはない。(研究者でないとわからない領域でもある)
叩いて砕く前の石の状態。この中たくさんの化石があれば良いのだけど。
今日見つかった亀の化石。僕の見つけたものではない。
非常に状態の良い、甲羅の骨の一部。
昨晩は宿でトルコGPを観戦。
見所の多いグランプリであったが、またもやマクラーレンのワンツーならず。なんてこった。
個人的にそうとう悔しい結果であった。
実はF1の決勝の結果の予想を友人と賭けの対象にしている。
昨日の僕の予想は・・・・
1位ライコネン
2位モントーヤ
3位アロンソ
・
・
友人の予想は・・・・
1位ライコネン
2位アロンソ
3位モントーヤ
・
・
もうお分かりだろう。見事友人に表彰台を当てられてしまった。
昨日のレース、終盤を迎えてあきらかにマクラーレンワンツーで終わるはずであった。
あろうことか周回遅れのモンテイロがモントーヤに追突。順位は守ったものの、リアデュフェーザーを壊し空力バランスを失いコースアウト。アロンソに逆転されて万事休す。
悔しくて寝付きの悪い日曜日でした。
投稿者 corvo : 21:08
2005年8月21日
白峰到着しました
本日、夕方白峰に無事到着しました。
やはり思っていたよりも涼しいです。明日から化石たたく作業に入ります。
この写真のがけは特別天然記念物「化石壁」といって、白亜紀前期の地層を含むがけです。
この裏側を通すトンネル工事に伴って掘り出された岩石を調査するのが目的です。
ここ数日の雨で川が増水しています。
投稿者 corvo : 21:01
2005年8月19日
明日から白峰です
明日、20日から28日まで石川県の白峰に化石の集中調査に参加してきます。
blogの更新を初めて出張先からということになります。
多少、更新が滞ることがあるかもしれませんが、どうかご容赦ください。
集中調査の様子をお伝えできればと思っています。ご期待ください。
投稿者 corvo : 23:46
2005年8月18日
仕事場2
今日もお茶を濁すために仕事場。
明後日、20日から山ごもりのため、済ませておかなくてはならないことが山積している。
山ごもりといっても修行のためでもなく、格闘技大会に出るためでもなく、化石の集中調査である。
もうかれこれ5年以上参加しているのだけど、石川県の白峰という場所で行われている化石調査。
林道の工事にともなって採掘された白亜紀前期の地層を含む岩石を、ひたすら叩いて割る作業である。
もちろん恐竜の化石も見つかるが、当然少ない。
石を割るたびに、その断面を目を皿のようにして化石を探す。哺乳類などの場合、本当に小さな化石の断面しか見えない場合が多い。岩石のひとつひとつが親指の先ほどの大きさになるまで、化石を探しながら砕いていく。
まったく見つからなくても、それも一つの成果。何もなかったことを確認出来るのである。
仕事場に戻ろう。
今日はパソコン周り。整理されていないままに、書類も散乱している。
毎日、こんなところでメール打ったり、blog書いたりしてます。
Macしかありません。
投稿者 corvo : 23:20
2005年8月17日
仕事場1
現在、公開できない仕事をやっておりプロセスを紹介できない。
そこで仕事場の紹介でお茶を濁す。
復元画を描く仕事は、とにかくたくさんの文献、資料が必要である。購入したり、コピーさせてもらったりで日々増殖し続けている。仕事場の壁一面に本棚を作りつけているのだが、整理が悪いせいもあり、少々あふれ気味である。でも整理すれば、まだ大丈夫。
こちらの本棚は、古生物、生物関係資料がまとめてある。増えることはあっても、減ることはない。
中央近くに見える医療用キャビネットに、骨コレクションを収納している。このキャビネットの向かって右側に、画集、美術書の類を入れている。こちらも少々飽和状態。
明日はパソコン周りの紹介でも。(とお茶を濁し続ける)
投稿者 corvo : 23:23
2005年8月16日
更新完了
お待たせしました。更新完了しました。
blogはデザイン一新です。前の良かったと思われる方がいるかもしれませんが、しばらくこれでいきます。
画面の右側に最近のエントリーではなく、最近のコメントを表示するようにしました。
こうすることで古いエントリーにコメントを書いてもらった時でも、すぐに読むことが出来ます。
昨日予告したとおり、workshopとgalleryのcontemporaryを更新しました。
特にworkshopでは、これから取り上げて欲しいものなどリクエストいただければと思います。
今回は制作のプロセスの紹介でしたが、ここは何でも書いてしまう場所にしようと思っています。
それでは、これからもよろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 14:33
2005年8月15日
サイト更新中
世の中はお盆休みだったらしい。
個展の会期中「お盆休みはどうするのですか?」という質問を受けたので、「お盆休みとは何ですか?」と逆に質問したところ、「食べ物です」という答え。「おいしいのですか?」と聞いたところ、「とてもおいしいです。ちょっと辛いですが」
どうやらちょっと辛くて大人の味がするらしい。
と「お盆休み」の存在を忘れてしまうぐらい、休みらしいことは少ない日々でした。お墓参りにも、里帰りもしていません。
今回のサイトの更新は
・blogのデザインの一新。
・work shopのスタート。
projectの第一回目は「恐竜から鳥への進化」制作プロセス。
monthky coverはトップページイラストのブラキオサウルスについてのコラムです。
・gallery のcontemporaryに現代美術作品をアップ。(というか復活)
おそらく日付が変わって、朝起きたぐらいには更新完了していると思います。
しばし、お待ちください。
投稿者 corvo : 23:29
2005年8月14日
板橋区立美術館
今日は板橋区立美術館へ「ボローニャ国際絵本原画展」を見に、車で妻とでかける。
午前中に出たというのにすでに暑い。車を屋根のない駐車場においているため、すでに車内は蒸し風呂状態である。
この美術館はじめてだったのだが、閑静な環境のなかにひっそりと佇んでいて、良い雰囲気である。
この展覧会はコンペで選ばれた入選作を展示するもので、今年は2570名の応募から85名だけが選ばれるという難関である。(初挑戦の今年は駄目でした)
海外のコンペの特長として、出品料が無料であることがあげられる。極東の国、日本からイタリアまで作品を送ることは、ある程度のコストを見ておかなくてはならないが、出品料が無料であることでより多くの応募が集まるだろう。
国内のコンペを見てみると、出品料をとるところが多い。それもかなり高額である。入選しなくても、参加料として高額の出品料を支払わなくてはいけない国内のコンペは、何かが狂っているとしか思えない。
当然、入選しない場合は図録すらも送ってもらえない。例としては、10000円払って、送料を負担して、ハガキ1枚で落選の知らせが来る。作品を受け取る送料も負担しなくてはならない。これで応募者が集まるだろうか。しかも、国内に閉じられたコンペばかりである。
今日、美術館のトイレで面白いものに出会った。
中国人現代作家牛波の作品で、デュシャンの作品「泉」のパロディである。
そう、実際に使用できる便器なのである。当然、使用してきた。この写真を掲載することが適当かどうか(著作権法上)迷うところだが、紹介したいと思う。問題があるということでしたら、お知らせください。すぐに削除します。
鏡を使って、「泉」と同じ角度にしたところ。
全景。
投稿者 corvo : 23:04
2005年8月13日
ETV特集
今日、個展で販売した版画の再版分が届く。額装も終了し、近々お手元に届くことになると思います。
しばしお待ちください。ギャラリーで見る印象と、自宅で見る印象の違いを楽しんでください。
原画をお買いあげいただいた方は、もうそろそろ届いているころではないでしょうか。
ここのところ画像の紹介が少ないのだけど、絵は毎日描いています。
ただ、紹介できない仕事であるためプロセスをお見せすることが出来ません。
ある本の表紙なのですが、出版されるまでしばしお待ちください。
昨日から、続けてNHKの番組の話題。
「零戦ニ欠陥アリ」。これが非常に興味深い番組であった。
この番組は戦争の是非を問うものではないし、戦争を正当化する内容でもない。
純粋に零戦の性能、欠点を技術的な視点から再評価し、当時の海軍組織の致命的な欠陥をあぶり出すというものであった。
零戦を開発した技術者たちは徹底的に技術と向き合い、問題を解決しながら開発を進め、零戦を完成させていく。
一方、海軍上層部は理想に妥協することなく、零戦に対する要求の優先順位を決めることなく、全ての難題を技術者におしつけていく。
理想にたいする妥協がなかったからこそ名機と呼ばれる零戦が完成するのだが、妥協しなかった(出来なかった)ために重大な致命的な欠陥を持つことになってしまった。
そして、この欠陥は海軍の強い意向で改善されることなく、神風特攻隊の悲劇へとつながっていくのである。
技術者たちはこの欠陥に気づき、何度も改善の機会があったにも関わらず、プロデューサーである海軍の間違った判断によりなすすべなく(終戦間際に改良された試作機が出来ていたのだが)終戦をむかえることになる。
この番組が作られたきっかけは、技術責任者が残した詳細な零戦に関する技術メモが見つかったからである、
終戦時、焼却命令が出ていたにも関わらず保管し続けていたものらしい。技術や経験が断絶してしまうことは、その社会にとって大変な損失である。こういった資料が発見され、有効に活用されることはとても意義がある。
しかし、かつての海軍にあった組織構造の致命的欠陥は、現在の日本社会にも極めて純度の高い状態で脈々と受け継がれているように思う。
本来受け継がれるべきものが伝わらず、反省し改善されるべきものが手つかずで放置されている現実。
いろいろなことを考えさせてくれる番組であった。
投稿者 corvo : 23:43
2005年8月12日
トップページリニューアル
報告が遅れました。
もうすでにご存じの方も多いと思いますが、サイトのトップページのイラストをリニューアルしました。
個展も終了したので展覧会情報を削除し、描き下ろしブラキオサウルスに更新。
定期的に変更していく予定なので、ここでもリクエストありましたら是非お願いします。
昨日、NHKで7時のニュースを見た後、何気なくチャンネルそのままにしているとドラマが始まった。
いつもならクローズアップ現代のところなのだけど、どうやら夏休みに入っているらしい。
このドラマの舞台が三重県菰野町。実は三重県出身でありながら、菰野町という地名も場所も知らなかった。
今年の夏の甲子園に菰野高校が出場したということで、なんとなく名前を覚えていただけである。
このドラマ「七子と七生~姉と弟になれる日~」というタイトルなのだけど、これが予想外に良いドラマでした。
原作は瀬尾まいこの「卵の緒」に収録されている「7′s blood」。といっても未読で、作者も今日になって初めて知ったような次第である。
菰野町は知らなくても、僕が育った久居に似た風景がそこにはあった。青々とした田んぼ、低い建物、すぐ近くに見える山々。関東に出てきて18年。三重で過ごしたのと同じ時間を経過したのだと思いながら、画面を眺めていた。
内容についてはここでは書かないけど、もし見る機会があればおすすめです。
投稿者 corvo : 23:30
2005年8月11日
恐竜の色は?
以前から、必ずでる質問として「恐竜の色は分かるのですか?」「どうやって決めているのですか?」というものがある。
聞かれたときは、ちょっとうんざりした表情をしながらも、にこやかにはっきりと「分かりません」と答えるようにしている。
そう分からないのである、というのは表向きの解答で、実はかなりのことが判明している。
しかし、そのノウハウには企業秘密の部分がある。
これまでこのblogの読者にしてみると、企業秘密のないことがこのblogの美点であると感じていたと思う。
裏切ってしまって申し訳ない。
それというのも、これは僕だけの問題ではなく、学会における決まり事なのである。
ここに画像で紹介した「古生物の色彩決定チャート」であるが、エディションに注目してほしい。(小さくて読めないかもしれないが)15/200である。ということは、日本国内では200部しか発行されていない貴重な文献なのである。
この文献を手に入れるためには、国際古生物学会から「古生物復元アーティスト」として公認を受ける必要があり、毎年4月1日に認定試験を受けて、その資格を更新する必要がある。
これが毎年かなり厳しい。ついついその時期はナーバスなってしまう。なんといってもこの文献がなければ、仕事ができなくなってしまうからだ。
ここで少しだけ目次の紹介をしておこう。
1.序文
2.古生代の適切な色彩
・先カンブリア時代の流行色
・カンブリア紀のボディデザインと色彩の関係
・オルドビス紀、この地味な時代をどう彩るか?
・シルル紀、攻略!海サソリにはこの色だ!
・デボン紀、魚のバリエーションを色彩で再現!
・石炭紀、石炭紀といってもモノクロの世界じゃないぜ!ビビッドな色をワンポイントに構成。
・ペルム紀、大絶滅の終末感を色彩で豊かに表現せよ!
・
・
・
・
もう、ここまで来たらお気づきだろうか。
この話、賢明な読者がよもや信じることはないと思うが・・・・・・・・
毎度、おなじみ馬鹿話である。
まちがっても自由研究の参考にしないように!
投稿者 corvo : 00:03
2005年8月10日
最終日
最終日。無事、終了いたしました。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
会期中は毎日疲れがたまっていくのだけど、終了の瞬間はいつも寂しい気持ちになる。
でも、搬出の時間がせまってくるので、すぐに気持ちを切り替えて片づけに入る、
デパートでの荷物の出し入れはこまかなルールが決まっており、慌ただしく作業を進めていく。
自分の車に残った作品を満載し、帰路につく。いつかは空荷の車で帰りたいものである。
今回、会場で芳名帳を置いてなかったのには訳がある。
「個人情報保護法」が施行されてから、お客様の名前、住所を書いてもらうことが難しくなったのだ。
特にデパートでは神経質になっており、芳名帳に書かれている個人情報が見られる危険性を考慮にいれているらしい。
しかし、作家としてはデメリットの方が多い。お礼状を出すこともままならなくなる。
そこでと思い、アンケートも用意していたのだけど、「差し支えなければ、連絡先をお書きください」の一文があったため、NGが出てしまった。もっと事前に稟議にかけてOKをもらわなくてはいけないらしい。窮屈である。
アンケートでは好きな古生物や、これから描いて欲しいものを書いてもらおうと思っていたのだけど、実現せずに会期を終えてしまった。
なので、あらためてこのblogで募集します。
これから描いて欲しい古生物を5種類。コメント欄にお願いします!
投稿者 corvo : 21:57
2005年8月 9日
6日目
今日は午前中に短いエッセイの原稿を仕上げる。
出かける前に編集部へファックスしておいたのだけど、午後に担当者が会場にきてくれて直接OKをもらう。
ホッとしました。
会期中、お客さんのいないときに何度かノートでの執筆を試みたのだけど、いつも疲れから轟沈。
メモ程度しかとれていなかったものを、今日の午前に一気に書き上げたのである。
といっても1100字程度の短い物でした。
お客さんが居なくなったときの居眠りがますますひどくなる。
ふとした隙に意識が飛ぶ。
明日は、搬出なので朝早くから車で出かけなくてはいけない。
後1日がんばります。最終日は午後4時30分で閉場です。
投稿者 corvo : 23:46
2005年8月 8日
5日目
5日目も無事終了。
さすがに疲れがたまってきて、奥の秘密の小部屋で少し昼寝をさせてもらう。(寝ぼけていてすみません)作品を買っていただく方の傾向を見ているとおもしろく、選び方に本当にこだわりと個性がある。
「まさか誰も買わないだろう。」と思っている物が、その方の趣味にぴたりと合い即決ということがある。
今回の個展はwebとblogを始めてから初めての個展ということもあり、毎日新しい出会いの連続である。今日は blog本のシャワーにさらす肌の中村びわさんと初めてお目にかかる。ひょんな事でネット上で知り合ったのだけど、これまで何度かメールでのやりとりがあったせいか、意思の疎通がスムーズに出来る。楽しいひとときでした。
また、blogを予想以上に多くの方に読んでいただいていることに驚く。(「読んでます」という言葉を聞いて)
それと「blog毎日更新ですごいですね。さらに猫工房も。」と良く言われるのだけど、「猫工房」は妻のblogです。
とても両方は無理。
典型的な三日坊主であった僕が一月以上も毎日更新しているのは驚異的である、と自分でも不思議。
午後7時頃に平山廉さん登場(ご来場)。いろいろな話題で大いに盛り上がり、そのまま二人で夕食に。
平山さんはいつあっても、どんな時でも、変わらず接してくれる貴重な友人である。
さて、あと2日。もう一踏ん張り。
投稿者 corvo : 23:55
2005年8月 7日
日曜日
日曜日ということもあり、朝から知人、友人、親戚、家族が入れ替わり立ち替わり、会場へ足を運んでくれる。
暑い中、ありがとうございました。
今日もまたネットを通じて知り合った方々との出会いがある。
一昨日はサイエンスライターの森山和道さんと、今日はその森山さんからネット上で通じて知り合った森下一仁さんと初めてお会いすることができた。
また、前々回の個展以来2回目となるK?REXさんとも久しぶりに会って話をすることができた。
作品を展示している空間は、ある意味自分の神経がむき出しになっている感覚がある。
この場で人と会うことはとても楽しいひとときだが、いつも以上に疲労感を感じるのも確かである。
でも、楽しんでください。気楽にご来場ください。
絵本ティラノサウルス他、僕の関連書籍をお持ちいただければ、いつでもサインいたします。
後、3日よろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 23:21
2005年8月 6日
3日目
今日も暑い。うだるような暑さである。
あまりに暑いためか、週末というのにデパートのお客さんも少ないようです。
今、個展をしている会場には奥に秘密の小部屋があります。
この扉をひとたび越えると、怖いお兄さんたちに取り囲まれます。
そして、売買契約書に判子を押すか、サインをするかしないと外へは出してもらえません。
拒否するとどうなるかは、本当に秘密です。
おかげで順調に売り上げを伸ばしています。ご協力ありがとうございます。(もちろん小部屋の話は嘘)
秘密の小部屋の扉。
冗談は抜きにして、暑い中ご来場いただいている皆様、感謝感激です。
「良い物を見た!」と思って帰ってもらえていると良いのですが。
お買いあげいただいている皆様、本当にありがとうございます。
日曜日は午前中から、会場に詰めている予定です。サイン会も僕が会場にいれば、時間にかかわらず開催します。
後4日、皆様よろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 23:57
2005年8月 5日
2日目
個展、2日目も無事終了。
ギャラリーは出会いの場でもあります。
初めてお会いする方もたくさんいます。過去の個展がきっかけでご来場いただく方もいます。
久しぶりに会う友人と旧交をあたためたり、ネット上では7年ほど前から知り合いであったのに、初めて面と向かって会った人がいたりと、いろいろな出会いがあります。
リクエストでエイニオサウルスを描きましたが、今日お買いあげのお客さんから着彩のオーダーが入りました。
着彩したもの。Einiosaurus procurvicornis
初日にいただいた素敵なお花。
毎日、2時から3時までサイン会ということにしているのですが、告知が徹底していないためか希望のお客さんが、ほとんどいらっしゃいません。
僕の関係した本であれば、持ってきていただければサインします。(東武の本屋で必ずしも購入する必要はありません)
それでは、また明日からよろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 22:43
初日を終えて
個展、初日を無事に終えることが出来ました。
また、たくさんの方にご来場いただきありがとうございました。
すこしでも当日の様子をと思い、会場の様子をアップします。
もしご来場いただいたら、僕に気軽に声をかけてください。
今回、どうしても会場が狭いため、飾り付けできない作品が多数あります。
手袋をつけて、販売員か僕が立ち会いのもと、作品を見ていただくことが出来ます。
投稿者 corvo : 01:09
2005年8月 4日
初日
個展初日。
これから会場へ向かいます。
このblogで紹介してきたアパトサウルス、サイカニア、リクエストシリーズ、小学館の図鑑NEO「大むかしの生物」掲載の復元画を展示します。
ただし、会場が狭いため全ての作品を一度に展示することができません。
会場にいる販売員か、僕に声をかけていただければ、展示されていない作品もご覧になっていただくことがきます。
また、作品の販売もしていますので、お気軽に声をかけてください。
会場にいれば、質問にも答えさせていただきますし、軽い雑談も歓迎です。
今日は朝10時から会場に詰めています。
帰宅後、今日の展覧会の様子をアップします。
たくさんの方にご来場いただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
投稿者 corvo : 08:08
2005年8月 3日
明日、オープンです。
いよいよ個展オープンが明日になりました。
今日、無事に搬入と展示を済ませてきました。
今回は額の手配の遅れから、予想以上に時間がかかってしまい、くたくたです。
とりあえず、後は初日が来るのを待つばかり。 といっても、もうすぐ当日ですね。
展示中の様子。ブログでプロセスを紹介してきたアパトサウルスとサイカニア。
小品もいくつか出品します。もちろんリクエストシリーズも!
投稿者 corvo : 23:51
2005年8月 2日
明後日オープン
もう明後日には個展オープンである。
この段階で作品に手を入れることはほとんどせず、作品リスト作り、額装といった作業が中心となる。
今回は原画の販売だけでなく、シルクスクリーンとジグレー版画の販売を試しにやってみようと思い、2点だけ製作した。共に100部限定。
シルクスクリーンはSichania chulsanensisの骨格復元図。こちらは原画は出さずに版画だけの出品。
Saichaniaは記載されている恐竜なのだが、頭骨と部分骨格しか報告されておらず、全身の骨格図はおそらくこれだけである。ただし学術的に認められている図版というわけではなく、取材した資料をもとにオリジナル制作したものである。
もうひとつのジグレー版画というのは、最近普及しつつあるデジタル技術を利用した表現方法である。インクジェットプリンターで出力しているのだが、その耐久性と再現性は驚くほど高い。案内状に使用したSichania chulsanensisの復元画である。こちらは原画と版画の両方を出品する。
これらの製作をお願いしたのは小林美研。細かな相談にものってくれる、良心的で確かな技術を持った工房である。
左がジグレー版画、右がシルクスクリーンである。
今日、本が届く。友人(といっても水口さんのほうがずっと年長者です)でもある写真家の水口博也氏の新著である。風の国・ペンギンの島各章のタイトルにつく小さなカットを制作した。
著者名の下の小さなペンギンのカット。
投稿者 corvo : 13:36
2005年8月 1日
不具合の修正
昨日、お知らせした不具合を修正しました。
コメントの書き込みで文字化けをすることはありません。
これからも、どんなことでも書き込みよろしくお願いいたします。
話は変わってF1
昨晩のハンガリーGPは見応えのあるレースだった。ポールからスタートのシューマッハが、珍しく良いスタート。
続くのはマクラーレン勢。その後ろで大きなアクシデントが起こり、上位勢ではアロンソ、バリチェロが車を壊し修理のためにピットインを余儀なくされる・・・。
くわしくは他の媒体を見てもらうとして、2回目のピットインを終えた後のライコネンの速さは凄まじかった。まったく別のカテゴリーの車がいるかのようなラップタイム。残念だったのは違う作戦で優勝も可能な位置にいた、ライコネンのチームメイトのモントーヤ。41周目にドライブシャフトの破損で、あえなくリタイア。マクラーレンは2台揃って完走することがほんとうに少ない。
たらればは禁物だが、そのまま走っていれば間違いなく1,2フィニッシュであっただろう。
そして、佐藤琢磨が8位入賞で今期初ポイント。今日の報道で父親になることを知る。パートナーとの間に子供が授かったというおめでたい話なのだけど、結婚するという言葉はどこにもなかった。確かまだ独身だったはず。いずれ、その発表もあるのだろう。
先日のコメントにもちょろっと書いたのだけど、フジの地上波のF1放送には腹が立つ。タレントはいらない。実況もひどい。実況中に「どちらを応援しますか?」なんてタレントに聞く必要などない。実況は実況に徹して、解説者から的確な発言を引き出してほしい。
F1の実況といえば古館氏が有名であったが、正直あの当時はうるさくて嫌いだった。しかし、彼は実況中ドライバーやマシンをほとんど間違えることなく、解説の今宮氏、ピットレポーターの川井ちゃん(あえてちゃんづけで)から、的確な情報を引き出していた。それに比べれば、ここ数年の実況はひどいものである。スカパー!入ろうかな。
今日はアパトサウルスの鉛筆デッサンに加筆する。
個展のための作品リストのまとめ、額装といった作業が山積している。
オープンまで後4日。
投稿者 corvo : 17:02